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ライプニッツのシステム

ミシェル・セール著,竹内信夫・芳川泰久・水林 章訳 1985. 『ライプニッツのシステム』朝日出版社,240p.,1500円.

朝日出版社は1970年代から1980年代にかけて,現代思想の分野で非常に魅力的な本を出版していた。なかでも,エピステーメー叢書は装丁のデザインも素敵です。本書はポストモダン叢書で,想定は地味だが定形ではなく,ナカナカいい感じ。
しかし,恐らく朝日出版社は活動をやめてしまった。どちらの叢書も発行数は限られており,古書店でも高価で売られている。以前,本書は吉祥寺の「よみた屋」で5000円で売られていた。さすがに手が出なかったが,先日近所の古書店「ブックセンターいとう」で2500円で購入。

ポストモダン叢書を買ったのは3冊目。
モーリス・ブランショ『明かしえぬ共同体』とジャン=リュック・ナンシー『無為の共同体――バタイユの恍惚から』

この2冊に続き,やはり本書も難しかった。セールの本は3冊目。1冊目の『幾何学の起源』は無謀にも地理学評論に書評など書いたのであった。
セールの数多くの著書は,本書から始まったらしい。1960年代に書かれた文章で,セールはまだ30歳台。正直いって,ライプニッツのみならず,それをデカルトやニュートンと比較していくその分析は私に到底理解できるはずはないのだが,なぜかセールの文章は読んでいて楽しい。後の作品に比べて文体は凝ってはいないし,そもそも私は日本語訳を読んでいるに過ぎないのだが,その難解な文章を読み進める快楽ってのがあるんですね。意味的には理解できない抽象画を観たり,歌詞から意味を取れない外国語の音楽を聴いたりするのと似た楽しさが哲学書にもあるんですよ。
そもそもライプニッツなど,『単子論』と『形而上学序説』しか読んでいない私。しかし,日本では工作舎が全10巻に及ぶ『ライプニッツ著作集』を刊行。全てそろえたら10万円になります。
そんな膨大な著作を残した18世紀の偉大なる哲学者について,20世紀の偉大なる哲学者ミシェル・セールを通してその思想に触れているのですから,それだけで素晴らしい経験のような気がします。

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