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2008年8月

ライヴのない平日

8月26日(火)

新宿K's cinema 『能登の花ヨメ
田中美里主演映画。派遣社員でバリバリ働いた主人公は、勤務先で取引のあった会社の男性と知り合い、めでたく寿退社。婚前の彼のニューヨーク出張中に、石川県能登半島の小さな村で一人暮らしをする彼の母親が交通事故にあったということで、身の回りの世話をするために東京から能登へと旅立つ主人公。その母親を演じるのは泉 ピン子。今回の役では言葉少なだが、無愛想に姑を迎える存在感はさすが。数年前に地震の被害にあったばかりの高齢化が進むこの閉鎖的な町で、都会から来た女性が、はじめのうちはなかなか溶け込めないが、徐々に町の人の温かさに触れ、この土地に対する思いも深めていくという有体なストーリー。
広告代理店に勤めていた経験を活かし、この町で震災後に自粛し続けているキリコ祭りというのを復活させることに成功し、地元の人も彼女を受け入れていく。当初は東京で式を挙げようと考えていた2人だが、母が嫁ぐ時に着た白無垢を着て、この土地のやり方で式を挙げるというラスト。このお祭りを復活させようという主人公の提案に対して、地元の誰もが、「急によその土地からやってきて、土地の伝統を守れだなんてきれいごとをいうでねえ」というシーンがあった。このことはとても興味深い。かなり観光映画っぽいつくりになっているこの作品。この言葉を発するのは、テレビなどで活躍している松尾貴史。もちろん、彼の生活は東京が中心だろう。その他にも多くが私も知っている俳優たち。もちろん、ほとんどのスタッフ、キャストは東京からやってきているに違いない。そしてなによりもこの撮影のために、キリコ祭りは20年ぶりの盛況さで擬似的に行われたという。しかも、映画と同様に、撮影ということで近隣・遠方からエキストラとしてこの町出身者が戻ってきたという事実。
ちなみに、この作品の音楽は大江千里が担当しているとのこと。そして、主題歌は大江作の曲を岩崎宏美が歌っている。なぜか、エンドロールには「岩崎宏美さんと能登を応援する会」のような団体がいくつも。でも、岩崎宏美は能登の出身ではないようだ。どういうことなのか?まあ、ともかく考えさせられることの多い作品。

映画の後は祖師ヶ谷大蔵まで。実はこの日、引越し中のチェロ奏者、橋本 歩さんの自宅を訪ねることになっていた。恋人と駅で待ち合わせ、昼食をとって歩さんちへ。先日吉祥寺stringsでのライヴの際、歩さんが「今、引越しでCDの整理をしていて、処分したいのがけっこうあるんですけど、成瀬さん聴きませんか?」といわれ、そのいくつかのリストのなかに私が持っていないものもあったので、「是非いただきます」と回答。ついでにCDラックも余っているのがあるから、ということでそれを取りに行ったのです。翌日が引越し、3日後の飛行機で渡米するというのに、部屋のなかは散らかり放題。昼間っからビールを飲みながら梱包作業をしている歩さん、さすがです。私たちは幅21cm、高さ180cmあるCDラック(というより隙間家具)を梱包し、もらうCDを選別。ヤマト運輸に取りに来てもらう連絡をして帰ります。本当は引越しの手伝いをして、一段楽したところで一緒に食事でも、と思ったのですが、まだ手伝える状態でもなかったし、歩さんは一人のほうが気が楽だということでお暇しました。

8月27日(水)

この日は恋人のアルバイトが終わってから食事をする約束をしていたので、その前に1本映画を観る。

渋谷イメージフォーラム 『小さな赤い花
中国には全寮制の幼稚園ってのがあるんですね。そこに預けられた男の子が主人公。この幼稚園ではクラスの担任の先生の支配の下、他の3人の先生とともに、厳しい規律が保たれている。その日よい行いをした子どもには紙でできた小さな赤い花が与えられ、その花の数が成績表のように張り出されるのだ。この主人公の子どもははじめから、服も一人で着れないし、おねしょはするし、で花を一つももらえない。そのことを不満に思ってさらに行いは悪くなり、ますます規律の和から外れていく。そして、その子は「担任の先生は妖怪で、みんな食べられちゃう。食べられちゃった子どもには尻尾が生えてくる」と嘯く。
まあ、あえて説明すればこんなストーリーだが、全てがフィクション的一貫性で作られているわけではない。そもそもが、こんな4,5歳の子どもたちが脚本どおりの演技をするはずがない。主人公の男の子は本当に可愛く、喜怒哀楽が激しく、意地悪で、面白い。おそらく、監督や脚本家は撮影するなかで、面白い映像やエピソードなどを作り、それらを緩やかに結び付けていったのだと思う。でも、全体的には大人の社会にも反映できる社会の怖さを物語っているのではないだろうか。

映画が終わって恋人と落ち合い,溝の口の焼肉屋へ。久し振りの焼肉でしたが,ガード下の「二の鉄」という渋いお店。実はチェーン店でしたが,けっこう安くて美味しかったです。

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視覚芸術の意味

アーウィン・パノフスキー著,中森義宗・清水 忠・内藤秀雄訳 1971. 『視覚芸術の意味』岩崎美術社,443p.

パノフスキーの名前は,英国の地理学者コスグローヴ&ダニエルス編『風景の図像学』の序文で知った。1988年に出版されたこの論文集の翻訳に私も無理矢理参加させてもらった。というのも,編訳者は当時国際に本文化研究センターの千田 稔氏と,お茶の水女子大学の内田忠賢氏だった。またまた,ちょくちょくお茶大に研究会か何かでお邪魔していた大学院の後輩が,そんな翻訳の企画があるという話を知らせてくれたのだ。ちょうど,私はめぼしい論文集の序文を翻訳したりしていて,本書の序文も翻訳していた。ということで,私も参加させて欲しいと内田氏に嘆願したという経緯。
まあ,それはそれとして,まさに「iconology of landscape」というのはパノフスキーから借りているといっても過言ではない。つまり,イコノロジーという表現は,パノフスキーの1939年の著作『イコノロジー研究』からきているし,本書に収録されている1953年発表の論文「イコノグラフィとイコノロジー」も序文で引用されている。イコンとはアイコンのことであり,パソコンのインタフェイスとしてわたしたちも馴染みがある。例えば,インターネットエクスプローラで「家」の絵柄が「ホーム」であるように,ヨーロッパでは古くから宗教画や紋章などで,図柄で記号伝達を行なう伝統があった。そういう,絵柄とその意味を一覧にするようなものがイコノグラフィという。アイコンを記述すること。しかし,そのアイコン=図像というのは常に一義的に意味が決定されるものとは限らない。そうでないものは,そこに不安定な「解釈」が介在するのだ。そうしたアイコンを解釈したり,論理的に分析するのがイコノロジーというわけだ。
この研究はいわゆる美術史という分野になるわけで,英国ではケネス・クラークを代表として長い歴史があるように思っていたが,パノフスキーによるとそうでもないらしい。ドイツ出身のパノフスキーの先人といえば,亜ビィ・ヴァールブルクがいるが,パノフスキーの特徴的なことは,第二次世界大戦直前に彼は渡米し,アメリカの大学で研究を続けたということだ。その辺りのことは,終章の「合衆国における美術史30年」という文章に詳しいが,パノフスキーはいわゆるドイツから亡命した知識人の中の一人ではなく,正式に招待されてドイツの大学から合衆国の大学に移ったらしい。古代から中世,ルネッサンスを経て近代へ,と美術史のフィールドはもちろんヨーロッパだが,美術史の研究については本家ヨーロッパよりも20世紀の合衆国の寄与するところが大きいという。美術品のコレクションから,その学術的な研究まで。大西洋をはさむ両大陸での大学の制度の違いまで,かなり詳しく記述してある終章もなかなか面白い。序章と終章を除いた具体的研究に当てられた章は,特定の時代の特定の絵画,絵画テーマ,題材,というものに対するかなり細かい分析です。人体比例理論,ティツィアーノ,デューラー,アルカディアなどなど。
近年の地理学における景観研究には図像学的分析が欠かせないし,カルチュラル・スタディーズのなかでもヴィジュアル・カルチャー研究ってのが盛んになっている。そんななかで,こうした著作が必読書であるだけでなく,大いに読書的刺激を受けることができる素材はまだまだいっぱいあって楽しみ。でも,この種の図版も含んだ本は大抵高いのが悩みの種。

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連日エリちゃん

8月24日(日)

タワーレコード新宿店 erimba with HARCO
先日のblogにも書きましたが、erimbaこと大橋エリさんがHARCOプロデュースで『MARICOVER』というマリンバによるカヴァーアルバムを発売し、その記念でインストアライヴが行われた。15分前くらいに到着すると、すでにリハーサルは終わっていて、15人くらいのお客さん。なかにはなほつんの姿もあります。私と恋人はマリンバの前、最前列を確保して開演を待ちます。さすがに、HARCO単独のインストアほどの集客はありませんが、それでもそれなりにお客さんは集まっています。ここタワーレコード新宿店でのインストアライヴはステージ後ろにテレビ画面を並べたモニターがあり、その場で撮影したビデオ映像が流れていますが、後頭部映ってしまいました...
この日はギタリストの後藤郁夫さんを加えての3人のステージ。いちばん驚いたのがエリさんの髪型。小さい顔のエリさんですが、髪の毛が頭の大きさと同じでした。そんな自分の姿にも照れながら、1曲目はかなり緊張している様子。初めの挨拶はエリさんでしたが、見るに見かねて、それ以降のMCはHARCOでした。リリースがあるたびにこのステージに立っているHARCOはもう落ち着いたもの。むしろ、なんとかエリさんをサポートしようと頑張っています。でも、マリンバ演奏はちょっとぎこちなかったものの、おサルのぬいぐるみなどちょっと着飾ったSaitoのマリンバはけっこういい音を奏でています。そして何よりもサポートといえば郁夫さんのギターが素敵です。郁夫さんってステージ上では本当に落ち着いていてカッコいいんだよな。Apple Store渋谷店と川崎ラゾーナでのフリーライヴを経たインストアでしたが、やはりこのお客さんと近い密集感にエリさんは圧倒されたのでしょうか。それでも、3曲目くらいからは演奏に集中してきて落ち着いてきて、ラスト2曲はいつもどおりの盛り上がりで、お客さんの受けもかなりよかったと思います。
演奏後はサイン会。最後の方に並んでゆっくりお話したいなあと思ったけど、思いの外サイン会に並ぶ列は長く、私は2番手でサインを済ませました。またくだらないことをしゃべってしまって反省。その後、会場にいたミッコさんに挨拶し、なほつんとも少しお話して退散。
昼食をとっていなかったので、早目の夕食も兼ねて新宿高島屋地下の食料品売り場に入っているイートインの中国料理店で食べる。ここで恋人と別れて私はまた下北沢へ。

下北沢mona records
なにやら主催者側の予約で20人以上が優先入場して、私は28番でしたが、なんとか席を確保。開場から開演まで1時間ありましたが、ウトウトしていたら意外に早くすぎました。
TICA:lete以外での演奏は初めて聴きます。すっかり髪の毛をさっぱり短くした武田カオリさん、素敵です。一方で想像以上に髪の伸びた石井マサユキさん。いつものグダグダしたleteライヴとは違い、ほとんどMCなく淡々と演奏していくTICA。いやあ、本当にこの2人のミニマルミュージック、全く無駄のない演奏は素晴らしい。基本的に女性ヴォーカル好きな私ですが、単純に歌だけでいうならば今一番好きなのが武田カオリさんかもしれない。もちろん、他の好きなシンガーもいますが、やっぱりカヴァー曲よりはオリジナル曲が好きだったりするけど、TICAのカヴァーは本当に素晴らしい。英語の発音も完璧だし、一音一音丁寧に奏でる発生は本当にうっとりする。leteライヴのほんわかトークも魅力だけど、これだけ立て続けに歌が聴けたのも貴重なライヴだった。すっかりお客さんも物音一つ立てない雰囲気もよかったし、そのなかで時たま奇声を上げるカオリさんの息子さんも微笑ましい。
なぜかこの日はトイレが近く、開演前に行ったのに、セットチェンジ中も行きたくなって並ぶ。その列があまりにも長く、早瀬君のライヴはトイレ客待ちということになってしまった。
早瀬直久:特定の人の企画したイヴェントにソロで出演するってのも珍しいのでは。しっとりと歌い上げたTICAとは対照的に「この金玉やろ~う」といいながら、早瀬君のステージは始まる。この日はけっこうベベチオの曲が多かったかもしれない。もちろん、いつものソロライヴのように即興をしながらのステージ。それにしても、毎度すごいよな。最近は家で曲書いたりしているといっていたけど、毎回のソロライヴの演奏を録音して、その即興を元にちゃんとした曲に仕上げるってこともしているのだろうか。
アンコールでは石井さんを呼んで、2人でベベチオの曲を演奏。知らなかったけど、石井さんもベベチオのCDに参加してるんだとさ。それにしても、ベベチオもけっこう顔が広い。アンコールが終わってもまだ22時前だったせいか、一部の早瀬ファンが拍手をやめず、ダブルアンコールへ突入。再び石井さんと一緒に、しかも即興。ここでは、さすが石井マサユキ!って感じだった。

