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2007年8月

池上本門寺

8月24日(金)

数年前に高宮マキ目当てで一度行ったことのある池上本門寺のライヴ。その時は石嶺聡子Monday満ちる、キャンディ・ダルファーなどといった出演者でしたが、いつの間にか本編2日、前夜祭つきになっていました。出店は出るかもしれないけど、周辺で食事は難しいことが分かっていたので、早めに会社を出て途中で食べる予定が思わぬ残業。まあ、開演の19時に間に合えばいいやと思ったが、やはり池上は遠い。しかも、都営浅草線の西馬込駅から歩いて遠い!しかも、既になにやら演奏の音が聴こえてくるではないですか。私がほぼ19時に到着すると住職のお言葉。その後ろにセッティングされているのは、キーボードのみ。
あれ?オープニングアクトのalutoはギターとヴァイオリンのデュオのはずなのに。と、お言葉を聞かずにまずは腹ごしらえ。駅からの道でかなり汗だくになったので生ビールに宮崎名物冷や汁。食べていると最前列に湯川潮音ファンの女性2人。私はステージ向かって若干右側、5列目でしたが、どうやったら最前列が取れるんでしょうね。

池上本門寺 slow life slow live
奥 華子:まず登場したのは奥 華子。そう、やっぱりalutoは既に終わっていたようです。奥さんは一人で登場。しかも、タンクトップにジャージズボンというかなりラフなスタイル。眼鏡です。立ったまま鍵盤弾き語り。楽曲や歌声からするとそれほど好きになるタイプではありませんが、音楽に対する姿勢はとても好きです。演奏後に物販ブースに行ってCD購入者にサインをするというのも良いですね。あれだけ大きな会場で。私は彼女がエンディングを歌った映画『時をかける少女』を観ていたので、その曲はやっぱりナカナカいいと思いました。何かのイヴェントで誰かの対バンで見ることがあればいいなあ、という感じ。

つじあやの:彼女のライヴはおそらく2回目。でも、どこで見たのか覚えていない。AXでのはっぴいえんどトリビュートだったか?とにかく、彼女自身の演奏は初めてに近い。セットチェンジでベーシストの伊賀 航さんが出てきて、やっぱり2番手は潮音ちゃんかなと思いきや、キーボードも置いてあるので、珍しい編成だと思ったら中央にはウクレレ。あらー、伊賀さんはつじあやののサポートもしているんですね。はじめは一人でウクレレ弾き語り。その後3人でという非常にゆったりとしたステージ。ほとんど初めてという感じがしないのがつじあやのらしいかな。こちらも、こんな感じで聴くには気持ち良いですね。

湯川潮音:最後に登場した潮音ちゃんは、久し振りに嬉しい徳澤青弦さんを含む3人のサポート。ひらひらのワンピースで登場し、ギターをたすき掛けしようとするときにパンツが見えそうでしたが、どうやら中にブルマーのようなものを履いていたようです。まあ、本当に下着が見えても困りますが。久し振りの潮音ちゃんはやっぱりいいなあ。最近は20名限定という小さな会場でのイヴェントも始めた彼女。まあ、抽選で当たるはずもないが、以前行ったB.Y.Gのような小さな会場でも、今回のように大きな会場でも違った魅力を見せてくれる彼女はやっぱり天性の歌い手ですな。あー草月ホールでのワンマンが楽しみです。
ちなみに、私の周辺のお客さんたちは奥 華子目当てが多かったようで、彼女の演奏が終わると次々と席を立ちました。なかには、最後に戻ってきた人もいたので、サイン会の間ずっと近くで見ていたということかもしれませんが、特につじあやののステージの時に前方の席がスカスカだったのはどうなんでしょう。潮音ちゃんのときも最前列がいくつか空いていて、移ってやろうとも思いましたがやめておきました。
本編のように長時間出演者多数だったら分かりますが、せっかくいい席を取ったのだから、取れなかった人のためにも空席はつくらないようにお願いしたい。まあ、こんなのは愚痴にすぎないのであって、そんなここに書いたお願いをきく人はいないだろうけど。

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急遽12000円

昨年の11月に観た『ユモレスク~逆さまの蝶』という中編映画。
可愛い女の子2人が部屋でダラダラするだけの作品。主演は一応,太田莉菜ちゃんってことになっていたけど,同等に出演していた美波という女性に釘付け。
テレビのある人は知っていると思いますが(といいながら映画にもけっこう出演しているようです),私はこのとき初めて彼女の存在を知った。その後,蜷川実花監督映画『さくらん』にも出演しているということで楽しみにしていたが,イマイチ彼女の魅力は出ていなかったように思う。

それが,今秋公開作品『逃亡くそたわけ 21才の夏』に美波が主演するのだ。何度観ても飽きない予告編。今,私のなかで一番楽しみにしている映画。それは美波ちゃんが主演しているということを除いてもかなり面白いと思う。といっても,博多弁でさわぐ,精神病院から抜け出してくる役ってところがなんともいえぬ。

もう,公開が待てずにいろいろ調べていたら,蜷川幸雄演出の舞台『エレンディラ』に出演するというじゃないですか!しかも,もう始まっていて,関東では(埼玉です)9月2日が最後ですよ。仕事中に焦って空席状況を調べると,もちろん土日には空席なし。この週はライヴ続きなので平日の夜も駄目。しかし,私は木曜日が会社お休みなので,木曜日の昼を調べる。
うおー,なんと空席あり。しかし,A席はなしで,S席のみ。12000円なり。仕事の時間中考えて,行くことにしました。『逃亡くそたわけ』で美波が叫ぶ台詞「わたしの21才の夏は二度と来んちゃもん!だけん,逃げないかんとって!!」。そう,美波ちゃんは舞台にも何度か立っているので,この先もそのチャンスはあるが,21才の夏に彼女が舞台に,しかも蜷川さんの舞台に立つのは今回きりなのだ!
そう,ベタですが,蜷川さんの舞台も一度は観てみたかったんですよね。しかし,S席ながら2階です。正面のようなので観やすいんだろうけど臨場感はね。ということで,30日に彩の国さいたま芸術劇場まで行ってきます!

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1日映画2本はけっこう冷えますよ。

8月23日(木)

新宿ガーデンシネマ 『インランド・エンパイア
デイヴィッド・リンチ監督作品。別にこの監督が好きなわけではないが,『マルホランド・ドライヴ』はけっこう私的には面白かった。支離滅裂な精神分析的美学があると思う。そんなことで,多少期待して,でも期待しすぎずに3時間に挑戦した。
どこかでもらったフリーペーパーである人がこの作品をクソミソに書いていたが,その内容に私も同意せざるをえなかった。どう深読みしても,この美学は自分には分かると粋がってみても,3時間はあまりにも退屈だ。『マルホランド・ドライヴ』は映像的にはナカナカだったと思うが,それすらない。せいぜい美女たちがわけも分からず踊るシーンくらいだ。まあ,クソミソ書いてもしょうがないほどの作品。あー,さすが私のような常識人を超越した監督だこと。

新宿テアトル新宿 『22才の別れLycoris葉見ず花見ず物語
その一方で,この作品はとても分かりやすい。安心します。といっても,バカなワンパターンストーリーではありません。なかなか手が込んでいます。そもそも,伊勢正三の往年の名曲「22才の別れ」を膨らまして,大林宣彦が脚本も手がけ,メガホンを取った作品。伊勢正三氏の出身地が舞台ということで,大林監督の大分3部作の1作となるものだそうだ。ストーリーはちょっと言葉で説明するには込み入っているが,とても理解しやすい展開。意外に面白いのが,素朴な作品なんだけど随所で特殊映像が使われていること。カメラワークも意外に斬新。筧 利夫のわざとらしい演技も,重要な人物に新人を起用することで,作品全体がナチュラルなわけではないんだけど,なぜかそのことが主人公の昔の恋人である「葉子」さんの存在を際立たせて独特な雰囲気を醸し出す不思議な作品。そんななかでもぴか一の演技はやはり清水美砂。本当にこの人が光っています。そして,チョイ役だけど,最近目が離せない,三浦友和。
こういう作品を観ると,映画っていいなって思う。

吉祥寺star pine's cafe 朝日美穂
タワーレコード渋谷店の5階や,下北沢のカレー屋「茄子おやじ」で朝日さんをみかけるものの,今年は意外にライヴに行けていない。久し振りのライヴでstar pine'sワンマン。どっぷり楽しみです。しかし,リリースもなし,平日ということで時間が遅いにもかかわらず,開場時間に集まったのはわずか10人ほど。でも,それが幸いしたのか,そもそもそういう狙いだったのか,テーブルも出てのゆったりした雰囲気での朝日美穂ステージとなりました。開場から開演までたっぷり1時間あるので,食事もしながらゆっくりと読書をして過ごします。最近は洋書を持ち歩いているんです。といっても,もちろん学術書。先日新宿の高島屋の隣にある紀伊国屋書店でみつけた『landscape』という今年出版された本。私も知らなかったJohn Wylieという若き地理学者によるもので,「key ideas in geography」というシリーズの1冊。本当は英語の文献も読まなくてはいけませんが,基本的に辞書がないと読めないので,最近はすっかり英語から離れています。しかし,研究とはちょっとかけ離れた哲学書などを日本語で読んで,3割ほどしか理解できないようなんだったら,ペーパーバックの軽い洋書を辞書なしで軽く読んだほうが面白いんじゃないかって思い,そうすることにした。日本語の本に比べて読み飛ばすことがなく,意外に集中して読めるし,1時間くらい続けて読むって日本語ではけっこう苦痛なんだけど,英語だとそうでもない。時間をかけた割には読み進んでいないってのが正直なところ。まあ,ともかくそんな感じで,意外に早く開演時間がやってきたということだ。程よいお客の入りで,いい感じ。
余談が長かったですが、この日のライヴもピアノトリオ。ドラムス楠さん、ベースが千ヶ崎さんといつもの通り。いきなり1曲目からnordのキーボードが調子悪いようで、ピアノに移っての演奏。私はピアノの目の前だったのでちょっと嬉しい。この日の美穂さんは黒の衣装でシックです。でも、髪の毛はまだクルクルパーマ。ライヴ会場以外で見かけると、なかなか本人を凝視はできませんが、ステージ上なら思う存分。久し振りにじっくり見る美穂さんは本当に素的。30歳すぎているのに、なんでしょうね、あの清潔感は。美穂さんの楽曲にはけっこう軽快な曲が多いので、ちょっとグランドピアノは重たかったようですが、まあ、全然大丈夫です。ちょっとこのメンバーもマンネリ化するかなあ、と思いきや全然そんなことはありません。選曲も微妙にこれまでとは違っていて(といっても、レアな曲はあまりなし)、またまた復活した岡村靖幸の「だいすき」も披露したりと、ちょっと夏向け選曲。この日は開演時間も遅いのに2部構成。途中休憩を挟みます。ということで、珍しく1人star pine’sで2杯目のドリンク。あ、そういえば「だいすき」は2ndステージで披露でしたね。「だいすき 赤いワインより」というフレーズの時、テーブルの上の赤ワインを見てなんだか嬉しくなった私でした。
2ndステージの前に高橋健太郎さん登場。楠さんと千ヶ崎さんを呼び出して1曲。最近、ソロでも活動し始めて随分前に出たがっているようです。さて、その後登場した美穂さんは髪の毛にお花をあしらって登場。なんでも、母親がフラワーデザインに凝っているとのこと。クルクル頭に蔦が絡まっています。この日の退場者に配られた新曲CD-R「ブラックキューピッド」を含む新曲も何曲か披露。最近はMyspaceを始めたという美穂さん。CDを作っても売れないから、新曲作ったらまずMyspaceにアップして多くの人に聴いてもらった方が良い、とのことなので、いち早く新曲が楽しめるようになりそうです。かと思えば、momotieなども演奏したり。そしてやはり「唇に」で終了。あーこの曲が最後だったらアンコールはない方がいいかな、と思ったけど、アンコールあり。しかも、「まだまだ駆け出しの高橋健太郎さんにここで1曲歌わせてあげましょう」とのことで、健太郎さんが自作の曲を1曲披露。やっぱり歌はまだまだですね。でも、すごく嬉しそうです。で、最後は「エターナルフラワー」でしめ。うん、定番ですね。これなら納得。20分ほどの休憩を挟んで22:30前に終了。いい感じですね。来月には下北沢leteで20人限定ライヴもする美穂さんですが、こういうゆったりライヴもなかなか良いですね。本人曰く、ディナーショーがやりたいらしいですが。

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9月のライヴ予定

9月1日(土)
下北沢mona records 戸田和雅子/the indigo(チケット購入済み)

9月2日(日)
高田馬場四谷天窓comfort 大野恭子/他(予約済み)

9月4日(火)
渋谷B.Y.G リクオ(予約済み)

9月6日(木)
渋谷BOXX 広沢タダシ/他(チケット手配済み)

9月7日(金)
渋谷クラブ・クワトロ アナム&マキ(チケット購入済み)

9月9日(日)
下北沢440 ハセガワミヤコ(予約済み)

9月13日(木)
吉祥寺strings 太宰百合トリオ(予約済み)

9月14日(金)
下北沢440 排郷メイコ/他(チケット購入済み)

9月15~17日 滋賀旅行(マオコさん結婚式2次会)

9月17日(月,祝)
浅草アサヒ・アートスクエア 一十三十一/他(予約済み)

9月21日(金)
青山草月ホール 湯川潮音(チケット配送待ち)

9月22日(土)
吉祥寺star pine's cafe カリフラワーズ(予約済み)

9月23日(日)
仙川森のテラス casa/他(予約済み)
吉祥寺strings miggy+大橋エリ(予約済み)

9月24日(月,祝)
新宿sact! 笹生実久(チケット購入済み)

9月27日(木)
渋谷duo music exchange 山田タマル/SHUUBI(予約済み)

9月30日(日)
渋谷7th foor airplants(予約済み)

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素敵という字をこれからは素的と書きます。

8月22日(水)

吉祥寺strings Asa festoon
前回、大塚GRECOでのライヴに行ってから、Asaさんは海外に行くことになっていた(ニューヨーク?目的や期間はよく知りません)。この日は帰国後初めてのライヴ。プラッサオンゼでは島 裕介&ヤマカミヒトミのバンド、スウィート・バナナ・ホーンズのライヴもあったが、いろんな楽しいお土産話も聴けるかと思い、stringsを先に予約していた。しかも、この日はまたまたサポートがピアニストの太宰百合さん、そしてベースが太宰さんとピアノトリオを組んでいる土井孝幸さん、さらにこの日のゲストはスティールパンの原田芳宏さん。彼の名前は本当によく目にしていて、ペダルスティールといえば高田 漣、スティールパンといえば原田芳宏、といった具合に楽器の代名詞になるような存在。ようやく演奏を聴くことができました。間近で見る原田さんは意外に若い感じで、思ったとおりにひょうきんな人。ゲストだというのに、初っ端から最後まで演奏し通しです。
いやあ、それにしてもこの日のライヴも素晴らしかった。Asaさんは久し振りのライヴということで、終始本当に楽しそうに歌います。MCでも何度も自分で久し振りに唄うことが楽しくてしょうがないといっていましたが、歌を唄うことが彼女にはなくてはならないのです。そして、太宰さんのピアノ。彼女のピアノは3回目ですが、いまだどう表現したらよいのか分からない。驚かされます。周りが見えないほど没頭してしまって熱演する人の演奏もそれはそれで好きなのですが、この太宰さんはいつも周りに気を配りながら、さりげなく自分でも見せ場を作る、そんなバランスがとてつもなく良く、そしてそれとAsaさんの歌声との組み合わせ。そこにいたずらっぽく割り込んでくるスティールパンの甲高い音色が心地良い。もちろん、土井さんのベースも地味に活躍しています。
最後の方には通路にも椅子を出してお客さんを入れ、店員さんが行き来できないほどの盛況ぶり。Asaさんも久し振りに会う常連さんたちとの再会に喜んでいました。本当は持っていないCDを買って帰ろうと思いましたが、ちょっと声は掛けられず…でも、太宰さんには、「あ、今日も来てくれたんだね。ありがとう」と声を掛けられる。幸せな気持ちで帰路につきます。

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渋谷イメージ・フォーラム

8月19日(日)

