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2008年2月

40歳,私も間近

2月24日(日)

新宿武蔵野館 『いつか眠りにつく前に
死の床についている老女が、娘も知らない若かりし頃の恋愛を思い出す、という2つの時代を行き来する作品。主人公の若い頃を演じるのは私の好きなクレア・デインズ。ハリウッド女優って、売れて有名になると巨大化する傾向にある。ニコール・キッドマンはもともと大きくてあまり変わらないように思うが、ジュリア・ロバーツやグィネス・パルトロウなど、若かりし頃の出演作を観ると驚きます。そんななか、クレア・デインズは『ロミオ&ジュリエット』でディカプリオと共演した時と体型はほとんど変わらない(そういえば、ディカプリオも巨大化しましたね)。もちろん、顔つきは大人っぽくなったけど、やはりそれほど売れていないのがいいのか、でも年齢もまだそれほどでもないか。
まあ、ともかく彼女のようにたまにしかスクリーンで観られない女優さんは毎回とても新鮮でいいですね。すっかりわき道にそれていますが、本作はなかなか面白い脚本。そして、私的にとても好きなところは配役。主人公の若かりし頃。親友の女性がいます。この女性はという初めて見る人でしたが、この人の母親役がグレン・グローズ。そして、時が経って、初老の彼女を演じるのがメリル・ストリープ。これがそっくりなんです。しかも、メリル・ストリープの母親役がグレン・グローズってのも妙に納得しますよね。ともかく、こういうキャスティングは私が映画を楽しむ一つのポイントです。

吉祥寺に移動して、献血。当初はこの日渋谷の献血ルームでしようと思ってたけど、予約が埋まっていたので、吉祥寺に変更。この日は非常に風が強く、それで全般的に外出者が少なくなったかもしれないけど、吉祥寺の献血ルームはかなり空いていた。おかげでかなり快適に成分献血。
まあ、この日のstar pine’sは椅子が出るだろうけど、時間もあったので事前に食事。先日行きそびれたカレー屋「リトルスパイス」へ。レバーのカレー「ブナ」を注文。やっぱり美味しいねえ。

吉祥寺star pine's cafe ハシケン
予想通り椅子席でました。最近はアーティスト手売りチケット(整理番号が赤書き)と店頭売りチケット(整理番号黒書き)とが同時入場のことが多いみたい。ということで、店売り11番だった私は結構早く入ることができたので、中央左寄り3列目辺りに座る。出てきましたよ~、この日の豪華サポートメンバー。今回のstar pine’sのハシケンは40歳の誕生日前日と当日の2days。この日は当日です。前日はNUUちゃんと高田 漣さんなどがゲスト。この日のヴォーカルゲストがsaigenjiだけど、それ以上に楽器でのゲストが素晴らしい。弦楽器がヴァイオリン岡村美央とチェロ橋本 歩、管楽器はサックス&フルートにヤマカミヒトミとトロンボーンに浜野謙太。ギターはいつものソウル・フラワー・ユニオン河村博司、ドラムスはおおはた雄一さんでも叩いたことのある浅見トマル、ベースはトルネード竜巻のサポートの長い御供信弘、そんな面々。1曲目唄い始めてすぐに分かりましたが、ハシケンさんの声、枯れています。それはいかに前日のライヴも盛り上がったのかが分かって、微笑ましいですが、やはりちょっといつもの迫力が足りないですが、そこはバックの演奏が存分にカヴァーしてくれるでしょう。という予想以上の楽しさ。特に「走る人」の時の、チェロとトロンボーン、ヴァイオリンとフルートの組み合わせが交互に繰り返される場面は圧巻。なかなかこの組み合わせはありませんよ。もう、この日はハシケンさんよりもバックばかり見ていました。岡村美央さんなんて、ハシケンさんで見えないのが残念なくらい。それにしても、髪をアップにしていた歩さんの可愛いこと!ちょうど歩さんがハシケンさんの方を見ると私と正面になるので、もうドキドキものです。そんなことを後日歩さんに会ったときに話をしたら、ステージからも私の姿がよく見えていたとのこと。そして、ハシケンさんは自分の声が枯れてしまったことをひどく悔やんでいて、あのサポートメンバーでもう一度ライヴをしたい、といっていたとのことです。そう簡単には実現しないでしょうけど、楽しみにしましょう。
さて、中盤でゲストのsaigenji登場。最近、彼のライヴもあまり見に行けてない。この日自分の曲はわずか2曲だったけど、ハシケンさんが選んだのはけっこう初期の曲で、あらためてsaigenjiの曲の良さに気付きます。しかも、ハシケンさんとsaigenjiは7つも歳が離れているんですよねえ。そして、最近あまりsaigenjiのサポートをしていないhitmeさんも2曲目には登場し、この組み合わせも久し振り。でも、ちょっと残念だったのはhitmeさんのサックスはこのバンドではあまり目立たなかったということ。でも、まあいいでしょう。アンコールではブルースハープのKOTEZさんも登場して、単独のライヴとしては本当に贅沢なものでした。
終演後も少し会場に残りましたが、ハシケンさんは早々とファンの皆さんから誕生日プレゼントなどをもらっていましたが、他のメンバーはなかなか出てこず、アンケートだけ書いて帰ってきました。

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デジタルカメラ始めました

2月22日(金)

新宿タワーレコード port of notes
10周年記念のベストアルバム『青いアルペジオの歌』発売記念で、なんとタワレコでインストア。平日といえども金曜日、かなり混雑することを予想して30分前に到着。ちょうどリハーサル中でした。ほとんど普段着の2人。結局着替えはせずに、本番では上着を脱いだだけ。畠山美由紀さんは襟付きのシャツでしたが、個人的にドレスもいいけど普段着も好き。襟付きシャツ好きみたいですね(まあ、一応ステージということで、普段はもっとラフなのかもしれませんが)。以前よりも至近距離で見てもドキドキしなくなりました。少し慣れましたね。それにしても、美由紀さんのPAへの指示の細かいこと。まあ、PAをやっている人がイマイチよく分かっていなかったようなところもありましたが、さすがにこだわりますね。リハーサルは歌とギターを合わせるということではなく、もっぱら音の出方のチェック。まあ、当たり前ですけど。
30分前に到着した私は2列目をゲットしましたが、やはり開演前にはかなりの人だかり。ベストアルバム収録の曲のなかから、日本語の歌詞の曲を中心に演奏。「僕の見た昨日」「ほんの少し」「何を思うんだろう」「more than paradise」と、今回収録された新曲「あなたについて」の5曲。最後の「あなたについて」では冒頭で歌詞を間違えてやり直すシーンも。小島大介さんが「珍しいね。初めてじゃないの?」と。そう、私も前半を聴きながら、美由紀さんはさすがに歌詞が完全に身についているなあ、と感心していたところ。ということで、彼女もかなり動揺していましたが、さすがにすぐに気を取り直して、次はバッチリ。3月のワンマンライヴには行けませんが、またMURIUWIなどでもあるかもしれませんね。以前にも書きましたが、この2人は曲が好きなだけではなく、ステージ上でのやりとりも面白いので、ライヴは見逃せません。
終演後、本人たちからサイン入りカードを手渡すのが購入特典でしたが、port of notesは全て集める予定なので、ベストは購入せず。でも、帰宅してから本人たちとお話するために購入して、CDは誰かにプレゼントするって手もあったかなとちょっと後悔。この日は早めに帰って自炊の夕食。

2月23日(土)

渋谷ル・シネマ 『ラスト,コーション
またまたをヴェネツィア映画祭でグランプリを受賞したアン・リー監督作品。香港と上海を舞台にした、第2次世界大戦中を描いた作品。ラストはlastではなく、lust。漢字表記は「色|戒」です。まあ、かなり過激なセックスシーンが話題になった。アン・リーの作品は『楽園をください』と『ブロークバックマウンテン』を観たが、それほど好きではない。確かに、その技量の素晴らしさは疑う由もないのだが。そして、今回も上映時間が長い。まあ、長さを感じさせないという意味ではよくできている作品ですが、私が観た、米国を舞台にした作品に比べると映像がなんだかみすぼらしい。戦中の都市風景はどうしてもセットとCGに頼らざるを得ないので、やむをえないかもしれない。予告編の編集の仕方もあまり感心できるものではない。前後関係を入れ替えているために、別のストーリーを想像させるからだ。まあ、例のセックスシーンについては、日本の場合ボカシが丁寧に入っているので、評価しようがありませんが、主演の女優タン・ウェイの演技は素晴らしいですね。まあ、そんなところでしょうか。

都立大学Jammin' 松下美千代
ベース工藤 精氏と、ドラムス斉藤 良氏とによる、松下美千代トリオにゲストサックス竹内 直氏を迎えてのステージ。強風でところどころ電車が止まっているなか、今回もほぼ満席のライヴとなりました。今回も前日に同じ店でソロのライヴだった美千代さん。ソロではスタンダード曲を中心に演奏したということで、この日はオリジナル曲中心の演奏。20080223d最近、私は借り物ではありますが、デジタルカメラを入手したので、演奏風景を撮影しました。しかし、演奏前に美千代さんに挨拶できなかったので、2ndステージから。美千代さんお得意の譜面立てにピアニカを置いて、左手でピアノ、右手でピアニカという演奏姿を撮影したかったのだが、1stセットに1曲だけ。しかも、2ndでは私の前に2人の女性が座ってしまったため、イマイチです。その前に私の撮影技術がイマニくらいですが。
やっぱりオリジナル曲、好きですわぁ。竹内氏のテナーサックスもなかなかいい音で、素的なライヴでした。オリジナル曲のなかでも「Infinity」という曲は前回聴けなかったので、私もリクエストしていたもの。本来はコントラバスとのデュオ用に書いた曲とのことですが、まあ、私には編成を換えるための編曲の大変さなどは分からないので、素直に喜び楽しみました。またまた、終演が23時になっていたので、急いで帰宅。

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3月のライヴ予定

3月1日(土)
恵比寿ガーデンホール 原田知世(チケット購入済み)
3月2日(日)
渋谷7th floor 拝郷メイコ/いいくぼさおり/他
吉祥寺strings 宮嶋みぎわ+大橋エリ(予約済み)
3月3日(月)
池ノ上bobtail 犬塚彩子/ari/他
3月4日(火)
吉祥寺strings Asa festoon(予約済み)
3月7日(金)
吉祥寺strings Cian(予約済み)
3月8日(土)
タワーレコード新宿店 モダーン今夜
3月9日(日)
渋谷カボット 戸田和雅子/mitatake
3月11日(火)
下北沢440 omu-tone/他(予約済み)
3月16日(日)
渋谷duo music exchange HARCO(チケット購入済み)
3月20日(木,祝)
渋谷7th floor 戸田和雅子/他
3月22日(土)
渋谷duo music exchange 竹仲絵里(チケット到着待ち)
3月23日(日)
銀座ルテアトル 矢野真紀(チケット購入済み)
3月27日(木)
吉祥寺strings 太宰百合トリオジョイナス(予約済み)
3月28日(金)
千駄木ペチコートレーン 永山マキ
3月29日(土)
九段下九段会館 湯川潮音(チケット到着待ち)

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そういえば、スターウォーズつながり

2月20日(水)

九段会館 『ジャンパー
どこで応募したかも忘れてしまった。試写会の当選葉書が到着したのは2日前。幸い予定も入れてなかったので、観に行くことにしました。予告を何度も観ていて、面白そうだけどお金払って観るほどでもないとおもっていたので、ちょうど良い。しかも、会場が九段会館だし。九段会館は来月に湯川潮音ちゃんのコンサートで行くので下見にもなります。
本作は「ジャンパー」と呼ばれる、日本ではテレポーテーションっていったほうが分かりやすいですね。道具は何も使わずに瞬間移動できる能力を持った青年の物語。主演は『スターウォーズ』シリーズでアナキン・スカイウォーカー役を演じていた、ヘイデン・クリステンセン。そういえば、『ニュースの天才』っていう主演作もありましたね。どの作品も悪に手を染める主人公。本作でも、この能力を悪用して、働きもせず高校生のときから銀行強盗で自立するという役どころ。まあ、内容的には予想した範囲内の楽しさ。とにかく、現実にありえないことをリアリティを持って見せてくれる映像技術には感服する。なお、ジャンパーたちが日本にもやってくるシーンがあります。非常に分かりやすい都市風景で、銀座や渋谷、新宿、秋葉原などが連続的に用いられています。
それにしても大盛況だった。招待葉書1枚で2名。もちろん、葉書をもらっても来ない人もいるし、1人で来る人もいるだろうに、満席だった。葉書を配りすぎではないのか?もし、全員が来たらどうなるのだろうか。くる人の確率などを計算しているのか。余計なことだけど、不思議だ。