8月25日(月)

この日は会社で仕事をして家でゆっくりするつもりだったが、ゆっくりするといっても最近はblog日記を書くくらいのことしかない。しかし、今会社は驚くほど暇なのだ。新しい仕事が全く入ってこず、私のような立場の者まで作業が降りてこない状態。社員は夏休みだの、有給休暇だの、堂々と休みを取れるが、8月まで週3日勤務で月固定給の私はそう無闇に休むわけにはいかない。そういうとき、以前はかなり後ろめたくこそこそとblog用の日記を書いていたりしたが、最近は「だったら仕事くれよ!」という感じで、堂々と私事をしている。なので、早く帰ってもやることがないので、出かけることにした。しかも、定時の17時まで会社にいると間に合わないので諦めていた大橋エリさんの演奏会に行くことにした。

虎ノ門ホテル・オークラ ジュリー
ホテル・オークラ。4つくらいの駅から同じくらいの距離に位置する。溜池山王駅がその一つなので、ジョルダンで調べると、丸ノ内線の国会議事堂前駅まで行けば構内でつながっているようなので、そうしてみた。会社を30分早退して、開演25分前くらいに到着。しかし、丸ノ内線からは千代田線ホームを経由して南北線へ。さらに歩いてようやく出口。しかも、そこから歩くこと15分。汗だくになって開演5分前くらいに到着。ホテル・オークラ本館5階のエントランスロビー。中庭を背にしたステージにはYAMAHAのマリンバが2台。その前にはテーブルがいくつかあり、椅子は既にお客さんで埋まっています。もちろん、それどころではなく、そこから階段があって高くなっているんだけど、その階段にびっしりお客さんが座っています。年齢層はかなり高く、おそらくここでのフリーコンサートは恒例なんでしょうね。大橋エリさんと新田初実さんによる「ジュリー」を目当てに来たというよりは、ここでのコンサートを目当てに来ている人が多いと思う。でもなかには、私のように出演者を目当てに来た人もいて、かなり盛況です。そして、この日はシャンパン(チラシにはスパークリングワインと書いてあったけど、とても美味しくあれはシャンパンだったのではないかと思う)やオレンジジュースが無料で振舞われる。
大橋エリさんが自らのblogでこの日の衣装はお揃いなので、誰か写真撮って欲しいと書いてあったので、一度帰宅してデジタルカメラを持って行く。しかし、結局後方から立って見るしかなかったので、写真は全くピンと合わず。とりあえずビデオモードで2曲ほど撮影。登場した2人はキラキラ光るチャイナドレスでした。ちかくでは見られませんでしたがこの日のエリさんも気合の入ったヘア&メイク。しかし、司会者付きでMCもいらないし、楽しいポップスではなく、生真面目なクラシックスなので、久し振りに真剣なエリさんの演奏姿を見ることができた。といっても、いつもやっている「フィドル・ファドル」や「ティコティコ」、そしてピアソラの「リベル・タンゴ」などもあり、満足な内容。やっぱりこういう演奏の方がしっくりくるのかな。新田さんの演奏も素晴らしく、いいコンサートでした。

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MARICOVER

erimba with HARCO『MARICOVER

Maricover

erimbaこと,大橋エリさんと私が出会ったのは2004年の7月。その前の年から私はHARCOが好きになって,それから数年は足繁くHARCOライヴに通っていた。そんなHARCOをゲストで迎えたerimba企画のDiningというイヴェントの1回目が下北沢440で開催されたのです。残念ながらそのイヴェントは1年間,4回で終わってしまい,それ以降エリさんはerimbaという名前を使わなくなってしまいました。
さて,そのことはさておき,そのDiningの1回目。ゲストがHARCOということで,行ったイヴェントですが,とりあえず主催者であるerimbaこと,大橋エリさんのことについて調べると,HARCOのミニアルバム『大気圏シャワー』やフルアルバム『シンクロの世界』でマリンバ参加をしている人物だと知る。HARCOのステージは一人ピアノ弾き語りから,パーカッションに金野さんを招いて2人,そして主催者のエリさんを呼び込んでの3人の演奏だった。特に,1台のマリンバをHARCOと連弾するエリさんの姿が素敵で,そしてもちろん初めて生で間近で聴くマリンバの魅力に一目惚れ。しかも,その後のerimbaの演奏のすごいこと!この時erimbaという名前は,HARCOと同様に,エリさんの個人ユニット名だったが,基本的にオリジナル曲を中心に演奏していて,そのオリジナル曲がアヴァンギャルドですごいのだ。
その後,one toneというユニットのサポートや,オルガン奏者下村真有美さんとのデュオ,ギタリストUMEZYとのデュオコミルコ,竹マリンバユニットバンブーオーケストラ,三鷹で毎年行われるモンジャーニコンサート,フドラマーイトケンさんの変則ユニット,erimbaにも参加しているthe primroseのベーシスト松井さんとのデュオ,鬼太鼓座,今はリズム隊3人になってしまったギャルバンドHB,ギタリスト後藤郁夫さんとのデュオerikuo,ピアニスト宮嶋みぎわさんとのデュオ,などなどできる限り彼女が参加するライヴ・コンサートには出かけた。江ノ島や鎌倉,大宮から西立川まで。
そんなさまざまな形態,ジャンルで活躍するエリさんは,自らのユニットerimbaを中心にしながらも,erimbaのサポートとしていつも一緒だったギタリストの永田太郎さんが正式加入ということで,erimba名義を2人のユニットetaに変更,erimba名義では自主制作の2曲入りCDがあるだけで,その後レコーディングをしていたという話もありましたが,etaになり多少の路線変更があり,その後結婚,出産と生活の大きな変化に伴ない,音楽活動も大きく変化します。

子育ても一段落して,お子さんを連れて公的な場での演奏をするようになったエリさんから,本格的なレコーディングが始まったと嬉しいニュースが届く。しばらく水面下で動いていたようですが,HARCOの側からも情報が開示されます。HARCOプロデュースによる,マリンバのカヴァーアルバムが発売されるというもの。そして,erimba with HARCOという名義であることが決まり,etaで活動するようになってから封印されていた名前,erimbaが復活し,しかもポリスターから,いきなりメジャーデビューです。でも,このCDの装丁は素晴らしい。最近エコに目覚めているHARCOだけあって,CD本体以外は全て再生紙100%の紙仕様。インクは大豆インクです。もちろん,そのことは別にしても,素晴らしいイラストで,楽曲の内容とピッタリ。
そして,肝心の音自体ですが,かつてのerimbaの活動を知っていて途中経過を知らずにこのCDを手にした人はビックリするかもしれない。とても,明るく,軽くて,ポップで,楽しい。かつてのerimba時代のライヴはエレキギターの残響を利用した,幻想的で海の中や宇宙空間にいるような,そんな音の世界に漂う感覚を作り出す演奏だった。エリさん自身も演奏中に笑顔はなく,ひたすら左右に動き回りながら鍵盤を弾く,そんな演奏。もちろん,その楽曲は素晴らしく,私は大好きだったわけだが,一般受けするような音楽というよりも玄人好みするものだった。結局,そのerimba名義のイヴェントDiningは4回で終了し,もちろん私は全て出席したわけですが,ゲスト出演者も豪華,erimbaバンドとして参加したミュージシャンも豪華だった。
そんなerimba,etaを休止し,カヴァー中心の夫婦ユニットerikuoを始め,子育てを経たエリさんが取り組んだのは,当初からレコード会社によるマリンバ・カヴァー・アルバムという条件があったものの,お年寄りや子どもにも聴きやすい楽しくて軽快な音楽だった。もちろん,エリさんはさまざまな音楽活動のなかでお年寄りや病人,子どもたちを相手にした演奏はお手のもの。本人も体が小さくて笑顔が素敵な女性ですから,彼女の人柄そのものだともいえるでしょう。むしろ,かつてのerimbaの音楽は彼女の芯の強さや可愛い笑顔の裏に隠れた感情(否定的な意味ではなく,誰でも苦しみや悲しみの感情も持っている)などが表現されたものなんでしょうね。両者が合わさって,大橋エリさんということになるんでしょう。是非,第2弾として,erimbaオリジナルアルバムも作ってもらいたいもの。レコード会社も『MARICOVER』が好評だったら,そのくらいの冒険をしてくれてもいいのではないでしょうか。
でも,この軽快で楽しい『MARICOVER』も出産と同様,産み落とす作業はかなり大変だったようですね。防音設備が整った大橋エリさんの自宅で毎日のようにHARCOがやってきて長時間にわたる作業,その様子はお2人のblogでも知ることができますが,HARCOの初めての他人へのプロデュース,そしてエリさんは自分名義で初めてのCD。そんなお2人にとっても満足な出来栄えだというこのアルバム。まさに家庭に1枚の定番アイテムとなりましたよ。また,家族のある友人へのプレゼントとして,私も2枚目,3枚目とプレゼント用に買うことになるでしょう。

音楽的知識のない拙い私ですが,1曲ずつコメントしてみましょう。
1曲目「I Got Rhythm」は私の好きなピアニスト,松下美千代さんも好きな作曲家ガーシュインの曲。このアルバムはerimbaことマリンバ奏者の大橋エリさんと,HARCOことピアノ演奏の青木慶則によるものだが,多くの曲に大橋エリさんのご主人,ギタリストの後藤郁夫氏が参加している。1曲目はその3人に加え,クラリネットとトランペット,とローンボーンというホーン隊が入った賑やかなオープニングだ。
2曲目「What Game Shall We Play Today?」はerimba名義で活動していた時から演奏していた,エリさんが大好きな軽快で楽しい曲。その当時はエレキギターとの2人だったが,今回はアコーディオンを入れて,より柔らかい雰囲気。
3曲目「Sunday Morning」はいろんな編成でエリさんの演奏を聴いている私でも聞き覚えのない曲。でも,サビのトレモロのとても気持ちよい曲。水の泡のような効果音や中ほどから登場するアルトサックス,鳥の鳴き声からエレキギターのソロへという流れも楽しい。まさにアルバムごと日曜日の朝にピッタリ!
4曲目「世界の車窓から」はお馴染みの曲。エリさんがたまに共演している二胡奏者の程さんが途中で参加し,まさに世界の車窓からに相応しいアレンジ。
5曲目「第3の男」は続いてテレビでお馴染みの曲。エビスビールのテーマソングですが,実は1949年の英国映画『第3の男』の主題歌とのこと。
6曲目「Copacabana」はバニー・マニロウの曲とのことですが,フリューゲルホルンとトロンボーンのパートや,後藤氏によるバンジョー,そして後半のHARCO夫妻(青木慶則氏とQuinka, with a Yawnこと青木美智子さん)によるコーラスで,すっかり歌ものの原曲は想像できません。バラエティに富んだ楽しいアレンジ。
7曲目「Young Folks」では,マリンバにヴィブラフォンを重ね,後半からは二胡,そして徐々にドラマーでもあるHARCOによるドラム音(プログラム化されたもの?)も加わって,疾走感のある旋律。
8曲目「New Soul」はいかにもHARCOっぽいピコピコ電子音から始まるエキセントリックな仕上がり。ここでもベース音にマリンバを重ねて繰り返し,グロッケンで旋律を奏でるというアレンジ。後半ではマリンバが主役になってきます。
9曲目「Sugar Town」はもちろんマリンバと,そしてアコーディオンが中心になりながらも,いろんな楽器が登場してとにかく楽しい。そして,可愛い。
10曲目「L.O.V.E.」はナット・キング・コールの有名な曲ですが,erimbaとHARCOのマリンバ連弾。冒頭には赤ちゃんの声も入っています。大橋エリさん自身にも2歳になる娘さんがいるのです。そんな,小さなお子さんと一緒に楽しみながら家族愛を感じることのできる曲。
11曲目はHARCOを再び人気者にしたCM曲「世界でいちばん頑張っている君に」。HARCO自身の作詞作曲ではなく,正直いって私はそれほど好きな曲ではないのですが,ヴォーカルなしのマリンバの音色だと落ち着いて聴くことができます。

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お尻に火をつけて

鈴木亜紀 2008. 『お尻に火をつけて』晶文社,252p.,1700円.

