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10月25日(木)

渋谷シネマ・アンジェリカ 『僕がいない場所
これ、すごい映画です。ポーランドが舞台。少年クンデルはちゃんと母親がいるのに何故か孤児院に預けられています。捻くれた子どもで、孤児院でも馴染めず、脱走します。でも、結局行くところは母親のところ。母親の方もクンデルも、素直な愛情表現ができずに、結局追い出されてしまいます。その町では同世代の男子どもたちに会うと、これまた「奴が戻ってきた。やっつけろ!」と追いかけられます。父親か幼い頃の恋人か分かりませんが、そんな男は船上生活をしています。そんなこともあってか、クンデルは廃船に住み着きます。盗みをはたらいたり、鉄くずを集めて金にしたり。ちなみに、先ほどクンデルを追い回した男の子集団はまだ子どもだというのに、廃墟でシンナーやハッパに浸っています。
その廃船の近くには裕福な家がある。そこの次女は美しくて優秀な長女への僻みか、毎晩缶ビールを飲んでは、その空き缶を見つからないように廃船まで捨てに行っていた。そんなことから、少女はクンデルを発見。興味を持ち、徐々に近づきます。はじめのうち、クンデルは誰も信じられないという感じでしたが、この少女は食料を恵んでくれるので、だんだん仲良くなります。
しかし、結末が悲しい。この少女には姉がいて、クンデルはやはり美しいこのお姉さんに興味津々。お姉さんの方も時折クンデルを気にしている様子でしたが、その興味のあり方は鑑賞者を裏切ります。なんと、お姉さんは警察に電話して、クンデルは連行されてしまいます。お姉さんは彼の存在が目障りだったようですね。あるいは、誰かに保護される生活の方が彼にとって幸せだと考えたのかもしれません。といっても、もちろん自分の家で引き取るわけでもなく。
そして、冒頭にあったシーンに再び戻ります。そう、警察に連行されたクンデルは職務質問を受けます。「君の名前はなんていうんだね」という質問に、「名前がなんだっていうのさ」と応える。「お前は誰なんだ。名字を教えろ」という質問に、「僕は僕さ」と答える。これが原題の「I am/Jestem」である。左側は英語で、右側はそれに当てはまるポーランド語のようだ。このやり取りは非常に奥深い。警察は名字が分かれば所属している家族の名前が分かるわけだから、それこそが知りたいことなのだ。子ども自身の人格など、個性などどうでもよい。まあ、この問いかけは極端な例であるが、私たちは「名前」というものでその存在の確実性を手にしてしまう。例えば、膨大で複雑な思想体系でも「マルクス主義」の一言で分かった気になってしまうのだ。クンデルはそんな大人的思考に真っ向から対立する。まさに、彼にとっては名前なんてナンセンスなのだ。
そして、原題ではこの名前というテーマを前面に押しているが、邦題は居場所に焦点を当てている。この二つはやはり切り離せないもので、地理学者としても非常に興味深い。

さて、講義の後は吉祥寺に。実はこの日、池ノ上bobtailでは私の好きな3組のライヴが予定されていた。ari、dois mapas、オオタユキだ。ということで、そちらに行こうと思っていたが、オオタユキさんが出演しないことが決まり、またdois mapasは11月はじめにleteでやることが決まっていたので、思わず予定変更。omu-toneをじっくり聴いてみることにした。

吉祥寺manda-la 2 omu-tone
会場に着いたのは開演30分前。恐らく私と同じように、bobtailとの選択を迫られただろう服部さんも来ています。最前列が空いていたので、控えめに右寄りに。またまた田辺 玄氏の目の前だ。ギネスビールとスペシャルメニューのキーマカレーを注文するが、一向に来ない。結局、来たのは注文してから1時間後。どうにかしてるよ。
さて、ライヴはというと、この日はゲストにwater water camelの田辺 玄氏と斎藤camel氏を招くことになっているが、1stステージはomu-toneの3人によるステージ。今回、このmanda-la 2でのライヴに来たかったのは、楽器が増えると予想したからだ。対バン形式だと楽器の搬出が大変だし、bobtailなどの小さな店ではマリンバ2台は不可能。manda-la 2は決して広いステージではないが横長なので、これまで聴いてきた編成よりも豪華になると期待してきたのだ。もちろん、このお店にはグランドピアノもあるし。ということで、期待通りこの日はヴィブラフォーンが加わりました。何度かヴィブラフォーンの生演奏は聴いたことがあるが、こんなに間近では初めて。ヴィブラートする音の響きは、実は意図的に作られていることを知る。こうした木琴・鉄琴は音を響かせるために、鍵盤の下にパイプがついているが、パイプの中でファンのようなものが回っているのだ。ということは電源が必要だということらしい。
ということで、ライヴ。佐藤貴子ちゃんはいつもどおり無表情で奥のパーカッションスペースにこもりっきりですが、高橋若菜ちゃんや澤口 希さんはマリンバ、ピアノ、ヴィブラフォーンを行ったり来たり。特に盛り上げ役の若菜ちゃんはハロウィンも近いということで一人で盛り上がっています。いいですね、この3人の関係性は。もちろん、演奏も素晴らしい。個人的には希さんがピアノでの演奏が多かったけど、もっとマリンバ弾いてほしいな。ゆる~いライヴになるとのことでしたが、やはり根は真面目なんでしょうね。サクサクと演奏は続きます。
後半は玄さんと斎藤君が登場しての楽しいステージ。貴子ちゃんもこの2人が登場すると随分表情も柔らかくなり、発言も多くなります。やはり同じ世代で楽しそうだ。玄さんはエレキギター、斎藤君はアコースティックギターでの参加で、1曲はもともとインストゥルメンタルのomu-tone曲に斎藤君が歌詞をつけて歌います。いいねえ、こういうの。立ち見も出る盛況のなか、暖かい雰囲気でライヴは終わりました。
いままで、何故かお話をするのは貴子さんだけでしたが、この日は初めて希さんとお話。それほど美人というわけではありませんが、味があって雰囲気もあって私は好きです。

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コメント

この日、僕はボブテイルに行ったのですが、ナルセさんの姿がなかったので、「Mandala-2」に行ったんだと、ピンと来ました。オオタユキさんの欠席は、出演者サイドの都合ということ、僕はお店に着くまで知りませんでしたが、そういうことにもけっこう慣れてきました。

投稿: TOPS | 2007年11月 5日 (月) 11時51分

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