2月21日(木)
この日はTOPSさんが以前に書き込んでくれたように、魅力的なライヴがいくつもあったが、なんとなく決めきれずにいたので、結局どれも行かないことにした。優雅な休日でも過ごそう。

池袋シネマサンシャイン 『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋
とある目的のために、池袋で映画を1本だけ観ることにした。ダスティン・ホフマン演じるマゴリアムおじさんが経営する不思議なおもちゃ屋。しかも、このおじさんが只者ではなく、発明の父エジソンとも競い合ったという、200歳を越えて生きている魔法使いでもある。もちろん、自称だけれども。そして、なんといっても私のお目当てはナタリー・ポートマン。ピアノの天才少女といわれながら、23歳にしてスランプ中。このお店で働く時間が多い。そして、友達のできない一人の少年が毎日のように、やはりこのお店で時間をつぶしている。そして、新しく雇われた会計士の男性。この4人が主たる登場人物。なんと、監督は32歳にして監督デビューしたザック・ヘルム。『主人公は僕だった』で斬新な脚本を書いた彼は、もちろん本作もオリジナル脚本。魔法にかかった玩具たちが所狭しと並べられた店内の映像はもちろんCG多用。『チャーリーとチョコレート工場』の工場内部のような不自然さは否めません。あまりにもいろんなものがごちゃごちゃしすぎて逆効果。もっとシンプルな方がよい。
確かに脚本は面白く、ダスティン・ホフマンのために書かれたような役どころだが、やっぱりなんといっても、私にとってはナタリーの魅力を存分に楽しめる作品だ。『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005)でスキンヘッドにしてしまったナタリーだが、ショートヘアも素的。この少年役のザック・ミルズもなかなか注目株だ。
ダスティン・ホフマンはただ楽しいだけでなく、こういう役でも憂いがあるのがこの作品に深みを与えていますね。最後には暖かい涙が頬を伝います。

さて、池袋から茗荷谷に移動。なかなか場所的にもまとまった時間がないといけないアスカフェ。でも、行った時間が悪く、ランチは終わり。けっこうお腹も空いていたので、ピザトーストとブラジルコーヒーをいただく。この日はトモエさんがいなくて、お話するわけでもなく読書をしながら過ごしましたが、それでも何故か落ち着くんですよね。注文したものが出てくるまでは2,30分かかるんだけど、その待ち時間も含めて贅沢な時間。トーストもコーヒーもとても美味しかったです。帰り際に妹さんとも少しお話して帰宅。

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たまには数日分まとめて

結局,最近また1週間遅れになってきてしまった日記。ちょっとあっさり目に書きましょう。

2月18日(月)

梅が丘take five air plants
初めて降りた小田急線の駅。下北沢のすぐ近くだったんですね。20時スタートと思い込んだら,20時半スタート。食事をするつもりでついたので時間を持て余す。早めに着いたもので,なかから詰めてくださいというお店の人の指示で,演奏を聴くにはいい席でしたが,両側が数名のお客さんに挟まれて,終演まで一度も席を離れることができない。
生音と聞いていたが,若干アンプも入っていたみたい。でも,やはりこんなに狭い空間でair plantsを聴くのは初めてだったので,その反響の仕方はとても心地良い。開演前に注文したグラタンもようやっと休憩中にきて,アツアツホクホク。この日のライヴを主催した盲目の男性。どこかで見たことがあるとは思っていましたが,後日太宰百合さんと話をしていて,太宰さんのお客とした来ていたstringsで見たんでしたね。その年始の太宰さんと歩さんのライヴに来ていたということで,太宰さんが彼を歩さんに紹介して,ここでのライヴが実現したそうです。

2月19日(火)
青山プラッサオンゼ Asa festoon
Asa festoonさんのライヴは3月頭にもstringsであるが,プラッサオンゼで太宰百合さんが入るということで,ちょっと貴重かなということで,こちらを選んでみた。そう,プラッサオンゼには生ピアノはない。しかも,電子ピアノの演奏も聴いたことがない。ということで,妙な関心だけど,あのお店で電子ピアノが入るとどんな感じで聴こえるかということが一つの楽しみ。そして,もう一つはstringsやGRECOで太宰さんサポートのAsaさんライヴはやはり太宰さんが中心になるけど,この日はギターの木村香真良氏と,パーカッションの小川岳史氏で,そのギターとのバランスはどんな感じなんだろう。開演前にブラジル料理の雑炊をいただく。外食続きの胃にやさしくて染みます。
さて,Asaさんが歌いだすと本当になんだか幸せな気分になります。彼女の曲にはけっこう深刻な歌詞のものも少なくはないのですが,MCでは終始笑いがこぼれる彼女の性格も手伝って,本当に良い心地です。そして,私の予想以上に太宰さんの電子ピアノと香真良さんのギターの組み合わせが絶妙で素晴らしい。太宰さん本人も当たり前のことをさらっといっていましたが,電子ピアノは一回鍵盤を押せば音が響くから,弾き方が全然違うんです。なので,いつもは生ピアノでの演奏が多い太宰さんもたまに電子ピアノを演奏するのは好きなようです。
そして,なによりもこの日はほとんどがAsaさんのオリジナル曲。Asa festoonでは2枚のカヴァーアルバムも出ていますし,ライヴでもカヴァー曲を織り交ぜて演奏することが多いですが,この日は最後の「卒業写真」(このベタなセンスも素的)意外は全てオリジナル曲。まだ私がCDを持っていなくて知らない曲もありました。やっぱり私はオリジナル曲が好きなんですよね。
この日私は後方中央のテーブルに座っていたのですが,どうやらそこの予約客が来なかったようで,テーブルには私一人。1stと2ndの休憩中に「ここいい?」といって太宰さんが私の正面に座る。太宰さんは最近はちょっと出番が少なかったようですが,以前はプラッサにもよく出演していたようで,「呑む?」自分のボトルを持ってきてくれました。日本では滅多に呑めないブラジルの貴重なお酒のようです。サトウキビを原料にしたものでしたが,とても美味しかったです。そして,太宰さんとも色々お話。これは実は初めて太宰さんと会ったときのGRECOでも話した内容でしたが,やはり忘れていたようで,お互いに都立大学に通っていたことに驚き,しかも同じ時期に目黒キャンパスに通っていたということに私も驚く。前日までインドネシアに旅行されていたとのことでまたまた冬の時期なのに肌の黒くなっていた太宰さん。本当に素的なピアニストです。
帰り際にAsaさんの2004年のアルバム『ナツハヨル』を購入。さすがにライヴ会場でCDを買ってサインをいただくのが3回目になるので,サインに「いつもありがとう」って書いてくれました。Asaさんが太宰さんと仲良く話していた私を気遣って,「太宰さんにもサインもらったら」と録音に参加していないのですが,無理矢理サインをしてもらいました。ちなみに,このアルバムではピアノは秋田慎二さんです。またまた3月4日も行きたくなってきてしまった私。

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パンで釣る

2月17日(日)

渋谷アミューズCQN 『アドリブ・ナイト
久し振りに観る韓国映画。韓国映画というと、最近話題になるのは1980年代の日本のトレンディドラマのように、全てが無駄なく作られたエンタテインメント作品が多いが、本作のようにゆる~い作品も作られているのが韓国らしいと思う。話はとても単純。ある男性が死の床についている。彼には娘がいるが、中学生の時に家出した以来、姿を見せていない。そこで、彼の親戚や隣人がこの娘を急いで探すのだ。ソウルで見つかった、ある一人の女性。本人は人違いだと主張するが、鑑賞者には彼女のいっていることが本当かどうかよく分からない。とにかく、訳ありな雰囲気を醸し出す女性なのだ。しかし、ソウルまで探しに来た、その娘と小学校で同級生だったという男2人は、もう時間もないし、その女性を娘だといって父親に会わせることにする。この女性もはじめは嫌がっていたが、結局車でその町まで移動し、結局到着したのは夜。
本作のタイトルは、この女性がアドリブで見知らぬ男の娘を演じる、といった意味合い。到着してみると、死にゆく男の弟夫婦、ちょっと親族関係は不明ですが、彼の面倒を見ていた夫婦、その他親戚や隣人など、親の世代と子の世代と、10名ほどの人々が集まり、寝室で看護師が看病しています。この男は意識不明の危篤状態。
まずは、ソウルから来たこの女性を娘として会わせるかどうかの相談が行われる。しかし、その賛成反対を議論しているなかで、さまざまな諍いが起こる。もう、この女性は蚊帳の外で、あるいは死にゆく男のことも放っておいて、くだらない議論が勃発するのだ。このいつ終わるともない、無益な議論が長回しで写されます。居場所のない部外者の女性。そんな、見ていても面白みのない映像が、映画としての人間の本性を描き出す表現として、妙にリアリティがある。日本にも『寝ずの番』という映画が葬式をめぐる人々の様子を描く作品がありましたが、未見です。かなり面白おかしい雰囲気があったように思いますが、けっこう面白いテーマなのかもしれませんね。結末もけっこういい感じでした。

映画が終わって、中目黒でのライヴまで時間があるので、渋谷から中目黒まで歩くことにする。目黒川沿いの最近のお洒落スポットもきちんと見ておきたかったので、中目黒散策。昨年の新垣結衣主演映画『恋するマドリ』の撮影場所を見てみたいと思ったが、見つからない。映画を観ていた時にしっかりと場所を認識したのに。近くのA.P.C.のショップが写っていたんだけど,そのショップがないんだよね。なにやら私の記憶とは既に変わっていた様子。

中目黒GTプラザホール 良原リエ朝日美穂
この日のイヴェントは,なんと人形の洋服のイヴェント。展示やら販売やらでそのファンたちがこぞっています。このイヴェントのカフェタイムに良原リエさんと朝日美穂さんの演奏があるというのだ。予定時間に行くと,進行が遅れているようです。しょうがないから一旦退出しますが,中目黒では時間のつぶしようがない。カフェタイムということでお茶が飲めると思い,カフェで時間をつぶすこともできない。リエさんに会場の隣の図書館を薦められたので,そちらで雑誌を読む。やっぱり私はこういうのが一番落ち着きますね。
そして,ようやく演奏スタート。まずは良原リエさんがトイピアノの前に座り,トイピアノやアコーディオン,ピアニカを色々使って,美穂さんはグランドピアノの前で弾き語り。お互いの曲を交互に。さすがに美穂さんの曲の方が多かったですが,美穂さんも買ったばかりだというピアニカでサポート。リエさんと同じピアニカですか?美穂さんのblogでは失敗ばかりと書いてありましたが,まあ,真面目に聴いていないお客さんも多いし,こういう場ではもっと気楽な感じでいいと思います。その点,いろんな場所で,シチュエーションで,組み合わせで演奏しているリエさんはさすがだ。そもそも,彼女自身の音楽性は即興的要素を含んでいますから。まあ,ともかくけっこう面白いライヴだったのではないでしょうか。
さて,この日私には一つの目論見があった。先日書いたように,陽子さんから大量のパンをいただいた。このパンは知る人ぞ知る有名なパン屋らしいのだ。そして,リエさんも美穂さんもパン好きで知られることをふと思い出して,ロールパン2つ,丸パン1つをそれぞれペリカンのビニール袋に入れて持参したのだ。演奏が終わり,リエさんのところに持って行くと,袋を見ただけで「あーペリカン!」と良い反応。「朝日さんもパン好きでしたよねえ」といって美穂さんにも渡す。彼女も噂には聴いていたものの,食べたことがなかったとのこと。思わずこぼれた言葉は「あー,さっきパン食べなきゃよかった」。リエさんもわざわざ買いに行ったことがあったようで,美穂さんにその美味しさをとつとつと語っていました。
もうちょっとゆっくりお話したいところでしたが,次の予定があったので,足早に中目黒を後にしました。

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続けてSSD

215日(金)

翌日はshima & shikou DUOのレコ発パーティだが,タワレコ特典引換券があるので,聴きに行くことにした。みうさんがバレンタインのお菓子もくれるというので。

タワーレコード新宿店

なにやらレーベル仲間と合同のインストアライヴ。Shima & Shikou DUOとnativeというサックス&フルート,ドラムス,キーボード,ベースという4人組。2組でセットチェンジも含めて50分ほどのステージでしたが,かなりおなか一杯。お客さんもけっこう集まっていて,翌日もまた楽しみです。

さて,みうさんは人と会う予定だったが,その人の到着が遅れるということで,久し振りに2人で1時間ほど軽く一杯。知り合って2年半。ライヴを中心にさんざん遊び,2年半の間に100回は会ったと思われ,お互いを媒介にして交友関係も拡がりました。でも,最近はお互いの状況も変化し,ちょっと関係性も変化してきましたね。まあ,それもまた愉し。

