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幾何の発想

矢野健太郎 1976. 『幾何の発想――ギリシア』朝日出版社,244p.,880円.

「エピステーメー叢書」の1冊。朝日出版社によるこうした思想系の本は1980年代に終わってしまったようですが,この「エピステーメー叢書」は装丁も素敵なので,思わず買い揃えてしまいそうになる。今まで持っているのは,

デリダ『尖筆とエクリチュール』(1979年)
ドゥルーズ『ヒュームあるいは人間的自然』(1980年)
細川周平『ウォークマンの修辞学』(1981年)
プーレ『炸裂する詩』(1981年,未読)

けっこう小さな版の冊子だし,ページ数も300ページ未満。でも,けっこう充実した内容なのがこの叢書の特徴。でも,例外だったのが本書。そもそも私は幾何学に歴史的な興味を持っている。幾何学とは英語でgeometryといい,地理学geographyとは親戚のようなものだ。metryとはメートルと同じ語源であり,「測定する」のような意味。つまり,幾何学は土地を測定するものであり,地理学は土地を記述するものである。英国の地理学者デニス・コスグローヴもルネッサンス期に復興したユークリッド幾何学が透視画法という絵画技法,そして風景がというジャンル,ひいてはデカルト的な空間の考え方に導かれると同時に,地理学とも深い関係があることを論じている(『風景の図像学』地人書房)。
ということで,私はこうした「幾何学の起源」に深い関心を持っていて,以前もミシェル・セールの『幾何学の起源』の書評なども書きました。でも,やはり日本人の数学者が書いた本書はそういう歴史的な関心に対しては物足りない。やはり幾何の定理や法則の解説と,それが当時どのような形でどこまで明らかにされていたかという解説に終始します。そのなかのいくつかは本当に難しくて私には理解できないし。まあ,でも基礎的な知識を持っておくことは必要ですからね。

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