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メディア政治時代の選挙

飽戸 弘 1989. 『メディア政治時代の選挙――大統領はこうしてつくられる』筑摩書房,238p.,1230円.

本書は1988年のアメリカ合衆国大統領選挙の解説本だ。なんと,20年前で現大統領のブッシュの父親が当選した時の選挙。ちょうど今は大統領選挙真っ最中なので,ちょうどいいと思って取り出してきた。多分私が大学4年生の頃,メディア研究ってのが面白いって思い出して,就職活動や教育実習もしていたのに,同時に大学院受験もして(理学研究科だったので試験は9月),一社内定が出ていたのを蹴って大学院進学を決めた頃です。
なんでも,メディアとタイトルにつく本を気にかけていました。といっても,手当たり次第に買ったり読んだりしたわけではなかったのですが,この本だけは政治の分野で珍しいなと思って購入した。その後,学生の頃の気の迷いで買って,どう考えても読まないようなものは処分したりもしたけど,この本はまあ軽く読めるだろうとおいておいたのだ。「ちくまライブラリー」はあまり持っていないけど,前田 愛『文学テクスト入門』も山中速人『イメージの〈楽園〉』も,ただ読みやすいだけでなく,かなり専門性を有しているので,本書にも少し期待をかけたりして。確かに,著者はこの選挙の間,米国に滞在し,かなり密な調査を行なったらしい。しかし,彼の根底にある意識は,私が期待したような「メディアの存在によって民主主義の根底が揺るがされる」というような危機感ではなく,むしろ逆に「日本の選挙制度は米国に30年遅れている」という認識の下,進んでいる米国の状況を把握し,それを今後の日本の選挙に活かしたいという意識である。
ということで,本書の目的は,断片的にかつ表面的にニュースなどで伝えられる米国大統領選挙について,より詳しく深く知らしめること,そして同時に小難しい学術書ということではなく,読者により容易に理解してもらうような内容になっている。といっても,私はそういう文章を読むのが苦手なので,逆に断片的にしか大統領選挙について知ることができなかった。こういう文章苦手なんです。とても,一字一句丁寧に詠むには退屈すぎたので,思わず斜め読みでした。私は斜め読みってほとんどやったことがありません。そんなのをするくらいだったら読むのをやめますが,それでも箇所によっては得ることがあるのではないかと,読み進めましたが,やはりそれほど多くのことはありませんでした。
というか,やはり本書は私が求める「メディア研究」ではなかったのです。そこには「批判的立場」はなく,本書自体がメディアに組み込まれているという印象です。

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