久し振りにイメージフォーラムで2本立て。この映画館は渋谷のなかでも他の映画館と離れているので、ちょっとはしごにはむかない。アミューズCQNは比較的近いけどね。むしろ、青山ブックセンターなどが近いし、スターバックスやヴェローチェなどのカフェも近いので、ここでまとめてみた方がいいので、たまにやります。しかも、最近青山通り沿いにカフェなどもできたりしていってみた。オープンしたてで張り切っているようで少しサーヴィス過剰。でも、なかなかいいお店です。

渋谷イメージフォーラム 『モン族の少女 パオの物語
1本目はヴェトナム映画。一見したところでは中国かインドネシアか分からない雰囲気。中国との国境に近い山間の村が舞台。古いしきたりで、長男の息子が家を継ぐという家の娘が主人公、パオ。彼女の父親は長男だが、奥さんに子どもはできないことを悩む。結局、代理母のような女性が彼女を産み、そして弟を生む。とりあえず、父親の面目は保たれたわけだが、この生みの母親は家を離れるわけだが、困った時に、あるいは気まぐれでやってくる。そんな2人の母親を持ったパオの複雑な心境を描く、実在の人物をモデルにした作品。淡々とストーリーが展開するかと思いきや、けっこう波乱に満ちています。なかなか面白い。

渋谷イメージフォーラム 『トランシルヴァニア
続いてみたのがこちら。『愛より強い旅』のトニー・ガトリフ監督作品。フランス映画なのに、『アンダーグラウンド』のエミール・クストリッツァ監督作品ような東欧的なはちゃめちゃな雰囲気を持っている。しかし、主演女優のアーシア・アルジェントは『マリー・アントワネット』にも出演していたらしい。でも、意外とはちゃめちゃではなく、ストーリーはちゃんとしていた。恋人を追いかけてフランスからトランシルヴァニア(そもそもこんな地方は知らなかったが、ハンガリーの一部らしいので、東欧的な雰囲気というのは当たり前といえば当たり前)にやってくる。彼女は妊娠していたが、やっと再会した恋人には捨てられる。そして、何故かビロル・ユーネル演じる男が彼女を見初め、世話をするという物語。しかし、この男は怪しげな商売をするジプシーに近い生活。怪しげに見えるこの男が一番人情深くて、なによりもこの女に惚れてしまって、ラストはなんとも心温まる結末でした。

下北沢440 伊藤サチコ
さて、440の前は長蛇の列。なんだかんだでこういう時じゃないと、本当の人気は分からないものです。やっぱり人気ありますね。SOLD OUTでした。しかし、私は440の電話予約を初日にしていたので、整理番号1番。しかし、手売チケットとぴあチケットに同じ番号があるので、「3番までの方」といってもどっと人が入口になだれ込み、遅れを取りました。しかし、最前列右から2番目をゲット。拝郷メイコなどのライヴでよく顔を見かける坊主頭の気のよさそうな男がこの日も最前列、そして仲間と楽しそうに話しています。しかし、気のよさそうなのはあくまでも外見だけ。スタンディングのBOXXではズカズカと前にもぐりこむし、自分が早いときは仲間の席を取っておいたり、あまりいい気分はしません。
さて、この日は伊藤サチコ企画「MUSIC LAB」の6回目。もちろん、伊藤サチコファン初心者の私は初参加です。このイヴェントは畠山美由紀さんの「お散歩がてら」や永山マキさんの「ことり小屋」のようなもので、対バンのゲストを招いてのライヴではなく、自分のバックで演奏するミュージシャンを毎回変えて自分の曲を演奏するというもの。なので、基本はワンマンライヴです。サチコちゃんだけがどっぷり聴ける、今の私にはもってこいのイヴェントです。この日のサチコさんはTシャツ姿。彼女は襟付きのシャツの方が素的だと思うんだけど、肺が描いてあって、それがウサギにつながっているというなかなか面白いデザインなので、よしとしましょう。まずは一人でキーボード弾き語り。私も知っている曲を数曲。
そして、さっそく2人のゲストを呼び入れます。ここからはライヴで聴いたことはあるが、CD化されていない新曲ばかりが続きます。ドラムスのひぐちしょうこさんと、ベースの岩崎なおみさん。このしょうこさんはサチコさんのCDレコーディングにも参加している以前から一緒に演奏している人だとのこと。彼女のblogを読むと堂本剛のENDLICHERI☆ENDLICHERIというプロジェクトでもサチコさんと一緒らしい。そして、なんと土屋昌巳さんのライヴで、TOKIEさんやSTEVE ETOさんとサポートしているっていうんだから驚き。年齢は31歳とのことだが、見た目は若く見える。外見もけっこう好みだったりする。そして、岩崎なおみさん。こちらはサチコさんとは初めてということですが、こちらも雰囲気のある方で素的です。しかも、2人とも演奏も素的。そもそも、サチコさんのバンド編成は初めてですから。彼女の歌声はしっかりしているので、バンドでもまったく問題ありません。なおみさんのコーラスもいいねえ。じっくりサチコさんを凝視するつもりだったのに、いろんなところに目を奪われますよ。さらに、キーボーディストの土屋佳代さんまで加わって、さらにパワーアップ。新曲が多いということもあり、相変わらず前列のお客さんは微動だにせず聴いていますが、私はかなりノリノリです。新曲のなかに「ダラダラ日和」って曲があるが,この歌詞のなかには「性欲」という若い女性シンガーにはありえない言葉がある。そもそも,この曲の発想がスゴイよね。しかも,この日はバリバリドラムスが入り,ぜんぜんダラダラでない。さらに,玉川裕高というちょっと怪しげなギタリストが参加。一見,とてもギタリストだとは思えない風貌ですが,普段はカントリーばかり演奏しているそうで,少し納得。しかし,いきなりエレキギターでウインウインいわせていました。
もう一人,ディレクターだとかいう男性がギターで参加しましたが,確かに,「音の実験室」とサチコちゃんが銘打つように,皆さん個性的な演奏を力強く,しかし多少控えめにぶつけていました。ナカナカ面白い企画。次回も楽しみにしましょう。というよりも,ひぐちしょうこさんは個人的にもっと聴いてみたい。
終演後,ようやく最新アルバム『三日月の夜』を購入してまたまたサインをもらう。これでアルバムは揃いました。このアルバムがなかなか面白い。前2作の調子で聴いたら,なんだかとんでもないことになっていて,1度聴いただけでは受け入れられませんでした。でも,2回3回と聴くうちに,やっぱりこれも伊藤サチコなんだな,と納得。いい感じに前作とは変わっています。この人は楽曲も歌詞も発想が面白い。

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農山漁村の〈空間分類〉

今里悟之 2006. 『農山漁村の〈空間分類〉――景観の秩序を読む』京都大学学術出版会,315p.,4000円.

今里君は同い年の仲の良い地理学者。彼は富山大学卒業後,京都大学の大学院に進んで,本書はその博士論文を書き直したもの。謹呈してくれたのですが,ようやく読むことができました。
今里君は私が知るなかでもまさに研究者という感じの人物。もちろん,どんな人でもさまざまな苦労と努力があると思いますが,私の知り合いのなかには,それをほとんど他人には感じさせずに学問の世界のなかで出世していく人も何人かいる。そして,一方では努力が一向に認められずにどうにもならない人もいる。今里君は努力を一つ一つものにしている感じがする。
ちなみに,私自身はその努力をも放棄してしまっている。

さて,そんな彼の性質は本書にも如実に現れているように思う。というよりも私が勝手に彼の書く文章を読んで彼の性質をそう理解しているだけかもしれない。
私はどちらかというと,先人に耳を貸すこともなく自らのオリジナリティを主張したがるが,今里氏はきちんと先人の業績や忠告に耳を貸し,しかしそれに完全に服従するのではなく,さらにその先を目指す野心をも持ち合わせている。

本書はこれまで彼が学術誌に発表してきた展望論文と経験的研究が基礎になっている。もちろん,その多くを私は論文発表時に読んでいるが,驚くほどにそれは書き換えられている。
展望論文を「理論編」,経験的研究を「実証編」と題して,本書のなかで再構成されているのだ。そもそも,彼の大学院時代の研究遍歴は博士論文として終結するべく,あらかじめ計画されていたものなのだろうか。まあ,そんなことはないと思うが,見事な再構成だ。この辺りにも彼の真面目さが現れているのか。私は一度終わらせたものはなるべく変更したくない。

本書の実証編は地理学者らしく(彼は民俗学者でもある),現地調査から成り立っており,その対象地域も多岐に及んでいる。長野県下諏訪の農村,京都府伊根町の漁村,滋賀県朽木村の山村,佐賀県馬渡島の漁村,中国四川省の農村。
私の知り合いの研究者のなかには10年以上同じ地域で研究している人も少なくないが,毎回フィールドを変えられるのも彼の特徴だ。本書を読むと,まさに論証すべきテーマに都合の良い地域を次々選んでいるような冷酷な印象さえ受ける。

と,基本的に彼の研究の集大成である本書に敬服しながらも,もちろん不満がないわけではない。彼の研究に対する情熱には私は到底かなわないが,ある意味では彼は研究は研究と割り切っているふしがあるように思える。といっても,割り切った上での私生活があるわけではなく,私生活が研究に侵食されているのだが,私は逆に生活が基礎にあってその延長線上に研究がある。
また,理論と実証という区別も私は採用しない。上にも書いたように彼の現地調査のやりかたにも疑問がないわけでもない。といっても,あくまでもこれは立場の違いであって,彼の方も私に対する不満があることだろう。

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あたらしい教科書11 民芸

濱田琢司他監修 2007. 『あたらしい教科書11 民芸』プチグラパブリッシング,157p.,1500円.

一応,監修者は濱田君を筆頭に6人が名を連ねているが,文章は半分近くを彼が書いている様子。濱田君は2つ年下の研究者仲間で,地理学者。でも関心はむしろ民俗学に近い。
この「大人のためのファーストブック」と銘打つ「あたらしい教科書」シリーズはこれまで以下のようなものが発行されています。

0 学び
1 雑貨
2 本
3 ことば
4 定番
5 結婚
6 広告
7 外食
8 音楽
9 コンピュータ
10 住まい

という感じで,全くその編集意図が分からないのでなぜこのシリーズに「民芸」が入ったのかは問わないでおこう。

「民芸」という言葉をみて,皆さんは何を思い起こすだろうか。実はこの言葉の歴史は100年経っていない。知っている人も多いと思うが,食器などのデザイナー柳 宗理の父親である柳 宗悦が中心となって進められた「民芸運動」というものがあったのだ。
「民芸」という言葉は柳による「民衆的工藝」のことだが,その運動は成功したというべきか,その後も1970年代に「民芸ブーム」が起こり,現在も長男の宗理の存在によって「民芸」の名は表に出ないものの,同様のブームにあるという。
しかし,一方で「民芸」という言葉自体があまねく広がったのに対して,その意味は古臭くて魅力ないものとして矮小化されているのも事実だ。
どっちにせよ,この本はごく一般の人向けに,そうした「民芸運動」という歴史的事実とその運動が持っていた思想を伝えることを前半部の目的としていて,その部分を濱田君が分かりやすく解説している。
しかし,その一方で後半部はその固有名詞としての「民芸運動」とはあまり関係なく,現代における民芸的なものの魅力を伝えるべく,他の監修者たちがさまざまな魅力あるモノたちを紹介するという構成になっている。
なので,安易な民芸ブームにある種警告を発している前半と,そのブームを大歓迎している後半との温度差は否めない。

ちなみに,柳 宗悦と一緒に運動をしていた陶芸家の濱田庄司は栃木の益子焼を有名にした人物でもありますが,濱田琢司君はそのお孫さんなのです。
この本は渋谷bunkamura地下の書店で発見してビックリしていたら,本人が送ってくれました。

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日記にタイトルは必要か!

8月18日(土)

この日は朝から美容院に行って、さっぱりしてからお出かけ。新宿に用事があったので、その前に映画。やっぱりあれだけ映画館が集中する新宿でも都合のよい時間に観たい作品はなかなかやっていないものです。人気作品の公開初日はちょっと避けたい気がしますが、『恋するマドリ』を観ることにする。初日舞台挨拶は渋谷のシネクイントで行われるので、それほど混雑はしないと予想。しかし、一つ予想外のことが。新宿では「バルト9」という丸井のシネコンでの上映だが、前売り券がシネクイントのものしかないとのこと。やはりシネコン、こういうところが嫌いなんですよね。仕方なく当日券です。

新宿バルト9 『恋するマドリ
一応私は、雑誌の賃貸住宅特集やインテリア特集を論じた論文が2本ほどあるので、この作品は予告編で観たときから注目していた。主演は新垣結衣ちゃん。いろんなところで話題になっているのは知っていますが、テレビのない私はちゃんと観るの初めて。お相手役が松田龍平。いいねえ、モテモテ役で。そして、なにやら菊地凛子との三角関係らしい。結衣ちゃんのお姉さん役で江口のりこが登場するが、姉妹で一軒家を借りて暮らしていたものの、姉ができちゃった結婚で出て行くために、大学の近くで一人暮らしを始めるという設定。そして、結衣ちゃんが引っ越していった先が、かつて菊地凛子が住んでいたマンションで、凛子さんが越していった先が結衣ちゃん姉妹が住んでいた一軒屋。まあ、ちょっとありえない設定ですが、少ない出演者でまとめるにはいいかもしれません。結衣ちゃんの新居の上階には松田龍平が住んでいます。まあ、それからの展開はご想像の通りという感じで、公開されたばかりなのでネタバレは避けましょう。
で、このマンション。中目黒にあります。A.P.C.の隣のビルなので、今度行ってみよう。新垣結衣さんはもっと若いと勝手に思っていましたが19歳。飛び切り可愛いわけでもなく、肌に透明感があるような感じではなくむしろそばかすがあるような感じですが、演技も含めとても愛らしい。作品のホームページでインタビューの動画が配信されていますが、それを見るとその感じは余計強まる。演技をしているという感覚ではなく、自分がその人になりきるという感じの役者さんのようですね。特に本作は彼女の等身大に近かったのかもしれません。
ちょっとネタバレを。最後のシーンで結衣ちゃんが凛子さんを追って成田空港まで行くシーンがあるのですが、屋形船で成田空港には着かないよ。羽田と成田をごっちゃにして観客を騙しています。こういうのいけませんねえ。まあ、そんなことはありますが、結衣ちゃん、すっかり気に入ってしまいました。今後も出演作が続くようなので、またスクリーンで会えることでしょう。ちなみに、松田龍平。映画をこれだけ観ていると、さすがに観る機会も多いのですが、だんだん慣れてきました。以前はあまり好きではなかったんだけど、こういう作品ではけっこう魅力的ですね。それにしても、しゃべり方が浅野忠信と似ていることだけはどうにかしてほしい。そして、菊地凛子。どうも自然体っぽいんだけど、そうじゃないところがあるような気がしてちょっとどうかなあ。彼女の父親役で世良正則なんか出てきたりして、面白い。全般的にとてもいい映画です。

新宿高島屋 扇谷一穂
急いで、高島屋の8階へ。最近新装開店した新宿高島屋。事前に行っておいて良かった。とても分かりにくいところで、扇谷一穂さんの個展をやっていて、それにともなって、この日は演奏会があったんです。最近発売されたカヴァーアルバム『canary』はおおはた雄一さんプロデュースで、楽器の演奏もほとんど全て彼が手がけているため、この日のライヴも一緒です。1回目の演奏時間の15時ぴったりに着いたので、さほど大きくない会場では見るのはつらいかなあと思っていましたが、お客さんは20人弱。ちょうど正面から聴くことができました。この日も素敵です。本当にさりげなくいつでも清楚な扇谷さん、素的すぎます。5曲くらいは歌いましたかね。おおはたさんも少し話したりして、終始穏やかな会場。noa noaの鈴木庸介さんも来ていました。残念ながら終演後、出演者とお話することはできませんでしたが、いいですね。これまで扇谷さんの個展は2度ほど行きましたが、知る人しか行かないような会場だったので、今回は多くの人に彼女の作品が知られるいい機会になると思います。
私は新宿から新宿湘南ラインに乗って横浜まで。けっこう早いです。横浜からみなとみらい線に乗り換えて日本大通駅から赤レンガ倉庫に行きます。