鈴木亜紀さんはピアノ弾き語りのシンガーソングライター。今はなき,川越の「鶴川座」という,古い芝居小屋をそのまま利用したライヴハウスで行なわれた,ライヴイヴェントに出演していたのを初めて聴いた。ピアノの鍵盤がお客さんの方を向いていて,「お尻を向けてスミマセン」という一言がかわいらしく,「パン粉で揚げたものをまたパンで挟むなんて」というフレーズのある「ハムカツサンド」という曲が印象的だった。他の出演者はNUU,広沢タダシ,ハンバートハンバート,ハシケン,リクオという私の好きな人ばかりで,そのとき初めて聴いた有山じゅんじさんや,東京60WATTSなどもいたが,なんといっても鈴木亜紀にやられた日だった。
彼女がホームグラウンドとしている外苑前のZ・imagineというお店のマンスリーライヴにはその後4ヶ月連続で通ったような記憶がある。
ステージ上ではかなり素な状態の彼女だが,意外にシャイのような気がする。私はすぐに仲良くなれるミュージシャンと,顔見知りになってもなかなか打ち解けない人といるけど,鈴木亜紀さんは後者。私もなぜか緊張してしまい,未だに上手く話が口から出てこない関係。そんな彼女は以前,開演を待つお客さんに「さくらえび通信」という,誰もが小学校の頃に作ったような,手描きの新聞のようなものを配っていたらしい。旅行好きな彼女はそんな旅行記をまとめて書いていたのが「さくらえび通信」。残念ながら私はそれをもらったことはなく,もう作らないのかなあ,と寂しく思っていたら,過去のものがまとめられて一冊にされたのが本書。しかも,私もけっこう持っている晶文社から出版というから驚きだ。亜紀さんは以前にも自らの写真集を出版しているし,CDの方は10年間で3枚半というからのんびりだが。ちなみに,「半」というのは,本書と同時期に発売されたのは中ムラサトコさんとやっているイヴェント「鍵盤女」のライヴ盤であり,また自主制作盤であるから。
さて,本書の内容ですが,以下のような感じ。
i
惑星リリアナ(アルゼンチン)2004年5月
ii
Mの帰郷(愛知県湯谷温泉)2000年5月
北の冬(青森)200年3月
みんな中国へ行く(中国西安)1999年9月
もの思い(沖縄)1999年11月
ここは地の果て(スペイン)2001年11月
はずれの旅(島根県出雲)2001年4月
ただよう正月(沖縄)2001年1月
お尻に火をつけて(スペイン)2003年5月
iii
果ての海(アルゼンチンウシュアイア)2007年10月

1章はけっこう長い。1章分が1回に配られた「さくらえび通信」だったのだろうか。まあ,シンガーソングライターというのは詩人でもあるわけだから,こうしたちょっとした文章でもつまらないわけがない。ただ単に旅の行動が臨場感溢れて伝わってくるだけではなく,亜紀さんの心情の動きがよく分かるところが面白い。それに,そもそもが旅先での珍事がなんといっても素敵だ。上に,単なるお客さんとは誰とでも打ち解けるわけではない,と書いたが,そういう人ほど旅先での一期一会の度胸が素晴らしい。私なんて,そもそも人見知りだが,旅先での出会いなんて未知数なものに気体はできないタイプだ。そもそも,それが不安で旅はあまり好きではない。でも,他人の旅日記を読むのは好き。
さて,そんな旅日記だが,なんといってもシンガーソングライター鈴木亜紀として読み応えがあったのが,冒頭の「惑星リリアナ」。リリアナとは亜紀さんが惚れ込んだアルゼンチンのシンガー,リリアナ・エレーロのこと。亜紀さんは10年前にリリアナを知り,来日公演を待ち望んだが,日本では一部でしか知られない存在であり続け(まあ,CDは置いてあるくらいだが),一向に来日する気配がないので,アルゼンチンまで聴きに行った。この旅日記はその時のもの。そして,日本の人にもリリアナを知ってもらうべき,リリアナのCDの日本盤を,亜紀さんの解説付きで発売し,そして昨年はついに亜紀さんが企画してリリアナ来日公演まで実現したのだ。私もその話は亜紀さんのライヴでよく聞いていたので,吉祥寺star pine's cafeで行なわれたライヴには足を運んだ。そのライヴは満員御礼,大盛り上がりで大成功に終わったわけであるが,私的にはリリアナの偉大さをそれほど実感したわけではなかった。しかし,この旅日記を読んで,いかに初めてリリアナに会いに行ったときの亜紀さんの旅が面白いもので,また亜紀さんを迎え入れるリリアナファミリー(本当の家族という意味ではなくスタッフや周辺ミュージシャンなどのこと)の暖かさなど知り,その旅がいかに愛に満ちたものかを知ることができる。そんなこともあって,できれば,昨年のリリアナライヴの前にこの文章を読んでいれば,より楽しむことができただろうと思う。

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2008年9月のライヴ予定

なんか,平日が空き空きです。

9月1日(月)
渋谷PARCO劇場 おおはた雄一(チケット購入済み)
9月4日(木)
六本木アルフィー ウィリアムス浩子
9月5日(金)
祖師ヶ谷大蔵ムリウイ achordion(予約なし)
9月6日(土)
池ノ上bobtail casa/他(予約なし)
9月7日(日)
タワーレコード新宿店 Dew(フリー)
9月10日(水)
大塚GRECO 太宰百合+maiko
9月12日(金)
渋谷7th floor HARCO/種とも子(予約済み)
9月13日(土)
渋谷duo music exchange 広沢タダシ/他(チケット手配中)
9月15日(月,祝)
茗荷谷アスカフェ 永山マキ(予約済み)
吉祥寺strings 宮嶋みぎわ
9月18日(木)
外苑前Z・imagine 鈴木亜紀(予約なし)
9月20日(土)
新大久保グローブ座 湯川潮音(チケット購入済み)
9月21日(日)
渋谷JZ Brat Lynn(予約済み)
9月23日(火,祝)
青山UnCafe 山田タマル(抽選待ち)
9月25日(木)
大塚GRECO 太宰百合+tomoca+maiko
9月26日(金)
渋谷NHKホール BONNIE PINK(チケット購入済み)
9月27日(土)
日暮里bar porto dois mapas
9月28日(日)
恵比寿ガーデンホール double famous(チケット購入済み)

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雨続き

8月23日(土)

恋人の家で迎えた朝。彼女は昼間に近所でアルバイトだというので、私は家に残されて、前日借りてきたレンタルDVDを一人で観ることにする。わが家では小さなノートPCなのでDVDで2時間の映画を観る気にはならないが、彼女の家ではMacのデスクトップなので、けっこう観やすい。借りてきたのは塩田明彦監督の長編デビュー作『月光の囁き』。借りた時には忘れていたが、そういえば喜国雅彦による原作漫画は全部ではないが読んだ記憶がある。主演が水橋研二とつぐみという、邦画ファンのツボをつくキャスティングだ。といっても、まだ2人とも駆け出しの頃だと思う。1999年公開のこの作品で、撮影時に実年齢は20歳を越えていると思うが、高校生役。同じ剣道部に所属している2人。水橋は密かにつぐみに憧れ、盗撮写真や靴下などを密かに蒐集し、一人で愉しんでいる。しかし、とある日、水橋が友人に頼まれたラヴレターをつぐみに渡そうと一緒に帰る道すがら、つぐみから告白されてしまう。実るはずのない一方的な恋が実ってしまうと、逆に意味がないんですよね。そう、あくまでもこの男が求めていたのは、自分の方を向いていない状態での彼女だったのだ。この作品は、表面的にはそういうことではなく、この男が性器同士の接触よりも足に快感を覚えるといういわゆる形骸化された「フェティシズム」をテーマにしている。でも、この男の心情はもっと奥深いと私は思う。ともかく思春期のエロティシズムを上手く映がいた作品だと思う。このDVDは劇場公開から5年経って製作されたらしく、特典映像として、監督と原作者、主演の2人のトークセッションが含まれていた。この内容も興味深い。やはりこの2人の主演だったから良い作品になったと思うし、特につぐみはこの作品で彼女独特な演技が開花したのではないか。

さて、映画を観終わって駅で待ち合わせ。この日は渋谷で映画『デトロイト・メタル・シティ』を観ようと、15時の回の1時間以上前にシネフロントに到着したが、直前で「立ち見」マークになる。まあ、公開初日だからしょうがないと思い、その場で第二候補だった『TOKYO!』のチケットを買って、向かいのシネマライズへ。

渋谷シネマライズ 『TOKYO!
こちらも満席。この作品は東京という都市をテーマに、日本の俳優を用いて、アメリカのミシェル・ゴンドリー、フランスのレオス・カラックス、韓国のポン・ジュノという3人の外国人監督がメガホンを取った短編集。『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』で大好きなミシェル・ゴンドリー、『ポーラX』で不可解な刺激を与えてくれたレオス・カラックス。名前を忘れていたが、『ほえる犬は噛まない』で私の韓国映画嫌いを克服させてくれたポン・ジュノといういずれも魅力的な監督が東京を舞台にどんな世界を描き出すのか。
初っ端のゴンドリーにやられます。なにやら本人のサイトを見ると、多彩な活動をしている藤谷文子が主役。相手役に加瀬 亮。どこかで読んだところによると、当初チョイ役だった加瀬の演技をゴンドリー監督が気に入って出番を多くしたとのこと。演技はともかく、不可解なことが身に降りかかる藤谷文子と摩訶不思議な演技の加瀬 亮だけでも十分楽しめるが、2人がころがりこむ部屋の住人を演じる伊藤 歩ちゃんのぶっ飛んだ演技も見もの。そして、なんてことない役に妻武木 聡や大森南朋などを贅沢に使っているのもいいね。でんでんも出てるよ。ともかく、PVで培われたゴンドリーの不思議ワールド全開で興奮!短編ということですが、2時間で3人だから、思いの外長くて十分楽しめます。
続いてはレオス・カラックス。「下水道の怪人」という、緑色のスーツに身を包んだ、爪も髪も髭も伸び放題の外国人が銀座や渋谷の街を闊歩するという不可解な物語。下水道のなかになぜか第二次世界大戦中の日本軍の駐留した痕跡があり、そこで地雷を手にした怪人は渋谷の街でそれらをばら撒き一般人の多くを殺害する。そのことで逮捕され、世界で数人しかしゃべれないという言語をしゃべり、裁判になり、死刑が執行されるまで。もちろん、作品全体がギャグだとは思うのですが、カラックス監督独特の恐怖さえ覚えさせる暗~い雰囲気。どんなメッセージが込められているのか、分析するのも面白いかもしれません。
ラストのジュノ監督作品は、香川照之の引きこもり男が主人公。家から出ないので必需品は買い置きするのと、家にいるので退屈であるのと、一人暮らしの引きこもりは必然的に整理整頓魔になるという仮設。退屈しのぎに大量の本を読破したというその詰まれた本のなかに、雑誌『現代思想』らしきものがあったのには笑う。土曜日には決まってビザを注文し、決まって蒼井 優演じる配達人が届けにくるというシチュエーション。他人と接触したくないがために引きこもりをしている主人公だから、当然配達人と目を合わせたりはしないのだが、ある日このピザの配達人と目が合ってしまう。そこからは、恋物語。荒川良々などの名優(?)がちらほらチョイ役で出ているのにも注目。ほのぼのしていて素敵です。そうそう、これが『ほえる犬も噛まない』の雰囲気でしたね。
かつて、日本人監督による『Jam films』という短編集があり、こちらも不可解な設定でまあまあ面白かったけど、やっぱり短編といっても3本くらいがいいよね。ともかく、個人的には大満足でした。

そのまま2人で下北沢へ。久し振りのお好み焼き。美味しかったけどけっこう高いんだよねえ。

下北沢ラ・カーニャ casa
ラ・カーニャ初出演のcasa。この日は2ステージですが、2ndではトランペッターの島 裕介さんと3人の演奏。2人で赤ワインを頼んだら、その味に恋人が飲めないというので、2杯飲む。気持ちよくなって、夕紀子さんの美しい歌声にウトリウトリ。いやあ、こういうのもいいものです。恋人はあちこち移動してシャッターをパチリパチリ。まあ、お客さんは10人程度だったこともあって、「常連、また来たね」といって島さんが挨拶しにきてくれました。恋人を紹介するとなんだか島さんも嬉しそう。casaに参加する島さんも久し振りだったので、嬉しい。バンド編成で島さん付きってのも魅力ですが、2人に島さんだけ加わるというのもシンプルで素晴らしい。オリンピックも大詰めで天気も悪い日でしたが、やっぱりもっと多くの人にcasaのライヴを聴いてもらいたいなあ、と思う夜でした。

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休みを入れ替えて、昼間のジャズ

8月22日(金)

