東京生音生活vol.3

いよいよ,今月は私の誕生日です。今年もやります,誕生日ライヴイヴェント。
今年も準備万端,残りの不安要素は,集客だけです。皆さん,よろしくお願いします。
宣伝用に、この日記をトップに持ってきています。日々の日記は随時この下に更新されますので、そちらもお読みください。

東京生音生活 vol.3

主催者:geopolitical critique
年間200本以上のライヴに通う男が,自分の誕生日をお気に入りの空間で好きなミュージシャンに囲まれて過ごそうという非常に個人的な目的で,2年前から始められたイヴェント。しかしそれは,コンサートやライヴを,現実逃避や非日常と捉えるのではなく,まさに日々の暮らしを豊かにしてくれる日常として組み込んでもらいたい,そんな想いを込めたイヴェントです。

日時:2009年7月26日(日)
場所:谷中ボッサ(tel. 03-3823-5952 営業時間 11:30~20:00火曜定休)
時間:17:30開場,18:00開演
料金:3000円(予約者は1ドリンク含む)
狭いお店なので,早めに予約をおすすめします。当日店内は禁煙とさせていただきます。早めの時間の開演で,駅からもそれなりに距離がありますので,明るいうちに谷中散策をお楽しみくださるといいと思います。このお店は素材にもこだわったブラジル料理が絶品ですので,是非早めに来店して,開演前にお腹も満たしてください。
ご予約は、お店に電話、あるいは主催者までeメールで申し込みください。メールタイトルを「7/26予約」とし、予約者のご本名と人数とをお知らせください。追って確認メールを返信いたします。30名様限定となります。

出演者:

casa(vo.古賀夕紀子,gt.古賀美宏)
姉と弟によるユニット。ブラジル音楽をベースとしながらもオリジナル作品で独自の世界観を紡ぎ出します。染み渡る穏やかな歌声ながら,その奥に秘めた力強さを併せ持つ姉と,口数少なく寡黙ながら大胆で挑戦的な音色を聴かせる弟。姉弟だからこそそこに生まれる調和を体感あれ。幻の『ハナウタリズム』(オヤスミレコード)から,『すみわたる』『歌十色』(どちらもMIDI Creative)まで,3枚のアルバムを発売。

神田智子(ヴォーカル)+黒川紗恵子(クラリネット)+早川 純(バンドネオン)
3人とも東京藝術大学出身。anonymassのヴォーカルとして軽やかな歌声を持つ神田智子に,コーコーヤなどでワールドワイドな音楽に確かな演奏技術で挑戦するクラリネットの黒川紗恵子、そして若きバンドネオン奏者早川 純が加わり、この日限りのユニットが登場します。予測不能なアンサンブルを乞うご期待。

Blog_2

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横浜遠い

6月30日(火)

渋谷クラブ・クワトロ emi meyer
emi meyerちゃんの初めてのワンマンライヴはバンド編成。かなり若い感じのベーシストとドラマーによるトリオ演奏。そういえば、生ピアノでの演奏を聴くのも初めてかも。ゲストは高田 漣さんですが、この日はペダルスティールはなし。エレキとワイゼンボーンでの参加で出たり入ったり。2部構成で、2部の冒頭で一人で一曲やりましたが、基本的にはサポートという位置づけ。まだ8曲入りアルバム『curious creature』(今年発売された日本盤は1曲ボーナストラック)だけの彼女がワンマンなんてって思ったけど、けっこういけるもんですね。アンコールもあって、14,5曲というところでしょうか。ぱっと見では落ち着いて見える彼女ですが、何度かライヴに足を運んでいると、やはり21歳だなあと思う側面も。けっこうお客さんも入っていて、いい感じのライヴでした。9月には下北沢440でのライヴでまた来日してくれます。

7月2日(木)

関内KAMOME アルカイック
仙道さおりさんが産休明け初めてのアルカイック。退社後直接行くと時間的に余裕があったが、伊勢佐木長者町にある古書店で時間をつぶそうと、行ってみると木曜日が定休日。どこかでゆっくり夕食でも食べようと思ったが、よさそうなお店は見つからず、結局19時過ぎにKAMOMEに着き、そこでハヤシライスを食べることになった。店内は暗くて読書には向いていないので、ちょっとウトウト。ちなみに、久し振りのアルカイックだというのにお客さんの入りはあまりよくなく、予約の早かった私は仙道さんの目の前でした。アルカイックとはパーカッショニスト仙道さおりさんと、ピアニスト林 正樹さんのユニット。とにかくすごいんです。仙道さんも気合が入っているようで、コンガにボンゴ、ジャンベ、スネアドラム、もちろんカホンにパンデイロ、その他いろいろとフルセットです。やはりさおりさんも出産してやわらかくなったというか、終始リラックスしたステージ。ほとんど即興のような林さんとのやり取りが魅力のステージでした。CDで知っている曲でも、途中でメロディとか違うし、そもそも1曲が10分ほど続きます。そして、彼女の息子、八(エイト)君の話になるともう顔が緩んじゃって。先日の一十三十一の時もそうだったけど、やっぱりどんな女性でも母親になるんだなあと実感。なんだかんだで、2ステージにアンコールも含めて23時前まで。引っ越してなぜか横浜方面が遠くなったんだよな。一旦渋谷まで出て帰宅。

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夏風邪ひき気味

6月28(日)