横浜motion blue 畠山美由紀
6月から開始された畠山美由紀さんのシリーズものライヴ。「お散歩がてら」と名づけられました。会場は赤レンガ倉庫内のmotion blue YOKOHAMA。あまり早く行くのもなんだなと思って、開演40分前ほどに到着すると既に席はほとんど埋まっていました。私はステージ向かって左側の禁煙席に案内され、相席で私はステージの方を振り返るような形。赤ワインにキッシュで開演を待ちます。毎回演奏するミュージシャンを変えてのイヴェントということで(前回は行けなかったので、今回初参加。次回も拝郷メイコちゃんのイヴェントと重なってしまって行けません)、今回はshima & shikou DUOとの共演。パーカッションのBICさんはけっこう固定のようです。そして、今回数曲出演のゲストは高田 漣さん。
美由紀さんは先日、ジェシー・ハリスと2人で録音したアルバム『summer rain, summer cloud』を発売したばかりなので、そこからの曲を多く披露。残念ながらジャケット写真のときよりもバッサリ髪の毛を切ってしまいましたが、素的です。しかも、この日は美由紀さんの誕生日。2ndステージでは大々的にお祝いがあったかもしれませんが、1stでは高田 漣さんが2日後に誕生日だってことを知らせるついでに自分で知らせるくらいの控えめぶり。まあ、既婚者ですから、家族でゆっくりとお祝い会をすることでしょう(島さんのmixi日記では美由紀さんと漣さんが2人で一つずつケーキを持っている写真が載っていましたが)。
まあ、そんなことはよく、今年に入って2回目の美由紀さんライヴではありますが、前回はカルロス・ジョビン生誕祭ということで、オリジナル曲が全くなかった不満もあり、素晴らしいステージでした。なんでも,このシリーズで恒例としたいというのが,リクエスト曲の演奏。もちろん,美由紀さんのオリジナル曲やスタンダードナンバーでもいいのですが,事前にお客さんにメールで要望を受けるというもの。6月の第1回目はなんと,松田聖子の「赤いスイトピー」だったらしく,「歌謡曲と思ってなめていたら難しかった」と美由紀さん。そりゃ,松本 隆+松任谷由美(名義は呉田軽穂でしたね)ですからねえ。ということで,今回も80年代ヒットソングに挑戦,ということで,松田聖子とくれば中森明菜でした。「セカンド・ラブ」で,shima & shikou DUOアレンジによるサンバ調の軽快なリズムでした。これがなかなかお客さんにも好評。
さすがにshima & shikou DUOのオリジナルはありませんでしたが,高田 漣さんはゲストということで,美由紀さんと2人の演奏ありの,美由紀さんをステージに留まらせておきながら自分のオリジナルを1曲演奏しました。やっぱりshima & shikou DUOへの美由紀さんのゲスト出演の時とは全く違った,あくまでも美由紀さんを引き立てる,素晴らしいあっという間の90分ステージでした。美由紀さんも終始リラックスで,いいイヴェントとして長く続くといいですな。

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都市空間の地理学

随分以前にmixi日記で書いた文章だが,こちらでなら多少なりとも同業者の目に触れるかもしれないので,転載することにしたい。

加藤政洋・大城直樹編 2006. 『都市空間の地理学』ミネルヴァ書房,304p.,3000円.

1962~1979年生まれの地理学者(社会学者2人含む)が執筆した最近の地理学の動向を教科書的にまとめた論文集。
自分で書くのもなんだが,私が執筆者に名を連ねてもおかしくない本だが,よく考えると他にも外れている研究者が何人か思い浮かぶし,地理学の執筆者のほとんどが西日本在住ということからも,この偏りは編集作業上の問題だと理解することにしよう。

本書にはあとがきはなく,短い「はじめに」が編者名でつけられている。冒頭から「人文地理学の一分科に都市地理学があります。」という大学一年生に当てたような文章から始まり,「都市地理学の枠組みにはとらわれず,都市を読み解く手法や構えをわかりやすく紹介する目的で編んだテキストです」とあるので,学部生,ないしは地理学以外で都市に関心のある学部生・院生が対象かと想像される。

確かに,初歩的な人が読むには学ぶことが多いかもしれない。しかし,これをテキストにして講義をするとなるとどうだろうか。なんかとても中途半端なような気がする。
そもそも,本書で紹介されているような内容は学問体系のなかで通り一遍学ぶようなものではなく,学問分野の境界を越えて,都市や空間に関心を持っている研究者たちが,時にはそれとは全く関係がないように思われる文学理論や美術史,フェミニズム理論から新しい視点を手に入れることによって都市や空間の新しい解釈へと導いてきたものだ。学ぶべきことが選択的に先に与えられるのではなく,問題関心があるべきものではないだろうか。

まあ,恐らく編者や著者は,分かりやすく浅く広く拡げた風呂敷から,それぞれ関心テーマを選んで,その先は自分で深めるようにと願っているのだろう。
でも,恐らく実際多くの学生はオーソドックスな研究テーマをする傍らで,新しいこともつまみ食いするような傾向を助長するのではないだろうか。

私は自分の関心に従って,本書に登場する地理学以外の論者たち,ベンヤミン,ドゥボール,ド・セルトー,バルト,バトラー,バージャー,ルフェーヴルを読んできた。そこから議論を展開してきた英語圏の地理学者と同様に。しかし,本書で学ぶ研究者はどうなるだろうか。英語圏の地理学者を介して間接的にしかそうした思想家の議論を知らなくて済んでしまうのではないか,そんな危惧がある。
そもそも,すでに本書の執筆者たちにもその気はある。自身のオリジナルの研究と,本書で受け持っている章の内容とが直接は結びつかないのだ。

まあ,愚痴はいくら書いても止まらないし,非生産的なのでこの辺にする。やっぱり私が執筆者として選ばれなかったのは,私がかれらに距離を感じているように,かれらも私に距離を感じているのだろう。
私の論文は1本たりとも引用されていない。

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書評ダウンロード

以前の日記,「私の論文ダウンロード」も少しずつ更新していますが,書評もアップロードしていきましょう。
書評を好んで書く人ってあまり多くありませんが,好きな人はよく書くんですよね。私は書評がとても好きです。書評を書くことによって自分の理解も深まりますし,論文のなかで1冊の本を紹介するのって,ごく簡単にしかできないけど,書評であれば2,3ページ存分に書けますし,場合によっては批判もできます。
ということで,こちらも少しずつアップしていきますので,たまにのぞいてやってください。

成瀬 厚 1994. 書評:竹岡敬温著:『アナール』学派と社会史──「新しい歴史」に向かって.地理科学 49: 42-44.⇒「annales.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1994. 書評:ウォーラーステイン著:ポスト・アメリカ──世界システムにおける地政学と地政文化.地理科学 49: 243-247.⇒「wallerstein.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1995. 書評:カーン著:『時間の文化史・空間の文化史──時間と空間の文化:1880-1918年/上・下巻.地理学評論 68: 566-567.⇒「kern1995.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1996. 書評:サイード著,モア写真:『パレスチナとは何か.地理学評論 69: 849-850.⇒「said1996.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1997. 書評:キンケイド著:ちいさな場所.地理科学 52: 259-260.⇒「kincaid1997.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1999. 書評:コルバン著:浜辺の誕生.季刊地理学 51: 34-35.⇒「b1999a.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1999. 書評:Casey: The fate of place.地理学評論 72: 184-186.⇒「casey1999.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1999. 書評:Ó Tuathail: Critical geopolitics.地理科学 54: 138-140.⇒「1999c.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 1999. 書評:西村孝彦著:文明と景観.地理学評論 72: 707-708.⇒「b1999d.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2000. 学界展望:文化地理.人文地理 52: 250-252.⇒「2000.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2001. 書評:石井 實著:地理の風景――古代から現代まで.地理科学 56: 124-126.⇒「b2001.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2002. 書評:石井 實著:写真集・東京 都市の変貌の物語1948-2000.地理学評論 75: 549-550.⇒「b2002.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2003. 場所名と記号体系――大平論文に対するコメント.地理学評論 76: 172-175.⇒「2003.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2004. 書評:ジョルジュ・ペレック著:さまざまな空間.地理科学 59: 292-293.⇒「b2004.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2005. 書評:ミッシェル・セール著:幾何学の起源――定礎の書.地理学評論 78: 127-129.⇒「b2005.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2007. 論理一貫性の束縛――若松・泉谷コメントに対するリプライ.地理科学 62: 21-29.⇒「2007.pdf」をダウンロード

成瀬 厚 2007. 書評:ヴィルヘルム・フォン・フンボルト著:双数について.地理学評論 80: 942-944.⇒「humboldt.pdf」をダウンロード

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思い立って,やっぱりライヴ

2007/8/16日(木)

世間はお盆だというのに、私に夏休みはない。といっても、ご存知のように私は仕事一筋ではないし、そもそも長期休暇をとるような人間でもないが。ここのところ、会社で業務を頼まれている社員がけっこう大変なようで、「私は夏休みを8月中には取れません」といっているものだから、私もお付き合い。しかし、木曜日はいつもどおり会社はお休み。大学は夏休み期間。
5時半に起きてジョギングをして、午前中に献血をして、夜のライヴ前に映画2本。そんな生活。

渋谷シネマQ-AX 『石の微笑
もう上映終了で諦めようと思っていたが、1日1回上映で続いていたので、せっかくだから観ることにする。ブノワ・マジメル主演のフランス映画。妹の結婚式にて、新郎の従妹の女性と出会いドツボにはまっていく。スクリーンに初めて登場するその女性を演じるローラ・スメットは、ブルーのドレスを着ているが、ちょっと太目だし、仏頂面だし、とても魅力的には見えない。「えー、これが相手役かよ!」という感じでしたが、さすが映画女優。服を脱ぎ、衣装を換え、表情が変わるごとに魅力的になっていく。しかも、さらに今度はだんだん怪しげな雰囲気に。そんな感じで、ブノワ・マジメルがすっかり振り回される役で、それはそれで面白い。

渋谷シネ・アミューズ 『天然コケッコー
続いて観たのは、公開前から楽しみにしていた山下敦弘最新作。最近すっかり精力的に作品を撮り続けている山下監督。『松ヶ根乱射事件』はこれまでどおりダークな側面だったのに対し、本作は『リンダリンダリンダ』に続く、淡く切ない青春ドラマ。舞台は島根県の田舎町。小中合わせて6人しか生徒がいない学校に東京から中学2年生の男子生徒が引っ越してくるという設定。結局、同じ中学2年生の女子を演じる夏帆と、その転校生を演じる岡田将生が好き合ってしまうという設定は、ちょっとひねりがないが、まあこの作品は『ジョゼと虎と魚たち』の脚本化渡辺あやの脚本と映像とで楽しめる作品。夏帆ちゃんはまともには初めて見たが、やっぱり大した女優だよ。その他の生徒役の子どもたちもとても魅力的。特に、柳 英里沙は以前から藤田陽子と同じ事務所「ユマニテ」所属ということで知っていたが、そのホームページの写真がちょっと雰囲気が違うので、『神童』や『あしたの私のつくり方』にも出演していたのだが、あまりピンと来なかった。どちらかというととぼけた役どころが似合う少女。最後、地元の高校に通うことになった岡田将生が坊主頭になっているところが素的です。
この日は暑いこともあって,近場での移動ばかり。円山町近辺です。

渋谷7th floor
女性ドラマーchacoさんが八王子にマイホームを新築,引越ししたということを祝うために,High Bridgeこと高橋さんが企画したイヴェントのようです。しかし,それにしてもこの高橋さんって何者なんだろう?月に3本も4本もイヴェントをいくつかのライヴハウスで開催して。この日も1970年代から1980年代のヒットソングを集めたDJで楽しませてくれます。
小宮山 聖:いつもは辻 香織や松崎ナオのサポートギタリストとして見ることの多い,カスタネッツのメンバー。といっても,カスタネッツは聴いたことないんですけどね。香織ちゃんのコーラスではかなり高音を出しているので,ソロのステージは楽しみ。そして,その期待を上回るような歌声。非常にソウルフルでいいです。しかし,やはり普段あまり歌わないせいか,音程に安定さはないし,あまり曲数は歌えない様子。この日もけっこう話で時間を費やし,歌ったのは3曲。でも,持ち時間は20分だったらしいので,ちょうど良い。
上田ケンジ:こちらははじめましての男性。シルクハットをかぶったピアニストと2人のステージでしたが,なぜか私はかなり真面目に寝てしまいました。しかし,この人,伊藤サチコさんの『三日月の夜』というアルバムの中の「退屈しのぎ」のプロデュースをしているんですよね。
角森徹也withダイナミックオーシャン:でてきました。私はあまり得意ではありませんが,かれらのmona recordsでのイヴェント「どっこいしょ祭り」に香織ちゃんも参加しているので,何度か見たことがあります。かれらも20分の持ち時間だったのだろうか。裕にその倍はやっていました。なんとか,ダイナミックオーシャンズのメンバーを眺めることでやり過ごしています。
辻 香織:8月の頭に,夏風邪をこじらせ,声が出なくなって出演ライヴを一つキャンセルした辻 香織。その3日後のライヴに出演していたので,その様子が気になります。そういう時に,こういう賑やかなイヴェントはいいですね。しかも,出演者で最年少ってのも気楽かもしれません。これがナナカイ☆レディースデーなどで年下のシンガーの前でってのはちょっとキツイかも。まあ,ともかくいつもどおり小宮山 聖さんとのステージ。この日はお盆ということで,彼女自身の反戦の曲だという「水鏡」を披露。やはりこの曲素的ですね。私があまり彼女のライヴに行けていない間に新曲も増えていていい感じです。そして,最後にはchacoさんを含めてバンドのメンバーが大勢出てきて,皆で「夜明けの一秒前」を演奏。chacoさんって多分香織ちゃんのライヴで1回くらい聴いているはずなんだけどしっかり思い出せません。まあ,それはともかくこの曲にピアノが入るといいですねえ。辻 香織完全復活という感じで嬉しい。
chaco:最後に主賓が出てきて,1曲ずついろんな人が入れ替わり立ち代りで演奏していきます。ベースやギターやフルート,ピアノ,そして香織ちゃんを含むヴォーカル。自身でも1曲ベースだけをバックに歌いました。ドラマーなんだけど,なぜか歌詞つきの自作の曲を多く持っているようです。この人のドラムスは女性特有の優しい感じはあまりない。しかし,男勝りに力強く叩くわけでもない。叩き方はソフトなんだけど,音はしっかりしている。この日見た感じではとても真面目で真直ぐな女性。それが演奏にも出ている気がします。

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お盆,帰省

8月12日(日)

この日の夜はライヴの予定があるので,午後には出ないといけない。それにしても,この家は夜中涼しくて快眠だ。家といっても私が育ったここはUR都市機構の5階建て団地。「マッチ箱」と揶揄されるあの団地だ。その4階。今私が一人暮らしをしているマンションは片側にしか窓がないので,風の通り道にならない。そこが大きな違いだ。

さて,前日池袋で映画の前にHMVで時間をつぶしている時に見つけてしまった,1本のDVD。なんと,ナタリー・ポートマンが2004年に主演した作品。私が知らないはずはないので,恐らく日本で公開されなかったのだろう。『終わりで始まりの4日間』という作品で,主演は実はナタリーではなく,ザック・グラフという男性。しかも,脚本と監督をしているのが彼なのだ。なんと,それが980円で売っていたので,思わず買ってしまったのだ。以前,グィネス・パルトロウが出演した『ハッピー・ブルー』という作品があったが,そんな感じのちんけな作品。こういうのが好きなんですよね。といっても,一緒に観ていた母親は「なにこれ,くだらん!」といってどこかへ行ってしまった。
主人公はロサンゼルスに住んでいるが,母親の葬式のために実家の田舎に戻ってきた。そこで出会うのがナタリー・ポートマン演じる少し変な女性。まあ,話の展開自体は母親の気持ちも分からんでもない。でも,私にとってはナタリーちゃんを長時間観られるだけで十分満足なのだ。しかも,こうした天真爛漫な役とくれば,他の作品では観られない表情が見られます。ちょこっと水着のシーンなどもあったりして。
ということで,その後暑いので母親は渋ったが私の最大の目的であった父親の墓参りのために歩きます。そう,お墓のあるお寺は駅よりさらに遠いのです。で,当然徒歩。そして,また暑い中,東京へ戻ります。