渋谷TOEI 『旅するジーンズと19歳の旅立ち
『旅するジーンズと16歳の夏The Sisterhood of the Traveling Pants』という3年前の映画の続編。邦題は分かりやすく違うタイトルにしましたが、原題には16歳と入っていなかったので、珍しくタイトルそのままで「2」とついているのが続編の原題。アメリカに住む女子高生4人の仲良しが主人公だった前作。アメリカということで、髪の色も目の色も、体型も異なる4人が離れ離れになる夏休み。なぜか違う体型でも4人ともピッタリ履けるという不思議なジーンズに出会い、これを2週間毎にそれぞれの滞在場所に送って、履きまわす。そして、このジーンズが4人それぞれに幸せをもたらすという物語。
3年経ち、故郷を離れ、それぞれやりたいことを目指して大学に進学する。そのなかでも元恋人の結婚。母親の再婚、母親の自殺からなかなか立ち直れない父娘。恋人との初性交の後での想像妊娠。さまざまな困難を一人で乗り越えようとしたりするが、夏休みに久し振りにこの「旅するジーンズ」に頼ろうと4人が集まる。しかし、以前ほどの連帯感がなく、ジーンズの魔力も力を失っているように思える。中盤、この4人の間にいくつかの溝ができ、皆困難にくじけそうになるが、最終的にはジーンズは4人の絆の象徴にすぎず、4人のうちの一人の妹が紛失してしまったジーンズをめぐって4人は結束し、結局ジーンズは見つからないが、4人の友情の大切さを再認識するというラスト。こう、私の言葉で書いてしまうと有体のストーリーに思えますが、ディデールがとてもよくできている作品だと思います。父娘のエピソードでは思わず号泣。3年前の前作もすっかり忘れてしまっていましたが、4人の顔を思い出すと不思議とそのシチュエーションも思い出し、中盤からはすっかり引き込まれました。巷では「セックス・アンド・ザ・シティ」がもてはやされていますが、年増の4人がゴージャスに着飾るよりも、素顔で美しいこの4人たちの物語を私は支持したい。

恋人と新宿で待ち合わせて昼間のpit innへ。

新宿pit inn 松下美千代トリオ
このお店は普段私が行っているようなお店よりもかなり本格的なジャズのお店。私は以前、NUUちゃんがゲストで呼ばれたピアニスト塩谷 哲さんのライヴで行ったことがある。その時はドラムスが山木秀夫さん、ベースが井上陽介さんだった。今考えてもすごいメンバーだが、ジャズは何も分からないながら、その日の演奏はすごかった。でも、空いている席が右の端っこしかなくて、山木さんのドラム捌きがほとんど見られなかったんだよな。それ以来、山木さんも塩谷さんも生演奏を見ていない。
さて、この日はさすがに平日の昼間(普段は木曜日が休みだが、この週は金曜日に入れ替えた)だということで、会場時間ピッタリに来たのはわたしたち2人だけ。15分遅れで開場するときには5人ほどのお客さんが集まりましたが、席は選び放題。後から来た美千代さんの女性友達3人組みがピアノの前の最前列を占めましたが、わたしたちは中央の2列目を陣取る。トリオメンバーはいつもどおり、ベースは工藤 精、ドラムスは斉藤 良。やはりstringsやJammin'のようなお店とは違い、それらより広い空間ではそれぞれの楽器の音量バランスがちょうど良い。いつもはドラムスの音が勝ってしまいますが、この日はベースの音がとてもよく聴こえ、工藤さんの演奏を見直したりして。そして、この日はゴスペルレッスンの先生として来日している黒人シンガー、エリックさんが飛び入りでスティービー・ワンダーの曲を歌ってくれました。ちなみに、美千代さんはゴスペルレッスンでの演奏もしています。そして、さらに後半では、隣のスタジオにリハーサルに来ていたという音楽仲間たちが飛び入りでジャム・セッションのような状態に。ギターとアルトサックスが入り、斉藤さんに代わって、なんと工藤さんの弟さんがドラムスを叩く。もう一曲では工藤さんの代わりにベーシストが入り、斉藤さんが戻ってのトリオ演奏。お客さんは10人程度でしたが、いろいろ楽しいライヴでした。

渋谷に移動して、早目の夕食を食べて恋人とは別れ、一人で映画。

渋谷シネ・アミューズ 『この自由な世界で
英国のケン・ローチ最新作。またまた思いテーマです。33歳のシングルマザーが主人公。外国人労働者を多く扱う人材派遣会社で働いているが、仕事後の呑み会でちょっとしたセクハラにあって、上司に酒を浴びせたらクビ。どうやら30もの会社をこうして渡り歩いているとのこと。小学生の子どもは両親に預けっぱなしで、子どもも学校で母親をからかわれ、同級生を殴ってしまう。そんな彼女はついに腹を決め、仲の良い友達とふたりで起業を決意。その会社で培ったノウハウとコネを使って外国人労働者専用の人材派遣会社を作る。そのうちに不法滞在の外国人にも手を出し始めるが、ある日雇用者が不渡りを起こし、数十人の労働者に2週間分の給料を払えないという問題発生。そこから歯車がかみ合わなくなってきて危ない目にあったり。
とにかく、毎回ケン・ローチの作品は現代社会の問題を的確に捉え、それをドキュメンタリータッチでリアルに描きます。といっても、ドキュメンタリーではなく、あくまでもフィクションなのがよい。問題を具体的にではなく、抽象化されたものとして考えることができるから。状況は違え、物語の舞台であるロンドン固有の問題としてではなく、わたしたちの社会でも共通する問題として考えることができるからだ。まあ、ともかく生きるのは簡単ではないことを教えてくれる作品。

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貴重、HARCOギター弾き語り

8月21日(木)

この日も夕立。新高円寺の駅を降りると土砂降りでした。ちょっと早かったけど、地下にあるライヴハウスの階段で開場を待つことにする。

高円寺CLUB LINER
整理番号は2番だったので、1番に会場に入る。久し振りのスタンディング。途中の新宿駅でおにぎりの軽い夕食を済ませてきたので、生ビールで食後の食道をすっきりさせようと思ったが、気のせいだとは思うが、このビールがなんとなく便所臭い。このCLUB LINERというお店、ミュージシャンが経営しているらしい。この日のイヴェントの企画者はマスザワヒロユキ氏らしいが、彼もこのお店=会社の社員とのこと。ミュージシャンが演奏しやすい空間作りをしているのかどうかは分からず、ごく普通のライヴハウス。
HARCO:なので、この日は2マンライヴだが、HARCOが先鋒。すっかり伸びていた髪がカットされていました。しかし、短くなるのではなく、前髪を長いまま残し、どう表現したらよいのか難しいがちょっと斬新なスタイルに。知人の靴職人に作ってもらったという自慢の靴も履きすぎているのか、右足のつま先の靴底が少しはがれてきている。まあ、そんなことはどうでもよいが、この日のHARCOは妙にリラックスしているように思います。ゆる~い感じでよくしゃべる。初めて演奏するお店ではありますが、1対1のツーマンライヴで、しかも招待された形なので気が楽なのかもしれない。「カーブミラー」と「ナズナの茶漬け」というライヴで馴染みの曲を軽く演奏した後で、ライヴでは初披露だという新曲「ペンを置いたって(仮)」。これが穏やかでありながらけっこう難しい名曲。今後の曲作りの方向性に期待させる1曲ですね。
さて、ここでステージ右側に位置していた電子ピアノから、右側にセッティングしてあったギターに移動。マスザワ氏のかと思ったらHARCOのだったんですね。一人では初というギターによる弾き語り。「夏ですねえ、プールに行きましたか」という振りから「プール」を演奏し、続いてやはりギターといえばこの曲。「アパート」です。MCで自身も話していましたが、やはり昔の曲は「いやらしいこと妄想系」という感じの歌詞が多く、なんとも面白い。そして、ギター弾き語りの最後は「人」。アルバム『HARCO』に収録された曲で、私も多分ライヴで聴くのは初めて。この曲は佐野元春の「クリスマス・タイム・イン・ブルー」と同じように、さまざまな人の種類を挙げていくという歌詞。そこを「高円寺の人」などとその場で内容を換えていくサービスぶり。いいですねえ、ギター弾き語り。本人曰く、「昔はけっこうギターで曲作りもしていて、ピアノ弾き語りでは演奏しにくい曲もある。最近はピアノが面白くなって曲作りはほとんどピアノでやっている」とのこと。ちなみに、この日は私は右側の最前列にいたのですが、そこから見渡す限り、お客は全員女性。どうやら後方に男性の姿も何人かあったようですが、私の推測ではけっこうマスザワ氏を目当てにきた客が多かったようです。そういう場ではHARCOはけっこうリラックスしてはしゃいだりするんですよね。なかなか貴重なステージでした。あ、まだ終わってませんね。再びピアノに戻り、「文房具の音」「世界でいちばん頑張っている君に」と定番曲から、ラストはオリンピック開催中ということで、特に女性アスリートに向けて唄う「夏のヒーロー」でしめる。
マスザワヒロユキ:ガールハントなど、いくつかのバンドで活躍するというマスザワヒロユキ。私は初めてです。彼はギター弾き語り。なにやら数日前に下北沢の駅の階段から落ちたそうで、左足の靭帯を痛め、ギプスをつけての登場。1曲目を聴いた限りではけっこういい感じでしたが、盛り上がってテンポの良い曲になるほどやはりスタンディングが似合う感じで、私好みではなくなってきました。しかも、HARCOが9曲だったのに、前半のおしゃべりも多かったのに、後半は次々と歌い続け、12曲あまりを演奏。おしゃべりも、しゃべりたいという気持ちが先に出て、「あのー」ばかり繰り返し、論理的な話し方ではない。まあ、面白いけどね。
最後にアンコールではHARCOも登場し、「Night Hike」を2人で演奏。CD購入者にはサインだけではなく、希望者には「抱擁」もします!というHARCOでしたが、私は大人しくそのまま帰宅することにしました。

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バーガー屋でライヴ

8月20日(水)

この日はジャズ・ヴァイオリニストmaikoさんによるJZ Bratでの自主企画イヴェントの第1回が行われていたが、なんとなくパス。やっぱりチケット台が高いんですよね。まあ、4000円といえば驚くほど高くはないけど、ドリンクのみの普通のライヴハウスとかだったらいいけど、ここは料理も高いので、どうしても敬遠してしまいます。でも、他のライヴに行くのもしゃくなので、この日は行かない予定でした。
でも、会社が全く暇で、デスクでblog日記を書いたり、論文を書いたりしていたので、夜に家でやることないや、と思って急遽ヤマカミヒトミさんのライヴに行くことにした。

J.S.バーガーズカフェ青山店 ヤマカミヒトミ
なんと、普通のハンバーガー屋でのライヴということで、一応ライヴチャージはあったけど気軽な感じかと思って出かけた。しかし、行ってみると一般営業は18時半に終了していて、ハンバーガーは食べられるけど、完全にライヴ仕様になっていた。しかも、すでに7月に2回、8月にも2回開催されているライヴイヴェントとのこと。第1回目がカセットコンロスの和田 真さんで、2回目は今野英明さん。で、来週がBE THE VOICEと、全てヤマカミヒトミさんと深い関係の人たち。なにやら予約も随分入っていたようです。私は予約なし。この日はサカウエ君も来ているということで、客席を探すと、なにやら女性連れでした。しかも、3人席にはならない狭いテーブルなので、合流はせずに最前列の席で一人ビールを飲み、アボカドバーガーを食べながら読書で開演を待ちます。隣のテーブルにはdried bonitoのうっしーさんも来ていました。
この日もヤマカミヒトミさんはギタリスト平岡雄一郎さんとのデュオ。この日は平岡さんのギタープレイを凝視してみる。平岡さんはhitmeさんはもちろんのこと、トランペッターの島さんからも「日本一の腕前」と評されている。まあ、素人ですらないギターをいじったこともない私は、平岡さんのギターに、笹子さんの演奏を初めて聴いた時ほどの驚きを感じなかったが、今回その演奏する手の動きをよく見ると、一音一音をすごく丁寧に弾いていることが分かる。リーダーとして活動していない平岡さんはいつもリーダーとしてのhitmeさんや、さまざまな女性ヴォーカルを引き立てるような演奏だが、まさにそういったフロントに立つ人の演奏に被らないほどの音量で、確実な旋律を奏でているんだな。多少は彼のすごさが分かったような気もします。それにしても、hitmeさんが平岡さんのことを「思わず軟派してしまいました。」というと、「どこまでもついていきます!」と平岡さん。お互い素晴らしいミュージシャンでありながら、謙虚なところが良いですね。

21:10までの予定が、15分以上の休憩を挟んで、結局アンコールも含めて21:40まで。実は休憩時間には外は土砂降りで、それを心配してくれた私の恋人が近くであるバイトをしていたので、仕事の後に迎えに来てくれました。幸いというか残念なことに、終演時には雨は上がってしまったのですが、時間的にはまだ早いので、表参道駅の地下にあるお店で軽く一杯。

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会社に来てはいるんだけど...

