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消費の政治学

スチュアート・ユーウェン著,平野秀秋・中江桂子訳 1990. 『消費の政治学――商品としてのスタイル』晶文社,364p.,3600円.

私にとってはいまさら感のある消費社会論の1冊。消費社会論とは,先進資本主義経済が生産業中心からサーヴィス業を中心に移行し,それを産業主義から消費主義への移行ともいう。フランスの社会学者(日本的な感覚ではとても彼を社会学者とは呼べない)ジャン・ボードリヤールで有名だが,日本ではそれらの翻訳と消費社会の到来が一致した1980年代に随分流行ったようです。
ちなみに,本書の原書は1988年に出版されているから,この手の本としては新しい方です。
原タイトルは「全てのイメージを消費する――現代文化におけるスタイルの政治学」というもので,邦訳のタイトルは表題と副題とをごっちゃにした感じ。本書の中心は「スタイル」のようですね。前作は夫婦で書いた『欲望と消費』という本で翻訳もありますが(私は未読),本書はその取り扱う対象も多様化しているようです。前半はファッションの話や広告の分析などで新鮮味がありませんでしたが,建築物からデザインの話,広告もかなり古い歴史的な話,人間工学の話,などなど,なかなか飽きさせない内容でした。
私の読書はこういう感じで,常に新しいものではなく,ある意味では出版業界の「消費期限切れ」のような作品を読むのもけっこう好きなんですよね。

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