タワーレコード新宿店 矢野まき
さすがにこの日はのんびりと、昼から外出して、タワーレコード新宿店へ。ちょっと早めの13時に着いたが、まだ機材のセッティング。様子をうかがいながら店内をウロウロ。35分前くらいにお客さんが前方に集まっているのに気づいて急いで入る。4列目くらいでしたが、最終的には3列目に移動。周囲の人たちの関係から、けっこういい感じでまきチャンが見える位置をゲット。リハーサルからしっかり見ました。この日は今回のアルバム『本音とは愛よ』(まさに彼女らしいタイトルだ)のプロデューサー松岡モトキさんともう一人のギタリストがサポート。久し振りの彼女の生歌をこんな間近で聴くとやっぱり迫力あります。この日はサイン会もあったせいか、僅か3曲、アルバムから歌ってくれました。今度の日曜日にはワンマンライヴがあるので、ますます楽しみ。さて、この日のイベント参加券には「サイン色紙を本人から渡し、握手をします」とあったので、その場でのサインではないと判断し、ジャケットを持ってこなかったが、なんと急遽変更でサイン会になった。「お持ちのもの一点に何でもサインします」とのことだったが、この日は荷物が少ない。しょうがないので、眼鏡ケースにサインをいただく。まきちゃんは「なんですか、これ?」って感じでしたね。幸い最初の方に並べましたが、サイン会はどのくらい続いたのだろうか...

新宿武蔵野館 『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン
木村拓哉が出演していることで話題になった、フランスの監督トラン・アン・ユンによる作品。『甘いパパイヤの香り』の監督である。日本の木村に加え、韓国のイ・ビョンホン、米国のジョシュ・ハートネットを配し、フィリピンから香港を舞台にした作品。はっきりいって,木村拓哉やイ・ビョンホンを目当てに来たお客さんにはあしからずの内容。たまには丁寧に物語を書いてみようか。ジョシュ・ハートネットは元刑事。とある連続殺人犯の事件を機に刑事を辞める。その殺人犯とはアトム・エゴヤン作品によく出ているイライアス・コティーズ。まさに変態ぶりを発揮しています。次々と殺した遺体をつなぎ合わせてオブジェを制作するという自称芸術家。ジョシュ演じる刑事は参与観察のように犯人に近づき,まさに犯人と精神的に同一化することによって,犯人に接近する。結局,その殺人犯は彼に喜んで殺されることで事件は解決するが,彼に残された傷は大きい。私立探偵となり,彼は木村拓哉演じる男性を父親の命によって探しに行く。フィリピンで殺されたはずの木村は香港で生きていた。なんと拳銃の傷くらいは自然治癒力で完治してしまったのだ。そして,彼は香港で住民の傷を自らの身体に転移させ,治療するという活動をしている。そんな時に,交通事故で彼の元にやってきたのがトラン・ヌー・イェン・ケー演じる若き女性。実はこの女性はイ・ビョンホン演じるヤクザ男の愛人なのだ。イ・ビョンホンは人の命など屁とも思わない極悪人だが,この愛人だけには弱い。散々探し,木村と一緒にいるところまでは突き止めるが,見つからず,木村のところで覚醒剤の中毒症状を完治させてイのもとに現れる。一方,ジョシュの方も今度は木村自身になりきろうとしながら彼を探す。そんな3人が出会ってはすれ違っていく物語。あまりちゃんとした説明にはなっていないな。まあ,ともかく突拍子もない設定が多い物語ではあるが,個人的には結構好きな作品。まあ,木村君はひたすら痛みに耐えるシーンばかりで演技がどうのといえるものではないが。
ちなみに,私の左隣のカップルは女性が男性を無理に連れてきたようで,男は終始退屈しているようす。木村が出てくれば「あれキムタク?」,イが出てくれば「あれビョンホン?」などとテレビで観ているように,スナック菓子をほおばりながらうるさい。エンドロールが始まれば,「あれ?終わり?じゃあ,俺外で煙草吸ってるから」と一人出て行こうとする。

恵比寿カチャトラ
ここにくるのは数年前。やっぱりここでよくライヴをしているマウントシュガーのライヴだった。終わる頃におおはた雄一さん、ノラオンナさん、高橋ピエールさんなど次々とミュージシャンが遊びに来て、すごいことになっていたのは記憶に鮮明だ。その時はノラオンナさんとピエールさんの演奏は聴いたものの,残念ながらおおはたさんのライヴが始まったのは日付が変わる頃だったということで,その前に帰宅したのでした。さて,この日も願ってもない,私が好きな3組の組み合わせ。しかも,店内にはカセットコンロスのドラマー福家さんと,ヤマカミヒトミさんの姿まであります。当然飛び入りですよねえ。と,ちなみにヒトミさんは髪の毛がストレートになっていてびっくり。一方で永山マキさんは10年ぶりというパーマをかけての登場。
マウントシュガー:なんと,驚くことに1曲目は亜里沙ちゃんがギターを持って,一人弾き語り。これが結構いい!というよりも,亜理沙ちゃんのヴォーカルが圧倒的な力を手に入れている。それもそのはずというか,マウントシュガーのライヴはほぼ2年ぶり。森君が参加し,2人で1曲。そして,どんどん増えていきます。キーボード,ベース,そしてやはり福家さんがパーカッションで乱入。そんな具合。いやあ,いいですマウントシュガー。今年も九州への旅,カフェウィークをしてきたらしく,その成果として4曲入りCDを作成。もちろん自主制作です。レコード会社との契約はどうなったのでしょう...
高鈴:一方,こちらはいつもどおり2人での演奏。今年出た新しいCD『ヒビノウタ』が発売されてからは初めてのライヴ。「今日は高鈴を知らない人も多いようですが,皆さんの心を鷲づかみにして帰ります」と気合の入った言葉でいつもどおりの演奏。CDの曲をライヴで聴けて満足。高稲さんが結婚したせいか,楽曲や演奏に丸みが帯びてきましたね。演奏後,持参したCDに2人でサインしてもらう。さすがにこの日はそういうシチュエーションになるとは予想していなかったようで,2人ともとても喜んでくれました。
永山マキ:この日はギターのイシイタカユキさんとドラムスの栗原 努さんとのトリオ。マキさんの歌声もなんだかんだで昨年末以来。まあ,想像しただけでもこの3人なら素晴らしくないはずがないという感じで,いうことなし。そしてもちろんここではヤマカミヒトミ氏がフルートで参加。カチャトラのマスターも参加したりして,超盛り上がり。2回しか来ていませんが,この店らしい雰囲気でしたね。
そんな感じで,時間的にもすっかり遅くなってしまったので,高鈴のお2人にだけ挨拶して帰宅。