なぜか昨日の日記を更新しています。

8月19日(火)

恋人と待ち合わせて献血。10:45について、400ml全血献血の彼女はすぐにでもできるが、成分献血の私は11:30頃になるという。まあ、そもそも種別の違う2人を同時にやってくれって方がちょっと虫がいいので、時間にも余裕があったし、やることにした。でも、やはり11時ってのが予約の指定時間になっていることもあり、検査のために待っていると、次々に予約客に追い越されていく。結局、私の採血が始まったのは11:25くらいで、彼女の採血が終わる前だったので良しとしましょう。先に終わった恋人には次に観る映画のチケットを買ってもらったりして。でも、有楽町の献血ルームが入っているビルの1階にチケット屋さんがあるんですよ。まあ、無事に採血を終え、映画の時間までは余裕があったので、MUJI cafeで軽くランチ。平日だというのに混雑しています。そして、なぜかこの日は外国人多し。

シネスイッチ銀座 『たみおのしあわせ
三木 聡作品の常連俳優、岩松 了氏の監督作品。恋人情報によれば、彼は舞台の演出とかもやっているという話。さて、主演はオダギリジョーと原田芳雄。長髪を一つに結い銀縁眼鏡、シャツのボタンは一番上まで閉め、もちろんシャツはズボンのなかに入れ、白いソックス、1960年代っぽい襟の大きなジャケット、洋服は父親と一緒に買いに行くという、オダギリジョー演じる息子、民男が、数多くのお見合いからついにたどり着いた相手の女性、瞳を麻生久美子が演じる。こちらはファッションセンスもごく普通で一見民男とは不釣合い。そんな民男の父親を原田芳雄が演じる。原田芳雄の演技は素晴らしいと思うが、『歩いても 歩いても』などここのところの役どころがいつも同じなのが残念。でも、キャスティングも含め、全体的に楽しめる作品です。ちなみに、民男は早くに母親を亡くしますが、その母親役は原田貴和子。懐かしいですね、原田知世のお姉さんですよ。
父と息子、その結婚相手、という形で進むのかと思いきや、ある日、天井裏からこの父息子の生活を覗く小林 薫が登場する。この男、15年前に渡米した母親の弟。民男からすると叔父さん。まあ、この辺りから物語りは複雑になって、最後の結婚式のシーンへと進んでいくのですが、いろんな人が出てきて俄然面白くなります。主たるところでは父親が手をつけようとしている彼が勤める会社の販売レディを演じるのが大竹しのぶ。新入り販売レディに江口のり子とか、チョイ役で登場するのは忌野清志郎。清志郎が登場するシーンはかなり面白いです。その連れとして監督自身も出てくるし。でも、役者としていつも発揮している逆的なものは意外と少ないです。まあ、結末がある意味大きなギャグみたいなものですが。
もうそろそろ公開終了してしまうと思いますが、この不可解(?)な結末を自分の目で確認してみてください。

恋人のこの日の要求で夕食はカレー。夜は渋谷でライヴなので、ムルギーを考えていたが、有楽町イトシアの地下に入っている「東京カレー屋名店会」に変更。私が行ったことのある神保町エチオピアをはじめ、銀座デリー、神田トプカ、京橋ドンピエール、本郷プティフという5店舗からなります。さまざまな組み合わせのセットもあり、結局2人で、デリー以外の4店舗のカレーをいただきました。どれがどれだか覚えていませんが、どれもきちんと本店で味わいたくなります。
ここで別れるつもりが、私が行く予定のライヴに彼女もついてくることになりました。そう、橋本 歩さんとはけっこう仲良くなっているのに、まだair plantsのライヴは聴いたことがないんですよね。歩さんの渡米で当分ライヴでは聴けないし。

渋谷7th floor air plants
ということで、開場時間の19時に到着すると、やはり7階エレベータ前で皆さん待っています。あまりにも暑いので、われわれは一旦1階に降りて、コンビニで涼み、10分後くらいに上がると開場していました。そして次のエレベータではサカウエ君が上がってきたので、3人一緒のテーブルに座ります。なお、今回は前回7月のワンマンの時のアンケートで予約をしていましたが、1人分だけだったので、恋人の分をどうしようかと思い悩んでいたところ、予約表に私の名前はなし。「ありませんねえ」って私がいうと、受付の人が「あ、大丈夫です」というので、難なく2人分予約料金で入れました。
相当のお客が集まると思いきや、通常営業でテーブルも出ています。最終的には満席で立ち見もいましたが、60人くらいでしたでしょうか。客席には歩さんがサポートしているthe primroseの松井敬治さんや平岡恵子さん、カセットコンロスのふけとしおさんなど、ミュージシャンの姿も多数。ほぼ開演時間どおり、まずはair plantsの3人の演奏で始まります。嘉多山さんの髪が短くなっていてビックリ。いや、若返りましたよ。3曲ほど演奏して、はじめのゲスト、Tajaの田中菜穂さん登場。初っ端からテンション高く、しゃべりまくります。隣の阿部美緒さんタジタジ。といいながらも、2曲だけの歌声もさすが、素敵。2曲目は森山良子さんが歌っている曲(曲名忘れ)でCDでは歩さんもチェロを入れているとのこと。続いてのゲストはリクオさん。こちらもテンション高い。この日はゲストのオリジナル曲ではなく、air plantsのメンバー(といっても歩さんだろうけど)からのリクエスト曲。1曲目は南 佳孝「スローなブギにしてくれ」。あれー2曲目なんだったけな。以前はblogを書くのが1週間遅れのせいで忘れるって言い訳してたけど、かなり記憶力悪いんだよね。その他にはパーカッションの朝倉真司さんとハーモニカの松田ari幸一さん。朝倉さんはもちろんのこと、この日初めての松田さんのハーモニカも本当に素敵。ゲスト出演を終えた田中菜穂さんは終始後方で盛り上がっていましたが、全体的にお客さんは大人しめでした。でも、ステージ上は徐々に盛り上がりを増して、前回と同様レッド・ツェッペリン風「Caravan」で歩さんヴォーカル&美緒さんテルミンで盛り上げて、ラストは「帯広」でしっとりと。もちろん、アンコールはあるんだけど、号泣の田中菜穂さんを含め、ゲスト総出演のステージはリクオさんの歌声で盛り上がりながらも湿っぽくもあり。お客さんも含め多くの人の目に涙が浮かんでいました。
歩さんは、これだけの演奏を見せ、これだけ多くの人に愛されながら、自分の演奏には自信がなく、誰にも愛されていないのではと錯覚することもある、ということを告白。このボストンでの1年間はその自分の自身のなさを告白するための修行でもある、というようなお話でした。まあ、それは歩さんの正直な心情で決して謙遜などではないのですが、そんな人柄が歩さんなんだよなあ、なんて思ったり。終演後、歩さんは松井さんと随分話しこんでいたり、久し振りに会う人もいたりだったので、こそっと帰ってきました。24日の本門寺は魅力的な出演者だけど、ちょっと行けないなあ。ってすでにmona recordsのチケット買っているし...

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帰省したおかげでオリンピックにはまる

8月15日(金)

この日から2泊3日で埼玉に帰省する予定。最近は母親を呼び出して、大宮あたりで映画を一緒に観てから一緒に帰るといったパターンにしていたが、母親は今年の暑さに堪えたようで、外出を拒んだため、途中で一人で映画を観てから帰ることにした。

テアトル新宿 『ひゃくはち
まさに今、甲子園で熱戦が繰り広げられている高校野球。それをテーマにした映画。アニメを含む野球一筋青春スポ根ものとはちょっと違います。舞台は毎年甲子園に出場し、優勝争いに絡んでくる横浜の私立高校。日本全国から野球特待生を入学させるこの高校のなかで、地元から一般入学して野球部入りした2人が主人公。斎藤嘉樹演じる雅人と、中村 蒼演じるノブとは仲良し野球部員だが、1年生で観客席から応援していた甲子園大会が終了して、「これからは俺たちの時代だ」と息巻くが、彼らの目標は2人揃ってのベンチ入り。はじめからレギュラーは狙っていない。レギュラーを演じる高良健吾と北条隆博の2人は私もけっこう何度かスクリーンで見たことのある俳優。明らかに20歳はすぎていると思うが、丸坊主にして臨みます。予告編では「お前らレギュラーに俺たちの気持ちなんか分かるか!」というシーンがあるが、この4人は寮でも同室で、とても仲が良い。
さて、上述したこれまでのスポ根ものとは一味違うと書いたのは、単に補欠を主役にしているからだけではない。寮長に立候補した雅人は結局副寮長になるのだが、屋上に上がって洗濯機のなかからなにやら缶を取り出し、そこから出てきたのは煙草。屋上で煙草をふかすのだ。そこに登場した新聞社の高校野球担当記者が市川由衣演じる新米記者を連れてくる。彼女は煙草を吸っている雅人に驚くが、この先輩記者は「高校球児にとっての煙草はサプリメントみたいなもんだ」という。他にも地区大会が終わると、女子大生を相手に4対4の合コンをして、雅人はそのままその一人をものにしてしまう。前半はそんな感じで、野球以外にも愉しみを見出す高校生の姿が描かれる。この辺が面白い。
しかし、かれらとて、万年補欠に甘んじるだけのダメ球児ではない。最後の展開はあえて説明しないが、観客をグイグイと引き込んでいく、その展開はなかなか面白い。一味違った野球ものの名作が一つできましたね。
新宿三丁目駅から副都心線で池袋まで、池袋からはちょうど新宿湘南ラインが来て、乗り継ぎよく東鷲宮まで。久し振りのテレビ鑑賞はすっかりオリンピックにはまってしまいました。

8月17日(日)

鷲宮から戻ってきます。帰りは武蔵野線を使ったらやたらと乗継が悪く、聖蹟桜ヶ丘まで2時間かかってしまった。埼玉ではやんでいた雨も、東京ではだんだん強くなってきます。そんななかを麻布十番まで再び出かけます。

六本木rolling stone cafe 山田タマル
恋人と待ち合わせて、六本木ヒルズ近くのrolling stone cafeへ。前々回まで銀座のcafe ohanaで開催されていた山田タマルのカフェライヴ。前回は行けなかったので、このお店に来るのは初めて。3階にありますが、建物の外にある階段は雨の日に待つのは最悪。ということで、リハーサルが遅れていながらも、店内で開場を待たせてくれました。整理番号は12番だったけど、来なかった人がけっこういて、中央の2列目になりました。赤ワインに「スパイシー・カーリー・フライ」などというのを頼んでみる。ジャガイモをドリルでくりぬいたかすのような状態で揚げられたもの。揚げ立てだったのでけっこう美味しい。この日のタマルさんはパーカッションに高橋結子さんと、ギターに板垣ゆうすけ(漢字分からず)さんを招いてのステージ。タマルさんのサポートはけっこう安定していない。私的にはキーボード佐藤真吾さんとパーカッション朝倉真司さんとの3人の組み合わせがベストだと思うが、この日の3人の組み合わせもなかなか良かった。私はいろんな場所で聴いている結子さんの演奏だが、恋人も彼女の演奏は気に入った様子。ギターの板垣さんも控えめだけどエッジの効いている演奏で、よし。タマルさんのギターもしっかり聴こえるのがとても良い。前半のカヴァー曲では、サザンの「TSUNAMI」やら「ロマンスをもう一度」やら、マドンナの「like a virgin」、ノラ・ジョーンズなど。ボサノバ風味というのがこの日のテーマ。そして、前半のもう一つの目玉は私のリクエスト。もうすでにこのblogに書いたように,8月13日は恋人の誕生日。誕生日デートもプレゼントも特にサプライズ的なものはなかったので,このライヴを借りて仕込んでおきました。といっても,一通のメールを送っただけなので,それが実現するかどうかは分かりませんが,彼女のためにタマルさんがバースデイソングを歌ってくれるというもの。さすがに,誕生日当日でもないのに彼女のためだけにってのは気が引けたので,他にも8月生まれの人がいればご一緒にどうか,とメールしたところ,まさにその通りになりました。お客さんで8月生まれは3人いました。しかも,なぜか皆前の方に座っていた人で,私の恋人以外に男女一人ずつ。
タマルさんが板垣さんに「あの曲はボサノバになりますかね?」といいながら,ギター演奏が始まり,3人の名前を一通り聞いて,「ハッピバースデー」って感じ。結局,私の恋人は喜んでくれたようですが,その場ではそれが私の仕業だとは分からなかったとのこと。
さて,私が彼女がそのことを分かってくれたのかくれないのか分からなかったので,あえて休憩時間にその話題はせず。2ndセットはオリジナル曲。「My Brand New Eden」や「秘密の静寂」「A Beautifl Day」「Love you ROSE」「祈り」といった,シングル曲&定番曲だったのはちょっと残念だった。やはり人数限定のカフェライヴなんだし,お客さんも相当のファンばかりなのでやはり数曲はレア曲をやってほしいもの。新曲は,ワンマンでのみ披露していた「青写真」を含んで数曲やりましたけど。そして,アンコールは弾き語りの「各駅停車の恋」。でも,もちろん久し振りのタマルさんの歌声は素敵だったし,ギターはなぜか腕前が上っていたような気がする。そして,MCはいつもどおりまだちょっとたどたどしいかな。2,3年前のありましのちゃんのMCにちょっと似ている。しのちゃんもそれから最近は随分自然な感じで良くなってきたので,タマルさんもすぐにいい感じになるでしょう。このカフェライヴはその練習の場にしてくれたらいいのではないでしょうか。この日は18時スタートで20時前には終わってしまったので,もっとじっくり時間をかけてゆっくりやってもいいのかも。
終演後はやはりいつもどおりお客さんを見送ってくれた。私はバースデイソングのお礼をいうと,恋人に対して「当日は楽しく過ごせましたか?」などとけっこう突っ込んでいました。ちなみに,次回はまた会場を代えて,青山ブックセンター本店の向かいのUnCafeです。

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トニオ・クレエゲル

トオマス・マン,実吉捷郎訳 1952. 『トニオ・クレエゲル』岩波書店,98p.

