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一般言語学

ローマン・ヤーコブソン著,田村すゞ子・村崎恭子・長嶋善郎・八幡屋直子訳 1973. 『一般言語学』みすず書房,317p.,3000円.

ソシュール『一般言語学講義』と並んで,構造主義的言語学の古典。以前,自分の論文で勝手に「ヤコブソンモデル」などと言及したことがあったが,ようやく読むことができました。前半の「第一部 一般問題」はとても素朴な言語の問題を論じていて,とても面白い。ハヤカワ『思考と行動における言語』並みに面白いです。ちなみに,このハヤカワの著書は本当にお勧め。別に学問を志す人でなくても,目から鱗の知識が詰まっています。
さて,ハヤカワの著作に比べ,こちらはやはり言語学の専門書。「第二部 音韻論」辺りからかなり訳分かりません。確かに,言語学においてはこの言葉の音の側面は重要です。それは後半にも関わってくるのですが,そもそも言語学を専門にしてない私にとっては退屈極まりない内容。まあ,ソシュールにも「音声学の基礎」が含まれていますから,しょうがありません。「第三部 文法」もかなり難しい。そもそも,著者のヤーコブソンはモスクワ生まれでチェコに移り,ナチスに追われデンマークとスウェーデンに滞在し,最終的にはアメリカに渡るという経歴で,本書で引用される文献も何ヶ国語に及んでいることか。さすが言語学者といった感じで,せいぜい英語くらいしか分からない私にとっては,文法の話はチンプンカンプンです。
ようやく「第四部 詩学」に入って,例のヤコブソンモデルが登場します。以下のようなコミュニケーションのモデルですね。

       コンテクスト
発信者   メッセージ   受信者
        接触
        コード

本書は言語の問題を非常に広く捉えています。それこそ,動物行動学なども参照しながら,動物の間で交わされるコミュニケーションと人間の言語の本質的な共通性と違いについて。はたまた,レヴィ=ストロースの人類学への言及もあります。物理学や生理学への参照もあり,人間の言語交換における物質性の問題も視野に入れています。
ともかく,内容盛りだくさんの必読書。

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