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1週間遅れですみません

6月27日(土)

講義の後、渋谷へ。この日も夜に池袋でライヴだったが、池袋では観たい映画があまりないので、渋谷で2本。その前に献血です。土曜日に献血というのは時間的に余裕を持たないといけないものですが、新しくできたこの渋谷のど真ん中の献血ルームはなぜか空いている。献血後、ドーナツとアイスクリームを食べて昼飯に代える。

渋谷シネフロント 『愛を読むひと
ケイト・ウィンスレットがアカデミー賞主演女優賞を獲得した作品。まあ、彼女は若い時からノミネートされていたので、ようやくという感じだが、正直いうとこれまでの作品と比べて本作の演技が飛びぬけてよかったとは思えない。彼女がヌードを披露したのも今回が初めてではないし、むしろいつもどおりの演技だ。なので、よくあることですが、今までの作品を含めて総合的な評価での受賞という感じでしょうか。前半は予告編で想像できるどおりの展開だったが、後半思いもかけない展開になる。ここがアカデミー賞に絡んでくるのに相応しいところといえようか。ケイトの相手の若かりし頃を演じたデヴィッド・クロスがとてもよい。顔の作りが、亡くなったヒース・レジャーに似ていると思うのは私だけだろうか。でも、大人になってレイフ・ファインズってのはどうなのか?まあ、彼女が姿を消してから、人が変わってしまったという展開だとすれば分かりやすいとはいえるけど。レイフ・ファインズの役どころもけっこう固定してきてしまっている気がする。
さて、今回はネタバレをやめて後半の展開については説明していませんが、そのあたりでなぜこの作品が英語圏の俳優をつかいながらも舞台がドイツなのかってことが分かってくる。でも戦後20年が経過してのこの問題を扱うってのがなかなか新鮮で面白い。

次の映画とライヴの間には時間的な余裕がないので、ここでブランチ。といってもラーメンだったが。

渋谷シアターTSUTAYA 『幼獣マメシバ
佐藤二朗主演のほんわかムービー。なにやら地方局のテレビドラマでもやっていたものらしく、けっこうな人気。シアターTSUTAYAでも客席の多い地下のスクリーンでしたが、かなりお客さんも入っています。佐藤二朗が主演とくれば観ないわけにはいきません。しかも、共演が子犬とくれば、『イヌゴエ』や『ネコナデ』的雰囲気ですね。ストーリーを語るのはもったいないのでやめておきましょう。ともかく、35歳の引き篭もり役の佐藤二朗ははまり役すぎます。役名もそのまま「二郎」。藤田弓子演じる彼の母親は行方不明になり、さまざまな方法で彼に自分を探すように仕向ける。その一つが、「一郎」と名づけられた豆柴犬(一応正確にはそういう犬種はいないそうです)。この子犬を頼りに母親を探すロードムービー。そこに登場するのが安達祐実。子役から出てきて「可愛い」が先行していた彼女ですが、やはり美人ですね。本作の役どころはなかなかいいです。人世話を焼くとてもいい人で登場しながら、久し振りに実家に帰ると、家族の間では嫌われ者であることが発覚する。登場する一人ひとりに事情があって、そんななかで二郎が一郎への愛情を深めつつ成長していく(?)物語。
先日のblogタイトルでちょっと先取りしましたが、『ウルトラミラクルラブストーリー』、『路上のソリスト』、そして『幼獣マメシバ』は主人公が同じ精神的性向を抱えている。つまり「頭のなかで鳴り響く声」である。『ウルトラミラクル』の場合には「声」という明確な形をとらないが、後二者はそれが明確に表現されている。簡単にいってしまえば被害妄想的なもので、時折発作のように、見知らぬ他人も含めた周りにいる全ての人が自分を非難しているような幻想を抱いてしまう。こういう人たちのことを自閉症と呼ぶのか分からないし、そもそも「そういう人」とか特定の病名とかで一括りにしていいものかわからない。またそれらを俳優がフィクションのなかで演じることをどう倫理的に捉えたらよいのかも分からない。今、私が通勤に使っている電車でも途中の駅にそうした人が通う学校か職場があるようで、毎日奇声を発しながら降りていく男性がいたりして、不謹慎な言い方だが、かれらを見ているのは興味深い。よく、かれら(また一括りにしているが)は映画のなかでもとても記憶力がいいといったりするが、ちゃんと一人で電車の乗れるし、日常生活で困ることはどういうことなのだろうか。
私はまだ観ていないが、日本のドキュメンタリー映画で『精神』ってのが上映中だ。その映画に、河瀬直美氏は「精神病患者と健常者の区別が分からない」というコメントを寄せている。まさにそういう感じなのかもしれない。上に挙げた3本の映画は、ひょっとするとそういう人たちへの侮蔑的表現だという非難があるかもしれないし、そうしたフィクションを観て、そういう人たちについて分かったつもりになるのも危険だったりする。しかし、じゃあ、一見健常者と見える人については全く理解できているのかというところが問われる映画なのではないだろうか。ちょっと話がそれましたが、素敵な作品です。