『魔の山』などで知られる,トオマス・マンの1903年の自叙伝的作品。28歳の時に執筆。私はマンの作品は初めて読みましたが,単に先日鎌倉に出かけたときに手持ちの本が読み終わりそうだったので,小町通の古書店で買い求めたもの。マンの作品を読んでみたかったが,薄かったのが決めて。
巻末の解説で,ゲーテの『若きウェルテルの悩み』と並べているように,本作は若き主人公トニオ・クレエゲルの恋の苦悩を描いている。トニオは男だが,美少年の同級生,ハンス・ハンゼンのことが大好きだった。それは別に同性愛を強調するような物語ではない。以前にも紹介したように,プラトンの時代には愛といえば美少年に対する男性の感情だったのだし,同性愛が文学の主題となるのは同性愛が禁じられる時代においてである。といっても,本作が書かれたのはまさに同性愛が禁じられた時代だと思われる1903年であり,プラトンの時代よりはまったくもってわれわれの時代に近いのだが。まあ,ともかくやっと実現したハンスと2人きりで帰る下校の道が,インメルタアルという男の子に邪魔されてしまう。
そして,突然話は16歳に飛ぶ。その頃トニオが恋したのはインゲボルグ・ホルムという女性だった。しかし,彼女はクアナク先生に憧れているようで,そもそもインゲには大して近づけはしないのだ。
そして,また突然話は変わる。彼はそんな思い出の詰まった幼少期を過ごしたその町を離れて,一人旅を始める。ミュンヘンからコペンハーゲンまで,自分の家系を辿る旅。しかし,奇妙にも,その地でハンスとインゲがカップルでいるのに出くわす。結局,トニオはその2人に接触することはないので,なぜその2人が一緒なのか,そしてなぜそこに来ているのか,ということは全く分からない。ひょっとしたらそれはトニオの幻想なのかとも思える。
まあ,ともかく短いのに,なんともよく分からない物語だ。別に哲学的な内容が含まれているわけでもないのに。それは単純に私の物語解読能力の問題か。

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夏休み終了

8月12日(水)

この日のライヴは行くのをやめようとも思っていたが,この週は他に行くライヴが少ないので行くことにした。初めて行く荻窪velvet sun。荻窪駅からは思いの他遠かったが,1階にあるお店ですぐに見つかった。

荻窪velvet sun
青梅通り沿いにあるお店で,通り側にピアノがありステージがある。通りに面してガラス窓があり,通りの往来を見ながらステージを見る感じ。なかなかいい雰囲気ですね。この日の三木千夏さんはecoさんをサポートに迎えていることもあり,ecoさんファンのまさきさんが先に来ていたので,同じテーブルに座らせてもらう。このお店はおつまみもけっこうあるので,お店お勧めのチョリソーをいただきながらギネスビールで開演を待ちます。開演前に客席は満席になり,プラネタリウムのアコーディオン奏者佐藤さんや,MitaTakeの三田君,彼と一緒にいる女性はトランスパランスの人か。他にもvice versaのあゆこさんもいます。
天国:この日のトップバッターは男性2人組。一人がピアノを弾き,一人は裸足でステージに立ちかなり抑揚のある感情表現のシンガー。声量が大きく,一風変わった楽曲も珍しいが2,3曲聴くのがちょうど良い感じ。
三木千夏:one toneが昨年の5月に活動休止になって,ソロとしての千夏さんの歌声を初めて聴いたのは今年の6月。それから早くも3度目になります。6月のleteの時もecoさんと一緒だったけど,この日はグランドピアノで歌で加わる場面も多く,いい感じです。千夏さんの歌声はやっぱり素敵なんだけど,ソロではちょっと物足りない感じがするのは望みすぎだろうか。
戸田和雅子:その次に登場する戸田さんの歌声を聴くとやはり貫禄を感じます。まあ,確かに戸田さんもソロでやりはじめてかなり長いし,年齢も千夏さんとはかなり離れているし(失礼)。この日はCDに収録された曲は「霧雨」1曲のみ。といっても、彼女の場合には新曲だか、昔に作った曲だか、イマイチ分からないが、ともかくそんな曲たちを掘り起こして演奏するというのが、この日のテーマだったらしい。そのせいでメチャクチャ緊張しているといいながら、1曲目が終わってギターを置いて伸びをしたり、またまた面白いMC連発だったり、そういうこと自体が緊張している人のやることじゃないような気もするが、まあそこが戸田さんらしい。そして、一人弾き語りはちょっと久し振りだが、素晴らしいステージだった。
終演後もバタバタしていて、結局ecoさんとお話しただけ。彼女のライヴはここのところ少なく、全然行けてないのだが、5月に作ったお話付きCD『喫茶ハーモニカ』を購入する。

8月13日(水)
この日は恋人の誕生日。ということで、映画もライヴもなし。この日の行動はプライヴェートということで、書きません。

8月14日(木)

川崎TOHOシネマズ 『ダークナイト
なぜか恋人が異様に観たいといっていたので観ることになったバットマンシリーズ。私は映画版は1作も観たことがないが、まあこの手のは独立した作品としての楽しめると思い、観ることにした。しかも、TOHOシネマズは14日(十+four)がサービスデイということで、鑑賞料が1000円。しかも、ネットで予約できるので、事前に席を確保して川崎に移動。
久し振りに見応えのある作品だった。それはこの日同じスクリーンで観た百数十人の観客の反応でも分かる。この種の大作は大抵エンドロールが流れ始めると席を立つ人が半数ほどで、残っている人も途端に感想などをしゃべりだす。しかし、この作品では、満席になった客席は微動だにせず、しかも口を開く人もいない。2時間半という長時間にわたったにもかかわらず、観客は放心状態か、あるいはエンドロールまで集中して観ている。これだけ映画を観ている私だから、度肝を抜かれるということは滅多にないし、この作品でもその表現があてはまりはしないが、全体を通して圧倒的な存在感のある作品だったことは間違いない。
まずは先日亡くなってしまったヒース・レジャーが演じるジョーカーの存在感。ヒースの遺作は『アイム・ノット・ゼア』だと思っていたが、この作品だったんですね。まあ、狂気に満ちた悪役という役どころは大抵の役者が羽目を外して素晴らしい演技を見せるが、ヒースもまさにそんな感じ。まあ、その演技は多くの人に絶賛されているようだが、私が驚いたのが、ゴードン警部役のゲイリー・オールドマン。ゲイリーといえば、『レオン』をはじめとするリュック・ベッソン作品などで、狂気の犯罪者などを演じさせたら彼の右に出るものはいないという私の印象だが、その彼が加齢も手伝って、非常に落ち着いた警察官の役で狂気のジョーカーに相対するという、この設定がなんとも憎いキャスティングです。そのあまりもの役どころのギャップに私は観ながら何度も彼がゲイリーかどうかを疑ったものだ。それにしても、バットマンシリーズについては全く無知だった私だが、まさかバットマン本人がやり手の経営者だとは知らなかった。そして、彼を支える長老役がモーガン・フリーマンとマイケル・ケインってのも渋すぎます。ともかく、もちろんCGはたくさん使っているんだけど、基本的には生身の人間臭い動きってのも嬉しいところ。
ちなみに,タイトルの「ダークナイト」は暗い夜のことではなく,暗黒の騎士のこと。knightです。

観終わって、京急線で川崎から品川に移動。ちょっと雨がぱらついていますが、向かったのは野外のフリーライヴ。なにやらジャズのお祭りのようで、昼間っからかわるがわる演奏が続けられているようで、私のお目当てはすでに5組目。stringsなどでよく目にするおじさんも来ています。

品川セントラルガーデン Risk Factor
Risk Factorとはフルート奏者、太田朱美さんが率いるジャズバンド。大学では生物学科だったという朱美さんがつけたバンド名は「危険分子」の意味。キーボード石田 衛、ベースはBophanaの織原良次、ドラムスが橋本 学という4人組。太田朱美名義の『Risk Factor』と名づけられたCDはこのメンバーによる演奏がほとんどだが、ライヴで聞くのは初めて。炎天下のなか、なぜか私は蚊に刺されながら、汗だくで、しかし出演者はもっと汗まみれでの50分間。なかなか大変でした。朱美さん自身がとても変わっている人ですが、このバンドもなかなか変わった感じで、個性の組み合わせという面白さ。今度は涼しい場所でゆっくり聴きたい。
終わったら朱美さんが挨拶しにきてくれて、恋人を紹介すると、「あーいつも日記を読んでいて羨ましいなって思ってるんですよ。「恋人」って呼ばれるなんて素敵ですよね」なんて、ちょっと照れます。

体内に熱が蓄積してしまったので、近場の品川アトレに入っている「TRANSFER」というお店で夕食。ここは松下美千代さんがよくピアノBGM演奏をしているんですよね。

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日記、追いつきました

8月9日(土)

この日は恋人と八景島に花火を観に行くことにした。シーパラダイスは夕方17時からの入場がお徳ということで、待ち合わせの川崎で一本映画を観ることにする。

川崎109シネマズ 『闇の子供たち
土曜日の映画館。ポケモンやらポニョやら、アンパンマン、カンフー・パンダ、子ども向けの作品が多数あり、親子連れで賑わうなか、私たちはアジアで子どもが貧困の犠牲になるというくらいテーマの本作を選択。江口洋介の映画主演作品は『ギミー・ヘブン』以来だが、そういえばそこでも宮﨑あおいちゃんとの共演だったな。監督は『魂萌え!』からちょっと路線変更しつつある坂本順治。日本の大作映画はあまり観ない私ですが、そんな作品をとってきた印象のある坂本監督。本作はおそらくけっこうお金が掛かっているとは思いますが、地味といえば地味。江口演じるのは日本の新聞記者でタイ支局に勤務中。宮﨑あおいは日本のNGOかなにかでタイの子どもたちを支援する団体にボランティアとしてやってきた。そんな2人のいる同じ社会の裏側では貧困層の子どもを買い取り、売春させる組織がある。子どもはエイズや薬剤で簡単に命を落とし、代わりの子どもはいくらでもやってくる。もう一つの命の落とし方として、臓器移植がある。低年齢の臓器移植が法律的に認められていない日本の患者家族が、法外な費用のかかる先進国での海外移植ではなく、低価格で迅速に手術の行われるアジア諸国で臓器移植が行われているという事実を江口が勤める新聞社が情報を掴み、調査を始める。
そこまではそれなりにリアリティのある展開でよかったのだが、だんだんエンタテイメント性が増してきてしまうのが残念。売春をする日本人役に三浦誠己がいたりして。最近ちょこちょこ映画に出ていますが、たまにはいい役でがっつりと出演させてあげてくださいよ。

京急川崎駅から金沢八景へ。ここで、シーサイドラインに乗り換えます。10年以上前にやはり八景島に来ましたが、金沢八景の駅が古ぼけた感じの情緒たっぷりで、シーサイドラインがノスタルジーを感じさせます。八景島には17時前に着いてしまったので、たこ焼きやら肉まんやらと生ビールを買って、人工浜辺で一息。八景島シーパラダイスの17時からのペアチケットでは水族館のみが楽しめます。10年前にきた時はもっと立派だったようなきもしましたが、アトラクションと水族館とどっちつかずという感じか。それでも、アシカとイルカのショーはすごかった。でもやっぱり調教されている動物を見るのは忍びない...それでも、ショーを観に来たお客さんは本当に多く、1000人以上収容すると思われる客席が満席で、立ち見も出ている。それこそ生ビールやたこ焼き、チキンフライが飛ぶように売れています。これが終わると、今度はお待ちかねの花火。こちらも人だらけです。なにやらORANGE RANGEの曲に乗せて、15分程度の花火ショー。いわゆるオーソドックスな打ち上げ花火ではなく、低い高度で華やかさを演出する類の花火でした。でも、これを夏の期間は毎日やっているというのだからすごい。しかも、10分程度のために2時間前から場所取りをしているのだからご苦労様だ。