2月16日(土)

渋谷シネマライズ 『潜水服は蝶の夢を見る

予告編をしつこいほど観てしまって,ちょっと観る気が失せていましたが,周りで観た人の評判がいいので,観ることにした。そんな,口コミのせいだろうか,かなりお客の入りは良いです。そして,内容的にもとても満足。
本作は,実在したフランスのとある雑誌編集長の自伝をもとにしたもの。彼は突然の病に倒れ,全身不随になり,左目の瞬きのみによって自伝を書き上げたという人物。その自伝が映画の原作というよりはその自伝が書き上げられるまでのお話。面白いのはその視点。主人公の左目が視点になっているために,多くの場面で主人公は画面に登場しない。以前にもフランス映画で『トマ@トマ』ってのがあって,引き篭もりの青年が主人公。最後の最後でようやく主人公がチラッと映るってのがありました。
でも,本作は倒れる前のシーンもあるし,全身不随になってからの本人が映るシーンもなかなかスゴイ。まあ,ともかく『elle』編集長ってことで,(それとは関係ない人もいますが)登場する女性が皆美人ばかり。この辺も見所です。以前もフィクションではありますが,聴覚を失ったDJを主人公にした映画がありましたが(タイトル忘れ),人生絶好中に不幸にあって,そこにも生きる意志を見出していくってストーリーは嫌いではありません。

田原町のパン屋「ペリカン」で土曜日にアルバイトをしている陽子さんと,渋谷で待ち合わせ。その友達も一緒です。この日は先日も書いたように,shima & shikou DUOのレコ発ライヴがあるのですが,予約開始早々予約をしたものの,渋谷タワレコでのインストアで2人招待券を当ててしまい,2人を招待したということです。開場が19時なのでその前に会場近くのカフェに入るが,まだランチタイム。健全に3人とも個人で完結するランチメニューでおなかを満たします。陽子さんには大量のペリカンパンをいただきます。ここは基本的な食事パンしかなく,ロールパンに丸パン,そして山型パンの3種類をどっさりいただきました。これらは後日活躍します。JZ Bratは2度目ですが,満席状態で行くのは初めてなので,一応予約席だとは思うけど,開場時間すぎに行くことにする。

渋谷JZ Brat Shima & Shikou DUO

お店に到着すると,入り口で最近のshima & shikou DUOのライヴでは必ず見かける,恐らくレーベルのスタッフだと思われる,南国風の顔をした女性に出迎えられる。受付をすると,私が通しで1名で,他2名はタワレコでのプレゼントで1stだけということをしっかり把握しています。席は後方の段で高くなったところの一番前のテーブル席。4人のところを3人で。ああ,これならサカウエ君も入れたのに,と少し残念。でも,SOLD OUTの割にはゆったりとした空間使いをしていてちょっと安心。ゆっくり聴けそうです。しかし,開演までの1時間弱,お酒を呑みながらゆっくりできるかと思いきや,ブルーハッツライヴに引き続き登場の敷島親方のDJの音量によって阻まれる。さすがにクレームがあったのか,途中からは音量が下がりましたが。カウンターにはまさよし君の姿もあり。

さすがに,この日は入れ替え制で時間にあまり余裕もないということで,ほぼ時間どおりに開始。やればできるんじゃん。でも,実は私の席からはピアノの志宏さんが見えないんですよね。このお店もフロア中央にある大きな柱が邪魔をしています。でも,バーカウンター後ろの壁にカメラ映像が流されます。カメラは数台あるようです。1stセットはまず,1stアルバムの『雨の246』から3曲ほど演奏。いやあ,ちょっと距離がありますね。ワイン2杯でほどよく酔っ払っているので,ウトウトします。まさかshima & shikou DUOのレコ発がこんな穏やかなんて。意外でしたが,心地良くて良い。そして,先日ブルーハッツの時にアンコールで披露した黒いドレスでゲストの畠山美由紀さん登場。髪型は先週とは違います。オリジナル曲も先週とはまた違って「くちづけ」。そして,昨年のmotion blue YOKOHAMAで同じようにshima & shikou DUOとのステージで披露した,中森明菜「セカンドラブ」はここでもうけていました。やっぱり時間が限られていると,もう少し聴きたいというというところで終わってしまいますね。陽子さんたち2人はここでさよなら。彼女たちが帰った後,くっつけられていたテーブルが切り離され,隣には見知らぬ男女2人。なかなか手際が良いです。私の席は隣が通路になっていましたが,そのそばがすぐ楽屋。1stセットを終えた島さんが私の隣に立って,しばしお話。私の勝手な予想では,もっと客席もギュウギュウで,盛り上がって本人たちと話せるなんて思ってませんでしたが,思いの外ゆったりでいいですね。
しばらくすると,シンガーのCianさんも登場。ちょっと挨拶したらどうやら覚えていてくれたようです。本当は2ndセットでは向かいの席に移動しようと思ってたんだけど、別のテーブルに持っていかれてしまったので、やむなく志宏さんの姿はプロジェクタでたまに確認しながら聴くことになりました。2ndに入っても穏やかな感じで聴いています。もちろん、激し目の曲もありますが、どちらかというと2人も丁寧に演奏している感じがしますね。途中のMCで分かったことは、やはり彼らもいつもと違った緊張感で望んでいるステージであり、また同時にこのスペシャルなライヴを、多くの人に感謝しながら大切に、そして楽しんでいる様子です。ジャズのお店でも、カフェでも、そして夏フェスやクラブでも演奏する彼らですが、この辺のちょっとシャイな心を持っている人柄が私は好きなのかもしれません。やっぱり来て良かったなと思う、素的なライヴでした。
終演は既に23時。島さんに軽く別れを告げて帰路につきました。

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200番目の日記!

2月14日(木)

銀座テアトルシネマ 『かつて,ノルマンディーで
『ぼくの好きな先生』の監督,ドキュメンタリー作家のニコラ・フィリベールによる新作。これがなかなか興味深い作品です。そもそもの始まりは30年前に製作された『私ピエール・リヴィエールは母と妹と弟を殺害した』という映画。ルネ・アリオ監督作品だが,当時まだ若きニコラは助監督としてこの作品に参加したのだ。さて,驚くべきはその映画。19世紀に起きた実在の事件を復元するという趣旨の映画なのだが,その主要な資料として利用されているのが,ミシェル・フーコーが監修した『ピエール・リヴィエールの犯罪 狂気と理性』だという。その雰囲気を復元するために監督はその実際の事件が起こった場所でロケを行おうとするが,当時の面影が残ってないとのことで,近くのノルマンディーのある村を撮影場所に選ぶ。そして,主要な配役をその村の住民から選び出したのだ。そのキャスティングの過程で,助監督ニコラは村の人たちと交流を深める。
そんなことで,30年ぶりにその村を訪れて,当時出演してくれた人々の話を聴くというもの。もちろん,映画に出演した住民たちはもともと素人ですから,今ではほとんどの人が農民です。はじめは淡々としていて眠気を誘いましたが,途中で農民の現在の生活風景として,豚を堵殺するシーンがあり,その辺から目が覚める。そして,映画のほうも,どんどんその1975年の映画に迫って行くのです。特に,主演の男の子は最終的に村の外からオーディションで選ばれるのですが,唯一音信不通の彼の存在に迫っていく展開がとても面白い。
ともかく,さすがのドキュメンタリー作品。その30年前の映画も観てみたい。

銀座cafe ohana 山田タマル
前回,落選してしまいましたが,今回はかなり遅い受付番号で当選。かろうじてTOPSさんの前のソファ席をゲット。やっぱり立ち見は辛いですよね。しかし,椅子席はやっぱり30席はあると思う。予約の時点では,20席でそれ以降は立ち見。しかも,お客さん全員ではなく予約者に与えられた受付番号は私で既に24番。まあ,最終的には立ち見は数人だったのでいいんですけどね。
前回のTOPSさんのレポートとは違って,この日はお客さんもとても良くて,そしてフードメニューもなくなり,別料金でアルコールも選べるという感じで,お客さんの要望にこたえる形で徐々に変化しているイヴェント。
でも,1stセットがカヴァー曲4曲,2stセットはオリジナル,サポートはキーボードとパーカッションという演奏のスタイルは変わらない。颯爽と登場したタマルさんの姿に会場ざわめく。なんと,前回も少し髪の毛を短くしたということでしたが,今回は前髪があごくらいまであるものの,横は耳が隠れるくらい。後ろは本当にすっきりというスタイル。いやあ,ステキです。顔がしっかりしているので,あまり小さく見えませんが,タマルさんは身長はそれほど低くないものの,体の線はかなり細く,長髪はちょっとアンバランスに見えないこともありませんでしたが,私的にはこちらの方が全体のバランスがとても良く好きです。
1stのカヴァー曲は「テネシー・ワルツ」に山口百恵,シェリル・クロウに「change the world」。この日のテーマは「ロック&カントリー」ということでしたが,この日のタマルさんのスタイルをみて思い出したのが初期のシェリル・クロウだったので,なかなか嬉しい選曲。この日のタマルさんの歌声も素晴らしいです。2ndの選曲もいいですよ~。『start』からライヴではやっていなかった「my shell heart」。私はCDで聴いた時,正直言ってこの曲はあまり好きじゃなかった。でも,この日タマルさん自身がこの曲を書いたときの話をし,生で歌声を聴いて,一気に好きな曲になりました。そして,インディーズの1stアルバムから,彼女が高校生の時に初めて作曲したという「to you」。シングル『My brand new eden』のカップリング「灰色の朝」などなど。このイヴェントでは毎回小出しに貴重な曲を演奏してくれるのも楽しい。
そして,この日はなんと5月に決定した渋谷クワトロワンマンライヴの発表。そう,さすがにワンマンとなれば,多くの曲を演奏しますからね。古い曲もやってくれると思います。この日の夜から先行予約開始ということで,さっそく予約しました。
終演後,ドリンクを交換しにいくと,すぐそばにタマルさんが立っていてちょっとお話。「そんな髪型にしたいんですよねえ~」って感じで。そして,また今回もお客さん一人一人をお見送り。この日はバレンタインズデイということで,チョコのプレゼント。ウダウダしているうちに,お客さんがほとんどいなくなってしまったこともあって,持参した貴重なCD『あなたになら言える秘密のこと』にサインをいただく。前はサインは断られたのに,スタッフもだんだんガードが厳しくなくなってきていい感じです。メジャーながら昨年から本格的に聴き始めた,山田タマルと竹仲絵里はとてもいい感じで活動をしていると思います。
ここのところ,ジャズのライヴが多いですが,最近はやっぱり女性シンガーの魅力を再認識しています。

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Television

Raymond Williams 1974. Television: technology and cultural form. Wesleyan University Press: London, 153p.