池袋鈴ん小屋 辻 香織
2007年は6回もライヴに行った辻 香織ちゃんだが,調べてみたら2008年はFABでのワンマンに一度行ったきり。今年もこれが初めてです。すっかり髪の毛が伸びた彼女ですが,帰ってblogを見たら,久し振りに前髪を短くしたとのこと。さて,私は開演時間5分前ほどに到着したので,後方の入り口に近いところに座って開演を待つ。その後もけっこうお客さんが来て,このお店にこんなに入るんだなあって思う。でも,FABで後方がすかすかになるよりも,このお店くらいがちょうどいいように思う。それにしても,辻 香織ファンにはけっこう女性一人客が多い。しかも意外とキレイどころだ。といっても,気軽に声を掛けづらい雰囲気もあったりして。そして,団体男性客もけっこう多いのだが。
さて,この日はけっこう急遽決まったというバンドメンバーでのガッツリライヴ。キーボードの桜田さんについては特にいってなかったけど,ドラムスの宮川 剛さんとベースの小山晃一さんは6月に入ってから出演を依頼したとのこと。7月の中止になった水戸ワンマンライヴとなんか関係があるのでしょうか。ちなみに,ベースの小山さんは知っています。流線形でベースを弾いている人で,その頃見た印象とは違っていたし,彼が辻 香織のバンドってのもはじめは確信が持てなかった。でもやっぱりそうだったんですね。なかなか強力バンドです。この日はプロデューサーの小宮山氏がいなかったが、香織ちゃんのギターもしかっりしてきているし、文句なしのバンド演奏。さすがに私の知らない曲も多かったけど、いい感じです。残念なことに朝からスケジュール満載な一日だったために、ここで黒ビールを飲んで、かなりウトウト状態でした。それもあって、あっという間の2時間でしたね開演時間が遅かったのでこの日も急いで帰宅。果たして香織ちゃんは髪型も変わった私を覚えているだろうか。

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自然主義の可能性

ロイ・バスカー著,式部 信訳 2006. 『自然主義の可能性――現代社会科学批判』晃洋書房,187p.,2700円.

著者は「批判的実在論critial realism」を標榜する英国の哲学者。日本ではほとんど知られていないが,英語圏の地理学では有名な人物。というのも,『method in social science』という全く地理学者の著書とは分からない著作で有名な地理学者アンドリュー・セイヤーが哲学的拠り所としたのがこのバスカーなのだ。日本でもほとんど知られていない哲学者に全面的に依拠するなんて,セイヤーがおかしいのか,あるいはそれを誰も紹介しない日本の状態がおかしいのか,と前々からセイヤーをまともに読んだことないながらも疑問に思っていた。といいつつも,日本の地理学者でセイヤーの議論をまともに論じている人もほとんどいないのだが。まあ,そんな前置きはともかく,ということで本書の翻訳が出ていたということを出版後3年経って知ったことに驚いたのだ。
バスカーの議論は1975年に出版された『科学の実在理論』と,1979年に出版された本書によって確立されたようだ。ちなみに,『科学の実在理論』も同じ訳者によって大村書店から出版予定となっているが,3年経っても出ていないようだ。ちなみに,セイヤーの著書が出たのは1984年。そして,前々から思っていた疑問がもう一つあり,昔読んだ竹田青嗣の『現象学入門』では実在論とはサルトル哲学の謂いであり,existentialismのことだと思っていたが,ちょっとネットで検索したらこちらは実在哲学で,実在論はやはりrealismであるらしい。realismはもっと素朴に現実主義ってのもあるし,名称だけでは何も示さないに等しい。一応目次を示してみるか。
第1章 超越論敵実在論と自然主義の問題
第2章 社会
第3章 人間
第4章 哲学批判
第1章では,本書でいうところの「自然主義」がなんであるかが示される。それは冒頭の1文で明らかだ。「社会を自然と同じように科学することは果たしてどこまで可能か」(p.1)というのがそれである。つまり,自然主義とは科学哲学における用語であり,自然科学といった場合の科学と,人文・社会科学といった場合の科学とが同じか否かという立場の問題であり,社会も自然と同様の方法で科学することができるというのが自然主義である。もうちょっと具体的ないいかたでは,自然と社会を同等に科学できるのは実証主義であり,そうではないという立場から社会科学のみに必要だとされるのが,解釈学だという。本書はタイトル通り自然主義の立場には立つが,もちろん素朴な実証主義ではない。「どこまで可能か」というところが味噌で,なんの迷いもなく社会は自然と同等に科学できると言い張るのではなく,また自然と社会は根本的に違うと頭から決め付けるのでもない,ある意味ではとても真っ当な立場のように思える。
そして第2章。これはなんとなく懐かしい社会学的な議論だ。私が社会学的思考方法を学んだ,ピーター・バーガーの議論も登場するし,もちろん古典のデュルケム,ウェーバー,マルクスの議論と立場が整理されて,そして最近の流れ。まあ,ギデンズの『社会学の新しい方法基準』で学んだようなことが本章で復習できる。まあ,結論的には社会構築主義というか,ポストモダン的最近の議論に近いように思う。でも,そうした最近の立場はもっぱら解釈学よりかと思いきや,著者は自然主義を標榜するし,マルクスの引用を肯定的にし,また彼自身マルクス主義系雑誌に論文を書いていながらも唯物論には否定的だ。そもそも基本がなっていない私にとっては,○○主義や△△派,□□論という対比で議論されても分かったような分からないような,そんなストレスが溜まります。しかも,分からないなりに感じた著者の矛盾だが,彼自身は他の著者を論じる際に,首尾一貫性というものを重視しているのだからこれまたよく分からない。
第3章の議論をちょっと先取りしてしまったが,私の理解度はだんだん落ちてくる。議論はより自然哲学に踏み込むようになり,いかに自然主義の立場を正当化するかというところに議論は収斂していく。第3章の各節の副題を並べると議論の流れが分かりやすいかもしれない。
第2節 自然主義に対する反対意見
第3節 自然主義の擁護
第4節 還元主義批判
第5節 超カテゴリー的因果性
著者の議論の仕方は,とても正統派だ。私はこういう積み重ね的な議論の仕方が苦手。AだからB,BだからC。よってこのことは論証された。みたいな調子で,えっいつ論証されたの?という具合。ちゃんと理解しようとするには何度も読み返さないといけないが,そこまでつきあうほど私自身がこの問題に関わりあうつもりはないというのが正直なところ。ということで,本書への無理解は進んでいくばかりだが,本書の批判の仕方と自分の論の押し付けがましい正当化ってのは,いかにも1980年代前半らしいというところなのだろうか。
最終章はギデンズの前掲書でもとりあげられていたウィンチという社会学者の解釈学的立場がことごとく批判されていく。なので,やっぱりついていけない。結局,彼が前書で打ち立てた,本書の基礎ともなる「超越的実在論」が何かが分からないとどうにもならないというところだろうか?なぜ大村書店がその本を出版しなかったかは分からないが,本書だけではやっぱりバスカーの名前が日本で定着することにはならないのかもしれない。