池ノ上bobtail
bobtailが小池アミイゴ氏にのっとられた感じのブッキング。実はオオタユキさんは2回目で,mounnt sugarは初出演です。羽場さんが数年前から出演依頼をしていてもかなわなかったらしい。そんなこともあるんだね。さて,またまた先客でサカウエ君がいたので,隣のカウンター席に陣取る。彼もけっこう私の世界に引き込まれつつあります(笑)。
オオタユキ:この日はアミイゴさんを加えてのステージ。本当に好き勝手やっています。先日発売されたばかりの『peace』からも,その前の『マングローブ』からもまったく演奏しない。かと思えば,先日leteで初めて聴いたばかりのノラオンナさんの「パンをひとつ」をカヴァーしていますよ。でもいいですね。ともかく,歌うのがとても楽しいみたいです。
mount sugar:なんとも2月以来というかれらのライヴ。こちらも少しアミイゴさんが加わってのステージ。そういえば,この日は映像はなかったな。亜理沙ちゃんがまたふっくらしたように思うのは気のせいだろうか。そのこととは全く関係ないとは思うが,この日の歌はすごかった。彼女はけっこう感情が先に出てしまうタイプなので,たまに歌の技術的な側面が追いつかないことがある。でも,この日はこれまで聴いてきたなかで歌声としては一番良かったのではないだろうか。アミイゴさんも終演後に「一皮向けた」なんていっていましたが(でも,同じような台詞を以前にも聞いたことがある),この日は出演者が2組ってのも,もちろんその2組ともとても良かった。余韻に浸りながらサカウエ君と帰宅。

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母親デート

8月11日(土)

木曜日に一時的に帰省したばかりだが、「お盆」ということで、1泊できる日がこの日しかないので、また帰ることにする。ただ帰るのもなんなので、また母親を呼び出して映画。さいたま新都心でと考えたが、母親は涼しくなってからがいいということで、夕方の回。その前にその途中の池袋で先に1本観ることにした。池袋の映画館に行ったらフリーペーパー『buku』をもらわなくては。今回は阿部サダヲと北乃きいちゃんのインタビュー掲載。そして、今井雅子さんの連載。

池袋シネリーブル 『夕凪の街 桜の国
さて、本作は広島を舞台にした、この時期を狙った作品。「夕凪の街」と題された前半では麻生久美子演じる女性の半生を描く。原爆投下で生き残ったものの、その後の13年の人生を身近で亡くなった人の想いを背負いながら生きる被爆者を重々しく演じます。疎開していて被爆しなかった弟役に伊崎充則が演じるが、役の上では大学受験をする年。しかし、実際には麻生久美子より年上で今年30歳になる。でも、違和感ないね。麻生久美子演じる女性が亡くなるところで、前半は終わる。
後半は「桜の国」と題され、関東のどこかの街で暮らす20歳台後半の女性が主人公。田中麗奈が演じます。そのお父さんを堺 正章が演じますが、これが50年後の弟の姿。無断外泊など怪しい行動を取る父親を尾行しながら、中越典子演じる幼馴染とともに、田中麗奈は広島まで深夜高速バスに乗って行く。彼女の肉親には被爆者がいるということは知っていたが、広島の原爆投下についてほとんど他の者以上の知識を持っていなかった彼女。前半の重苦しい雰囲気に比べて、後半はある意味コメディタッチだが、無理に明るくふるまったり、何かを頑張って成長したりというキャラクターではない田中麗奈の役どころはとても好き。髪の毛もけっこうボサボサだ。しかし、その広島への旅を通して、この家族の関係が微妙に変化していく。田中麗奈演じる女性には弟がいるのだが、この存在もナカナカいい。その家族内での変化も劇的なものではなく、ほんのわずかなものにすぎないところが、リアリティを増していると思う。
ちょっと仰々しいタイトルではあるが、戦後62年を経過したこの年には相応しい作品ではないだろうか。

MOVIXさいたま 『怪談
さて,さいたま新都心駅で母親と待ち合わせだが,この日はスーパーアリーナでなにやらコンサートが催されるらしく,凄い人だかり。しかも,15時半じゃまだ暑さ真っ只中ですよ。映画館の方にも人が流れます。結局,母親が選んだ映画はこちら。なにやら日本映画が観たかったとのことですが,こんなのしかやっていません。普段私はこういうのは観ませんが,ホラーといえども時代劇で,しかも主演が歌舞伎役者,そのお相手が黒木 瞳とくれば,まあ許せるでしょう。前回は満席で観られなかったため,今回は少し前に集合して受付してからカフェで時間をつぶすことに。それでも,埼玉県民をなめてはいけませんね。残り30席ほどでしたよ。黒木さんが出ていた前半はなかなかでした。しかし,その後は入れ替わり立ち代り女と絡んでは不幸が起こる,という繰り返しがあまりにも長い。母親曰く「しつこい!」。ということで,あと30分短くてよかったのでは。

東鷲宮駅について,意外と涼しく感じましたが,ここから15分ほど歩くんですよね。すっかり汗だくです。もう帰宅すると時間が遅かったので,夕食は軽くでいいといいたいところでしたが,またまた面倒な天ぷらなど揚げています。美味しくいただいて,テレビ漬けの夜でした。

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建築のイコノグラフィーとエレクトロニクス

ロバート・ヴェンチューリ著,安山宣之訳 1999. 『建築のイコノグラフィーとエレクトロニクス』鹿島出版会,277p.,4300円.

最近,ようやくヴェンチューリを読み始めた。
1966年に発表された『建築の多様性と対立性』(翻訳は1982年),および1972年に発表された『ラスベガス』(翻訳は1978年)はどちらも鹿島出版会のSD選書に収められている。しかし,1996年に発表された本書を読んで,ようやくヴェンチューリについて分かったような気がする。
『ラスベガス』から本書までの20年以上の間に何冊も著書を発表していると思っていた。でも,違っていて彼の経歴は面白い。実際の建築設計をする建築家が,晩年に建築史家や建築批評に転じることはよくある。しかし,ヴェンチューリはその逆なのだ。30歳台で大学で教鞭を取り,40歳代で2冊の建築批評書を発表した後,大学を辞して建築設計を始めたのだ。いわば自らの建築理論を実践に移したといえようか。
前2書によるヴェンチューリの建築理論を一言で表現するのは難しいが,『ラスベガス』の原タイトルは「ラスベガスから学ぶ」であり,信念を持っている多くの建築家は見向きもしない,ラスベガスの商業主義丸出しの建築物からも学ぶことは多くある,というのがヴェンチューリの主張である。
エドワード・レルフという地理学者が『場所の現象学』(原題は「場所と没場所性」1976年)においてまさに「没場所的な」景観と呼んだ,巨大な看板と原色使いのけばけばしいネオンの建築物は,それなりの理由をもって,ラスベガスというその場所(高速で自動車が通り過ぎるロードサイド)でこそ成立したヴァーナキュラーな景観だというのだ。しかし,このヴェンチューリの主張は,あまり知られていない地理学者,J.B.ジャクソンのそれと似ているようだ。残念ながらジャクソンの文章は全く日本語には訳されていないので,きちんと彼自身の文章は読んでいないのだが。

さて,それから20年以上経った1990年代に書かれた文章を集めた本書はかなり変わっている。前半は自らの建築思想,および建築設計において影響を受けたものについて素直に書かれていて読みやすい。そして,自分の設計した建築物についての回想。この辺から毒を吐き始める。建築にはコンペティションがつきものだが,そのシステムに対する批判。自らの作品に向けられた批判に対する反批判。最後の方には「某建築評論家宛の未送付書簡」などという文章すらある。建築における正当な美学の何たるか全く分かっていない私にすればヴェンチューリの主張はごもっともに思えるが,それは無批判に受け入れすぎだろうか。
ともかく,これほど異端な人生を第一線で歩んできたこの人物には敬服いたします。

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コンニチハ 世界の子どもたち

田沼武能 1997. 『コンニチハ 世界の子どもたち』岩波書店,259p.,1200円.

田沼武能(たぬまたけよし)は私が修士論文で取り上げた写真家。もう78歳の高齢だが,現役でしかも日本写真家協会の会長をしている。芸術的な批評の対象とはなりにくい,非常に堅実な作品を撮る写真家であり,かといってジャーナリズムの世界で名高い写真家とも違う。
そんな微妙な位置であり,また本書のタイトルにあるように彼のライフワークが世界中の子どもの写真を集めることにあるため,彼の作品に「世界」というものがどのように描写されているのか,ということを地理学的テーマとしたのだ。その私の修士論文は1994年度に提出され,そこから中心となるテーマの部分を論文として学術雑誌に掲載したのが1997年。確かに,私のなかで田沼武能について調べることは終わってしまったが,その年に発行された本書を知らなかったことは,先日本書を古書店で見つけたときに軽いショックだった。

さて,この作品は岩波書店が出している「同時代ライブラリー」という文庫より一回り大きいシリーズの一冊。そして,その内容は1国2ページ分,111ヶ国の記録である。見開き左ページはモノクロ写真,右ページはその国に関する文章。そもそも,本書は『聖教新聞』に5年にわたって連載されたコラム記事からなっている。1つの国が全く同じ分量で書かれているので,それはそれで面白い。国土面積や人口,気候や文化など基本的なデータ提示から,もちろん撮影旅行でのエピソードまで。その国を訪れた年を明記している場合もあるが,本の構成的には彼の実際の訪問歴よりも,まるで地理の教科書のように,この読書によって世界一周を疑似体験できるようなつくりになっている。

Ⅰ オセアニアと太平洋
Ⅱ 南アメリカ
Ⅲ 中央アメリカから北アメリカへ
Ⅳ 北欧からロシア・東欧へ
Ⅴ ヨーロッパ
Ⅵ アフリカ大陸一週
Ⅶ 中近東
Ⅷ アジア

こんな感じ。これも批評対象にできるな。

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完全生音

8月10日(金)

池袋自由学園明日館ホール ビューティフルハミングバード
昨年は私の誕生日にゲストにHARCOを迎えて(しかも,そのHARCOのステージが大橋エリさんと2人編成だった!)行われた明日館でのライヴが今年もやってきました。昨年は200人ほど収容する講堂でしたが,今年はわずか50人ばかりのホールでの演奏。ここ,明日館は有名な建築家,フランク・ロイド・ライト設計によるものだが,正直いって講堂の方はさほど美しい建築物でもない。ホールは本館の中央部に位置し,自由学園として使用されていた時代には食堂だったらしい。室内には当時の生徒が製作した壁画や彫刻などが残されている。さて,ちょっと時間を戻して,開場前に会場前で待っていると,藤原マヒトさんの姿が。なんとなく私のことは覚えているだろうと思って,特に自己紹介などもせずに話しかける。「今日はお客さんで?」すると,「やるんですよ。面白いですよ」と返答。うーん,ますます楽しみです。
ホールの窓際にギターが6本並んでいます。ビューティフルハミングバードの田畑さんのギターはこれまで私が観たライヴではいつも同じで,褐色色で,穴の下についている補強版の柄がとても素敵。そう,ハミングバードこと,ハチドリの姿がデザインされたものです。そこに並べられたギターはどれも微妙に形や色が異なりますが,どうやら同じモデルのよう。すべてタバティのものなのか?そして,右手にはマヒトさんが演奏するだろう,可愛らしいピアノが置いてあります。登場したタバティはまだ中肉中背を保っています。もう,あれから1年経ちますから,かなりその体型が似合うようになりました。太っている頃は少し野暮ったい雰囲気がありましたが,人は変われば変わるもんですね。小池光子さんの方も少しずつやせてきているのでしょうか。でも,あまり痩せてしまうと歌声に影響しそうなので,今ぐらいがいいですね。でも,こちらも以前より垢抜けた感じで(特に髪型が)素敵です。衣装の話は今回はしませんでしたが,さすがに手作りではなかったのでしょうか。でも素敵でした。
さて,まずは2人での演奏。先ほども書きましたが,この日は音響設備を全く使わない,完全生音ライヴ。お客さんも気を遣います。といっても,私はリラックス。でも,こういうスタイルは初めてではないのです。かなり以前,2004年の4月ですね。国分寺のとあるギャラリーで,彼女たちの知り合いのアーティストの個展があり,そのオープニングでビューティフルハミングバードがライヴをしたのです。その時は会場が非常に狭かったので,お客さんはそれぞれ床に座ってほっこりと聴いていました。
さて,この日のライヴ。演奏がよかったのはもちろんのこと,なんといってもこの日の選曲がよかった。9月にはニューアルバムをリリースする予定のかれら。そんなまだCDになっていない曲から(例えば「流線形」なんて曲はけっこう前からライヴで演奏している),1stミニアルバムの曲まで,満遍なく楽しませてくれました。おっと,書き忘れたわけではないのですが,藤原マヒトさんはそれはもう大活躍でしたよ。このピアノはちょっとした仕掛けのあるもので,どこかのレバーを引くと音調が変わるのです。ピアノって弦楽器であり打楽器であると思うのですが,レバーを引くと弦楽器の要素が顔を出すみたいな。ビンビン古臭い音を奏でます。そんなマヒトさんとタバティのイマイチ息の合わないやり取りも素敵。ともかく,申し分のない90分ほどのステージでしたが,一つだけ残念だったのは,光子さんが終始少し咳き込んでいたこと。以前から歌うことが咳を誘発してしまうような,繊細さを持っている彼女ですが,本編最後の曲で歌いながら咳を何度もしてしまったのは残念。しかし,そこはアンコールを2人で「青色の秘密」でしめてくれたので大丈夫。
やはりこの日も本人と接触する機会はなかったので,久し振りにアンケートを書いて帰ってきました。こういう早い時間に終わるライヴはいいですね。

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吉祥寺も変わる

8月9日(木)

最近のhitme & miggyはゲストが恒例になってきてしまった。基本的には2人だけの演奏でしっぽり聴きたいのだが,まあ,彼女たちのことですからこのゲストが豪華なんですよね。最近,高井亮士氏はさまざまなところで出演していて新鮮味はないが(笑),もう一人のゲストがなんとドラマーみどりん。結局,彼のバンドsoil & "pimp" sessionsは聴くに至っていないが,大橋エリさんのバンドやそれつながりで,後藤郁夫さんのバンドでもhitmeさんと一緒に出演していたなあ。ということで,久し振りに彼の演奏を聴けるということで,行ってきました吉祥寺。吉祥寺といえば,メンチカツのサトウだが,最近不法滞在(?)の外国人労働者を過酷な労働環境の下で雇用していたというニュースが妙に気になってしまう。しかも,そういうニュースがあるのに,お客の足は絶えないのだという。早めに吉祥寺に到着して、移転したタワーレコードに行ってみる。デパートが撤退した後に家電量販店が入り、その上階に移ったのだ。店舗はそれなりに広いものの、やはり雰囲気は地方都市のタワーレコードという感じだ。以前の武蔵野的雰囲気はもうない。おおはた雄一さんプロデュースによる扇谷一穂さんのカヴァーアルバム『canary』と、HBのCDを購入。HBとは以前大橋エリさんが電子マリンバで参加していた6人編成のギャルバンド。一時期はけっこうライヴもしていたのに、その後多くの人が多忙ということで、結局、ドラムスのmaki999さんとパーカッションのむーぴー、ベースのつっちーのリズム隊3人になってしまい、その3人でレコーディングした作品。

吉祥寺strings hitme & miggy
stringsに到着すると、既にサカウエ君が美味しそうに料理を食べています。私はレジ横の一番奥まった席。まあ、この日は何故かテンション低めだったし、みどりんのスティック捌きを見るにはいい位置だし、いいでしょう。はじめはしっとりと2人のステージ。hitmeさんが先日一瞬なくしてしまったフルートの出番。やっぱりいいですねえ。3,4曲やったところで、ゲスト2人登場。とても体型が似ている2人。この狭いお店にすごいです。バチを握る指をなめるみどりん。この日は演奏中にバチを一本落とすシーンなどもあり、いかに握る手に力が入っていないかがわかります。野球のバットでもそうですが、ああいう棒状のものを操るものは、強く握ってはいけないのです。手首が硬くなってスナップが利かなくなる。そんなみどりんの極意を見た瞬間。やっぱり、ジャズのピアノトリオよろしく、miggyさんとこの2人の組み合わせは絶妙ですね。さすがにベースはアンプを通していたようですが、お互いの相乗効果ですごいことに。もちろん、hitmeさんがそこに素敵な歌心を添えます。お客さんはノリノリ大騒ぎでしたが、私は自分自身はしっとりと熱いものを吸収しました。特にhitme & miggyでは演奏したことがないというmiggyさんの曲「焦燥」はすごかった。ちょうど私の位置からは鍵盤が見え、miggyさんのなかなか見られない指捌きを見ましたよ。
でも、何気に私的にはこの日のhitmeさんが良かった。前半はしっとりと、なんかこれまでにない落ち着き払った音を聴かせてくれて、後半になると盛り上がっていくが、音はぶれない。うん、いいステージだった。この日はあまり出演者とはお話せず、終演後にサカウエ君と少し話し、まさよし君に挨拶して、帰りましたとさ。