テレビ研究といえば,日本ではジョン・フィスクの翻訳に偏っている。ハートレーとの共著『テレビを〈読む〉』(1978,未來社),大著『テレビジョンカルチャー』(1987,梓出版社),テレビ研究に限定されないが,『抵抗の快楽』(1989,世界思想社)。翻訳されているフィスクのテレビ研究は,基本的に記号論の枠組みに依拠している。それに対し,テレビ視聴者の問題を探求した社会学者にデヴィッド・モーレーがいるが,管見の限り彼の翻訳は1編の論文に限られている。それが収められたのが,テレビ研究の多様性を日本語で確認できる論文集,『メディア・スタディーズ』(せりか書房,2000)である。モーレーの「テレビジョン,オーディエンス,カルチュラル・スタディーズ」の他に,イエン・ヤング「経験的オーディエンス研究の政治性について」,リン・スピーゲル「家庭の理想型と家族の娯楽」が含まれ,その他日本人研究者のオリジナル論文も掲載されている,なかなかいい論文集です。
1992年に再販されたウィリアムズの本書には,このスピーゲルが序文を寄せている。この序文がけっこう難しい。ここで,ウィリアムズの説明もしておこうか。ウィリアムズは1980年代後半に亡くなってしまったが,英国批評の伝統を受け継ぎながらも,マルクス主義的新左翼の立場から批評の対象を文化的作品一般に拡げるとともに,それを独立して論じるのではなく,常に社会のなかで,その政治性をにらみながら,社会学に近いものとして,「文化唯物論」を主張した人物だ。翻訳には,私でもいまだに入手していない『文化と社会』,『長い革命』を代表作として,その後に名著『田舎と都会』,『コミュニケーション』『文化とは』『キーワード辞典』などがある。
『コミュニケーション』は英国の印刷メディアの状況を,具体的な内容分析を通じて論じたもの。本書『テレビジョン』はその続編ともいえる。しかし,本書の特徴はその副題「技術と文化形式」にある。この時代のテレビ論といえば,『メディア論』のマーシャル・マクルーハンであり,この技術決定論をウィリアムズは本書で批判している。マクルーハンの本は1960年代に発表されたが,その時代に新しく登場した電子メディアとしてのテレビにマクルーハンは大きな社会変革の期待をかけ,有名な「地球村」という概念まで生み出したのだ。
それに対し,ウィリアムズはテレビという新しい技術に基づく新しいメディア形式は,それまでいくつかあった古い技術と古いメディアの組み合わせにすぎないと主張している。それは視覚的な写真であり,それに運動を与えた映画であり,聴覚的なラジオであり,また,伝えるべきメッセージ次元での技術としては新聞や雑誌といった印刷技術である。もちろん,それらを組み合わせ電波によって広範囲におよび視聴者に同時間的にメッセージを伝えるのはテレビだけが用いる新しい技術であることも確認しての上だが。
ともかく,これまで社会のなかに浸透した古いメディアに対し,テレビのどんな部分が新しいのかを詳細に論じているのが本書との特徴といえる。なので,読んでいてもテレビに関する議論であることをあまり実感しないまま進んでいく。やっぱり微妙なニュアンスは英語では読み取りにくいです。
そして,中盤に「flow」という概念を導入して,具体的な番組プログラムの分析に移ります。この辺が『コミュニケーション』の続編という感じのするところです。英国と米国,国営放送と民放,5つの放送局を取り上げて,それぞれがどんなジャンルの番組を放映しているのか,そしてそれらの番組の連続性が時間帯とともにどう組織されているのか,そんな分析です。続いてはニュース番組の会話まで引用して分析していますが,この辺はサッパリ分かりません。日常会話的英語って苦手なんですよね。
そして,最後にはテレビの代替的利用と題して,テレビという新しいメディアの新しい可能性について議論されています。1974年に書かれた本なのに,1980年代のこととか書かれていて不思議。

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寒くて開場待ちも楽じゃない

2月13日(水)

渋谷eggman 神南丘音楽会vol.1
昨年10月に企画されたこの2組イヴェント。直前に竹仲絵里さんが喉を痛めたということで延期。私はその時のチケットをそのまま持っていて整理番号170番台でしたが、やっぱり払い戻しせずにこの日集まった人も多いみたい。でも、おおはたファンと思われる女性は少なく、やはり竹仲ファンと思われる男性多し。eggmanに来るのは3回目ですが、この日も椅子が出ています。助かりますね。最終的に埋まったお客さんの数からするとやはり払い戻しした人は多かったのだろうか。平日だということもあって、私には非常に魅力的な組み合わせだが、立ち見はポツポツいる程度でした。私はなんとか最前列で唯一空いていたステージ向かって一番右側の席に座る。フードメニューもろくにないのに、なぜかテーブルも出ていて、そのテーブルを囲んで3つの座席。私の隣には席取りをした椅子があり、その隣には女性が座っています。会場が暗いので読書もろくにできないので、退屈していると、その女性が話しかけてきてくれました。彼女は旦那さんを誘ってきたが、遅れている様子。到着するまでの退屈な時間、話し相手となりました。開演前に旦那さん登場。
竹仲絵里:この日もピアノ弾き語りシンガーソングライターの小林健樹さんをサポートに招いてのステージ。健樹さんは開演前から普通にフロアに出てきて煙草を吸っていた。彼女の都合で延期になったライヴだから,神妙な面持ちで始まるかと思いきや,この日の絵里さんはけっこういいテンションです。もちろん,延期のことには触れたものの,明るい調子で「このステージで返します!」とのこと。竹仲絵里の曲はけっこう暗い曲が多いが,本人は明るいところがいい。むしろいつもより緊張感がなかった気がするがそれもよしとしましょう。と,MCのなかでこの緊張感のなさが判明した。絵里さんはおおはたさんとかなり仲が良かったのだ。インディーズ時代におおはたさんのステージをみて好きになって,けっこうライヴに通っていたとのこと。おおはたさんが女性シンガーと同じステージに立ったりすることが多いけど,このイヴェント自体偶然に2組が組み合わされたのではなく,意図的だったんですね。それでも,「トンネル」など,私の好きな暗い歌も歌ってくれたし,2組ということで演奏時間もけっこう長く,満足。やっぱり彼女の歌とギターはスゴイ。
おおはた雄一:ステージに出てきたおおはたさんは白シャツとブラックジーンズという絵里ちゃんとかぶっています。珍しく緊張感があると思いましたが,演奏前だけでしたね。自分のCDmに入っているオリジナル曲はかなり少なく,カヴァー曲と全く知らない曲(オリジナル曲かもしれない)を中心としたゆるーいステージ。さすがです。そして,自分の演奏もさっさと切り上げ,竹仲絵里さんと小林健樹さんを呼び込みます。まあ,ステージのセットからしてセッションがあることは分かっていましたが,こんなに早いとは。ボブ・ディランの「I want you」は絵里さんもCDでカヴァーしているし,おおはたさんといえばディランだし,なかなかの選曲ですね。セッションの時の絵里さんもとても楽しそうでいいなあ。本当におおはたさんは女性シンガーにもてます。もちろん,「穏やかなくらし」を絵里さんがカヴァーしました。これでこの曲を女性の歌声でカヴァーするのを聴くのは何人目でしょうか。
アンコールではおおはたさんが一人で歌ったり,また2人を呼び寄せたり,またまたのんびりと続くのでした。終演後,おおはたさんの出待ちでもしようかと思いましたが,楽屋でも盛り上がっているのでしょうね。健樹さんは早々にフロアに登場しましたが,2人はなかなか出てこなそうなので,そしてこの日はかなり寒かったので,夕食も食べていないし,その場を離れることにしました。渋谷駅までの途中で温かいビーフシチューを食べて帰りました。

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吉祥寺で過ごす

2月11日(月,祝)

多くの映画館で公開されている作品は、なるべくその日用事のある街で観ることにしている。吉祥寺で公開中の観たい作品はあまりなく、時間の関係上、この作品になった。映画館の少ない街で観るデメリットはチケット屋があまりないことだ。吉祥寺で私が知っているのは、PARCOの1階に入っているものだけ。『ジェシー・ジェームズの暗殺』は残念ながら取り扱い終了だった。しょうがなく当日料金で観ることにしたが、なぜか1000円だった。ラッキー。

吉祥寺バウスシアター 『ジェシー・ジェームズの暗殺
一応、主演はブラッド・ピットということになっているが、視点はむしろケイシー・アフレックだ。この作品は一応史実に基づいたお話。といっても、実際のところは恐らくそれほど分かっていない、雑誌などで面白おかしく書きたてられる強盗である、悪漢ヒーロー、ジェシー・ジェームズと彼の暗殺者をめぐるお話。かなり上映時間の長い作品だったが、何か得るものはあったのだろうか。まあ、退屈ではなかったが、特筆するまでもない作品。1000円でよかった。

吉祥寺star pine's cafe チョコパニックvol.6
毎年、ここstar pine’s cafeで2月に行われている朝日美穂さんのイヴェント。私が本格的に朝日美穂を聴くきっかけになったのがこのイヴェントで、flex lifeが出演した回は第3回の2005年だったと思う。翌年の第4回はnona reevesが出演する回にはizuさんやみうさんも一緒だったっけ。そして、昨年の第5回はオオヤユウスケ氏などで、大変なことになっていたので、私は上階からのぞき見る感じだった。ということで、今回は第3回以来、椅子席が出て、ちょっと狭いがゆっくり観られるようになった。そもそも、このイヴェントは高橋健太郎さんのDJタイムが開演前の1時間あるので、スタンディングは辛いんですよね。
tico moon:もうtico moon出演ってだけでいつもとは違った大人の雰囲気です。意外にもtico moonと朝日美穂さんとの出会いは昨年だったらしい。この日の出演者は全て下北沢leteに出演している人たちなので、もっと関わりが深いのかと思いきや、そうでもないらしい。ともかく、tico moonはやはり完成されていますね。何も加える必要性を感じない。間近で見て、友加さんの手のきれいさに感心する。でも、あれでもけっこう手先を使う作業が好きなんですよね。それにたぶん料理もまめに作っているだろうに。
青山陽一:なんと、青山陽一さんはおそらく、はっぴいえんどのトリビュートライヴがSHIBUYA AXで行われた時に見た以来だ。最初、ステージ上の彼を見てもさっぱり誰だかわからなかった。AXの時はもっと縁の目立つ眼鏡をかけていたように思うが、この日はフレームのほとんどない眼鏡。音的には相変わらず苦手だな。ギターだけ弾いていればいいんだけど、歌声が…ファンの方ゴメンナサイ。
朝日美穂:ここ最近朝日美穂さんにとても親しみを感じている。まあ、leteのような小さな会場でやるようになったことが一つにはあるけど、個人的に親しくなったわけではない。なんとなく、ステージ上での緊張感が以前とは変わってきているように思うんですよね。基本的に彼女は完ぺき主義者に近いと思う。以前は入念な準備により、自分の弱いところを出さないようにしていたと思うんだけど、最近はどうしようもなく出てしまう弱さを見せながらも頑張っている、そんな感じ。そして、彼女自身の加齢に伴って弱い部分を人に見せるということの罪悪感が薄れてきているようにも思う。もちろん、そのこと自体悪いことだと私は思わない。むしろ、余計に親しみがあり、キュートの思えるのだ。
この親しみが増す感じは少し前に書きましたが,一十三十一ちゃんと似ている。そして,2人とも歌詞を忘れないかと少し不安ながら見守っています。それにしても,美穂ちゃんが年女=36歳とは。ちょっとショックだけどちょと嬉しい。つーことは畠山美由紀さんと同い年ってことか...
それはともかく,彼女はちょっとライヴをお休みして製作期間に入るとのこと。これまたどんな新作が生まれることか。予想がつきません。チョコパニック恒例のクッキーを購入して帰りました。

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結局,なかなかライヴは減らせない

2月10日(日)

渋谷Q-AXシネマ 『フローズン・タイム
予告編を初めて観たときから観たいと決めていた作品。いかにも青春映画っぽいけど、とてもスタイリッシュな雰囲気が漂います。それもそのはず、米国ではなく、英国の作品。そして、主人公は美大の4年生という設定。失恋して(といっても、別れを切り出したのは彼自身だ)、全く眠れなくなってしまった主人公の男の子は、24時間営業のスーパーの深夜スタッフになる。スーパーでのバカ騒ぎも面白いけど、なんといっても彼のデッサンの場面が素的だ。数週間眠らずに時間の感覚がおかしくなった彼は時間を止められるようになる。深夜のスーパーで時間を止め、女性客の服を脱がせてスケッチをする。また、そんなアルバイトの同僚として知り合った女の子に少しずつ惹かれていく。もちろん、彼女の方も。この展開はあまりにも映画的ではあるが、そのもどかしい感じの近づき具合が、今の私にはたまらない。すぐにセックスに及ぶような展開はもう飽き飽きなのだ。ようやく彼女のおかげで失恋した相手のことも忘れ、眠れるようになった最中、偶然前の恋人と会ってしまい、その彼女は復縁したいと申し込んでくる。そんなモテモテ状態も滅多にないとは思うけど、順調にストーリーを展開させない常套手段でもある。そして、最後のギャラリーのシーンがね。やっぱり音楽とか芸術とか、ずるいね。ちなみに、この作品の原題は「cash back」という。そのままカナ表記にした邦題ではだめだっただろうね。

映画が終わって、電力館へ。今ここではバレンタイン企画でカップルなど(もちろん、人間関係は問わないし、一人でもよい)の記念撮影会をしていて、コウちゃんがその仕事をしているということで、終わるのを待って食事。風邪気味だというので、久し振りに「すうぷ屋」へ。かつては渋谷に何件かあったこのお店ですが、まだまだ若い男女に繁盛しているようです。女性一人客も多かった。私はちょうど20歳の頃に何度か来たことがある。その頃からメニューが随分増えたように思うが、注文しにくい商品名であるのは変わりない。その頃はおなかが一杯にならなかったけど、初々しいデートだったので、我慢していたような気がする。そんな私の記憶を見透かしたような、矢野真紀の「アンスー」という曲がある。この曲はシングル『大きな翼』のカップリングなので、なかなかライヴで聴けることもない(私は確か一度あります)。「アンスー」とは「あんなスープ」のことで、若い頃のデートの食事でスープを食べた。でも、そんなんじゃ成長期の私には全然物足りなくて(でも、デートだからそんなことは口にも出さず)、帰りに一人でカフェでブラウニーを食べてしまう、という歌詞。私は絶対にこのお店のことだと思っている。ここで、コウちゃんとは別れて私は一人ライヴ会場へ。