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最後に、2人で別料金を払ってジェットコースターに乗る。ここのは高低差とかがすごいというわけではないが、けっこう距離が長く、いろんな要素が入っていてなかなか面白い。総合的には十分に楽しめたのではないでしょうか。

8月10日(日)

渋谷東急 『スカイ・クロラ
押井 守監督最新作。今回は原作があるんですね。森 博嗣という人の小説。押井監督ってすごい人だけど、今回の作品は脚本とかキャラクタデザインとかいろんな人の手がかかって出来ている映画ってところがいいかもしれない。攻殻機動隊シリーズでは人工的な身体、知能、生命ってのがテーマだったけど、実はこの『スカイ・クロラ』も明白にではないものの、同類のようだ。表立ったテーマは戦争なんだけど、そしてこの作品の時代設定はきわめて不明だが、これがわたしたちの常識的な戦争のあり方ではない。実際の戦闘シーンは戦闘機同士によるオーソドックスなもの。でも、その戦争の目的は領土争いではない。一応、声優として加瀬 亮と菊地凛子が扮しているこの舞台は日本人たちによるものだと思われる。しかし、その風景はスコットランド、あるいはアイルランドのもの。そして、その土地に住む人たちは白人であり、ヨーロッパ言語を使用している。詳しくは分からんが、この戦争の単位は国家なのだろうか、あるいは企業なのだろうか。ともかく、主要登場人物たちが属するのはある特定の会社の戦闘機のみによって構成された日本人のみのパイロットたち。一応、連合軍側ということになっている。このパイロットたちは戦争をするために生まれてきて、戦闘で死ぬまでは子どもの姿で生き続ける「キルドレ」と呼ばれる子どもたち。でも、皆お酒を呑むし煙草を吸う。そしてかれらはその自らの在り方に悩みながら生きている。今以上に歳を取らないのは確かだが、果たして自分に赤ちゃんから成長してきた時代があったのか。明白には描かれていないが、どうやらこのキルドレたちは生まれた時からパイロットとして作られ、しかも前任者が亡くなった後に、彼/女と酷似した人物として違う名を持って生まれてくるらしい。この時代の戦争には領土獲得のような大義はなく、ただ単に平和の裏返しの社会における必要悪として存続されているにすぎない。だからこそ領土とは関係ない全ての戦闘が空中戦というわけだ。しかし、といっても空中で撃墜された航空機は地上に落ちてくるわけだし、民間人の被害がゼロってことはありえないと思うんだけど。航空機が離着陸する基地も必要だし。まあ、細かくいうと矛盾がいろいろあるとも思うけど、まあ、基本的には面白いです。さすが、そしてもちろん映像はすごい。

この日はstringsのライヴで、うっかりいつもどおり20時スタートかと思いきや、ひょっとして日曜日だから少し早いかもと思い、急いで吉祥寺へ。でも、最近の井の頭線はそううまくは走ってくれません。お店に着いたのは19:30を少しまわったところ。やっぱり日曜日は30分早かったです。

吉祥寺strings 太宰百合strings trio
とりあえず、生ビールとパスタを注文。この日は太宰百合さんが橋本 歩さんの壮行会を兼ねて歩さんを呼んで、それにヴァイオリンのmaikoさんを加えたトリオ。この日も歩さん可愛い、maikoさんも素敵、太宰さんはさらに焼けています。この日はなんとなく1曲が長く、曲数が少なかったように思います。そして、先日のラ・カーニャの帰り際に歩さんに「また10日も行きます」と伝えると、「ああ、また難しいんだよね」といっていたように、この日はstringsの2人が目立つアレンジだったように思います。素人から見ても演奏は大変そうでした。もちろん、それを支えるピアノ伴奏も大変なんでしょうね。もう、当たり前のように大満足なステージ。

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明日から夏休み5連休

8月7日(木)

テアトル新宿 『純喫茶磯辺
『机のなかみ』で妙な世界に引き込んでくれた吉田恵輔監督。この作品でも吉本興業のお笑い芸人、あべこうじが主演していましたが、本作『純喫茶磯辺』でも父親役で宮迫博之が準主役で出演している。随分つながりが強いみたい。主演は宮迫の娘役の仲 里依紗。この女優、けっこう好きなんだけどかなりへんな役が多いんだよね。濱田マリ演じる母親とは離婚して父親と2人暮らし。父親は土木作業員として働いていたが、祖父が亡くなり、遺産が入って体たらく。ついに始めたのが喫茶店。趣味の悪いインテリアと、冷凍ものを解凍しただけのフードメニュー。ふとしたことで、麻生久美子演じる女性をアルバイトで雇い、彼女にフリフリのユニフォームを着せることからようやくお客が来るようになるが...
そこからはいろいろ問題発生のドタバタ劇。前作よりも焦点がボケた感じがしてイマイチ。里依紗ちゃんは怒ってばかりで、もっと微妙な演技を見てみたい。でも、麻生久美子を堪能するためだけにでも観る価値はある作品。といっても、メイド喫茶的衣装のことではありませんよ。そういうバカシーンも含め、なんというか役者外のプライドといったものを一切感じさせず、まさに役者として監督の要求以上の演技を見せてくれる彼女の役者魂には脱帽します。とにかく、どのシーンも彼女の演技は素晴らしい。そして、もう一つの見所はこの喫茶店に集まる常連たち。特に台詞のひとつもないミッキー・カーティスの存在感ときたら。ちなみに、あべこうじも『机のなかみ』でカップルを演じた女優さんと一緒にちょこっと出ています。

下高井戸シネマ 『今夜,列車は走る
続いては、再映映画館、下高井戸シネマで見逃してしまった作品を観る。この作品はアルゼンチン映画。とある田舎町。英国の映画で、閉鎖してしまった炭鉱の町で、失業してしまった男たちを描くものはけっこうありますが、その鉄道版といった感じ。日本でもよくありますね。わずかながら利用している地元の人がいるのに、採算が取れないという経済的な理由で閉鎖されてしまう路線。その路線で働いていた労働者が「自主退職」という形で解雇されてしまう。そのうちの一人は息子を残して自殺してしまい、一人は運送業も兼ねたマイカーによるタクシードライヴァー。一人は拳銃を手にして危ない仕事に就くと思わせといて、スーパーの警備員。以前にも『ある日、突然』という奇妙な空気感のアルゼンチン映画がありましたが、本作も深刻なテーマながらもそれを感じさせない雰囲気があります。予告編とタイトルから予想できることではありますが、ラストがいいんです。すっかり何かを見失ってしまった大人たちに対して、その息子や娘たちが行動に出る。といっても、3人の子どもたちが「この列車は私たちのものだ」という文字を書いた大きな布を列車につけて、閉鎖された路線に列車を走らせるというもの。失業者の一人がスーパーに強盗に立てこもり、その様子をテレビ中継している脇の線路をその列車が通ることで、大人たちがそのメッセージを受け取るというもの。まあ、思ったよりもお涙頂戴な感じではありませんが、そこが逆にいいのかも。

8月8日(金)

外苑前Z・imagine 鈴木亜紀
北京オリンピックの開会式の日ということですが、ひっそりと外苑前にある地下のライヴバーで過ごすことにしました。私はうっかりチェックしていませんでしたが、8月4日に誕生日を迎えたばかりの鈴木亜紀さん。先日のラ・カーニャのライヴでは至近距離だったので、この日はカウンターの中ほどで黒ビールを飲みながら、亜紀さんの著書『お尻に火をつけて』を読みながら開演を待ちます。あれだけの歌詞を書いて、旅先ではあんなに素的な写真を撮る亜紀さんですから、旅日記でもあるこの本がつまらないはずがない。でも、ところどころは説明不足で理解不可能な箇所もなくはない。彼女が惚れ込んだアルゼンチンのシンガー、リリアナ・エレーロの来日ライヴには私も行ったが、初めて亜紀さんがリリアナに会うためにアルゼンチンに行ったことを綴ったこの文章を予め読んでいれば良かったのに、と思いながら、なんかいろいろ感じます。
そして、このZ・imagineについても。この日はサポートにベーシストの熊坂義人さんを招いてはいますが、確か初めて来た頃の鈴木亜紀さんのライヴは900円でドリンク付き、しかもおつまみに豆もついてきたように思う。さすがにそれは安すぎなので、その後1500円になったのは頷けますが、この日はライヴチャージだけで2000円、ドリンク1オーダーは必須なので、2700円ですよ。まあ、2ステージたっぷり聴けるわけですから、これが正規の値段といえばそれまでですけどね。でも、やはりオリンピックの影響か、誕生日直後で熊坂さんのサポートつきだというのに、お客さんは10人程度。もちろんTOPSさんの姿もありますが。
本人もいっていましたが、この日の衣装は何かがおかしい。下はよく肉体労働者がやるようなつなぎの上半身だけ脱いで袖の部分を結んでいるような、そんな感じ。でも、上は丈が異様に短くて、結果お腹が見えています。そして、熊坂さんといっしょなせいか、妙なテンションです。普通は演奏しているうちにテンションがあがってきますが、この日は始めから高め。まあ、それはそれで楽しい。そして、普段のライヴでは休憩時間にお客さんと話し込んじゃって、長くなり、アンコールを含めて23時を回ることもありますが、この日は22時きっかりに終わってしまいました。でも、やはり熊坂さんとのデュオは素敵です。よく考えたら熊坂さんのお兄さん(映画監督の熊坂 出)がhitmeさんと大学で同期だから、いくつ離れているかは分かりませんが、熊坂さん自身は30歳台前半ということか。ソロもあったり、歌も唄ったりとなかなか楽しいステージでした。
終演後は熊坂さんとTOPSさんが話しこんでいるので、私も参加させてもらいました。亜紀さんはなにやら後方のお客さんと話しこんでしまったので、お話はできませんでしたが、早く『お尻に火をつけて』を読破して、また亜紀さんの歌を聴きに来ることにしよう。

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隠喩論

久米 博 1992. 『隠喩論――思索と詩作のあいだ』思潮社,206p.,2400円.

隠喩論については2004年の『地理科学』掲載論文「場所の文法」で一通り論じたし,その際にそれなりの著書には目を通したはずだが,この本は知らなかった。今更感もあったが,たまたま外出先で持参した本が読み終わりそうで,本書は比較的薄かったので,予備のつもりで買ったもの。しかも,上記論文でも大いに役に立ったポール・リクール『生きた隠喩』の訳者による著書ともなれば読んでおいても損はない。
そう,本書の著者はもちろんキャスターの久米 宏ではない。ポール・リクールのほとんどの著書を翻訳している人だ。しかし,訳者としてあまりに有名なので,本人がどんな研究をしているかは謎。そんな好奇心にも答えてくれる一冊になるだろう。予想通り,翻訳が中心の研究者であるから,自分自身の独自の論の展開は少なく,他人の議論の紹介が中心であるため,文章はだらだらと長くはならない。でも,200ページという短いなかでも非常に充実した内容となっている。一応,私の論文と同様に,一通りリクールやデリダ,デイヴィッドソンなどの議論を踏まえることで,隠喩というものを比喩表現の一つとしてのみ考えるのではなく,言語の本質的な存在として隠喩を捕らえていることがわかる。故に,隠喩論にとどまらず,アリストテレスにまでさかのぼり,ヴィトゲンシュタインを経由し,ハイデガーがかなり詳しく検討される。要は,言語一般論が多くの紙面を割いて論じられるのだ。しかし,一方では隠喩と換喩,提喩などについて細かく論じられる箇所もあり,なぜだか私には退屈だったりする。
まあ,ともかくリクールほどの人の著作を多く訳す人であるから,もちろんリクールだけ読めば言い訳ではない。私自身,実はリクールをあまり読んでいないが,わずかに読んだなかでも,フランス人であるリクールだが,英語圏の動向などもかなり丁寧に辿る人であることは知っているし,何ヶ国語できるか分からないほど博学である哲学者。その訳者である久米氏も,相当の読書家であることがうかがえる一冊であった。
本書を直接参照するということはないと思うが,更なる読書への良質な案内書となるだろう。

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近所の花火大会中止

8月4日(月)