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母息子カレーディナー

8月8日(水)

この日は当初の予定では、久し振りに岩﨑 愛ちゃんが上京してmona recrodsでライヴをやるので会いに行くつもりだったが、先日の佐野遊穂さんのライヴの時、omu-toneがムムタージでライヴをすると告知していたので、そちらに行くことにした。先日ムムタージに行った時にポイントカードを作ったら、立て続けに葉書が送られてきたのだ。1枚目はバースデイカードで、ドリンクやおつまみ、デザートがサービスされるというもの。もう1枚は通常のサービスカードだが、そちらは演奏付きの日(「ラーガナイト」と名づけられている)には20%オフになるというもの。せっかく大宮まで行くので、母親を呼んでカレーディナーでもしようかと思った次第。母親の住む家は駅から遠いので、ムムタージでのライヴ後に一人で帰らせるのは気がひけるが、今回は翌日が木曜日で私がお休みということもあり、一緒に帰ることにしたのだ。

大宮ムムタージ omu-tone
ということで、大宮まで。ムムタージは若い女性客で賑わっていました。私たちの隣のテーブル席は女性3人客で、ライヴ前に食事を済ませ、1stステージをしっかり聴いていたので、omu-toneの友達かと思いきや、2ndステージではすっかりおしゃべりに夢中。結局、演奏の途中で帰ってしまった。なんだったんだろう。結局、注文したのは2人それぞれカレーとナン。私がドリンクを2杯飲んだものの、サービス品で十分お腹一杯になってしまった。しかも、20%オフだったので、2人で3000円弱。かなりお徳です。
さて、演奏ですが、この日もマリンバ1台で、高橋さんと澤口さんが連弾。佐藤さんパーカッションという形。母親ははじめはマリンバを珍しがって聴いていたが、1stセットが終わったところで、「もういいでしょ?」と帰りたがる。しかし、私は演奏を聴くためにわざわざ来たのだから、なんとか引き止める。オリジナル中心の演奏は,母親にはどれも同じに聴こえてしまったようだ。しかし,私的には本当に2ndステージまで聴いていてよかった。以前からこの3人の演奏技術の高さは耳で聴いて分かっていたつもりだったが,この日はその演奏する姿をみて,特に澤口さんの素晴らしさを再確認した。彼女は素敵なマリンビストだ。
そして,ライヴも終わりに差し掛かった頃,それまでリーダーの澤口さんがMC担当だったのだが,急に佐藤貴子ちゃんがマイクを握る。「今日は誕生日の方がいらしています。自己申告でお願いします。」と。さすがに私は2週間も過ぎているしなあ,と思ったがどうやら私のことだったらしい。彼女が私の誕生日を覚えていたわけではなく,誕生日サービスを受けているお客さんが私だったということだ。またまた,お客さんの拍手までいただいてしまった。そして,バースデイソングをマリンバで演奏。さすがに,今年は何度もこういう場面があったので,2週間も過ぎると照れますね。帰り際に貴子さんに「母親です」と紹介すると,「いつも来ていただいて」とよくあるやり取り。実はomu-toneはまだ3回目なんですけどねえ。他でも貴子さんには会っているので,そんな錯覚が。
ということで,帰りは大宮からさらに下り方面に乗り,久し振りに夜はテレビ漬けになったのでした。

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アイスランドの音楽事情

8月7日(火)

この日は家の近くで「せいせき多摩川花火大会」が行われるので、例年通り会社から鑑賞することとなった。私のお世話になっている会社は多摩川沿いに建っており、6階のオフィスに居ながらにして花火が楽しめるのだ。こんな日は18時過ぎから寿司やピザなどを買ってきて宴会を始める。でも、正直なところはここの花火は規模は小さいので、ちょっと見られれば良いのだ。私は途中で抜けて、一度帰宅して着替えて渋谷までレイトショーを観に行くことにした。ちょうど、多摩川を渡る電車からは花火が見えた。

渋谷シネクイント 『スクリーミング・マスターピース
アイスランドの音楽に関するドキュメンタリー映画。レイトショーだが、音楽好きの若者(あからさまに音楽をやっているような人は少ないが)がけっこう集まっている。夏休みだしね。予告編で出演していたミュージシャンで私が知っているのはビョークだけ。しかも、ビョークがアイスランド出身であるということもきちんとは知らなかった。そんな私でも十分に楽しめる内容。お酒も入っていたし、ドキュメンタリー映画といえば心地良い眠気を誘うものだが、とても刺激的な作品だった。1980年代以降のアイスランドのポピュラー音楽の軌跡がかなり社会学的に探求される。ビョークもsugarcubesというバンドですでに1980年代から活躍していたということも知らなかったし、他にも世界的に活躍しているミュージシャンを輩出しているとのこと。なかでも私が気になったのは、マリンバは木琴だが、木ではなく、薄い岩を並べてそれをマレットで叩く楽器。石琴とでもいおうか。それが何台も並べられて弾くのだが、素晴らしく神秘的な音を奏でる。
その他にも皆が工夫を凝らしてさまざまな音楽が生み出されている様子が描かれているのだが、最後のコンサート風景で、これまで別個に出演してきたグループが一堂に会しての演奏風景は圧巻。ビョークのかなり貴重なインタビュー映像もあり、素敵な映画でした。

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毎日暑い

8月5日(日)

麹町TOKYO FM 大山百合香
TOKYO FMがやっているSNS「タペストリー」で募集があった「香りセレクション」というイヴェント。以前にはHARCOをゲストに迎えてmona recordsで開催されたが,今度はTOKYO FMのスタジオで大山百合香さんをゲストに迎えての開催。今回も20組40名という枠でしたが当選しました。しかし,私の友達で百合香さんを聴くような人はいないので一人で参加。都営新宿線なら乗り換えなしと思って,九段下で下りて歩いたらけっこう距離があった。迷うかと思ったが,距離を見誤っただけで,炎天下のなか汗だくで到着。monaの時はドリンクつきでしたが,もちろんここでは飲食禁止。思わず,自動販売機で一気飲み。
大山百合香ちゃんは最近,『河童のクゥと夏休み』というアニメ映画の主題歌を歌っていることもあって,親子連れもなかにはいます。最前列にはかなり熱烈な百合香ファン。サポートはいつものメンバーからギターの男性と,良原リエさん。6曲ほどで30分くらいのステージであっけなく終了。HARCOの時は長めのトークショーもあって,面白かったが,ちょっと今回は事務的なイヴェントでした。最後に記念撮影。この時の百合香ちゃんは可愛かった。なぜか,歌っている時は目がうつろなんだよな。通常モードの時は目がぱっちりしていて,やっぱり可愛い。彼女もインディーズだったらもっと親しみがあってよかったかもしれない。

これまた,終わって次のライヴまで中途半端な時間が余る。この日のライヴはこれまた都営新宿線沿線の馬喰横山なので,この辺で時間をつぶす。この辺で私が2時間つぶすとしたら神保町くらいなので移動。さすがにもう一度歩く気にはならないので,半蔵門線で2駅。以前は日曜日だというとお約束のように神保町の古書店はお休みでしたが,最近はその協定がなくなったようで,空いているお店も多い。まずは腹ごしらえということで,カレーの名店「エチオピア」へ。ここは辛さが選べるんだけど,3倍が普通の辛口。私は5倍を注文しましたが,なんと70倍まで選べるんです。私の前に注文した男性は45倍を注文していました。どんなんだろう。でも,ここのカレー美味しいです。神保町から都営新宿線に乗って、馬喰横山へ。前回同じ店に来たときは既に暗かったのに迷わず到着。そのことで安心していたら迷う。グルグル回って、なんとか開場時間に間に合う。

馬喰横山STUDIO LOTUS 8 高宮マキ
昨年と同じ場所で、高宮マキさんの渡米前最後のライヴがありました。相変わらず、限定予約としているのに、受付では名前を書かせるだけで確認はしない。前回はワインの小ボトルも選べたが、今回はミネラルウォーター。私は小さいバッグできてしまったので、この500mlをなんとか飲み干すぞ。お客さんが入ってもリハーサルを続ける出演者たち。なにやらカントリー風のおじさんが唄っています。実はこの人がゲストのkazさん。
若干遅れ気味でスタート。はじめはまず、高宮マキを作り出し、これまで支えてきたプロデューサーのクマ原田さんとの2人のステージ。2人の思い出の詰まった昔の曲を歌います。それから、かなり長めのトーク。こちらも、クマさんとマキさんの出会いからの思い出を。クマさん本当に面白い人。今回もコーラスを2人つけたフルバンドメンバー。キーボードの泰樹さんは沢田研二さんのコンサートを終えて来たらしく、ひとっ風呂浴びてさっぱりした感じ。この日も5本指靴下が素敵です。ヨガスタジオですから基本は素足か靴下。また余計なことばかり書いていますね。前回、新宿naked loftでサポートしていたギタリストも一緒ですが、あの日披露した新曲はなし。この日は1stアルバムから(厳密には1stマキシシングル『鱗』からも「WOMAN」やりましたが)今年でた3rdアルバムまで満遍なく、本当に日本での5年間の音楽生活を総括するような素晴らしい内容のステージ。思う存分高音を張り上げていました。休憩を挟んでの2ステージ。のべ3時間以上に及ぶものでした。前半のトークのなかでは、まだまだ語りつくせないことは後半に、といっていましたが、結局後半はほとんど歌いっぱなしでした。途中、kazさんが3曲ほど歌いました。前回はお客さんに「ねぞべって聴くのはどうですか?」と皆が寝そべるシーンがありましたが、今回は前回よりもお客さんが多かったのでそれはできず、むしろ後半に行くにつれて盛り上がるステージ構成だったので、最後には皆を立たせて踊ります。最後にはお客さんも全員隣の人と手をつないでのフィナーレ。
終演後、あまりマキさんとはお話できなかった(何を話せばよいのか分からなかった)が、この日はライヴ自体が対話的なものだったので、十分満足。私の2つ隣の女性がこの日誕生日だったらしく、お祝いの言葉があったついでに、他にも誕生日の近い人がってところで、私の名前も挙げてくれたし。まあ、高宮マキさんには変なしがらみのない外国で自由にやってほしいと思う。

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ライヴ・映画・ライヴ

8月4日(土)

この日は昼間っから成城学園前までお出かけ。なぜか映画公開が終わってからキャラクタだけが若い女性に人気の出ているディズニーアニメ『リロ&スティッチ』の続編、DVDのみ発売の『リロイ&スティッチ』のエンディングテーマ「Don’t be cruel」というエルビス・プレスリーの曲を一十三十一が歌い、シングルとして発売されている。その発売記念フリーライヴを、成城学園前の新しくできた駅ビルでやるというので、行ってきた。一十三十一は先日ライヴDVDも発売して、タワレコやHMVでもインストアライヴがあるが、30%オフにひかれてAmazon予約で購入しちゃったし、インストア自体も時間の都合で行けない。ついでに、船上ライヴも予約できなかったし、でどうにも一十三十一ちゃんに会いたかったのだ。

成城学園前コルティ
成城学園前に降り立ったのは何年ぶりだろう。確か、マルカートさんのアコーディオン演奏が成城学園前の喫茶店であって、出かけた気がする。もちろん、この駅ビル「コルティ」ができてからは初めて。かなりこじんまりとした駅ビルです。なかには新星堂も入っていて、今回のライヴはその企画らしい。このCDはまだ購入してなかったので、この新星堂で購入してサイン会参加券をもらう。ちょっと早く着きすぎたので、本屋で時間をつぶそうとするとリハーサルで一十三十一ちゃん登場。さっそく眺めに行きます。遠巻きに見ていると、本人と目が合う。彼女は本当にお客さんをよくチェックしています。私の勝手な妄想ですが、私の姿を確認して本人嬉しそう。
ちなみに、この日は一十三十一単独のライヴではなく、E KOMO MAIというダブルウクレレ+ギターの3人組と一緒。というのも、今回のシングルCDは3曲入りで、タイトル曲はハワイレコーディング、演奏しているのも地元のミュージシャンのようだが、カップリングの2曲はこのE KOMO MAIのサポートにより録音したらしい。ついでにいうと、E KOMO MAIが発売したばかりのアルバムにも1曲一十三十一ちゃんが参加しているらしい。『リロイ&スティッチ』がハワイの物語なので、今回はハワイアンなのだ。
ライヴも完全に一十三十一+E KOMO MAI。この日の一十三十一ちゃんの衣装は無地でグレイのワンピースだが、胸が強調されてキュート。靴もヒールのあるパンプス風なんですが,人口素材の網編みになっていて,透けててサンダルのようでもある。色は当然ピンク。前回一十三十一を見たのは所沢航空公園で、その時はTシャツにジーンズだったせいもあって、この日との印象はとても違う。やっぱり私はこのにこやかで穏やかな一十三十一さんが好き。このE KOMO MAIとの組み合わせもなかなか素敵でしたよ。お客さんも予想以上に集まって大盛況。でも、その後のサイン会は5人くらいでした。サイン+握手会のために再び登場した一十三十一ちゃんも苦笑い。早速1番にサインをいただきます。またまた宛名もいれてもらいました。でも、なかなか気の効いた会話はできませんね。
ここでランチをして、成城学園前付近を散策して、14時からの回も見ていこうかなと思いきや、駅前のカフェでランチをしながら、急げばライヴの前に映画を2本観られるのではないかと、大急ぎで小田急線に乗る。急いでチケットを買って新宿武蔵野館へ。まずは『天然コケッコー』。と思いきや、「お立ち見」とのこと。諦めて2時間の時間をつぶす。これがなかなか難しいものです。しかも、こう暑いと、本当に嫌になりますね。

新宿ガーデンシネマ 『プロヴァンスの贈りもの
ようやく、映画館で落ち着く。本作はラッセル・クロウ主演のラヴ・コメディ。しかも、監督がリドリー・スコットなのだ。確かに、『グラディエイター』の組み合わせですが、相手役のマリオン・コティヤールも大好きだし、アメリカ映画でありながらアメリカが舞台ではないところが気に入った。主人公は幼い頃、叔父が経営するワインのためのブドウ畑のあるフランス南部に住んでいた。しかし、大人になってロンドンの金融業界で大金を扱うディーラーに。叔父が死んだことで、そのブドウ畑の処分手続きでプロヴァンスに出かける。そこで叔父との思い出を振り返り、忘れていた人生の大切なものを取り返す旅になる。というかなりセンチメンタルな内容ですが、コメディタッチなので、いやらしさはなし。それよりもなんといっても、マリオン・コティヤールの魅力的なこと。『TAXi』シリーズや『ロング・エンゲージメント』に出演していた彼女ですが、私が彼女の魅力にやられたのはどの作品だったか思い出せない。意外に30歳すぎているんですよね。しかし、ラッセル・クロウと幼い頃にプールで出会ったエピソードがあるのですが、その子役の2人はどうみても2,3歳しか離れていない。実際には11歳離れているのにいいのだろうか。まあ、映画だからいいか。2人がなぜ愛し合うようになるかもちょっと強引だし。ちなみに、主人公の子ども時代は『ネバーランド』の子役、フレディ・ハイモアが演じている。可愛いねこの子。
下北沢に移動して、またbio ojiyan cafeで、この日はオジヤ。トッピングは納豆と刻みたくわんでしたが、ナカナカ美味しい。