渋谷7th floor 高橋ちか
開場時間が17:30、開演時間が19時ということで、整理番号は29番でしたが、さすがに1時間半も時間がつぶせないということで、30分前に行くことにした。この手のレコ発は友人関係など、内輪で非常に混み合うことがある。特に高橋ちかは千葉県を中心に活動しているので、普段の東京でのライヴには来ないような地元のファンが多いはずだ。立ち見を覚悟で行くと、案の定すでにかなり盛り上がっています。しかし、幸い1席空いていたので座るとなんと後ろにTOPSさん。
高橋ちかちゃんは昨年の440でのレコ発でゲストに永山マキさんを招いていたことから知って、好きになったが、まだライヴは4回目。前日にホームページを久し振りに確認すると、なんとこの日のライヴのサポートに島 裕介さんの名前が。前日もブルーハッツで見たばかりの島さん。ますます、期待が膨らみます。しかも、彼女は島さんが参加したイクスピアリでのvise versaのライヴにも行っていたようですし、けっこう聴いているところは近いかもしれない。もともとBONNIE PINKのファンらしいし。やっぱり,自分と聴いている音楽が近いってのは,その人が作る音楽が耳に馴染みやすいのかもしれない。辻 香織ちゃんも洋楽女性シンガーの趣味がけっこう合うので,それでけっこう好きなんだと思う。
さて,高橋ちか初めてのワンマン(レストランライヴなどは対バン形式ではなく,基本一組なんだろうけどね)ということで,いつものパーカッションサポートに加え,ベースとトランペット。島さんの出番も思いのほか多く,なかなかサポート3人組,いい感じです。そしてなによりも,その強力サポート体にも負けていないちかちゃんのギターと歌声。MCや終演後にちょこっと話す感じではちょっと抜けている可愛い子ですが,やはり歌を唄うときの彼女は只者ではありません。若くて一人弾き語りができる女性シンガーの強さってどこからくるのだろうと不思議になる。彼女がソロで出したCDはまだ合計10曲にしかなりませんが,この日はまだまだ私の知らない曲が沢山あることを知ったことも大きな収穫。今回も『essence』というタイトルの5曲入りミニアルバムを発売しましたが,なんと1050円。このあたりも嬉しいですね。あと欲をいえば,やっぱりまだ千葉方面でのライヴに偏っていることかな。
でライヴは大満足だったんだけど,結局DVD引換券は持ってくるの忘れちゃったんだな。そして,『essence』を購入してサインをいただく。なんとなく「ナルセ」という名前は覚えていたのか,「以前もどこかで」と少しお話。そして,島さんを出待ちします。楽屋から奥さんの姿を発見して出てきた島さんは私の姿にも驚く。「私のほうも驚きでしたよ」と伝えると,「俺がやってるんだからすごいよね」と申しておりました。さすがです。でも,私もたまにはそういいたい。「俺が聴きに来ているんだから,あなたはすごいんだよ」ってね。

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贅沢すぎるライヴ

2月9日(土)

また週末に雪の予報。しかも、また横浜まで行く日に。なので、横浜で映画一本。

横浜ムービル 『陰日向に咲く
岡田准一主演、劇団ひとり原作の映画。宮﨑あおいちゃんも出ているし、いいかなあと思ったんだけど、私はあまり好きではない。そもそも、公開前は随分話題になっていたようですが、実際の観客動員はどうなんでしょうね。この日もあまり客席は埋まってませんでした。岡田君はギャンブル癖が抜けないダメ男役。その父親が三浦友和だったり、伊藤淳史演じる芸人のなれの果てに浮浪者になった男を西田敏行、なぜか全く違うストーリーで塚本高史と平山あやなど、出演者が豪華なんだけど、誰一人としてその良さが発揮されていないような気がする。良かったのは緒川たまきのストリップシーン(もちろん下着姿ですが)くらいだろうか。私的には岡田准一に思いを寄せる職場の同僚を演じている平岩 紙くらいだろうか。彼女をもっと前面に出せば面白かったと思うんだけどね。まあ、あくまでも私の趣味ですけど。まあ、あおいちゃんはさすがか。それにしても、登場人物が知らないところで全てつながっている、っていう設定はいい加減やめてほしい。まあ、多少は面白いが、本作はこんな偶然ありえないって感じなのでうんざり。ちなみに、この監督、『そのときは彼によろしく』の監督でもあるんですね。この作品はけっこう好きだったのに。

まだ雪は降っていなかったので、そのままあるいてみなとみらい方面へ。まだまだ開発は続きます。ちょうど横浜駅とみなとみらい地区の中間にあたる新高島駅近くにできたのが横浜BLITZ。私が行くのは初めてです。

横浜BLITZ 畠山美由紀 with Asa-chang & ブルーハッツ
私の整理番号は173番でしたが、3列目が確保できました。はじめはステージ左寄りに立ってみたのですが、右前方の男たち集団の存在が邪魔になりそうだったので、冷静にステージ上の配置を確認し、セネガルに帰国中のラティールに代わってパーカッションに入った山口ともさんの側にいってみました。ここは前方に女性が多く、とても見やすそうだ。それにしても、スタンディングのライヴで待ち時間1時間は辛いね。
Asa-chang率いるビッグバンド、ブルーハッツ。数年前にゲストヴォーカルでleyonaや小島麻由美、TOMOVSKYを招いてのライヴがあったが、私は行っていない。その日限りのバンドということだったようですが、そのDVDを観て惚れ込んだ畠山美由紀さんが、自分のカヴァーアルバムをかれらと録音することとなり、それに伴って、今回のレコ発ライヴとなったわけです。
このバンド,ドラムスにパーカッション,ピアノにコントラバス,ギター,トランペットとトロンボーン,ヴァイオリン,チェロが2人ずつ,アルトサックスにテナーサックス,バリトンサックスとしめて16人編成。私が知っているだけでも,ピアノ鈴木正人,コントラバス熊坂義人,ギター塚本 功,トランペット島 裕介,トロンボーン浜野謙太,ヴァイオリン岡村美央,チェロ徳澤青弦,パーカッション山口とも,という感じ。むしろ私が知らない人の方が有名だったりする。
もちろん,この日のヴォーカルは畠山美由紀さんオンリーです。と,実はこのバンドには専属MCがいて,敷島親方でした。そして,彼も1曲美由紀さんとデュエットし,自分の曲も披露しました。たまに美由紀さんが抜けることがありましたが,なんとその間に衣装換え。まさか,アンコールでまた違う衣装で登場するとは思いませんでした。合計3着ですね。
結論から書くと,途中から私は楽しむことよりもじっくり聴くことを選びました。確かに美由紀さんの言葉を使えば「音厚=音圧」のすごさを身体に感じるだけで楽しくなってきますが,ただ音が多いとか大きいだけのライヴだったら他にもあります。しかし,この面子によるこのビッグバンドはその音質が半端ない。メジャーのCDはちょっとしたポップスでもストリングスを入れて,ホーン隊を入れて豪華に作りますが,この両方が生で同時に入るライヴなんてなかなかありません。普通にCDを聴くように聴いてしまってはもったいないと気づきました。
そのことに気づかされたのが,美由紀さんのオリジナル曲(といっても作詞原田郁子,作曲永積タカシ)「愛にメロディ」だった。そして,その少し後の「春の気配」と「クレマチスよ」の展開はたまりませんでしたよ。leyonaが歌いそうな曲でこのバンドってのも聴いてみたいものではありますが,やはりなんといってもこの日は美由紀さんのために皆が結集し,そして鈴木正人氏が編曲したということで,もう美由紀さん以外にはありえない素晴らしいバンドであり,また美由紀さんの素晴らしさを改めて感じさせるパフォーマンスでした。もちろん,小ネタも沢山用意され,意外にAsa-changは裏方に徹していたように思います。昨年のleyonaライヴでお休みしたラティールの演奏も聴きたかったけど,タップダンスを披露したり,時にはマラカス両手にきざに踊ったりというともさんのパフォーマンスも見逃せませんでした。そして,そのともさんのアシスタントとしてモダーン今夜のドラマー岡部量平君がセッティングしているのも。
これ以上詳しく書こうにもmikeさんにはかなわないので,この辺にしておきましょう。ほぼ2時間キッカリのステージ。さすがにもうおなかいっぱいです。贅沢すぎますね。これはオリンピックと同じく4年に1度くらいでいいのではないでしょうか(別にオリンピックになにも思い入れはありませんが)。

外に出ると大雪。開演前にBLITZ近くのショッピングモールで見つけたジャケットをもう一度見に行こうと,みなとみらい方面に歩くが,既に閉店。大人しくそのまま帰ることにしました。

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最近は赤ワインさえあればいい

2月8日(日)

青山プラッサオンゼ chie

chieさんのことは一応知っていた。音あそびが昨年CDを発売した時,タワーレコードでさんざん探した時に,ブラジルコーナー大プッシュだったのが,chieさんの新しいアルバム『ilha de sol』だった。chieさん本人が全裸でうずくまっているジャケット写真がエッチでキュートで,思わず視聴してしまったのだ。その歌声はとても美しかったが,本場のブラジル音楽を聴かない私にとっては,やはりどこかブラジル人になりきれない日本人臭さが感じられる方が聴きやすかったりする。

chieさんはこのどうやら4年ぶりらしいアルバムの発売にともなって初めての全国ツアーに出るようだが,その前哨戦のような形でプラッサオンゼで小編成ライヴをする。そのメンバーには笹子重治さんとヤマカミヒトミさんが入っていたので(もう一人はパーカッションの岡部洋一さん),気になってはいたが,改めて陽子さんからお誘いを受けて行くことにした。陽子さんはブラジル音楽が好きで,ギターも習っていて,木下ときわさんの伴奏をしている小畑和彦さんが大好きだというのに,笹子重治さんは生で見たことないというし。

私のほうが先に着くと,どうやら満席の様子。幸い陽子さんに予約をしてもらっていたので席につけましたが,予約なしできた人はカウンターに。でも,一人だと予約してもカウンターなんだよね。まあ,ともかくいつもは椅子を置かない前方まで椅子が置かれ,かなり年齢幅の広いお客さんが集まっています。ほどなくして陽子さんも到着し,予定より15分遅れほどでライヴもスタート。まずは岡部さんを除く編成で始まりましたが,じつはこの日岡部さんは別のコンサートがあり,終わりしだい駆けつけるとのこと。

いやあ,久し振りに1曲目でガツンとやられました。生のchieさんはジャケットで想像するよりも歳は上のようで,確かに可愛いけど,浮ついた感じではなく(そもそもブラジル音楽のシンガーで浮ついた人はいない),話し声も低音でとても落ち着いている。シンガーが歌っているときの視線は人さまざまだ。絶対に観客と視線が合わないように上方に視線を向けて唄っている人はけっこう多い。また、一十三十一ちゃんのように、お客さんの姿を確認しながら唄う人もいる。また、視線はお客の目線にあるようなんだけど、お客の顔を通り越してその先を見ている人も。chieさんは最後に近いように思うが、その視線はそれほど遠くにはないようです。ちょうど私が座っていた位置は彼女の目線に近かったように思うけど、だからといって私の顔を見ていたわけでもないし、ぼーっとしていたわけでもない。ちゃんとお店の全体を把握しながら唄っている感じ。常に冷静でありながら、一方で勝手に一人で楽しんでいる。挙動不審とまではいかないが、唄いながら突然笑い出したり(といってもかなり控えめに)して、見ていてとても楽しいです。そしてなんといってもその歌のうまさと、ポルトガル語の発音のよさ。最新のアルバムはそれが故にちょっと物足りなく感じるくらいです。でも、ライヴは生ものですから、上述したステージ上での彼女の立ち居振る舞いや、3人のサポートメンバーの演奏の素晴らしさ(なお、岡部さんは2nd始まる直前に到着し、ぶっつけ本番で素晴らしい演奏を聴かせてくれました)、すっかりchieさんに魅せられたステージでした。そして、もちろん私以上に感動していたのが陽子さん。やっぱり原曲を知っている人は楽しんでしょうね。ジャズに詳しいサカウエ君など、時折羨ましくなります。原曲を知っていると、アレンジの違いなど、聴き所はいっぱいありますからね。

そんな感じで、よく朝早い陽子さんはここでお別れして、私はchieさんからCDを購入したり、ヤマカミヒトミさんとお話したり、酔っ払いに絡まれたり、Asa festoonさんのライヴを予約したり、終演後のお店の素的な雰囲気を味わってから帰りました。

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散歩日和

2月7日(木)