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頭のなかで鳴り響く声

6月26日(金)

日比谷シャンテ・シネ 『レスラー
ミッキー・ロークが地でいっているってことで話題の作品ですが,実は監督は『レクイエム・フォー・ドリームズ』のダーレン・アロフスキー。その前が私は観なかったけど『π』だから,かなりぶっ飛んだ作品を撮る監督。今回は随分素朴な映画です。まあ,予告編どおりの映画。1980年代に人気のあったプロレスラーが主人公。プロレス自体の人気が下火なのは米国も同じようで,でもそれ以外に何もできない主人公は,家賃の支払いもままならぬトレイラー暮らしで,スーパーのバイトをしながら週末にはファイティングをしている。この作品で面白いのは,試合前の打ち合わせだ。20年ぶりに対戦するという相手は既に引退をしていて「事前打ち合わせ」というもの自体をしらないが,最近の若いプロレスラーは事前に綿密な打ち合わせをし,盛り上げ方を計算して展開を決めていく,というところが面白い。
この主人公ランディの唯一の慰めはストリップバーの女性。マリサ・トメイは先日も『その土曜日,7時58分』でその脱ぎっぷりに関して書いたが,本作ではストリッパー役だから当然脱ぎます。でも,プライヴェートでのそういうシーンはなし。こちらもストリッパーとしては年増でなかなか上手くいかない。でもプライドは捨てられずに,なかなかランディに心を許さない。さて、本作にもう一人出演している女優はエヴァ・レイチェル・ウッドで、ランディの娘。当然、全盛期の父親はプロレス三昧だったから、放っておかれた娘は父親に対して恨みを抱きながら生きている。それにしても、レイチェルは美しい。まあ、ナタリー・ポートマンとかスカーレット・ヨハンソンとか、演技と存在を含めずに評価するのは難しい女優を除けば、現代米国女優で一番美しいと思う。いい感じのチョイ役です。
この作品で面白いのは、ランディが1980年代のハードロックをこよなく愛していること。確かにこの2つはまさに1980年代の米国の象徴的な文化で、その類似性は大きい。暴力を前面に出したマスキュリニティバリバリの表現でありながら、ロングヘアだったり、レスラーは腋毛を剃ったり、ロッカーはロマンティックなラヴソングを歌ったり。フェミニンな特徴を併せ持った極度なマスキュリニティ。さて、物語の最後は非常に悲しい。ネタバレになりますが、久し振りに娘に会いに行ったランディ。はじめは嫌がる娘でしたが、父親の謝罪にほだされ、許す気になろうとしたところ、結局は待ち合わせのレストランに現れずに父娘の縁を切る。一方、マリサ演じる女性の方は最後の最後でランディについていこうと決心するが時既に遅し。心臓を病み、引退してまっとうな人生を歩もうと決意した矢先だったが、結局リングに戻ってしまい、明白には描かれていないが、そこで死ぬことを覚悟する。かといって、プロレスファンが皆自分の見方だというのではない。かつての栄光を覚めた目で見るファンたちの姿も描かれる。しかし、少なくとも自分の存在を認識してくれる人たちの前での死を、彼は選んだのだろうか。『グラン・トリノ』のラストシーンを思い出しました。