下北沢lete ノラオンナ
2月以来のleteでのノラオンナさん。この日は程よい曲の入り。小池アミイゴさんがオオタユキさんを連れてきています。空席が目立ちますが,この店は片側が空いているくらいがちょうど良い。ノラオンナさんもそのことをよく知っていて,「やっぱりこの位がちょうど良いよね。20名でなくて15名限定にしようかしら」なんて,商売っけよりも,お客さんの居心地のことが優先。自分のCDもセールスよりも,いかに売り手が誠実で信用できるかを優先する人ですから。
しかし,それで気をよくしたというわけではありませんが,この日のノラさんは饒舌。彼女がかつて飼っていた「宮尾」という名の猫の話は聴いたことがあったけど,その猫についてたっぷりトーク。それなりの曲数を演奏したけど,なんと休憩を挟むまで2時間半が経過していました。さすがに私もそれなりに長いと感じたので,「休憩」といわれた時にはビックリしたけど,まさか22時半になっているとは。さすがに本人もビックリしたらしく,休憩後は30分ほどでライヴ終了。なにやらこの日は面白いお客さんばかり来ていたので,終演後にお店の外でノラさんとのやりとりを聞いて過ごしたりして,帰宅。あ,その前にmona recordsに寄って,9月1日のチケットを購入してきました。the Indigoのイヴェントにゲストで戸田和雅子さんが出演します。もうすっかり売り切れているとダメモトでいってみましたが,14番でした。

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mona records続き

8月3日(金)

またまたやってきました、mona records。
下北沢mona records
Emily:甘ったるい声を出す女性シンガー。ピアノの男性の演奏で歌います。うーん、微妙だ。
ari:この日は前回、grapefruit moonで久し振りのサポートとなった森 孝人さんとのDUO。いい感じです。それにしても、森さん、親指しか使っていませんよ。そろそろ、サックスの山崎さんなどを加えたバンド編成でも聴きたくなってきましたね。でも、ここ2年間の弾き語り強化によって、ステージ上でのariさんはかなり力強くなった気がします。でも、ちょっと選曲がマンネリ化かな。意外に持ち曲は多いのだから、もう少しヴァリエーションをつけてほしい。
国吉亜耶子:ようやく聴く機会がやってきました。CDが発売されたのは昨年の1月。当時、吉祥寺のタワーレコードで視聴コーナーに入っていて、湯川潮音ちゃんがコメントを入れていたので、気になっていたのだ。最近、彼女は西川真吾というドラマーとduoでライヴ活動をしているとのこと。亜耶子さんはお店の電子ピアノを立って弾きます。CDの裏ジャケットの写真は可愛らしい雰囲気で写っているので、ステージに登場したちょっとやさぐれた感じの彼女の姿に驚く。歌も低音が響く、とても力強く予想外の衝撃。倉橋ヨエコタテタカコのような一点集中型の雰囲気がありながらも、時には力を抜いて低音でゆったり唄う。いわゆる沖縄らしい雰囲気はないけど、やはり地方色が強いのかもしれません。西川氏のドラムスもけっこう好きだ。体全体でリズムを刻む感じではなく、状態は後ろに残し気味でどんな展開にも対応する腕の動き。それでいて、時折左右前後に体重を移動して集中して打ち込む。そんな2人の組み合わせの妙ですね。
original flava:沖縄出身の国吉さんに対して、こちらは北海道出身の男女2人組。女性がキーボードで歌い、男性がギターでサポート。まあ、よくある感じでそこそこです。固定ファンもついているようなので、いいじゃないか。頑張ってください。
終演後、ariさんと「国吉さんいいよねえ」とお話していると、トイレから本人登場。CDを買うことに。それほどしゃべる内容もないけど、アンケートに書いた内容をしゃべる。アンケートはしゃべる機会がないときの保険のようなものです。目の前で見る国吉さんは小さくて可愛い。ステージ衣装から着替えて普通のTシャツということもあったが、ステージ上とはかなり雰囲気違います。そして、アンケートを渡し、話しかけ、CDまで買ったことがすごく嬉しかったようで、可愛らしい笑顔を振りまいてくれました。サインもしてもらったのですが、アンケートをチラッと見ながら名前を入れてくれました。別れ際には私から求めるまでもなく「握手させてください」とのこと。いやあ、キュートですねこの人。でも、ライヴ活動場所がけっこう微妙なところが多く、ちょっと行きにくいな。対バンとかも私の知らない人が多く、だからライヴを聴くのがここまで遅れたのか。その後もariさんとちょっとお話。この日はなぜかariさん上機嫌でした。

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長く続く誕生日週間

8月2日(木)

この日はみうさんちで遅まきながら引越しパーティ。私は木曜日でお休みだったので、彼女の誘いのままに昼間の日比谷公園でのクラムボンフリーライヴに出かける。ここのところ、映画がおろそかになっていることもあって、これに間に合うような映画を見つけて、早起き。なんと、9:15の回でした。

日比谷シャンテ・シネ 『リトル・チルドレン
選んだ作品はこちら。幼児に性的いたずらをして逮捕され、刑期を終えて出所した男が閑静な住宅地にある自宅に戻ったことから町中がにわかに騒ぎ出すという設定。夫がアダルトサイトにはまってしまってうんざりしている主婦をケイト・ウィンスレットが演じる。一方、ジェニファー・コネリー演じる妻がドキュメンタリー番組の制作で多忙にしていて家で子守をする男性を演じるのはパトリック・ウィルソン。『ハードキャンディ』という作品で少女に手玉に取られる演技が印象的。そんなお互いの配偶者に不満を抱く2人がふとしたことから不倫関係に発展するというストーリー。ケイト・ウィンスレットは久し振りにちょこっと裸体を披露。かなりたるんでおります。ジェニファー・コネリーにはもう少し重要な役で出て欲しかった。でも、映画としてはナカナカ楽しめます。
歩いて日比谷公園へ。その手前の三信ビルの解体が始まっていました。このビルは私の知り合いの研究者が保存プロジェクトの代表をしていた。

日比谷小音楽堂 clammbon
やはり一目でそれと分かるクラムボン好きの若者たちが日比谷公園に吸い込まれていきます。今回のフリーライヴは日比谷野外音楽堂での通常のチケット料金のワンマンライヴに抽選で外れてしまっていけなかった人のために開催されたものらしい。応募者優先に入場し、その他の人でも入れるということだったが、その列は果てしなく続いていた。私はその列には並ぶ気がせず、音楽堂の外に漏れる音でもいいかなって感じで周囲に落ち着ける場所を探していた。すると、周囲の出入口が開いている。どうやら、優先入場者以外は出入自由にしたらしい。長時間並んでいた人には申し訳ないが、開演30分前に行った私が席を確保してしまった。しかし、かなり遠慮がちに一番後ろから2番目で、ステージの正面だけど木の陰で非常に見にくい席に落ち着く。
「小音楽堂」という名前ですが、かなり広い。椅子席だけで500人以上は入るのではないでしょうか。最終的には後ろの空きスペースにも立ち見客がひしめき合い、800人ほどの人が集まったのではないでしょうか。平日だというのになんてことだ。クラムボンは以前、BONNIE PINKを聴きに行ったVINTAGE ROCKのイヴェント@SHIBUYA AX以来、2回目。音楽は好きなんだけど、クラムボンやハナレグミなどを好きな若者たちと一緒にされたくない、という妙な捻くれ癖が出て、まともに聴いたことがない。原田郁子ちゃんとミト君の姿はほとんど見えないし、MCの声はセミの声にかき消され、ほとんど聞き取れなかったが、演奏はさすがだ。この日は普段あまりライヴではやらない昔の曲などが中心だったとのこと。まあ、たまにはこういうのもいいね。80分近くのたっぷりステージでした。

終演後にみうさんとasumiさんと合流。公園内の老舗洋食屋でランチ。この日は早起きしたのでガッツリ食べられます。その後、渋谷に移動。なんでも誕生日を1週間過ぎてしまった私のためにケーキを買ってくれるとのこと。ケーキを購入後、izuさんと合流してみうさん邸へ。日本中を転々としていたみうさんですが、広島居住歴の長い彼女がふるまってくれたのはお好み焼き。そして、餃子。ホットプレートで熱いなか、エアコンなし。酒でけっこうもよくなって素晴らしい暑さです。そのあともみわちゃんなど女性が2人集まり、5人の女性に囲まれての飲み会。途中で花火に出かけたりと、楽しい夜を過ごしましたとさ。今年の誕生日は5日前にナオリュウさんに祝ってもらい、当日はケーキがなかったものの、お腹一杯のイヴェント。そして1週間後にもケーキをいただくと、2週間かけていろんなひとに祝われた、これまでの人生で最も華やかな誕生日だったのではないでしょうか。

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ライヴのハシゴは当たり前

7月29日(日)

この日は昼間からライヴ。トモエさんの家族が経営するアスカフェにて、トモエさんの親友、永山マキさんの自主イヴェント「ことり小屋」3回目。同じ街に住むライヴ友達サカウエ君と一緒に茗荷谷まで。
茗荷谷アスカフェ 永山マキ
昨年末のアスカフェでの黒猫船ライヴはかなりギュウギュウ詰めだったので、今回は人数を減らしてのゆとりのある客席。テーブルもしっかり出ています。なので、私は水出しコーヒーをいただきながら、ランチでカレーを食べる。ルーが全て野菜からできているようなやさしい味。もう一品はサンドイッチでかなり惹かれたが、朝食でベーコンエッグを食べたので、その両方が具材として使われているので、カレーを選択。今のところ、「ことり小屋」毎回サポートのmiggyさんと、この日は素敵なギタリスト平岡雄一郎さんをゲストに招いてのステージ。この日も素敵な歌声を聴かせてくれましたよ。この人のギターもスゴイ。「銀の子馬」のアレンジも予想を超えていました。最後には遊びに来ていたサックス奏者の荒木 真さんも参加。演奏中に激しい雨が降ってくる。天気予報で雨マークだったので折りたたみ傘は持ってきたものの、雷も鳴ってのかなりの雨量。しかし、終わる頃にはやんでくれました。
サカウエ君はこれからなんと新宿で一人呑みをするとのこと。いやあ、本当に彼はお酒が好きなんだな。ちなみに、このお昼のライヴでもビールを2杯飲んでいました。私は魅力的なライヴがあるこの日の夜にラ・カーニャを選択。

下北沢ラ・カーニャ
前に、このお店にライヴが終わってからomu-toneのCDを買いに来たとき、メンバーから教えてもらったライヴ。ハンバートハンバートのヴォーカル佐野遊穂さんが初めてソロでライヴをするということ。そして、もらったチラシに書いてある「ゲストもあるかも」がomu-toneだってことに引かれて早速予約。80人限定だったが、ギュウギュウ詰めになりました。ここで食事ができるかもしれないという考えはあまりに甘かったが、まあ、昼にカレーを食べたので大丈夫。黒生を注文したが、黒ラベルの缶ビールだった。客席にはハンバートハンバートの相方、佐藤良成君の姿もあります。
佐野遊穂:この日の遊穂さんはゲストをサポートとして利用。omu-toneから佐藤さん(パーカッション)と沢口さん(マリンバ&ピアノ)の2人の演奏で歌います。やはり彼女の歌声は素敵だ。いつもは良成氏とのかみ合わない会話が面白いが、一人でも十分面白い。そして、サポートの2人も素敵です。これにチェロの橋本 歩さんなんて入ったらいいだろうなあ。遊穂さんはこれからソロでも活動する気満々のようで、ギターも練習中とのこと。若干ながら披露もします。ただし、座ってしまうと中程に座った私からは顔しか見えません。良成氏のソロはスカスカの状態でも聴くことができるが、やっぱり遊穂さんのソロは毎回けっこう人が集まるんだろうな。bobtailなどでのんびり聴きたいものです。
omu-tone:ここで、若干ゲストにも時間が与えられてomu-toneでの演奏。この日はもう一人のメンバーが北海道に行っているとのことで、2人での演奏、3曲。やっぱりいいねえ、マリンバ素敵です。なんでも、8日に大宮のカレー店ムムタージでライヴがあるということなので、母親を誘っていくことにしよう。先日行った時に会員カードを作ったらバースデイサービスの葉書が届いたのだ。いろいろお徳です。
島崎智子:なぜか「こっちゃん」と呼ばれている島崎智子さん。先日月見ルで観た時にはよく分からなかったが、かなりファンが多いようです。むしろ、掛け声だけは遊穂さんより大きい。この日もピアノ弾き語り。愛されるべきキャラです。お客さんの雰囲気もとても和やかで、ギュウギュウではありましたが、とても幸せな気分になりました。
終演は21:30。これからbobtailに向かえば、最後の出演者はゆっくり聴けるような気もしたが、雨も降っていたし、なんとなく帰る気分で、そのまま帰宅。

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イデオロギーとしての英会話

ダグラス・ラミス著,斎藤靖子ほか訳 1976. 『イデオロギーとしての英会話』晶文社,266p.,1500円.

そのタイトルに引かれて買ったのはもう10年以上前。一度少し読み始めたものの,やめた形跡がある。本書は『展望』や『中央公論』,『現代の眼』,『思想の科学』,『朝日ジャーナル』といった日本の雑誌に掲載された文章を集めたもの。本書の出版当時,著者は津田塾大学教授ということになっている,日本に住むことの多いアメリカ人。
英会話の先生というのは,日本に来た英語を話す白人が手っ取り早くお金を稼げる就職先だという。言語教育の経験はおろか,日本語すら知らなくても,経営者も生徒も手厚く待遇してくれるというばかげた商売。その内容はといえば,実際にありえない架空のシチュエーションでの予定されたやりとり。まあ,簡単にいってしまえばそんなことを暴露する文章。けっして難しい議論ではありません。英会話教室の内情はこの30年間で大きく変化したとは思いますが,いまだに「英語くらいは話せるようになりたいわ」と多くの日本人がいうのは,このイデオロギーがまだまだ支配的である証拠。英語が話せると10億人と話せる,みたいなキャッチフレーズありますが,じゃあ,その前に日本語を話す1億人と話してみろよ!って感じです。
なぜ英語が世界中で話されるようになったのかという歴史を意識せずに,言葉だけを無批判に受け入れるってのはどうか。無神経すぎないか。と私は素朴に思う。

さて,といっても,このタイトルの文章は20ページ足らずの短いもの。他にもボブ・ディラン論や沖縄について,京都について,アメリカ映画について,など1970年代っぽい話題が満載で意外と面白いです。特に面白いのがヒッピー論とベトナム戦争論。知っているようで知らない,私が生まれた頃の時代のこと。ヒッピーという人たちが社会のなかでどんな方法でどんなアンチテーゼを掲げていたのか。それが流行と化すときにはどんな風に形骸化したのか。ベトナム戦争についてもあまりにも知らないことを知る。
戦争を問い直す,この時期にこそ読みたい本だ。

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熱中症注意

7月28日(土)

今回は随分時間がかかってしまったレポートの採点。不謹慎な話だが,家に居るとレポートの採点ははかどらない。一番はかどるのはライヴハウスの待ち時間だ。でも,それにはいくつかの条件がある。まず,椅子席であること。できればテーブルもあるのがいいし,隙間なく敷き詰められた椅子ではとてもできない。そして,1人で行くこと。会場がそれなりに明るいこと。開場時間から開演時間までの時間が長いのもこういう時には良い。7月はこういう条件がそろうライヴが少なかったのかもしれない。ともかく,提出日が迫ってきていて,しかも成績表は郵送では駄目で,直接持参しなければならない。ということで,この日の午前中に採点を終わらせ,午後に国分寺まで届けることにする。それから渋谷に移動。なぜか,この時間で自分のスケジュールを大きく勘違いしていた。ライヴの時間までに間に合う作品は限られていると思い,急いで渋谷に移動し,10分でランチを食べ,なんとか映画館に滑り込む。

