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映画の配給,もうすこしどうにかしてよ

先日の竹仲絵里ライヴで一つ書き忘れたこと。彼女との出会いは映画『ギミー・ヘブン』の主題歌「ガーベラ」。今回のライヴでも披露してくれました。そう、この曲は基本的にピアノ曲ですが、彼女はギターを持っては歌わないいんですよね。というか、かなりサビの部分の集中力が必要なので、手振りも激しくなり、恐らくギター弾き語りでは歌えない曲なんでしょうね。ということで、バンド編成の時しか聴けないレア曲というわけです。

3月23日(日)

シネカノン有楽町1丁目 『歓喜の歌
先日「321の会」でお会いした岡山のTOMさんが「今年のナンバーワン決定」といい、今井さんも相当気に入られた、この作品が上映終了間近ということで、10:45からのモーニングショーで観に行ってきました。予告編は何度も観ていたこの作品。落語家の立川志の輔の新作落語が原作ってのは知っていました。「歓喜の歌」とはベートーベンの第九のことですね。遠藤賢司は「喜びの歌」というタイトルで日本語歌詞を書いて唄っています。大晦日に毎年恒例でママさんコーラスが、地元のホールを借りて演奏会を行う。ところが、この年に限っては、別のコーラスグループが違う時間に演奏会を予約。しかし、当の常連コーラスグループも今年は特別な会にしたいと、いつもの時間をずらして夜の時間に予約。すると、赴任したばかりのこの会館の主任が2つのグループを識別できずにダブルブッキングをしてしまう、というところからの顛末。
主任には小林 薫。その部下には伊藤淳史。という、ここですでに笑ってしまう。まあ、ともかくキャストも脚本も無駄のないテンポのよい作品で満足,満足。

さて,映画の後はマッキーさんとみうさんと合流。もともとこの2人とは矢野真紀ファンということで,同じ日に初めて会ったのですが,それ以来,矢野真紀ワンマンというとそろって3人でチケットを購入し,行っています。ちょっと早めに待ち合わせて2人のショッピングに付き合い,「うおがし銘茶」というところで抹茶をいただく。これが500円でかなりゆったりできます。建築物も見もの。

銀座ル テアトル 矢野真紀
矢野真紀はPARCO劇場や浜離宮朝日ホールなど,ただのライヴにはちょっと贅沢な場所をよく選ぶ。今回もル テアトルとは贅沢。もちろん,全席指定です。前回の朝日ホールほどいい席ではありませんが,ちょっと前すぎて音響的にどうかなってところもあったので,今回は音を楽しむことにしましょう。それにしても,ここの椅子はどっぷりとお尻がはまってしまう。
上記したPARCO劇場や朝日ホールでは正装してきた真紀さんでしたが,今回は全くカジュアル。衣装換えもありませんでした。もちろん,裸足。バンドメンバーはバンマスの佐藤真吾さんとPARCO劇場の時から一緒にやっているベーシストしか分からなかったけど,なかなか今回のバンドは良かった。個々人の技量は分かりませんが,一体感があり,なによりも真紀さんの歌声が映えていた。そして,その真紀さんの歌声の調子の良さ。やはり今回のツアーはリリースに合わせたわけではなく,「窓」をきっかけに右肩上がりの人気に乗じて全国に挨拶,という意味合いだった(と私は勝手に思っている)ので,本人のモチベーションが違うのでしょう。いつもツアーの時は各地方で「お客さんに元気をもらった」っておきまりのようにいうけど,今回は間違いなく手ごたえを感じてきたのではないだろうか。
ギター,ベース,ピアノ,ドラムスという基本的な編成だったけど,凝ったアレンジもなく,基本的にCDを再現するような演奏はとても良かった。もちろん,これだけバンド編成向きの曲を集めてきたライヴも珍しいのかもしれない。意外に『いい風』からの曲は少なかったけど,ガツンとお腹に響いたステージでした。1曲だけ総立ちになった曲がありましたけど,できることなら半分くらいは立って聴きたかった。
さて,興奮冷めやらぬ3人で沖縄料理屋へ。でも,いろんな事情でアルコールよりも食べるほうに専念。凝縮された呑み会でした。というのも,終演時間が早いと分かっていた私は,その後にレイトショーの予定を入れていたのだ。