日比谷シャンテ・シネ 『路上のソリスト
引き続きシャンテ・シネにて。こちらも米国らしい作品。ジュリアード音楽院に入学しながらも、精神的な障害のゆえに今は路上生活をしている黒人男性。かつてはチェロを弾いていたが、いまでは弦が2本しかないヴァイオリンを路上で弾いている。そんな彼に出会った新聞記者。ロバート・ダウニーJr.が演じます。連載コラムを担当するこの記者は、この黒人に出会い、彼のことを記事にすることを決意し、彼に付きまとう。この連続コラムは人気になり、ある読者からは弾かなくなったチェロを彼に与えてくれと送られてくる。彼との付き合いは上手くいったりいかなかったり。しかし、主人公はこのコラムの人気によって賞を受賞したりする。しかし、果たしてこの黒人は救われたのだろうか。楽器を与えられ、部屋を与えられ、演奏会にまでこじつけたが、結局演奏はできなかった。これらの出来事はこの記者の自己満足だったのだろうか。この黒人は常に頭のなかに鳴り響く声に悩まされている。突然それが鳴り出すと、目の前のことに集中できないのだ。最近この種の人物を描く映画が続いている。先日紹介した『ウルトラミラクルラブストーリー』もそうだし、後で紹介する『幼獣マメシバ』も然り。また、本作の設定は『再会の街』ともよく似ているな。それにしても、この黒人を演じるジェイミー・フォックスは、ジュリアード時代の20歳そこそこも演じ、現時点での50歳前後も演じているが、本人は41歳だとのこと。でも、やっぱりチェロを弾く姿ってのは難しいんだな。特にオーケストラのなかに入ってしまうと素人でもないというのが明白。下手な人がいじると楽器を傷めてしまうということで、腕が縮こまってしまうのだろうか?まあ、そこそこの作品。ちなみに、実話に基づく物語です。

東京駅Break サンタラ
映画後、急いで東京駅に向かう。駅中のフリースペースBreakでサンタラのライヴがあるのだ。サンタラは昨年チェロ奏者の橋本 歩さんからいただいたCDのなかに入っていて、その思い切りのよいヴォーカルが気に入ったのだ。開演直前だったが、用意された椅子にはいくつか空きがあったので、真正面に座る。ヴォーカルの田村キョウコさんはかなり露出の多いワンピースで目のやりどころに困る。顔のパーツの大きい派手な顔立ちの彼女だが、アクセサリーの類をほとんどつけていない。もちろんこの日はサンタラの2人のみのステージ(ギターにヴォーカル)だったが、CDの印象とほぼ変わらないパワフルなステージを見せてくれました。自主レーベルを立ち上げての6枚目のアルバムが発売になったばかりだということだが、所持金が少なく購入せず。

さて、この日は恒例となりつつある勉強会。東京駅の丸の内南口で待ち合わせをしているとサンタラの2人。一人だったら声をかけていたけど、今回から勉強会にもう一人加入して、3人で移動するところだったので断念。南口で待ち合わせをしたが、適切なカフェがなく、OAZOまで移動。後から杉山君が合流します。この日もなんだかんだで1時間半かかり、21時頃に私の恋人も合流して呑み会。

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2009年7月のライヴ予定

明日で今年も半分終わりですが,明日ライヴに行って65本。
月10本ペースは越えてしまいましたが,そんなところ。

7月2日(木)
関内KAMOME アルカイック(予約済み)
7月4日(土)
淡路町ルシェーヌ 山田タマル
7月7日(火)
池袋自由学園明日館講堂 湯川潮音/小谷美紗子(チケット購入済み)
7月11日(土)
青山プラッサオンゼ casa
7月12日(日)
タワーレコード新宿店 HARCO
赤坂BLITZ 矢野まき(チケット購入済み)
7月16日(木)
タワーレコード新宿店 一十三十一
7月18日(土)
下北沢lete ノラオンナ(予約済み)
7月26日(日)
谷中ボッサ 東京生音生活vol.3
7月30日(木)
渋谷7th floor Quinka, with a Yawn
7月31日(金)
吉祥寺star pine's cafe HARCO(チケット購入済み)

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平日も映画三昧

6月22日(月)

渋谷シアターTSUTAYA 『非女子図鑑
腐女子とか非女子とか、なにやらこういうテーマがB級作品で流行っていますが、このオムニバス作品は出演者が意外に豪華だったので、公開終了を前にレイトショーで観に行った。その出演者とは『世界で一番美しい夜』に主演していた元宝塚の月船さらら、片桐はいり、江口のりこ、仲 里依紗など。オープニングとエンディングはいいとして、6話のうち、1話が面白く、2,3話がつまらなく、だんだん面白くなって6話が最高に面白いというのは、全体的なつまらなさを上手くごまかしていると思う。
ということで、1話目はスネオヘアー演じる神主(?)に主演の女子中学生が惚れてしまうという内容。この神社にはおみくじならぬ占いのガチャガチャが置いてあって、毎朝その女の子が引きにくるというもの。毎日奇怪な行動をとる主人公が心配になって白人の同級生が友達になります。素朴で面白い。
月船さらら主演の短編は考古学調査のフィールドが舞台。さらら演じる主任はそんな土臭いところで、化粧もしなければブラジャーもしない。しかし、そこで働く作業員の若い男性がブラジャーを着けているという事実が発覚。そんな内容。月船さららは正直キレイだとは思わないけど、この物語の発想が面白い。
江口のりこ演じるのは混浴温泉フリークの女性。一人旅で訪れた伊豆の温泉。自殺客だと思ってしまう旅館の人や、やはり温泉フリークのおじさん、いちゃいちゃカップル。そしていやらしい目的で近づいてくる男性客。そんな人たちとの顛末を描きます。この男性が実は自殺をしにきたのだが、最後には江口の思惑にほだされてしまうという内容。この男性を演じるのは深水元基。深水と江口は『気球クラブ、その後』で共演していたし、仲 里依紗ちゃん主演の短編には、やはりこの映画に出演していた長谷川朝晴も出演してる。ついでにいえば、江口は『世界で一番美しい夜』にも出演していた。
片桐はいり主演の短編は、病気で降板してしまった映画の主演を探すオーディションの一風景を描いたもの。「40年女をやってきて、そろそろ飽きた」といって、ヤクザの組長役をやろうっていうんだから、この脚本の発想と、まさにそれには片桐さんしかいないよ、という感じの面白さ。このオーディションに応募してきた男のなかには『花ゲリラ』に出演していた小西遼生も出ている。
さて、最後に仲 里依紗ちゃんが登場する。相変わらず眼鏡、Tシャツ、スウェットパンツといういでたちでの登場。なんでこんなに美形の彼女がいつもこんな役どころなんだろうか。まあ、そこがまた魅力なんですけどね。会社員になって初めて男の人に告白したらあっけなく振られたということで、一人暮らしの自宅で自殺をしようと思い立つというお話。テンション低いまま自殺をしようとするが、自殺した後の自分が発見された時のことを想像して、いろいろやってしまうというお話。まずは部屋を片付け、手首を切るための包丁を買い、冷蔵庫に入れるための見せ掛けの野菜と肉を買ったが、高かった包丁の切れ味を試すために、一人暮らしを始めて始めての料理をしてしまう。最後にはすっぴん部屋着ではみっともないということで服を買い揃え、カットモデルでメイクまで。疲れ果てて、とりあえず仮眠をしたらそのまま朝になってしまい、遅刻しないようにと大急ぎで出掛けてしまう。そんな自殺失敗の物語。この空想上の自殺現場発見の場に出てくる刑事が長谷川朝晴と佐藤二朗。これがまたたまりませんね。ともかく、最高です、この短編。最後にすっきりして気持ちいい。