先週ひざを痛めてから、ジョギングはちょっとお休み。やっぱり寒い時に関節は大切にしなきゃ、とかなんとか理由をつけてですが、まあ別にそんなに無理するほどのことでもないし、また暖かくなったら始めましょう。ということで、午前中に出かけて映画2本。午後から観る作品を受付しておこうと、テアトル新宿に行くと平日の午前中らしからぬ人の列。どうやら『空の境界』というアニメ映画の前売受付だったらしい。

新宿ガーデンシネマ 『子猫の涙
まず、観たのはこちらの作品。私の好きな脚本家、今井雅子さんが脚本協力をしているということで、観ることにした。これは1968年のメキシコオリンピックで銅メダルを獲得したボクシングの森岡栄治という実在した人物をモデルにした作品。1970年3月に生まれた治子(はるこ)という少女の視点から描かれます。彼女は私と同い年。ついでに大阪出身の今井雅子さんも同い年。まさに、大阪を舞台としたこの少女の視点に立てる脚本家として選ばれたのだろう。森岡栄治を演じるのは武田真司。彼は普段からスリムな引き締まった体をしていますが、ボクサー役ということで、相当トレーニングを積んだんでしょうね。体つきも試合も相当それらしく見えます。治子を演じるのは、私は『みづうみ』という作品で見たことのある藤本七海ちゃん。その作品の時はけっこう面白い顔しているなあ、と思ったが、すっかり可愛くなっています。まあ、映画自体は大したことありませんが、七海ちゃんの存在だけでも十分観る価値はあります。そして、重要なのはその色彩。途中、ちょうど治子が生まれた年に開催された大阪万博の記録フィルムが流されるのだが、恐らくそれを意識していて、その色彩に近い、コダック調のというのでしょうか、あるいはサイケデリックな雰囲気というのでしょうか、ちょっと原色に近い雰囲気がよく出ていて、無理なく時代感が出ています。CGで具体的な時代のシンボルを登場させると私のような観客はすっかり興ざめしてしまいますが、さりげない洋服のチョイスとか、色彩感とかこの作品のような手法はとても良いですね。栄治の愛人役には広末涼子。その他にも配役はとてもいい感じです。落ち着いて観られる作品。涙は必要ありません。

テアトル新宿 『リアル鬼ごっこ
ちょっとした訳あって,私は現在テアトル系映画館では無料で観られる,ということで,この作品の原作を読んでいたというコウちゃんを誘って観に行きました。原作は『親指さがし』と同じ山田悠介。そのことは観た後に知ったのですが,まあ両作品ともありえない設定ではありますが,辻褄が合わないほどひどい設定ではないので,なかなか楽しめます。
さて,またまた主演は石田卓也君。相手役は谷村美月ちゃんですが,兄妹でしたね。まあ,この作品はその設定がこの作品の全てなので,余計な説明はしておかないようにしましょう。まあ,面倒なだけなんですけどね。まあ,原作もよく考えるし,よく映画化するわ,って感じですかね。平日の昼間っから,けっこうお客さん入ってました。もっと,観た方がいい映画沢山あるんですけどね。

この日は私が夜一人でライヴなので,それまでお散歩。コウちゃんはまだ東京に来て数年で,写真を勉強しているので,東京のいろんな姿をみせてあげようと,新宿から表参道まで歩いて移動します。でも,けっこう彼女が既に知っている場所もあったりして,東京に住んでいてもあまり出歩かない人よりもよく知っているのではないでしょうか。この日は千駄ヶ谷にある,私も以前から気になっていた古い団地に潜入。思ったとおり,良い雰囲気で,団地育ちの私のノスタルジックを呼び起こす場所でした。公園には小さな鉄棒があり,久し振りに懸垂などして,2回しかしていないのにさっそく翌日に筋肉痛です。けっこうあっというまに表参道に到着。ライヴ会場近くのトンカツ屋「まい泉」で食事。
コウちゃんと別れて,FABへ。この日は4組の出演者ですが,eyesという男性ヴォーカルグループ目当てでしょう,女性客が開場前から集まっています。その一方で,トリの一十三十一目当てと思われる男性客の姿はあまりいず。私の整理番号は5番だったので,この女性たちと一緒に入場。

表参道FAB
最前列の中央は女性に占有されたので,ちょっと左寄りの最前列。椅子が出ていたので助かります。
eyes:トップバッターで登場しました。男性3人ヴォーカルユニット。もちろん,伴奏はカラオケです。確かに,3人とも違ったタイプの顔をそろえた美男子,スリム体型。客席もなかなか盛り上がっております。それにしても,この手のヴォーカルグループって一番歌唱力がある人がリードヴォーカルにならないような気がします。それにしても,歌っている本人たちってどんな気持ちだろうと,聴きながら不思議になりました。これが本当に彼らのやりたい音楽なのだろうか。でも,3人で共同生活もしているらしいし,リードヴォーカルはステージ上で汗だくになって歌っている。まあ,私には薄っぺらく聴こえても,そこに誠実さや魂を感じる人もいるんだろう,と考えることにしましょう。
fonogenico:さて,ようやっとライヴで聴く機会がきました。昨年TOPSさんにCDを貸してもらって,その後自分でもミニアルバム『ねがいごと』を購入して,よく聴いていた,男女2人組。女性がヴォーカルで歌詞を書いて,男性が作曲するというよくあるタイプですが,この男性のほうがピアニストってのが良いですね。まさにピアノで作曲したメロディアスな曲がヴォーカル高山奈帆子さんのちょっと甘い歌声にぴったりきます。CDではベースの高井亮士さんや,パーカッションの朝倉真司さんなど馴染みの人たちも参加していますが,ライヴはパーカッションのサポート1人を加えてのシンプルな3人編成。
『ねがいごと』に収録されているPVやblogの写真などで奈帆子さんの顔は見ていましたが,生で見る彼女は予想以上に美しい。というか,キーボードの川口 潤(まさると読む)もかなりの美男子。2人とも若いです。肌がピチピチ。奈帆子さんは声質から想像したとおり,めちゃくちゃ声量があるというわけではありませんが十分素晴らしいパフォーマンスをみせてくれました。『ねがいごと』以外の曲も歌いましたが,これもなかなか。というか,知らない間に4曲入りのCDが発売されていたんですね。こちらにはギターでオオニシユウスケさんも参加していたりして(大西雄介と漢字表記),もちろん終演後に購入。普通に物販に立っていたので,サインもいただきました。さすがにTOPSと名前は挙げませんでしたが「友達に薦められて」といったら,川口さんが「それはいい友達をお持ちで!」っていってましたよ。
Can'non:こちらは一応事前にmyspaceで視聴しました。かなりソウルフルなシンガーだと思いましたが,なんとサポートにwater water camelの須藤君がベースで参加。ビックリです。まあ,曲はともかくグダグダなMCで楽しませてくれました。
一十三十一:銀座のバースデイライヴ以来だからけっこう久し振り。この日もゴセッキーを含むいつものバンドメンバーです。ゴセッキーは新しいソプラノサックスを購入したのでしょうか?さて,1曲目から南條レオ君のギターで一十三十一登場。最近はすっかり見慣れたと思いましたが,やっぱり一十三十一ちゃん,可愛い!いきなりドキドキです。前のライヴから期間があったこともあって,同じメンバーながら,アレンジはかなり挑戦的です。イントロだけ聴いても何の曲だかわからないような大胆なアレンジ。さすが,滝沢スミレと南條レオ。しかし,肝心の最近の一十三十一ちゃんは見ていてかなり不安。歌詞です。「weather report」以降の曲は大丈夫なのですが,それ以前の曲はステージ上で忘れてしまう癖がついているようです。この日も1曲やってくれました。しかも,やり直しても結局忘れてしまった箇所は思い出せず。さすがに2度やり直すのは忍びなく,歌い続けましたが,順序的にも怪しかったような気がします。さすがに,私が六本木で歌詞を思い出させてあげた(?)「プラチナ」は完璧でした。まあ,でも私のような客からすれば,そんなことも含めて彼女のステージは楽しくて面白いので,ある程度は全然かまいません。ちなみに,今年の目標は「歌詞を間違えないこと」だそうです。
アンコールでは「最後だから立っちゃってもいいじゃない?」という一十三十一さんの呼びかけに,私は少し後方に座っていたナオー君にアイコンタクトをして,2人で立つと,あっという間に着席していた人も立ってくれました。こういうの嬉しいですね。結局,eyesやCan'non目当てのお客さんたちも多く残っていたんだけど,男女問わずなかなかいいノリのアンコールになりました。

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3日も家でゆっくりはしてられない

2月5日(火)

この日はライヴの予定ではなかったが,橋本 歩さんのスケジュールを確認したらこの日のair plantsのライヴを発見。しかも,対バンにMITATAKE。もともとノラオンナさんと仲が良いということで知っていた若い男性2人組,ハーモニカとギターのユニットですが,昨年末の戸田和雅子さんのライヴで2人がサポートして,かれら自身の演奏も聴いてみたいと思っていたところ。3組だし,ゆっくり聴けるだろうと思い,行くことにした。でも,腹黒い目的としては,きっと戸田さんも遊びに来るだろうという予想もあり。

渋谷7th floor
開演15分前ほどでしたが,案の定客席は寂しいものでした。赤ワインを注文したら前とグラスが変わっていて,予想以上に量が多くでニンマリ。この日はしょうが焼きプレートで軽くおなかを満たします。
MITATAKE:やはりトップバッター。ギターの見田氏とハーモニカ&ヴォーカルの佐野氏によるユニット。MCは見田君担当。非常にたどたどしいが,ギターを弾いている時の彼の表情はなんとも楽しそう。そして,佐野君は歌も歌うんですね。マイクを上のほうにし,あごを上げて少し苦しそうに歌うスタイル。悪くはないけどハーモニカの方がいいかな。オリジナル曲かどうか分からない曲も多いが(確か,CDの曲は他人の曲が多かったと思う),なかなかエキセントリックな歌詞。なんと,sugar beansこと佐藤友亮君からも楽曲提供されているとのこと。私ははやしいとさんのサポートキーボーディストとしてしか知りませんが,彼のオリジナル曲もなかなか面白そうだ。
あ,ちなみにかれらのステージの始まる前に予想通り戸田和雅子さん登場。彼女自身もここ7th floorで企画ライヴもやっているし,出演もよくしているので,MITATAKEだけでなく,いろんな人が彼女のもとにやってきます。私も隣席に行きたいところだが,終演まで我慢。
東京漂流:続いて登場したのはなにやら怪しげな小柄めがね男。いきなり一人で登場して一通りの宣伝をする。その後でバンドメンバーが登場し,そこからはひたすら演奏。この男はキーボーディストでnordをステージの後方に,自分のお尻をお客さんに向けてステージ中央前方に座ります。彼の正面にはベース,右手にはドラムス,左手ピアノの前にはヴォーカルの女性,そんな4人編成。なんといったらいいですかね,エレキギターはないので音響系とはいいがたいが,これといって定まったものではなく,即興的な感じでヴォーカルも言葉を発するのではなく声を楽器の一つとして。キーボードの彼は演奏しながら右手で3人にいろんな指示を出しながら演奏は進みます。まあ,演奏者兼指揮者というところでしょうか。なかなか面白いんだけど,1曲がともかく長い。最後の曲は10分以上やっていたのではないでしょうか。もう何度も何度も「おっここで終わるぞ!」と思わせながら引き伸ばす。最後にはそれに疲れてしまいました。
air plants:そんな後だったから,air plants落ち着きますねえ。私は最前列の一番右だったので,歩さんの姿を左横から見る感じ。これまで一番の至近距離かもしれません。チェロの弓が弦とこすれる部分に煙というか微粒子が舞っているところまで見えてビックリ。やはり磨耗しているってことですよね。なんか,この日は音よりも演奏している歩さんと阿部美緒さんの身体の動きを観察してしまいます。以前,歩さんがテルミンをちょこっと演奏したことがありましたが,身体的な運動としては似ているかなって思ったりして。もちろん,チェロもヴァイオリンも弓を持っていますが,それを空中の所定の位置で安定させたり,精確な軌道を描いたりするのは共通しているかも。それにしても,右手のそうした動きだけでなく,左手の動きもスゴイ。これが精確な音階に左右するのだから。当たり前のことですが,改めてその培われた技術に脱帽。
最終的に,この日の7th floorもいい感じにお客さんが入りました。MITATAKEは終演後終始戸田さんの隣に座っていましたが,全ての演奏が終わって私も加わる。この日の戸田さんは眼鏡姿で「恥ずかしいから見ないで~」って感じでした。レーシック手術を受けるとのこと。戸田さんはそのあと,3月に2本(歩さんとのステージも含む),6月にはハセガワミヤコちゃんとの毎年恒例企画も決まっています。この日はhigh bridgeこと高橋さんがきていて,5月にも面白そうな企画をしているのを私は横で聞いていました。さっそく戸田さんのホームページにアップされていましたが,5月28日の楽屋ってのがそうですかね。まあ,ともかく戸田さんは面白すぎる。お酒は2杯しか呑んでいないので酔っ払いとは違うと思うのですが,かなり壊れています。歩さんはカウンターで男の人とずーっとしゃべっていましたが,帰り際に声を掛けて少しお話。
私の誕生日企画イヴェントの出演を戸田さんと歩さんに依頼して,いい感触をいただきました。まだそれ以外は白紙ですが,もうこれだけでも贅沢なイヴェントになりそうです。

