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桜もゆっくり観たいものだ

3月29日(土)

新宿K's cinema 『受験のシンデレラ
豊原功補っていつも態度のでかい人を見下す感じの役が多いが、本作も例外ではありません。確かに彼にはそういう役が似合うし、憎まれ役はなかなかできない人もいる。例えば、本作で彼の親友役で登場する田中 実。こちらは本作も含め、いい人の役ばかりだよな。まあ、そんな感じで配役で新鮮な感じはしないが、そんな今までどおりの役どころを見事に演じきる配役を含め、なにしろ脚本がいい。タイトルを見て、いまどき「シンデレラ」?と思ったけど、改めてシンデレラの意味を思い出す。そう、貧しく醜い少女が羽ばたく物語だったね。
そんな主人公を演じるのは寺島 咲。彼女の演技は何度か観ているはずだが、ちょっと印象に残らないさらっとした演技と顔立ちをしている。しかし、本作はいいですねえ。浅田美代子演じる母親は全くやる気のないブティックを経営しているが、娘にアルバイトをさせ、家事を任せ、毎度しょうもない男に入れ込んでいる。そんな貧乏家庭だから、主人公はいつもおばさん臭い洋服で、髪の毛も伸ばしたままを結んでいるだけ。まさに「ダサい」スタイルだが、若さゆえの美しさが故にそれがさまになるのが清純は女優の証だろうか。まあ、ともかくシンデレラといっても恋愛に目覚めて美しくなるわけではない。母親に振り回されっぱなしの16年間の人生を徐々に内側から変えていくのが、本作の魅力。外見的にも美しくなるのは最後の最後だ。私が観たのは公開初日だから、ストーリーは書かないでおこう。ストーリー自体は分かりやすいことこの上ないので解説は不要。
ともかく、豊原と寺島のやりとりに泣かされっぱなしの私でしたが、受験にまつわる細かなシーンがとても緊張感があって面白い。最近、こういう緊張感のある場面は1年に1度あるかないかですからね。といいつつ、私も翌日に3年ぶりの学会発表を控えていて、そんな緊張感を思い出したりして。ともかく、こちらも和田英樹という監督が自らの経験を活かした作品であるが故に、受験にまつわるエピソードは非常にリアリティがあって、ディテールが精確でそのあたりも、安心して2人のやりとりに没頭できます。些細なことが非常識だったりすると興ざめってこともありますよね。ともかく、素的な作品です。舞台挨拶の次の回でしたが、お客さんの入りはなかなかでしたよ。皆さんも是非。

九段会館 湯川潮音
早めに移動して、千鳥ヶ淵で桜でも、と九段下に降りた途端、ものすごい人だかり。千鳥ヶ淵に行くには行列に並ばなくてはなりません。そこまで行かなくても北の丸公園周辺のお堀岸に桜は十分に咲いているので、それらを歩きながら観ることにして、ちょっと小腹を満たすためにカフェに。当然どこも混んでいます。まあ、なんとかちょっと離れたTULLYSでベーグルをいただく。
やってきました、九段会館。知人でありながら潮音ちゃんのライヴくらいでしか会わないやすこさんが、以前「潮ちゃんを九段会館で見たい!」と話していたのがすぐに実現してしまった。多分、趣味からいって潮音ちゃん自身も念願の九段会館だったと思う。やすこさんはなんと2列目だったらしいが、7列目の私もかなり中央に近く、前に人もほとんど気にならずにとても見やすい、聴きやすい座席だった。この日はインディーズ時代の廃盤になってしまったアルバム『逆上がりの国』が会場限定で再発されるということで、会場につくと長蛇の列。それだけ持ってない人が多いことにも驚きます。
今回のコンサートは「弦とわたし」と題したツアー、最終日。数年前にもZepp Tokyoでストリングスカルテットとのライヴがあった。それはイヴェントだったので、3,4曲だったと思うが、玉城亜弥さん率いるカルテットで、チェロが橋本 歩さんで、とても素晴らしかったのを覚えている。今回は当日まで全くそのメンバーが分からなかったが、セットの様子からもカルテットだけではないことが分かり、宮田まことさんかなあ、と思いながらも桜井芳樹さんでした。おっと、その前に潮音ちゃん1人で登場です。1曲アカペラで歌ってから,一人ギター弾き語り。最近は本当に安心して彼女のギターを聴くことができるようになりました。インディーズの頃は,そのギター演奏の危うさがまた楽しみでもありましたが,そういえばエレキギターでインストア弾き語りってのもありましたね。そこから桜井芳樹さんが加わって数曲。マンドリンの出番はなかったように思いますが,アコースティックギターも数種類,エレキギターやその他諸々。続いて,チェロの徳澤青弦さんが加わります。まあ,彼だろうとは思ってましたが,やっぱり出てきて安心。しばし3人で演奏。最後に登場したのは男性の第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンが沖 祥子さん。ブルーハッツのメンバーですね。そして女性のヴィオラ。Zeppのときより桜井さんが加わっただけですが,その時は確か潮音ちゃんもギターを弾いていなかったので,音数がずいぶん違います。Zeppのときのシンプルさもまた味わいたいものですが,ここ九段会館ではこの豪華さがちょうど良い。もちろん,時折潮音ちゃんはギターを置いてハンドマイクでステージ上を歩き回ったり。この日の選曲は『逆上がりの国』からも2曲演奏したが,けっこうメジャーデビューアルバム『湯川潮音』からが多かったような気がします。これまで私が観てきた21回のライヴのなかで一番曲数が多く,時間も長かったような気がする。そして,長さだけではなく,私がここで改めて詳しく説明する必要もないように,まさに集大成にようなステージになったと思う。

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コメント

潮音ちゃんは私も参加していました。おっしゃるように今回のライブは安定感がありましたね。これまでのステージではバンマスの権藤さんや惣一郎さんを始めとするキッチリしたバックに比べると潮音ちゃんの危うさが目立ってしまっていた感じが、この日の編成ではとてもまとまっていてしっかりとした構成だったかな。
わたしはこの日お花見で、最初のアカペラが一部しか聴けなかったことが残念でした。

投稿: mike | 2008年4月 3日 (木) 23時07分

僕は「九段会館」のライブ当日、隅田公園と千鳥が淵と2箇所で桜の写真を撮っていました。天気も良かったし、気持良く潮音ちゃんのライブに突入しましたが、気持ち良過ぎて途中居眠りをしていたようです。

ところで、潮音ちゃんのライブは何本観ただろう。
「440」ではとーべん祭りなどイベントが4、5回、「スターパインズカフェ」でも4、5回、「FAB」ではフラワーボイス、五島良子さんとの対バンに空想音楽会、初ワンマンなど5、6回、フリーライブは吉祥寺のタワレコが3回に渋谷が1回、青山ブックセンター、横浜の百貨店、イベントでは「博品館」での三木トリロー、他にもゲストを含めて「mona records」「新宿LOFT」「BYG」「DUO」「池上本門寺」(2回)「クワトロ」など、ワンマンは他に「クワトロ」「代官山ユニット」「リキッドルーム」そして今回の「九段会館」、おっとワールドスタンダードの20周年ライブに去年の「早稲田祭」もありました。ここまで35本ほど、他に映画『犬猫』絡みや野外ライブもあったような。その半分位はナルセさんと被っていたはずです

投稿: TOPS | 2008年4月 4日 (金) 12時34分

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