6月24日(水)

恵比寿ガーデンシネマ 『おと な  り
随分前にガーデンシネマに久し振りに行った時に、前売り特典が可愛くて思わずペアチケットを買ってしまった。でも、なかなか2人では観にこれないので、ようやくこの日になりました。水曜日ということで、ここは性差別をせずに誰でもサービスデイ1000円。ガーン!ちなみに、前売り特典はキーケース。部屋の鍵がこの作品のキーアイテムなのです。
麻生久美子3部作の最後。『インスタント沼』、『ウルトラミラクルラブストーリー』とかなりぶっ飛んだ作品が続きましたが、最後はかなり横道なラブストーリー。監督は『ニライカナイからの手紙』『虹の女神』の熊澤尚人。冒頭から、『虹の女神』でも使われていた独特の色彩でぼんやりした映像が流れます(特別なフィルム?)。このタイトルは「お隣り」のなかに「音」と「大人」が含まれていますね。30歳前後の男女がお隣同士。大人なので、隣に異性が住んでいても妙に欲情したりしない。でも、お互いに特定の相手もいずに仕事に忙しい毎日だから、家で過ごすふとした時間にお隣さんから聴こえてくる生活の音に妙に愛着を感じたりして。実際に顔を合わせたりすると幻滅するかもしれないし、変に仲良くなっても気まずいので、この関係がいいのでしょう。私は年齢に限らず、こういう成熟しない恋の物語ってのはけっこう好きなんです。そういえば、もっと大人の似たようなシチュエーションのラヴストーリーとしてはウォン・カーウァイ監督作品『花様年華』って映画がありましたね。ネタバレしてしまうと面白くありませんのでやめておきますが、鑑賞者の期待にこたえて面白い偶然が2人を近づかせます。主演はV6の岡田准一君ですが、CMもやっているSONYのデジタルカメラを劇中でも使用しています。彼に関る女性として、市川実日子ちゃんと谷村美月ちゃんが出ていて、この2人の存在がいいですねえ。そして、この作品を単なる甘い恋物語にしていないのは、麻生久美子に絡んでくる岡田義徳。いやいや、意外な展開でした。そして、彼の役どころがこの作品を現代都市っぽくきりっとさせていますね。そして、彼に相対する場面の麻生久美子の演技にも注目。

6月25日(木)

新宿厚生年金会館 『ムウ
またまた試写会。この作品は手塚 治生誕80年記念ということで、けっこう話題になっています。しかし、
作りがあまりにも派手でお金を払ってまで観に行くつもりはなかったが、試写会ならちょうどよい。客席には映画はほとんど試写会でしか観ない、というような懸賞好きのおばさんも多いようだ。後ろでは「試写会って当たりはずれがあるのよねえ」などといっている。この発言、明らかにおかしい。映画祭のコンペティション作品ならば、そのなかから公開に値する作品かそうでないかがきまるので、もちろんはずれはある。しかし、一般のこういう試写会は既に公開が迫っている作品で、単なる口コミの宣伝のためのものにすぎない。つまり、当たり外れはあくまでもあなた方の好みの問題だよ。
まあ、そんなことはどうでもいいな。公開前だし、内容に関するコメントは短めに。物語の設定と展開は原作を読んでいないが、さすがである。しかし、あまりにも派手に演出されたこの手の映画化では原作も浮かばれないだろう。果たして生前に作られていたら手塚氏はイエスといっただろうか。でも、実は手塚氏はディズニーからの影響が大きく、またアニメーションをテレビ番組として定着させた貢献者でもあるので、作品を芸術と捉えるのではなく、あくまでも商品と捉えるはずだ。なので、映画として受ける要素が大きければそれはそれで彼の遺志に応えているといえるかもしれない。ちなみに、本作で米軍駐屯地が登場するが、なぜか日本映画に米国人が登場するとインチキ臭くなる。こういう作品を超大作ではなく、もっと素朴に作れないのだろうか。

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西川美和さんが『笑っていいとも!』に出たらしい

6月20日(土)