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本格的雪

2月3日(日)

この日は朝から本格的な雪。やはり東京でも一日くらいこういう日があると落ち着きます。特に電車が止まっているということはなさそうなので、予定通り外出。

川崎TOHOシネマズ 『アメリカン・ギャングスター
この日は関内でライヴなので、その前に川崎で映画。相変わらず、この映画館は空いています。そして、甘い味のポップコーンの匂い。この作品も公開2日目のはずなのに、全部で15人程度でしょうか。リドリー・スコット監督、主演がラッセル・クロウにデンゼル・ワシントンと、アカデミー賞常連ぞろいの、一昔前なら人気作品だったであろうに。ニューヨークのドラッグの黒幕にデンゼル・ワシントン、正義感溢れる地味な刑事にラッセル・クロウというあたりが、いかにもすぎるのでしょうか。ちなみに、1970年前後のベトナム戦争に疲れるアメリカが舞台。実話だそうです。もちろん、こちらも脚色たっぷりだとは思うのですが、さすがの監督と主演俳優たち。2時間半におよぶ大作ですが、飽きさせることなく引き込まれます。デンゼル・ワシントン扮する麻薬の元締めが逮捕されてからのシーンが面白いんですよね。そこを説明してはつまらないのでやめておきますが、これも軽い気持ちで映画館で観てもらいたい作品。

さて,川崎から鶴見に移動。実はこの日は昨年9月に発表した共著論文の共同執筆者,杉山和明君と会うことになっているのだ。杉山君は最近家族とともに鶴見に越してきたので,関内でライヴのあるこの日,ライヴに誘ってみた。すると,まあもともとノリのいい男だが,すんなりOKしてくれた。ついでだから,お宅にもお邪魔して奥さんと子どもにも会えたら面白いなあ,という私の提案にもあっさり了解。ということで,初めて鶴見駅で降り,駅から程近い総持寺境内を見学することに。もちろん,雪なのでじっくり楽しむことはできませんでしたが,なにやらこの辺一帯はこのお寺の支配下にあるようです。私立の鶴見大学もこのお寺が経営しているようなもので,もちろん付属の高校とかもあります。まあ,詳しくは分かりませんが,とにかくスゴイ。そして,杉山君の奥さんはこちらにお勤めとのことで,職場まで徒歩1分!
お寺や大学は丘の上にあるのですが,杉山君の住むマンションはちょうど丘の斜面にあり,駅の方向からは1階から入り,大学に行くには6階の屋上から出るという面白い造り。お邪魔すると,さっそく彼の息子がおおはしゃぎしています。3時間くらいお茶とお茶菓子でのんびり。やはりこういう生物がいると飽きませんね。いろんな地理学者の近況など聞いたり。ちょっと子どもと戯れてみたり。奥さんもしっかりしてそうないい人で,安心しました(笑)。

P1050305
父親が撮ってくれた,他人の子どもと戯れるの図。

泣く泣く父親を見送る子どもを置き去りにして大人2人は関内に向かいます。伊勢崎モール内にある田辺書店という私のお気に入りの古書店に連れて行き,その後KAMOMEへ。

関内KAMOME maiko
この日は昨年12月に発売されたmaikoさんのセカンドアルバム『glowing colors』のレコ発ライヴ。でも,ポップスとは違って,レコ発といってもこの前のthprimeのように,都内でも何度もやる。そもそも,常に決まったお店で定期的に演奏しているので,いつものライヴを少しスペシャルにという感じでしょうか。雪にもかかわらず,われわれが入店した時には既に満席状態です。こちらは予約時に席を確保してくれているので,ドラムセットの前,トイレの横という前回来たときと同じテーブルでした。15分ほど遅れてスタートのようなので,また赤ワインのボトルを注文。
maikoさんの演奏は3回目ですが,こうしてリーダーバンドとして聴くのは初めて。1枚目からレコーディングにも参加しているいつものメンバーということです,進藤陽悟(ピアノ),佐瀬 正(ベース),藤井伸昭(ドラムス)という男性3人の編成で演奏はスタート。いやあ,やっぱりこのお店いいです。

P1050314 ちなみに,この日は杉山君が何枚か写真を撮ってくれたので,店内の写真も1枚。ちょっと寄りすぎですけど。こんなワインを呑みました。

演奏も素晴らしく,もう本当にウトウトです。ヴァイオリンの音色ってヤバイよね。このピアニストもなかなかの早弾きで,ベーシストは非常に穏やかで控えめ。ドラマーはドレッドヘアのちょっとヤンチャな感じですけど,そのバランスがとてもいいみたい。maikoさんをしっかり引き立てます。2ステージたっぷり演奏してくれたはずですが,もっと聴いていたい気分。
終演後,maikoさんは一つ一つのテーブルを回って挨拶。仲の良い人のところではそれなりにお話していますが,話し込まないのが彼女らしいところ。私たちの所にもやってきてくれました。「先日stringsで」というと「やっぱり!」となんとなくは覚えてくれていたようですが,普段こういう場に来ることのない杉山君にとっては,間近で演奏が見られて,しかも出演者が挨拶しに来るというのがとても新鮮だったようで,しかもキレイなmaikoさんですから,思わず2枚ともCDを購入してしまいましたよ。終演後ももう1杯たのんで,1時間くらいのんびりと。でも,雪のおかげで最終の立川行き南武線が10分ほど遅れていて,かなり遅い帰宅となりました。

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休肝日

22日(土)

ここ最近、こんな感じで嬉しいことに人と会う機会が多く、そのおかげで、外食・酒飲みも一人のときとは違って過剰気味。この日は誕生日を目の前にしたノラオンナさんのleteでのライヴがありましたが、ゆっくり部屋で過ごすことに。といっても、1日中はいられない性質なので、日比谷までいって映画を1本。

上映時間30分前にシャンテ・シネに到着すると長蛇の列。『ラスト、コーション』の公開初日かあ、と思いながらも「『ヒトラーの贋札』は最前列のみでの案内です」とのアナウンス。ぎりぎり最後から2人目で席が取れました。一番端だったら勘弁だなと思ったが、そうではなかったので予定通り観ていくことに。日比谷シャンテの地下で軽くランチにしましたが、ここの飲食店はかなり宝塚ファンに占拠されている様子。やはりすごい人気ですね。

日比谷シャンテ・シネ 『ヒトラーの贋札

さて、タイトルから分かるとおり、第二次世界大戦中のドイツが舞台。最近も『善き人のためのソナタ』という作品がありましたが、この作品もこれまでの真面目一辺倒の戦争映画とは違って、ユーモアを含むと同時に、敵味方の区別を明確にはしないのが特徴。しかし、本作は登場人物の一人の手記を基にした、事実を中心にしているようです。といっても、ここが問題。一部の鑑賞者はこのことをそのまま素直に受け取ってしまうが、一人の人物が見聞きして分かる現実というのは限界がある。この映画の中でも、著者が関わっていない(登場しない)場面もいっぱいあるし、そもそも映画は彼の視点からではない。本作の脚本ができあがるまでには、著者が自分の体験に友人からの聞き取りや別の資料による補足を行ったか、手記に別の編者か脚本家が資料で補足したか、あるいは完全に推測上の脚色を行ったか、そんなところでしょうか。

まあ、ともかく本作はフィクションだとしてもきちんと人間の本質的なところは描いていると思うので、嘘にはならない。とにかく、素晴らしい作品です。これまでのナチスものは救いようのない結末で終わったりするのがどうかと思いましたが、こちらの結末はちょっと楽観的すぎる感もありますが、未来に希望が持てる感じでよし。是非お勧めします。

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けっこう忘れられる私

2月1日(金)

結局1月は20本のライヴとなりましたが,そのうち7本は30分程度の無料ライヴなので,よしとしましょう。

中目黒楽屋 永山マキ
この日はなんだか落ち着かない。一つ目は前日の呑みすぎ食べすぎ。この日はここ楽屋で永山マキさんの気まぐれイヴェント,「ことり小屋」が開催されるということでしたが,時期を同じくして彼女のバンド「モダーン今夜」のリリースプレパーティも兼ねることになって,昨年stringsでもあった,ことり小屋スペシャルメンバーによるステージと,モダーン今夜のステージという,考えただけでもおなか一杯な企画。しかも,翌日は永山マキさんの誕生日ということで,さらに輪をかけて盛り上がること必至。
私はみわちゃんとみうさんと3人で行ったのだが,なんとマキさんと1日違いで,この日はみわちゃんの誕生日だったのだ。せっかくなので,私は事前にお店に誕生日ケーキを予約。もちろん本人には内緒。店内はかなり混み合っていて,一番ステージに近いわたしたちのところは人の出入りがしにくい。どのタイミングでケーキを持ってきてくれるのか?そんなことをドギマギしながらのライヴ鑑賞でした。スパークリングワインも注文するつもりでしたが、はじめっから赤ワインをボトルで注文したために、私の飲み具合も含めてスパークリングはキャンセル。
まずはことり小屋スペシャルメンバーによる永山マキステージ。ピアノは宮嶋みぎわ,ベース磯和太郎,ドラムス広瀬潤次。私たちは広瀬さんの目の前。やはりこの3人は素晴らしいです。しかも、1曲目からドラムスの冴える選曲。そして、「銀の子馬」のドラムスの素晴らしさ。堪能している間にあっという間に終わってしまいました。やはりstringsなどで2ステージ、しっかりと聴きたいもの。でも、stringsよりはステージが広いので、マキさんものびのびと歌っておりました(といっても、ステージが狭くても縮こまっているマキさんではありませんが)。
この日の前方テーブル席は当然のことにギュウギュウ状態でしたが、後方を椅子とテーブルを取り払ってスタンディング状態にしていたものの、当日キャンセルが何人か出たのでしょうか。急遽丸椅子が用意され、立ち見はほとんどいなかった様子。さて、後半はモダーン今夜のステージ。私が観たのは一昨年の終わりくらいでしたが、それ以来のライヴだそうです。メンバーも11人から7人に減って、ここ楽屋のステージにも乗りきる人数になりました。いつもは爆音のライヴですが、ここ楽屋は防音がそれほどちゃんとしているわけでもなく、商店街のなかにあるために、サウンドチェックでかなりヴォリュームを減らしてのぞんだとのこと。私にはそれくらいが聴きやすくていいです。ところで、2月6日発売のニューアルバム『天気が存在する理由』がこの日先行発売されていて、私も購入したのですが、これがすごい。人数が減ったといいながらも、サポートでストリングスなども入れているので、かなり豪華な音。最近、こういうのを聴いていないので、すごく新鮮です。この日のライヴ中にもマキさんと、作曲・編曲をマキさんとともに作業していたピアノのタムさんとが、MCで自画自賛を繰り返していたのは伊達ではありません。今までの作品とは随分違います。私は人数が減って、マキさんのソロの雰囲気に近づいてきたのかと思いきや、やはり全然違う。やはりマキさんは穏やかな側面と、内に秘めたパワーを全開に外に出す側面と両方あってバランスをとる人のようで、昨年はソロ活動が長かった分、この外に出すパワーの強度が増しているようです。もちろん、この日のステージも楽曲の良さを実感させてくれるようなパフォーマンスで、本人もモダーン今夜でのライヴの雰囲気が掴めないといっていましたが、そこはドラマーの岡部量平さんがあのキャラで引っ張っていって、本当に楽しいステージになりました。最後はことり小屋メンバーも登場しての大騒ぎ。
さて、この日は前回に比べて比較的早く終了したので、3人でゆっくりとみわちゃんの誕生日ケーキを食べるはずが…どうやら私の注文はすっかり忘れられてしまったようです。まあ、しょうがない。この日はお店から永山マキさんようにケーキが用意され、ライヴ中に登場するくらいですから、一般客のことなどね。といっても、少し寂しいね。お詫びとして店長がシャンパンのグラスを3つサーヴィスで持ってきてくれて、ケーキは普通に注文できるカットケーキを注文して、地味に祝いましたとさ。

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ダブルデート?