渋谷ユーロスペース 『陸に上った軍艦
既に開映時間になっているが,なぜかまだ開場もしていない。この作品はこの日が公開初日で,どうやら舞台挨拶の関係で時間が遅れているらしい。隣のスクリーンで上映している『街のあかり』も非常に賑わっていたので,ユーロスペースのロビーはてんやわんや。
さて,この作品は95歳の現役映画監督,新藤兼人のシナリオに基づく作品。30歳を過ぎて徴兵された彼自身の経験に基づく戦争ドキュメンタリー。監督は別の人物です。一般的な記録映像と,彼自身の経験に基づく再現映像から成ります。戦争では体力と短期間にものを覚えられる能力とが決め手になるので,30歳台の兵士たちはむしろ役立たず。年下の上官の下でばかげた訓練や作業,そしていじめに耐える毎日。そんな戦争のばからしさをある意味で社会学的に訴えかける。時には本人が語り,ナレーションは最近の新藤兼人監督作品『ふくろう』に主演していた大竹しのぶ。観客には圧倒的に年寄りが多い。かれらはどんなことを思ってこの作品を観るのであろうか。しかし,本来観るべきは新藤氏が徴兵された時と同じ年代の人々ではないだろうか。
ecoさんのライヴ会場,西小山に移動する目黒線のなかで,スケジュール上の勘違いに気づく。ライヴは19:30からだ。なぜか私はそれを,午後7時→17時と勘違いし,17:30だと思い込んだのだ。あらー,こんな目黒線に乗って2時間をどうやってつぶそうか。私でも聞いたことがある大岡山まで行ってみることにするか。しかし,さすが,目黒線の駅。地元密着の小さな商店街。しかし,東京工業大学の所在地を初めて知る。大学の近くということで古書店を探すが,1軒あったのみ。なかなか時間はつぶれないので,そのまま洗足駅まで歩く。ここは洗足学園音楽大学がある場所。shima & shikou DUOがたまにライヴをしているカフェShionを発見。けっきょく,そのまま歩いて西小山まで。目黒線は駅間が短い!結局西小山についても1時間弱あります。休めるカフェを探すが見当たらず。さんざん歩いて普通の喫茶店。けっこうできたばかりで,おじさんが一生懸命頑張っているんだけど,お客の入りはイマイチ風の喫茶店で1人。

西小山cafe SLOW eco
さて,ようやくライヴだ。この日は水中カメラマンの中村卓哉さんの映像をいくつものプロジェクタで店内の壁中に映し出すなかで,田辺 玄氏をサポートに加えたecoさんのライヴ。幻想的って書くといかにも気取ってそうな感じがしていやですが,ライヴはいつもどおり。その気取りのなさがいいんです。ところで,私のすぐそばに座った喫煙2人組。一人はecoさんと知り合いのようですが,もう一人がeco初体験。オーガニックとかアコースティックとかジャジーとか分かったような言葉でえらく気に入ったようです。「ecoさんの人柄がそのまま音になってますよね」などというもんだから,「私の何を知っているの!」とecoさん。いかにも軽そうなこの男。普段どんな血の通わない音楽を聴いているのか想像がつきます。お店の構造上,近い割には煙くなくて助かる。なお,私はヒレカツ丼を食べました。なんか久し振りのカツ丼で美味しい。お酒も1パインとのベイルビールを呑んで,その後珍しいというライムのリキュールなど飲んじゃってかなり酔っ払う。というか,その前にこの日炎天下のなか歩きすぎたせいで,演奏中気持ちよく睡眠。すっかり玄君に見られていたようです。
この日のライヴは先日の私の誕生日イヴェントに来るといって来てくれなかった玄君とecoさんに文句をいうことも一つの目的でしたが,どうやらecoさんのレコーディングが佳境に入っている様子。まあ,それはそれでしょうがありません。
話が前後しますが,演奏後は中村さんとecoさんのトークショーなどもあり,イヴェント終了後はecoさんと玄君と話し込んだりして,西小山は遠いし,酔っ払いながら帰宅は深夜になりました。

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ゴキブリ登場

以前のホームページは日記を数日分まとめて掲載していましたが、こちらでは一日分ずつ掲載するようにしましょう。


7
27
下北沢mona records
連日でやってきてしまいました,mona recrods。私が到着した時には既に椅子席は埋まっていたので、座敷へ。

笹生実久:この日はギターとベースのサポートを入れての3人のステージ。ようやっとレーベルからのCD発売が決まった笹生実久ちゃん。自主制作盤を何枚も出している彼女。別に正式なCD製作を拒んでいたわけではないようです。かなり嬉しそうでテンション高めです。そのCDはフルアルバムということで、タイトルは『チューリップのアップリケ』。このタイトル曲は以前からライヴでも歌っていましたが、この曲は1960年代のフォークシンガー岡林信康の作品で、当時は被差別部落のことを歌った曲として放送禁止だったそうな。なぜこの曲を歌うようになったかは分かりませんが、その想いだけはとつとつと語り、そして歌いました。可愛い顔してやはり彼女は稀有なシンガーだ。非常に頻繁に手作りのダイレクトメールを葉書で手書きの宛名で送ってくれる。そんな健気な姿を応援したく思います。この日は初めて挨拶を交わす。
我那覇美奈:一応、メジャーシンガー。意外にも初めて聴きます。実久ちゃんとは対照的にガッツリ男っぽい感じの弾き語り。カッコいいですね。しかし、この辺で気になることが一点。そう、久し振りに出ましたよ。ゴキちゃんが。以前もここmona recordsで出たことがあり、その時はビューティフルハミングバードのライヴだったのですが、ヴォーカルの小池光子さんが登場して、見事にしとめてくれました。ビューティフルハミングバードは1枚目のCDをmona recordsレーベルから発売していることもあり、このお店のオープン当初はアルバイトとしてたまに働いていたんですよね。そのゴキちゃんはステージの方へいったり客席の方に来たりで、安心できません。ドギマギしながらステージを聴きます。で、我那覇さんは素敵だけど楽曲にそれほど惹かれるところはなし。
PYON:この日は一応PYONという女性シンガーのイヴェント。仲の良い2組を招待したのかと思いきや、一方的にライヴを聴いて気に入って出演してもらったとのこと。「これからお友達になりましょう」という感じだった。パーカッションとギターのサポートを入れてのステージ。なんと、そのパーカッショニストが高橋結子さん。GOMES THE HITMANのドラマーです。それだけで期待が高まります。PYONという女性の顔は好みじゃないけど、高音の響くヴォーカルとそれを活かした楽曲はナカナカ魅力的。ライヴでたまに聴くにはいいかもしれません。すると、なんと彼女のステージの後半でゴキちゃんが私に大接近。なんと、私の荷物のなかに潜んでしまいました。しばらくそのままでしたが、最後の方でそこから抜け出し、安心したかと思いきや、隣のソファ席の男性に踏まれそうになって動きが早くなりました。一直線に私のほうに向かってくるので、チラシでステージに戻します。そんなところをPYONバンドのギタリストに見られてしまったが、特に反応なし。どうやらステージ上のモニタスピーカ付近にとどまってくれたようですが、まだ安心できません。
最後にセッションとして実久ちゃんと我那覇さんが登場するのですが、特にmona初登場の我那覇さんは「裸足で歌うなんて初めて。気持ちいいよねえ」などといっていて、実久ちゃんも当然裸足。そこでゴキちゃん現れて場内騒然とならないかハラハラしながら見守りますが、1曲だけだったので、ゴキは出てきませんでした。私はアンケートを書くためにその場を急いで退散。その後、どうなったのでしょう。ところで、なんとなく気になって帰宅後に調べてみたら、PYONは一度聴いたことがありました。その時の日記を探してみることにしよう。

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ライプニッツのシステム

ミシェル・セール著,竹内信夫・芳川泰久・水林 章訳 1985. 『ライプニッツのシステム』朝日出版社,240p.,1500円.

朝日出版社は1970年代から1980年代にかけて,現代思想の分野で非常に魅力的な本を出版していた。なかでも,エピステーメー叢書は装丁のデザインも素敵です。本書はポストモダン叢書で,想定は地味だが定形ではなく,ナカナカいい感じ。
しかし,恐らく朝日出版社は活動をやめてしまった。どちらの叢書も発行数は限られており,古書店でも高価で売られている。以前,本書は吉祥寺の「よみた屋」で5000円で売られていた。さすがに手が出なかったが,先日近所の古書店「ブックセンターいとう」で2500円で購入。

ポストモダン叢書を買ったのは3冊目。
モーリス・ブランショ『明かしえぬ共同体』とジャン=リュック・ナンシー『無為の共同体――バタイユの恍惚から』

この2冊に続き,やはり本書も難しかった。セールの本は3冊目。1冊目の『幾何学の起源』は無謀にも地理学評論に書評など書いたのであった。
セールの数多くの著書は,本書から始まったらしい。1960年代に書かれた文章で,セールはまだ30歳台。正直いって,ライプニッツのみならず,それをデカルトやニュートンと比較していくその分析は私に到底理解できるはずはないのだが,なぜかセールの文章は読んでいて楽しい。後の作品に比べて文体は凝ってはいないし,そもそも私は日本語訳を読んでいるに過ぎないのだが,その難解な文章を読み進める快楽ってのがあるんですね。意味的には理解できない抽象画を観たり,歌詞から意味を取れない外国語の音楽を聴いたりするのと似た楽しさが哲学書にもあるんですよ。
そもそもライプニッツなど,『単子論』と『形而上学序説』しか読んでいない私。しかし,日本では工作舎が全10巻に及ぶ『ライプニッツ著作集』を刊行。全てそろえたら10万円になります。
そんな膨大な著作を残した18世紀の偉大なる哲学者について,20世紀の偉大なる哲学者ミシェル・セールを通してその思想に触れているのですから,それだけで素晴らしい経験のような気がします。

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誕生日の出来事(長いです)