講義の後、調布に戻って美容院へ。2ヶ月以上ぶりのカット。最近は長さも安定したので、特に注文もなくやってもらう。そしたら、かなりすかれてしまった。まあ、軽くなっていいか。ちなみに、この美容室は鏡にモニターが埋め込まれていて、DVDを流している。この日は名作といわれながら観ていない『ショーシャンクの空に』。あーこんなところで中途半端に観てしまった。
この日はエアコンのクリーニングということで、家に戻る。大家さんの支払いで、2台分しっかり1台1時間ほどかけて掃除。まだ引っ越したばかりであまり使ってないけどね。まあ、夏を前に点検も兼ねているのでありがたい。その時間を使って食パンを作る。出かける予定の時間をすぎていたので、2次醗酵の時間を多少省いてしまいましたが、まあまあの出来。それを持って小田急相模原まで。
ここには友人のさくさん邸があり、毎月のようにホームパーティが開催されている。私と恋人の出会いの場でもあり、私の現在の友人としてはもっとも付き合いの長い部類に入る人なので(といっても10年未満だが)、たまに行くことにしている。もともとBONNIE PINKファンということで知り合ったさくさんだが、2人とも映画好きということで、その後はよく2人とか3人で映画を観に行ってた。私が日本映画をまともに観るようになったのは彼の影響だったが、最近はほとんど映画を観なくなってしまったようだ。ということで、彼と会うのはもっぱら彼の自宅にて。この日も合計14人と1匹の大盛り上がり。初めて会う人がほとんどでしたが、意外にも私の映画ネタが受けて楽しかった。あまり長居はせずに帰宅。

6月21日(日)

昼から仕事の恋人と一緒に出かけて、私は一人で新宿で映画。

新宿K's cinema 『斜陽
太宰 治生誕100年の今年、随分話題になっているようだ。本作も太宰の原作を現代を舞台に映画化したものだが、若い時から太宰ファンだったという佐藤江梨子主演。比較的短いビデオ撮影の作品だったからか、品揃えのいいチケット屋2軒を回ったが取り扱いなし。実際に映画館に行ってみたら1500円でした。私は太宰作品をほとんど読んだことがないが、日本の近代文学はもちろんヨーロッパ小説が基礎にあるが、独特の雰囲気があり、現代日本小説に比べると(比べられるほど読んでいないが)、意味不明な部分も多いと思う。
本作も原作はどうだか分からないが、かなり意味不明。高橋ひとみ演じる母親と佐藤江梨子演じる娘の2人暮らしの話。生活費の工面をしてくれる叔父がいたり、遊び呆けている弟がいたり、なぜか娘は温水洋一演じる作家に惚れてしまったりと、どこまでが真面目なのか、ふざけているのか分からない作品。まあ、期待はしていませんでしたが、そんなもんですかね。

映画が終わって六本木に移動。六本木ヒルズ近くのTSUTAYAで『ディア・ドクター』サントラ記念のトークショー&ライヴがあった。数日前の日記にも書いたが、『蛇イチゴ』以来カリフラワーズに音楽を担当してもらっている西川美和監督だが、今回の『ディア・ドクター』でもカリフラワーズ解散後もナカムラ氏の新しいバンド、モアリズムが音楽を担当。そのサウンドトラックの発売日に合わせて、モアリズムのオリジナルアルバムも発売するという抜け目なさ。前日はタワーレコード新宿店で、モアリズムのインストアライヴに西川美和氏がゲスト出演し、今回は西川美和氏のトークショーにナカムラ氏が加わるのと、モアリズムが観にライヴを行うという形です。前日は夜の時間だったので行きませんでしたが、今回は気合を入れて、30分前に到着。このTSUTAYAにはスターバックスが入っているが、イヴェント開始ちょっと前に席が空いたので、コーヒーを買って始まるのを待つ。でも、司会者が、「この機会ですから、是非前の方でご覧ください」というので、席を立ち、前の方へ。トークショーが始まると目の前の席が空いたので、そちらで座ってゆっくりと話を聞く。この日の司会者はラジオのパーソナリティをしていて、数日前にも西川監督とナカムラ氏を迎えて番組をしていたということ、また司会者自身が西川作品に思い入れがあるということで、かなり突っ込んだインタビューとなり、またちょうどよい具合にナカムラ氏も合いの手を入れ、30分ほどの貴重な話が聞けました。しかも、私は試写会で既に観ているし。
しかし、一方でモアリズムのライヴはたった2曲。しかも、1曲は西川監督の前作『ゆれる』の主題歌、もう1曲は本作の主題歌ということで、聴いたことある曲のみ。でも、私はこのモアリズムのオリジナルアルバム『笑う花』を購入。ライヴ後のサイン会に参加しました。当日このTSUTAYAで買ったのに、整理番号は4番。ということで、最初にサインをもらう羽目になってしまったのですが、皆段取りがうまく分からず、サインに必死であまりお話しする余裕がなかったみたい。特に西川監督が手にしたマジックのインクが漏れてしまい、「これってどうなのよ?ちゃんと確かめておいてよ」などとスタッフに文句を言うばかりで、私の顔もろくに見てくれなかった。まあ、以前から一般の人に笑顔を振りまくような人ではないことは知っていたけど、ちょっと残念。

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新旧論文

実は新しい論文が発表されています。
密かに↓こちらにアップしておきました。
http://geopoliticalcritique.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_cfd3.html

でも,↓こちらでもダウンロードできます。

成瀬 厚・香川雄一・杉山和明 2008. 言説概念を介してみる人文地理学者のアイデンティティ――日本の地理学者に対する意識調査の解釈から.空間・社会・地理思想 12: 13-20.
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/geo/Space,%20Society%20and%20Geographical%20Thought.htm

ついでに,10年以上前のものですが,1997年に所属していた教室の英文紀要の論文もこちらからダウンロードできることが分かりました。
http://www.ues.tmu.ac.jp/geog/publication/gr032.htm

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«映画もライヴもコメント長いです。