1月31日(木)

この日の出来事はどこまで書こうか。登場人物お2人とも読んでそうなのですが,まあ正直に書くことにしますか。特に後ろめたいことはないし。この日はダブルデート。ダブルデートというと2組のカップルが一緒にって意味合いですが,そうではなく,昼と夜と別の女性と私が会うという意味で。しかも,先日みわちゃんに「さくさんとナルセさんは,女性と2人で会うことを何でもデートと呼ぶ」と揶揄されてしまいましたが,そうなんです。普通の人は恋愛につながるものしかデートと呼ばないんですかね?でも,私の場合は恋愛とそうでないとの境界があいまいなので,まあ間違ってはいません。しかも,最近知り合った2人なのでかなりテンション高し。
まずは,写真専門学校に通うコウちゃんに呼び出されて二子玉川へ。待ち合わせ時間より早く到着して,高島屋の中を物色。駅前で再開発をしているようで,街全体も,高島屋のなかも,随分様変わりしています。といっても,私がこの街に来るのも数年ぶりだ。
この日彼女は学校から大判のカメラを借りたということで,多摩川河川敷で撮影。ところで,私は「彼女」ということばを恋人の意味では使いません。三人称代名詞です。日本語では異性愛を前提とした恋人の名称として彼氏・彼女という言葉が使われていますが,そういう異性愛中心主義的な考え方には従えないからである。まあ、そんなことはいいのですが、撮影されるって難しい。写真に撮られるのがあまり好きでない私。スナップショットで知らない間に撮られる、つまりカメラ目線でないのならまだしも、三脚を立て、ピントを合わせ、照度を測り、大判カメラは準備が大変です。あまり面白い写真が撮れなかったかもしれませんが、寒い中ご苦労様でした。

20080131 その時の作品はこちら。なかなかいい感じでしょ。クリックするともっと詳細に見ることができます。

予定よりも早く終わったので、三軒茶屋に移動してお茶をする。コウちゃんお勧めのカフェは以前私がまさよし君に教えてもらって行こうと思ったら休みで入れなかったお店「rain on the roof」。思っていたより店内は広くて、入った時はお客さん私たちだけ。古い家屋を利用した素的空間でした。冷え切った体を暖めて休めるには最適。ケーキをいただきながら長居。その後、コウちゃんとは別れて私は渋谷で映画。

渋谷シネマ・アンジェリカ 『凍える鏡
チラシはもらってチェックしていたものの、かなり期間限定で気付いた時には上映終了前日のこの日に観て来ました。結局予告編は観なかったんだけど、なかなかいい作品でした。絵本作家の初老の女性がある日、講演で上京した時に路上で絵を売る若者に出会う。この若者を演じるのは田中 圭。私が知っている俳優は彼くらいだったけど(チョイ役除く)、この女性を演じるのは渡辺美佐子といって、いろいろ出演している人みたい。ストーリーを説明するのはちょっと面倒ですが、物語はこの若い男性と初老の女性、そして彼女の娘の3人を中心に展開します。この娘は30歳過ぎの離婚歴のある精神科医。精神的に安定しない、怒りやすいこの若者を老女は娘に診させる。かといって、この母娘も不安定な関係とそれぞれに不安と悩みを持つ。その辺りの精神描写がなかなか魅力的な作品です。
一つ面白いのが、この若者。非常に暗い絵を描き、誰にも認められない自分の絵が最高だと自負している。そんな絵をけなされるとすぐカッとなる彼も、カウンセリングを受けるうちに精神が安定していく。しかし、それとともにギスギスした彼独自の作風が変化していき、それだけではなく絵に対する情熱もが薄れていく、という設定。まあ,このこと自体はそれほど目新しいものではないが,それを私たちに視覚的に表現する脚本と演出の仕方はなかなか説得力がある。最後の方の展開もけっこう好きです。

この日は出掛ける前にジョギングをしたのだが,調子にのって7kmほど走ったら膝がかなり痛い。いつもだったら渋谷から表参道くらい歩きますが,大事をとって銀座線。青山ブックセンターで本をチェックしてからこの日のライヴ会場に向かいます。

青山CAY 高鈴
2人が上京してホームグラウンドにしつつある青山CAY。高鈴はここでマンスリー3度目のフリーチャージライヴを行います。なんだかんだで行けませんでしたが,この日は近くに勤める陽子さんを誘って行きました。やはりフリーチャージだと食事をしなくてはいけないので,2人だと助かります。
最近,2人以上だと思わずワインをボトルで注文してしまう。なにやら美味しそうな食事メニューも揃っているので,4皿頼んでしまい,食べきれない。そもそも,陽子さんとは知り合って間もないので,会話が中心になって意外に食事がすすまない。難しいものです。
さて,高鈴のライヴは21時から40分ほど。この日は団体客のファンもいたりして,ステージ寄りの人はちゃんと演奏を聴いていて,フリーチャージにしてはいい環境でした。高鈴は初めての陽子さんもそれなりに気に入ってくれたようで,なにより。わたしたちの隣の席の男性たちが煙草を吸っていたこと以外はまずまずでしたね。でも,客層からして煙草は避けられません。青山スパイラルホールといえばかなりお洒落な印象がありますが,このお店は渋谷的な若者がけっこう集まるようです。なお,,高鈴のステージは新曲も3,4曲ほど披露し,次のアルバムの計画は着々と進められているような雰囲気です。

それにしても,調子に乗って呑みすぎました。しかも,やっぱり呑むと血液循環の関係でしょうか,膝が異様に痛い。もちろん,帰宅するまで座れるはずもなく,なかなかハードな帰り道でした。でも,数日後には膝はすっかり回復。うーん,どういう痛さなのか,ちょっと気になります。

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においの歴史

アラン・コルバン著,山田登世子・鹿島 茂訳 1990. 『においの歴史――嗅覚と社会的想像力』藤原書店,390p.,5000円.

コルバンの本は4冊目。読んだ順とページ数,値段を示してみましょう。
『浜辺の誕生――海と人間の系譜学』752p.,8800円
『人喰いの村』261p.,2800円
『音の風景』460p.,7200円
まあ,『人喰いの村』は小さい版で薄いのですが,とにかくコルバンの本は分厚い。なので,まずは購入するまでに勇気がいります。藤原書店の本は装丁も素敵なのでその分割高なんです。そして,本棚の肥やしになってから,ようやく意を決して読み始めるという感じです。まあ,長距離走を走り出す感じですか。
コルバンの本には毎回驚かされるのですが,この本は本当に素晴らしいです。読み物としても面白いし,学問的にも刺激的です。原題「瘴気と黄水仙」を「におい」と平仮名表記で別の表題にしたのは,「臭い」と「匂い」,つまり臭い匂いといい香りの双方を扱っているからだ。といっても,前者の方が強いのはいうまでもない。ヨーロッパで香水が生まれたのは,白人の体臭の強さを隠すためだ,と日本人はよくいいますが,まあ正しくはあるけど精確ではない。まあ,その辺の事情を詳しく書くことはできませんが,最近映画化された『パフューム』の原作が本書をネタにしているといわれるくらいですから,あの映画を観れば本書のエッセンスがいくつか出てきます。
もちろん,本書にはこのフィクションに含まれない要素が他にも沢山。本書が私にとって魅力的なのは,なにか一つのテーマに絞って議論を集中していくようなスタイルではなく,「におい」という一つの事柄を出発点に,さまざまなテーマが発掘されて論じられていくということ。一応,舞台はヨーロッパで,しかも英国とフランを中心にそれほど範囲は広くない。そして時代的には18世紀と19世紀に限っている。しかし,においに関する資料は膨大にあるのでしょう。それらを前に,本書自体も日本語で400ページに近い内容がどのように,コルバンの頭のなかで作られていくのか。歴史小説とは違って時代順に事柄を並べていけばいいのではない。上に書いたように,いくつものテーマに沿って資料を集め,そのテーマ同士の関連がなくては話になりません。もちろん,フィクションではありませんが,ストーリー性たっぷり。
しかも,コルバンの著作が地理学者の私にも興味を持って読めるのは,彼の研究がいつも地理学的テーマに直接関連しているから。『浜辺の誕生』はまさに海浜リゾートが成立する過程の調査だから,ある種の美的風景を,そしてその土地での経験を求めて人々が地理的移動を行う。『音の風景』で中心的に扱われるのは鐘の音ですが,その音は空間的な広がりを持っている。『人喰いの村』は人類学的調査ともいえますが,もちろん地理学的なモノグラフともいえる。
それらはタイトルから地理学的テーマを予想できますが,さすがに本書『においの歴史』まで,こんなに地理学的だとは思いませんでした。音と同様ににおいも空間的な広がりを持つものですが,特に本書で話題となっているのが,都市中心部の悪臭。コルバンが目指す歴史学は「感性の歴史」といわれ,上記の作品でも視覚や聴覚がテーマになっているのが分かりますが,本書ではもっとも歴史学者が取り組んでこなかった臭覚。しかし,それを生理学や心理学の立場からのみ接近するわけではない。感性そのものというよりも,感性を規準に人々が何かを決定して,それが物質的な実行に移されたり,社会的な制度が成立したり,ということです。なので,においをめぐる言説は『浜辺の誕生』に引き続きまずは医学。医学の一般化された言説ってのはいつでも大衆に強い影響力を持っているんですよね。最近でも,水を常温で大量に飲むことは美容にいいとかいって,皆ペットボトルで飲んでいますが,一昔前には運動中でも水分を摂ることは身体に悪いとか考えられていたんですから,いい加減なものです。
そして,この時代に急展開を遂げた科学としての,ラボワジェの化学やパルトゥールの免疫学なども,においというものの正体が科学的に解明され,それが身体に及ぼす影響に対する人々の恐怖。それを除去しようという権力者の意図。差別される人種,階級。衛生思想の普及。刑務所や病院で人々の規律=訓練。それは後に学校に普及する。ブルジョアの衛生観と,行政の政策に抵抗する民衆たち。
まあ,ともかくこんなところじゃ語りつくせません。こんな面白い歴史地理学の本を読んでみたいなあ。地理学者頑張れ!

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幸福とか食卓とか

1月29日(火)

20時半から60分程度の中篇映画があったので観に行った。雨の予報のはずが電車に乗るまでは降っていなかったので安心したら、下北沢で降られました。

下北沢シネマアートン 『幸福なる食卓
ちょっとまえに北乃きい主演映画で『幸福な食卓』ってのがあったけど、また似たようなタイトルの作品。タテナイケンタという30歳の監督によるほぼ自主制作映画。上映前に同じ監督の短編映画『445』が上映される。「よしこ」という女と、それに関わる男2人の話。ちょっと台詞がしつこいところもあるが、まあ十数分なので許せる。そこそこ面白い。さて、『幸福なる食卓』は監督の出身地である青森県七戸を舞台にした、男と女の物語。スーパーマーケットで働く男性が主人公だが、同じ店のレジ係の女性と付き合っている。冒頭は彼女がこの男の浮気を疑って問い詰めるシーンから始まる。すると、店内で買い物をする30歳台後半と思われる女性がちょっとした商品を万引きする。これを警備カメラで確認した主人公はその女性の家を訪ね、問い詰める。やらせてくれればなかったことにしてやる、そんな感じの行動だが、それは未遂に終わる。しかし、翌日その女性はまたスーパーに現れ、男に対して「うちにご飯食べに来ない」と誘い、情事が始まる。この女はどんなきっかけでもどんな相手でもよいのだろうか、とにかく男を自宅に呼んで料理を食べさせることに至上の喜びを感じる、そんな女性。
まあ、私にはそこそこの映画に思えましたが、観ていていい感じがしなかったというのは、この男女を演じる俳優が決して美しくなく、また言動や行動にも嫌気がさす、という意味で、人間の負の部分をリアルに描き出したと評価できるのだろうか。同じようなタイトルの『幸福な食卓』もやはり人間の負の部分を描きながらも妙にそれを美化していることを考えると、どちらが優れた作品であるかは評価しにくい。
上映が終わり、トークショーが始まる。監督と映画研究者の対談という形だ。この研究者なる人物は、成城大学の教員ということだが、風貌からして映画オタクとしか思えない。質問や映画の解釈も決して批判的な立場からではなく、この若き監督に自身を持たせるようなことばかりだ。少しは作品についていいことをいっている箇所もあったけど,帰ってチラシをよく読んでみたら,チラシに寄せている彼のコメントそのままだった。せっかく狭い映画館なんだから,もっと腹を割ったトークショーにして欲しい。でも,監督が周りの期待の割りにあまり熱っぽくないのが面白かった。

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