7月26日(木)
ついにやってきました。このblog、geopolitical critique名を冠した初の私主催のライヴイヴェント「東京生音生活」の1回目です。geopolitical critiqueとは訳して「地政学批評」。英語圏の地理学(もともとは国際関係論)ではcritical geopolitics=批判地政学という名前で新しい研究動向ができていますが、私の研究の場合は批評の方をより強調したいので、自らの研究をこの名称で呼ぶことを提唱しています。ということで、研究とは直接関係ないのですが、ホームページの名前につけています。
「東京生音生活」の「生音」とは厳密な意味ではなくライヴ音楽のことで、アンプラグドのことではありません。「生活」とつけたのは私の音楽の楽しみ方と関係します。この時期は夏フェス真っ盛りですが、私はああいうのは嫌いです。日常を忘れるように、非日常的な環境で羽目をはずして暴れまくる、というのはどうもついていけません。私はあくまでも自分の日常に音楽を溶け込ませたいと思っています。もちろん、自分の部屋にいる時にCDでかけるBGMはそうですが、ライヴでもそうです。わざわざ片意地張って出かけるのではなく、ふらっと近くの馴染みの定食屋に行くように、毎日のように出かけ、椅子に座って食事をしてお酒を飲み、本を読みながら開演を待って、時にはウトウトしながらライヴ音楽に触れ、終演後はミュージシャンたちと軽く会話をして心地良い気分で帰路につく、そんな音楽との付き合いを目指していますし、多くの人にもそんな風に気軽にライヴに出かけて欲しいと願います。
私が贔屓にしているミュージシャンの多くは、まさに音楽を奏でることを日常としており、小さなお店で演奏をしている。時には3人とか5人のお客さん相手に演奏することも少なくありませんが、そういう時、聴く側は本当に贅沢で、そしてもったいない気すらするのです。チケットがなかなか取れないような、大掛かりなコンサートよりももっと良質で、そしてミュージシャンと近く、臨場感を味わえる、この穏やかな演奏に、自由な気持ちで接する機会を提供したい、そんな想いでイヴェントを開催しようと思った次第です。
しかし、もう少し具体的にはちょっと腹黒いところもあり、実はこの日は私の誕生日。ここ数年は誕生日を一人でライヴ会場で過ごすことが多いのです。2004年は渋谷クワトロ。高宮マキさんのオープニングアクトと、SAKURA、矢野真紀などというなかなか豪華なライヴでした。2005年は台風のなか大宮まで出かけ、JAMというジャズバーで仙道さおりさんと林 正樹さんのユニット、アルカイックを初めて聴きに行きました。そして、2006年は友人のみわさんに付き合ってもらって池袋明日館にてHARCOがゲスト出演したビューティフルハミングバードのイヴェント。どれも素晴らしいライヴで満足ではあったのですが、せっかく顔見知りのミュージシャンが増えたこともあり、せっかくだったらステージ上からお祝いの言葉をかけてくれるような幸せにあがりたいと思った次第。そんな妄想をmixi日記で書き込んだら、さっそくマイミクのミュージシャンたちが名乗りを上げてくれて、あれよあれよという間に実現してしまったのです。
Img_0621 てなことで、映画が終わって下北沢に急ぐ。駅に着くと、なんと雨が。そんな予報だったっけ?集客に影響しなければ良いけど。mona recordsに着くと、早速hitme & miggyのお2人が来ています。いきなり誕生日プレゼントということで花束なんかもらっちゃったりして。出演してくれることだけでプレゼントなんですけどね。そして、受付にはドラえもんの電報が。中を開けるとcanappecoさんからでした。canaさんは随分前に来てくれるといっていたのですが、どうやら来れないようです。でも、ちゃんと覚えてくれていて嬉しい。初めて見るリハーサル風景。外側の音が、とか、返しが、とか、リバーブが、とか、私には分からない用語が飛び交いながら、やはり演奏云々ではなく、その場での音の出方の調整に時間が費やされます。そして、リハーサル時間は15分の予定でしたが、それだけではなかなかきついことが分かりました。そして、リハーサル2番手のノラオンナさんは現れず。30分ほど時間を勘違いしていたようです。まあ、それでもお店の人も焦るようでもなく、淡々と最良の音を見つけることに集中して作業が進みます。早めに時間を勘違いしたのは櫻倉レオンバンド。こちらは3人のサポートなので、セッティングに時間がかかります。やはりこれも15分では足りない。ちょうど遅れている時間に合わせるようにdois mapasのお2人登場。ここは随分スムーズでした。ちょうどリハーサルが終わった時間が開場予定時間。私の友人マッキーさんを含めてお客さんが次々入ってきてしまいます。mona recordsに初めて来るお客さんが多かったのでしょうか。けっきょく開場は10ほど遅れてしまったのですが、嬉しいことにお店の外に列ができていたようです。マッキーさん、サカウエ君、TOPSさん、くまこさん、などなど私の知り合い、そしてさくらちゃんのお客さんが続々と店内を埋めていきます。ちょうど椅子席が埋まったところで客足は途切れる。この状態なら始めてもいいかなと私的には思いましたが、トップバッターのdois mapasが揃わない。ときわさんはどこだ、と新美さんが探していたかと思えば、今度はときわさんが新美君はどこだという感じ。やはりリハーサルの集合時間の時から感づいてはいましたが、ミュージシャンが時間にルーズなのは一般的のようです。というか、そんな開演時間が迫ってドギマギするようではリラックスした演奏なんて無理なんでしょうね。
この日、私は部屋で眠っている私のアナログレコードをかけてもらいたくて、事前に連絡、持参しましたが、お店の人はすっかり忘れていたようで、開場前にあわててセッティングしてもらう。アナログプレイヤー2台にCDプレイヤー2台の立派なDJブースの完成です。とりあえず、開場から開演までの時間はアナログプレイヤー片面の時間では足りないので、CDをかけました。gemma hayesの『The Roads Don't Love You』を流します。アイルランドの女性シンガー。外国のシンガーでは今、私が一番好きです。来日してくれないかなあ。
dois mapas:さて、トップバッターはdois mapas。この日も2人での演奏。ときわさんは秘密兵器の楽器を持参しています。ボディがドラム缶の小さいようなもので、太鼓になっています。後半はこれを肩から提げてお腹の前で叩きながら歌います。最近は大きな2人の演奏を近くで聴くことが多かったのですが、遠くから見てもその存在感は素敵です。そして程よい音量で。選曲も夏らしくてバッチリ。特に、東北の民謡がとても良かった。ここ最近は世田谷週間と題して、祖師ヶ谷大蔵のムリウイ、下北沢のlete、この日のmona records、最後が池ノ上bobtailという素敵なお店ばかりで続けざまにライヴをし、新美さんは福島のお寺に修行(?)にいっていたり、ときわさんは別にソロで歌ったりと本当に忙しいお2人でしたが、トップバッターに相応しい素敵な演奏を聴かせてくれました。そして、最後の曲は私のリクエストで「旅する人」。これをhitmeさんのサックスを入れて演奏してもらいました。いやあ、やっぱりこうでなくっちゃ。dois mapasを初めて聴きに行ったのはhitmeさん目当てでしたが、昨年から頻繁にライヴに通うようになってからは一度もhitmeさんサポートのライヴがなくて、「旅する人」を聴くたびに、頭の中でhitmeさんのサックスが鳴り響いていたわけです。
このセットチェンジ中は、レコードプレイヤーを使用。なんと、松田聖子の『north wind』のA面をかけます。残念ながらレコード盤のメンテナンスが悪くてノイズがかなり入ってしまいました。『north wind』は兄貴が買ってわが家においてあった唯一の松田聖子LP。これがいいんです。なぜかシングル曲は「風は秋色」しか入っていなくて、そのほかの曲が素敵なんです。秋から冬にかけての季節感満載のある意味でコンセプトアルバム。この頃のLPって、先行してシングル曲があって、それがたまってくるとちんけな曲を数曲入れてLPにするみたいなのが多かったのですが、この作品は違います。1枚まるごときちんと聴ける素晴らしいアルバム。もちろん、聖子ちゃんの歌唱力の素晴らしさとジャケット写真の可愛さ。最高です。ノラオンナさんもMC中にそのことについては話していましたが、ノラオンナさんも聖子ちゃんが好きで、たまに気まぐれでカヴァーしたりするんですよね。なので、この日にかけるのは最適ではないかと思った次第。
櫻倉レオン:上述したように、この日はキーボード、ギター、パーカッションの4人編成。1曲目はサカウエ君も知っているスタンダード曲。そして、最後の曲は「誰か知ってますか?」の問いにTOPSさんが挙手。そんなカヴァー曲に挟まれてオリジナル曲を披露するさくらちゃん。さくらちゃん目当てのお客さんのおかげでいい感じのお客の入りになりました。仕事の後で駆けつけてくれたまさよし君も気に入ってくれたようで、最前列でのりのりです。さくらちゃんと私を引き合わせたアライ君はもちろんのこと、先日さくらちゃんをミッドタウンに連れて行って私が引き合わせたみわちゃんも来てくれて、座敷の上もいい感じで盛り上がっています。前回さくらちゃんの歌声を聴いた時はバンド編成、コーラスつきだったので、今回のアコースティック編成には多少不安もあったのですが、サポートのミュージシャンはなかなか素晴らしく、リハーサルの時より音響のバランスも良く、かなり良質なステージ。演奏時間、予定時間の35分きっかりでした。櫻倉レオン、ただいまオリジナルアルバム製作準備中とのこと。皆さん、応援お願いします。
さて、次のセットチェンジでは洋楽を。yesの『こわれもの』のA面を流します。ここで、私の大学院時代の後輩であるヤベ君が来てくれました。こちらも仕事を終えて駆けつけてくれた様子。多分5年以上ぶりの再会です。こういうのも嬉しいですね。彼はクラシックのチェリストでもあり、BGMを聴きながら「なぜブラームス?」といっていたが、yesはそんな風に有名な曲の断片を利用しているんですね。知りませんでしたよ。
ノラオンナ:ノラオンナさんのライヴはなんだかんだいって2月以来の今年2回目。相変わらず、ゆるいんだけど、緊張感のあるステージ。出演者も含め、ノラオンナさんのステージをはじめて聴く人は多かったと思いますが、皆さん引き込まれていましたねえ。私もここでようやく、座敷まで上がって聴いたり、下がって写真を撮ったりしました。ノラオンナさんを目当てに中川五郎さんなんかもいらしたりして、ビックリ。普通に当日料金で入っていましたよ。それにしても、受付のお姉さん、ミュージシャンを知らなすぎ。事前にノラオンナさんから藤原マヒトさんが来るかもしれない。ノラさんのステージに間に合ったら演奏でも出演してもらうかも、と聞いていたのに、受付の人はマヒトさんがきてもよく分からない様子だったので、思わず私が首を突っ込みました。というか、私の存在をあまり理解していなかったらしく、私で予約していたお客さんが来る度に一言いわなければなりませんでした。まあ、そんなことはおいておいて、マヒトさんは意外に早く着いたので、予定通り最後の1曲でアコーディオン参加。どうやら、ノラさんが私の誕生日ということでちょっとしたサプライズのつもりでマヒトさんを呼んでくれたとのこと。全くリハーサルなしでもさすがですマヒトさん。こちらはちょっと予定時間を超過してのステージでしたが、この日初めてノラさんのステージを体験した私の友人サカウエ君も絶賛。
最後のセットチェンジでは、宇崎竜童のダウンタウンブギウギバンド『脱・どん底』のB面をかける。これはなんとなくdois mapasの新美さんが気に入るんじゃないかなあと思っていたけど、案の定かなりお気に入りだったようです。
hitme & miggy:トリは彼女たちにお願いしました。しかし、これから出番だという時にハプニング発生。hitmeさんが「ナルセさん、ごめん。2、3分待って」といってお店の外へ。miggyさんもかなり神妙な面持ち。どうやらフルートを昼間に行ったスタジオに忘れてきてしまったとのこと。当然22時前で閉店しています。諦めてそのままステージへ。さすがにこんな忘れ物は初めてだったようですが、そこはプロ。肝の据わった素晴らしい演奏をみせてくれました。hitme & miggyとしてはmona records初出演で、miggyさんはお店のキーボードを使うのも初めて。でも、ステージ自体は2人ではけっこう広めですし、かなり気持ちよさそうに演奏してくれました。私の誕生日ということで(しつこいですね)、「happy hour」や「happy days」などと幸せな曲ばかりそろえてのステージ。そして、多くの人は気付かなかったかもしれませんが、最後から2番目の曲は私がリクエストしたバースデイソング。佐野元春の3rdアルバム『someday』に収録されている「2人のバースデイ」をお願いしていたのです。この曲は私のけっこう好きな曲で、前奏でピアノとサックスが入っているのでお願いした次第。しかし、やはり歌がメインの曲をインストゥルメンタルで演奏するのはかなり難しかった様子。私も「happy days」を演奏した時点で、お願いはしていたもののやはり無理だったかなと諦めたのですが、素晴らしいアレンジで(意外にもhitmeさんはピアニカでした。本来はフルートだったかもしれませんが)演奏してくれました。なんだかここで、じわっとしてしまい、特に主旋律から外れて途中、ほぼ彼女たちのオリジナル曲のようなアレンジのフレーズに入った途端、私の目からは涙がこぼれました。先日の日記でも書きましたが、ついにライヴで泣きましたよ。でも、それは私のためにだけ演奏してくれたという彼女たちの思い遣りに対してですね。その後最後に1曲演奏して、23時前に終了。さすがにアンコールのない、潔いステージでした。
ということで、終わってしまいました。さすがに終電を気にして帰ってしまった知人がいましたが、ほとんどのお客さんは最後まで聴いてくださって、本当に良い演奏だったんだなと確信。櫻倉レオンファンの幾人かは彼女のステージで帰ってしまいましたが、最後まで程よいお客の入りで、ゆったりと楽しんでいただけたのではないでしょうか。あちこち移動していた私には店内が若干暑く感じましたが、その辺はどうだったのでしょうか。
終演後はDJブースのことをすっかり忘れていたら、monaのスタッフの人が私のCDからshelleyan orphan『humroot』をかけてくれていました。素晴らしい。すっかり遅くなってしまいましたが、1時間でも打ち上げをしたいということで、無理をいって打ち上げ。1500円のコース。ワンドリンクつき、料理5品が出てくるお得なコースです。結局、打ち上げにも15人が参加してくれて(なかには打ち上げの時間に来てくれたみうさんやizuさんもいましたが)、料理もほとんど残ることなく、楽しい時間が過ごせました。
打ち上げの時間は、時折DJブースに行って、佐野元春『Cafe Bohenia』A面をかけたり、この日家を出るときにポストに届いていた、one toneの最後のCD『一音の舟』などをかけました。本当は終電を気にせずに夜を明かすつもりでいましたが、さすがに朝からの疲れがどっとでてきていたので、終電で帰宅することに。慌しくお店を出ました。最後に本当に私の好き勝手させてくれたmona recordsのスタッフの皆さんに感謝いたします。

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美学入門

アンリ・ルフェーヴル著,多田道太郎訳 1971. 『美学入門』理論社,213p.,560円.

ルフェーヴルは既に亡くなったフランスの哲学者・社会学者。1970年代の『空間の生産』という著作が(ルフェーヴルにしては珍しく大著)1990年代に英語に翻訳されてから,彼の空間論や都市論ばかりが地理学者や社会学で注目されているが,その他の多くの著作が日本では1970年代までに翻訳されている。
新しい時代のマルクス主義者として注目されていたのだ。ちなみに,英語圏ではマルクス主義というもの自体があまり活発ではなかったようだ。
さて,19世紀を生きたカール・マルクスといえば『資本論』によって独自の経済学理論を打ち立てた人物。しかし,マルクス経済学はケインズ流の近代経済学とは異なり,近代経済学が経済現象を社会の他の側面と切り離して数学的理論を純化させていったのに対し,社会の複雑な側面,特に政治との関連性を理論に含めることにその特徴があり,「政治経済学」ともいう。
その理論は土台-上部構造という図式で知られる。土台とは人間社会の経済的な側面であり,上部構造というのが政治や文化,イデオロギーなどが含まれる。上部構造というのは土台があって初めて成立するという,すなわち経済が他の側面を大きく規定するという考え方だ。
そんな感じで一般的にマルクスは芸術を含む文化というものを軽視し,経済に付随する二次的なものと見做したと思われている。それを覆そうというのが本書の狙いでもある。

ところで,「美学」という言葉に馴染みがない人もいるかもしれない。美学というのはエステティックの訳だが,「審美」と訳される場合もある。この言葉は日本ではもちろんエステの方が一般的だが,美しさそのものを指す言葉ではなく,美しさを判断する人間の問題である。よって,美学とは美しさを判断するもの,すなわち芸術論一般を意味します。

著者はまず,マルクスの残した記述から芸術に関する断片を集めてきて,それらが単なる断片ではなく,しっかりとしたマルクス理論に基づくものであることを示し,そこから発展させて著者独自の議論へと導かれる。
多くの美学理論は,上述した近代経済学のように,芸術の分野を社会全般から切り離した上で成立する。ごく単純化すればそうした芸術理論とは,芸術作品は個人の才能と努力によって生み出される唯一無二の美しさを有したものであり,その作品を観る者,聴く者,読む者は邪念をのぞいた純粋な心でその美しさを感じ取る,というもの。
しかし,それは全て幻想だ。私たちが美しさを感じる感覚も生来のままの純粋なものではありえず,社会化する過程で作り上げられるものだ。もちろん,作り手の方も何もないところから表現すべきことが神から降りてくるわけではなく,社会で生活するなかから表現すべきことを学ぶのだ。それでこそ,作品に経済的・政治的側面が表現させるからこそ,社会のなかで生活する鑑賞者に対して美しさを獲得するのだ。

もちろん,芸術という上部構造が全て土台=下部構造である経済的な側面から説明されるわけではない。しかし,それが切り離すことのできないものであること,そして芸術作品にも欲望,抑圧,搾取,差別,そんな暗い側面が十分に含まれていることを認識するためにマルクス主義美学が貢献していることは大きい。

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ライヴで泣くのは難しい

7月23日(月)
浜離宮朝日ホール 矢野真紀
カーネギーホールと並ぶ音響の良さといわれているらしい、クラシックス用のホールで矢野真紀がアコースティックライヴをするというので、矢野真紀ファン友達のみうさんとマッキーさんの3人で行ってきた。e+の先行で私が購入したら、なんと3列目、しかも、けっこう真ん中よりです。椅子も大きくて座り心地良し。6300円の決して安くないチケットでしたが、たまにはこんな贅沢も良いでしょう。
この日の真紀さんは黒を貴重とした衣装で素敵ですが、相変わらず裸足。板の間のステージで気持ちいいんだとさ。でも、まあ裸足はいつものこと。素足でしっかりと床をつかんで、大地からエネルギーをもらいながら歌うとのこと。いつものギタリスト中村修司と、今回初めてご一緒するというピアニスト斎藤有太の3人のステージ。このピアニストが爽やかだ。なんだか、顔といい、弾き方といい、YANCYさんに似ている。
歌い始めて、このホールの良さはイマイチ分からなかった。そもそもクラシック用だから、本来は電子的な音響を使用するものではない。なんか、スピーカーを通した音が高い天井の上の方に抜けてしまって、必要以上に跳ね返っている気がした。でも、ステージが進むに連れてこなれてきたような気もする。途中でこのホールの話になった時に、マイクのない中村さんの声とか、後ろの方のお客さんの声とか音とか、確かに良く響いて聴こえる。1曲だけ、アカペラで真紀ちゃんが歌うシーンもありました(これはこのイヴェントの一環で他の出演者にも課せられた要求だったらしい)。
真紀ちゃん本人がクラシックのホールで歌うことが小さい頃からの夢だったといっていましたが、意外にいつものライヴよりもリラックスしてMCの時に豊かな表情をみせていた真紀さんでした。でも、あんな場所でお客さんの反応を欲しがってもね。私的なピークは最後の方に歌った「アッシュバーン」。この曲はもちろんバンド編成でも最高ですが、この3人編成でも素晴らしい。他の曲はけっこう定番曲が多かったせいもあって、やっぱりこの曲は好きだなあと思った。
そして、アンコールで「窓」。この曲はさだまさし作詞でライトアルバム『BIRTH』の最後に収録された曲だが、最近ドラマに使われて話題になっているらしい。なんと、シングルカットされるとのこと。そのカップリングにはこの日のライヴ音源が1曲入る。私はライヴを聴いて泣くという経験がないが、最近機会があれば泣けるかどうか試している。このシチュエーションはかなりそれに適している。私も20歳の時に入院している父を見舞った記憶があり、しかもその後父は亡くなっている。その時を思い出すように、感傷的になってみる。しかし,クライマックスで真紀さんが咳き込んで歌えなくなってしまう。仕切りなおしでもう一度。私の気持ちは途切れてしまった。でも,彼女のほうは逆にそれで感情的になってしまったようで,曲の最後でボロボロ泣いてしまいました。そこでなぜか客席の前の方から歌声が。そう,お客さんの一人が素晴らしい歌声で歌い継いだのです。それが素人とは思えぬ歌声で,しかも,このホールの良さが一番分かったのがこの時だったかもしれません。その歌声はそれほど大きくないものの,きちんと後ろまで響いていたと思います。私も続いて歌いたいところでしたが,その歌声があまりにキレイで正確なので,誰も続いて歌うことはできませんでした。
そんなこともあって,演奏後はスタンディングオベーション。まあ,そういう感じの出来ではなかったと思いますが,このホールではそういうのも似合うので,良しとしましょう。われわれは築地に移動して,海鮮丼のお店で食事をして帰りました。

7月26日(木)
さて,私の37歳の誕生日がやってまいりました。緊張していたのか,6時に起床。そのままもう一度寝ても良かったけど,最近朝のジョギングはなるべく早い時間のほうが涼しくて良いので,とりあえず走ることにした。この日はいつものコースではなく,多摩川の右岸をそのまま上流へと走り,支流の浅川沿いにかつて私が住んでいた高幡不動から延びる多摩モノレールが浅川を渡るところまで往復することにした。40分近く走っていたので,7~8kmはあるのではないでしょうか。さすがに最後の方は陽も随分高くなって暑いと同時に足腰に疲労感。さすがに,まだ10kmは無理そうです。朝食を食べてちょっとウトウトしてから出かけます。
新宿ガーデンシネマ 『アヒルと鴨のコインロッカー
ちょっと情けない、一生懸命の男を演じさせたらぴか一の濱田 岳主演作品。このぶさいく男がなぜ次々と映画主演を果たしているのか不思議ではあるが、まあ美男美女しか出てこない作品はあまりにリアリティがないのでいいことです。当然のことながら原作は読んでいませんが、これがなかなか凝ったストーリーでとても面白い。かといって、言葉で説明するのはとても面倒なので、是非観て下さい。相手役が瑛太。なんでしょうね、この男のふっきれているところ。魅力的です。そこに関めぐみやら、松田龍平やら、大塚寧々やらが絡むんです。とてもいいキャスティングですね。ともかく観て損はない作品。ただ、一点だけ難点を挙げれば、この作品の中でボブ・ディランの「風に吹かれて」が重要なのですが、もうしつこい。原曲が流れるのはまだ我慢できるとして、何度も何度も登場人物が歌うのがたまりませんね。これだけは我慢しなくてはなりません。
さて、この日のこの後は非常に長くなりそうなので、一旦ここでアップします。

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