渋谷シネ・アミューズ 『memo
前日に続いてライヴ終了後にレイトショー。前日はなんとなくで選んだ作品でしたが,この日は事前に調べてライヴ前に前売り券を買っておいてのぞみます。久し振りのシネ・アミューズ。以前は同じフロアにカフェがありましたが,それが撤退してロビーが広くなった。
さて,この作品は佐藤二朗という人の初監督作品。きちんとは覚えていないんだけど,最近では『包帯クラブ』などにも出演している個性派俳優。主演は不思議な魅力を持つ少女,韓 英恵(かんはなえ)。なかなか観られない作品だと思うので,ちょっとネタバレになりますが,少し丁寧に説明します。主人公の女子高生はメモ魔。発作のようにメモがしたくなり,しかも意味不明な単語を羅列するだけ。我慢ができないので,普段からいつも紙とペンを所持している。1分間の小テスト中でもメモをしないと耐えられない。父母と3人で暮らす彼女のもとに,ある日父の弟という人物が現れる。20年ほど音信不通だったという。この人物,明らかに言動がおかしい。そして,兄との話の途中で我慢できないように手を洗い出し,何度も何度も手を洗いなおす。そう,ここで鑑賞者はこの少女と叔父は同じ性質を受け継いでいることに気づく。少女の母役には高岡早紀。最近ちょっと風変わりな役が多かった彼女だが,この作品は非常に控えめな演技が逆に色っぽい。あ,このおじさん役が監督である佐藤二朗本人です。この演技が素晴らしい。素晴らしすぎて地としか思えない。それもそのはず。監督自身の「強迫性障害」の体験をもとにした脚本ということです。そして,作品のなかではこの障害が何かを明確に語らないところがこの作品の最大の魅力。多くのこうした題材を扱う映画はそうした問題を鑑賞者に「教育的に」理解してもらおうとする。具体的にその障害がどのようなものであり,それはどんな原因によるものなのかを事細かに。それは確かに重要なことだが,映画の作品としての価値はそこで激減してしまう。もちろん,ユーモアの感覚も入れにくい。しかし,この作品ではかなり重度の障害を持ちながらそれを誰にも理解されずに過ごしている叔父さんと,はじめは彼のことを煙たがっていながらもなんとなくその共通性に気づき心を許していく主人公。その2人のやりとりがなんとも微笑ましいじゃないですか。普段仏頂面の役の多い韓 英恵。宮﨑あおいや多部未華子など,笑顔の少ない演技から役者生活をスタートする女優さんに私は弱いのだ。そんな彼女が徐々に微笑を覚えていく,その過程がなんともステキなのだ。ちなみに,彼女を幼い頃から治療している精神科医には白石美帆が扮しているが,それもナカナカ。文房具屋の店員として1度だけ出演している池内博之や,バスで眠りこけるサラリーマンとして台詞なし,2度だけ登場する岡田義徳などの配役もニクイ。ともかく,レイトショーのみ公開にはもったいない秀作がまた登場した。

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コメント

矢野真紀さんから感じる独特な世界観は説明し難いのですが、魅力的ではあります。彼女は今のポジションが一番いいのではないでしょうか。街を歩けないほど有名になると、心配です。

3月27日は下北沢「BAR CCO」で柳田久美子。「440」系のイタリア料理とワインのお店で、チャージ500円で2ステージ。ゲストがCOUCHの平泉コージと、ベースの伊賀航。この二人は知る人ぞ知るbenzoという4人組のバンドをやっていたので、何かやってくれるのではないかと期待していたら、しっかり柳田久美子がbenzoの曲をカバーしてくれました。こうした場所での弾き語りも悪くないけど、ギターを手放して伸び伸びと歌う柳田久美子が魅力的でした。Wアンコールは予定外だったようで、「何かリクエストがありますか?」って聞いてきたので、「観覧車!」と声を掛けると、「観覧車……ほかには?」ってリアクション、結局3人で「あなたとわたし」を演奏、これがこの日のハイライトでした。

28日は渋谷「7th floor」で種ともこのイベントライブの第1回、ゲストに鈴木亜紀。ハイブリッジ高橋さんが絡んでいる様子。二人は今回が初共演で、互いに面識もなかったらしい。亜紀さんが毎週火曜日に担当していたラジオに出る予定だったのが、番組が打ち切りになったなんて話もあって、二人のセッションなどはなく普通の2マンライブでした。満員のお客さんでアウェイな感じの亜紀さんがなかなか良かったのと、カバー曲での種さんの独自の世界を堪能できて、満足度の高いイベントでした。戸田和雅子さんの姿がありましたが、お隣の「DUO」でアルケミストのライブがあったし、ハシゴされたのでしょうか。

29日は「九段会館」で湯川潮音。桜が満開の千鳥ガ淵を散策し、会場へ。ここは昭和初期に建てられた歴史ある建物でけっこう好きなホールです。今回は弦楽器とのツアーということでしたが、潮音ちゃんは基本的にアコースティックの世界の人なので、こうした企画は大歓迎です。いつものワンマンより時間もたっぷりあったし、終始いい感じでした(途中気持ち良くなり過ぎたのか、2曲ほど記憶がありません。完全に寝ていたようですね)。欲を言えば、ライブの一番の山場がわかりやすい構成にするといいように思います。個人的にはカバーをもう1曲くらい聞きたかったけど、やっぱり座ってゆったり聞けるのはいいですね。

30日は表参道「FAB」でSHUUBI。フラワーボイスのアフターパーティという触れ込みのワンマン、結局はもう1年SHUUBIがフラボのホストを務めることになったので、ハセガワミヤコあたりがシークレットで来ないかと期待していたのですが、普通のワンマンでした。最初からノリノリで、2時間半立ちっぱなしはキツイけど(僕は数少ない椅子席にいたので1/3位は座っていました)、バンドを中心に弾き語りもあって、飽きさせないのはサスガ。あまりに盛り上がり過ぎて、固定ファン以外の人に疎外感を感じさせないか、ちょっと心配なくらいでした。

投稿: TOPS | 2008年3月31日 (月) 18時07分

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