この日は家でゆっくりしてから、国立で22時スタートの太田朱美さんのソロライヴを観に行く予定だったが、急遽予定変更。研究者仲間の杉山和明君からお声が掛かって地理学者の呑み会に誘われた。場所はなんと、ライオン銀座7丁目店。築70年くらい経つというビルの一階のビアホール。しかも、この日8月4日はたまたま「ビアホールの日」に当たり、ビールが全て半額。しかも、それ以上のイヴェントが待っていました。
この日、杉山君は一時帰国中の二村太郎君という米国で大学院生活を過ごし、さらには外国で研究者としての就職を狙っているアグレッシヴな男を連れてきた。といっても、春の学会で会ってるんだけどね。そして、杉山君と名古屋大学で大学院が一緒だったという池口明子さん。こちらは同年代ながらはじめまして。当初は森本 泉さんも来る予定だったが、けっきょくこの4人で呑むことになった。ライオンのなかでもこの店舗は別格に人気らしく、そして予約もないということで、普段から平日でも18時には満席になってしまうということで、二村君と杉山君は開店の17時に来ていたらしい。一応私は会社に行っていたので、お店に着いたのは18時。なにやら長蛇の列ができています。そう、ビアホールの日ということで、人が殺到しています。私は店内に入り、杉山君を探す。かれらのおかげで私もすぐにビールにありつけたというわけです。店内は非常に開店が悪いので、並んでいる人たちはなかなか入れなかったことでしょう。
研究に関する真面目な話から、全く関係ないふざけた話まで、結局私が18時に入ってから閉店時間の23時過ぎまでここにいたわけです。まあ、それはそうとして話も盛り上がってきた19時過ぎ、急に店内が騒然となります。なんと、ライオンの社長の登場。壇上に登って挨拶。そして、なんとsaigenjiのサポートもしている福和誠司さんを含むラテン音楽隊の演奏とともに、サンバダンサーの登場。5人くらいはいたでしょうか。かなり本格的な体格とダンスです。ただでさえ狭い店内を客席の隙間を塗って踊り歩くさまはさすが。もちろん、お客さんも大盛り上がりです。そう、これを楽しみに毎年来ている人も多くいるんだろうなと思わせるパフォーマンスでした。夏フェス真っ青な盛り上がりが、こんな平日の銀座にあったとは。これだけでもこの日の収穫です。といいながらも、このパフォーマンスは2時間おきに繰り返され、けっきょく私たちは3度も目の当たりにしたわけです。でも、すっかりビールを3リットルくらい飲んでいる杉山君と二村君は3度目でも楽しんでいましたけど。

8月6日(水)

前日の火曜日は私の通う会社の目の前の多摩川河川敷で多摩市主催の花火大会の予定だったので、出社した。しかし、周囲で雷雨が激しく、このあたりはあまり雨は降らなかったものの、上流で降った雨で川が増水することを懸念して中止。ということで、水曜日に会社をお休みすることにしました。朝はそんなむなしさの残る河川敷をジョギング。

日比谷シャンテ・シネ 『帰らない日々
子どものいる2組の家族の物語。一組はホアキン・フェニックスとジェニファー・コネリーが夫婦を演じ、息子と娘がいて、幸せに暮らしている。もう一組はマーク・ラファロとミラ・ソルヴィーノが演じ、息子が一人いるが、離婚して息子は再婚した母親とともに暮らしている。でも、この父息子はレッド・ソックスの大ファンということで、野球観戦で強くつながっている。ある日、この父息子が野球場に観戦に行った帰り、母親に届ける時間がすっかり遅くなってしまい、その道中でちょっとしたハンドル操作を誤り、ホアキンの息子をはねてしまう。その息子は即死。その衝撃で自分の息子も軽く怪我をし、それ以上に母親に怒られないように、早く届けることが先決で、彼はひき逃げをしてしまう。小さい町で、必然的にかれらは出会う。小学校の音楽の先生であるミラは亡くなった息子とその妹の教師だった。もちろん、ミラの息子も亡くなった子どもとは同級生。しかも、ホアキンはひき逃げ犯人を捕まえるべく、マークの勤める弁護士事務所に相談に来る。もちろん、担当はマーク。そんな、ドラマらしい偶然な人間関係の中、マークは何度も自主を考え、実行に移そうとするが、タイミングが悪く、先にホアキンが目撃したマークの顔を思い出してしまう。
まあ、そんな感じで、誰が悪いでもなく、皆が苦しみ生活が悪化してしまうという悲しい物語。相変わらずジェニファーが美しいのと、久し振りにスクリーンで観るミラ・ソルヴィーノの姿が嬉しいが、映画としてはいまひとつかな。ちょっと暗すぎるような気もします。

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下北沢に移動して、久し振りに「茄子おやじ」でカレー。18時前に間に合ったので、ドリンクセットということで100円で赤ワインをいただいてしまう。ワインを呑みながら、ソフトドリンクのメニューを見ていると、「ブラックミルク」を発見。朝日美穂さんの曲で「black milk」って曲があるんだけど、それはかつてこのお店にあったメニューの名前なんです。もちろん、歌詞に茄子おやじの名前は出てこないけど、黒すぐりのジャムにヨーグルトとミルクというドリンク。美穂さんの話では随分前になくなってしまったとのことだったが、この曲のおかげか、いつのまにか復活していたようです。嬉しいですね。またなくならないうちに飲みに来ましょう。中古CD店や古書店でひとしきり時間をつぶしてラ・カーニャに到着すると、6人ほどの列ができている。最前列の人が外の看板の前から動こうとしないので、「階段の下まで行って待った方がいいと思います」と告げると、実はもう開場していたらしい。一気に列はなくなります。

下北沢ラ・カーニャ ハシモト・ハシモトだが!
ということで、この日はハシケンさんが、来月から1年間渡米してしまう橋本 歩さんの壮行会ということで企画した2人きりのライヴ。たまたま名字が同じ橋本ということで実現したといってもよい。私の誕生日ライヴはけっこう遠巻きに聴いていたこともあって、この日は目の前の1人席をゲットしました。実は柱が微妙に邪魔なんですけど。今年のハシケンさんの誕生日ライヴにも歩さんは参加していたものの、こうして2人きりでの演奏は初めてとのこと。そういえば、以前は太田恵資さんと2人のステージもあったような気もしますが、ハシケンさんはチェロの音についていろいろ語りつつ、1曲終わるごとに「いいねえ」「合うねえ」などといい、歩さんも「素晴らしい...」と褒めあいながら進行するステージ。ちなみに、この日のライヴタイトルは歩さんのホームページ「歩だが!」から来ているが、ハシケンさんが「そういえば前は橋本だが!だったよね」というと、歩さんが「いつ(名字が)変わってもいいようにと」と返答。このやりとりに妙に受けちゃいました、私。途中からやってきた一人の女性のお客さん。洋服のセンスと髪型ですぐにhitmeさんだと分かる。途中の休憩時間で歩さんと楽しそうにしゃべっています。2ndステージに登場した歩さんの首には白くてきれいなネックレスが。これはhitmeさんからのプレゼントだったようです。ギュウギュウとまではいきませんが、程よく集まったお客さんを含めてそんな歩さんに対する思いの詰まった暖かなライヴでした。途中で歩さんは、ハシケンさんがリクオさんの「ソウル」という曲を歌う時、「この曲、私弾かなくてもいいかな。すごい好きだから聴いていたいの」といったり(結局後半では弾きましたが)、「美しい島」の時に歩さんがピアノを弾いたり、というのも良かったなあ。
終演後に歩さんに軽く挨拶し、hitmeさんとも少しお話。10月半ばに吉祥寺stringsで企画されている松下美千代さんのライヴに戸田和雅子さんをゲストヴォーカルで呼んだという話は美千代さんから聞いていたが、なんとそれにhitmeさんも出演するという情報を聞いてビックリ。いい気分で帰路につきます。

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海,鎌倉から葉山まで

8月3日(日)

この日は一人で鎌倉に向かいます。久しぶりに藤沢から江の電に乗って由比ケ浜まで。この日、ハセガワミヤコさんと戸田和雅子さんがライヴをするという海の家をまずはチェック。ちゃんと板間を作った真新しい感じのカフェで、日本たばこがやっているようです。ちょっと気軽に入るような場所ではない。まあ、ともかくライヴまではまだ時間があるので、歩いて鎌倉駅の方まで行きます。この日は誕生日プレゼントに恋人からもらったフィルムカメラを持参して一人で撮影会をしながらの鎌倉散策。とにかく暑いです。結局鎌倉駅前の小町通にあるcafe goateeへ。ここはtrico!こと良原リエさんがたまにライヴをしているお店で、葉山に住む友人に教えてもらった場所。お客さんは私一人。結局ここでランチをいただくことにしました。野菜のココナツカレー。カレーはまあまあですがやはりコーヒーが美味しいですね。するとなにやら店の奥から子どもがやってきました。どうやら店長の息子のようで、お店の外の階段でシャボン玉で遊んでいます。すると間もなくして奥さんも出てきて、水鉄砲で子どもを攻撃。そんな風に和みながら、論文の下書きを書いたりして過ごす。

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再び由比ヶ浜に戻りますが、今度は違ったコースで。小町通の途中から駅の反対側に出ると、なんと五十嵐ロミさんのお店「ロミ・ユニ・コンフィチュール」がありました。素的なお店です。ジャムの類は高いけど、スコーンが小ジャム付きで300円ってのが安くて、この日のライヴの出演者に買って行こうとも思ったけど、炎天下で持ち歩きってのもどうかと思い断念。他にも素的なお店がポツンとある鎌倉裏通りでした。途中のコンビニエンスストアでバーアイスを買って食べ歩いたり。海岸について、この日は短パンとサンダルで来たので、ちょっと海に足をつけたり。

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鎌倉由比ヶ浜Paradise AO
店内に入ると早速リハーサルをしていました。この日は15時からと16時から、19時からと3ステージあって、それぞれ、ハセガワミヤコ戸田和雅子、そして2人のユニットQuinocoとしてのステージでした。サポートはハセガワミヤコ側が入倉リョウ、戸田和雅子側がMitaTake。もちろん、それぞれのステージにも各人が入ったりします。それにしても、海の似合わない出演者たち。唯一、ミヤコちゃんは確か数年前からボディボードを趣味にしているとやらでちょっと他より焼けています。風貌的には入倉リョウ君も海が似合わないことはないけど、肌の色は一番白いのではないでしょうか。ともかく、そんな出演者ですから、それを目当てに来ただけの私も同様に海が似合わない。はじめはそんな客は私一人でしたが、そのうちにいろんなライヴハウスで見かけるミヤコファンたちが1人、2人と集まってきます。結局、私は戸田和雅子さんのステージまで聴いたわけですが、意外にもミヤコちゃんよりも戸田さんの強い歌声の方がウケが良かったように思います。久し振りにミヤコちゃんとも少しおしゃべり。彼女もBE THE VOICEのファンということで、Quinocoは聴かずにこれから行くblue moonのことを話したり。

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ということで、鎌倉から葉山に移動。駅まで戻る途中に、逗子行きのバスがあったのでそれに乗って逗子まで。まだ時間がかなりあるので、逗子の駅前商店街で一息つきます。喫茶店でレアチーズケーキを食べる。そして、今度は一色海岸目指してまたバスに乗ります。

葉山一色海岸blue moon
久し振りの一色海岸。blue moonはもっと久し振りです。すでにお客さんで賑わっていて、どの辺に座るか物色しているとhitmeさん発見。その隣のテーブルにはBE THE VOICEの2人と永山マキさん。近くには熊坂義人さんがウロウロしています。この日のBE THE VOICEはサポートにhitmeさんと熊坂さんを招き、ゲストヴォーカルに永山マキさんという豪華な編成。マキさんに挨拶すると、とても嬉しそうに「ナルセさん、久し振り」といきなり握手を求められました。そう、モダーン今夜のレコ発のときは挨拶しなかったし、それから行きたいライヴに行けなかったり、音霊の時も遠めで挨拶しただけだったり、ちゃんとお話するのは千駄木のライヴ以来だった。とりとめのない話をして、和田純子さんにも軽く挨拶。「ここに来る前に由比ヶ浜でハセガワミヤコさんのライヴでしたよ」と伝えると、意外にもミヤコちゃんのことを知らないとのこと。さて、ちょっと後ろを見ると、TOPSさんが一つのテーブルに一人で座っているので、私もそこに座らせてもらい、メキシコのビールとチャンジャという韓国のおつまみを注文して開演を待ちます。ほぼ定刻どおりの開演。
Tajaeli:この日の対バンは、ラヴ・タンバリンズのeliさん。ラヴ・タンバリンズは全く知りませんが、eliさんは数年前小池アミイゴさんのイヴェントで一度見たことがある。そのころはかなりやさぐれていましたが、最近ソロでCDを出したこともあって、キレイになっていた。でも、素行はあまり変わりませんね。おっと、その前に登場したのは橋本 歩さんもサポートしているTaja。パーカッションのサポートで、3人でまず演奏。eliさんは一人できていたので、Tajaバンドがバックバンドで唄います。7th floorでのTajaライヴのときはヴォーカルの田中菜穂さんがテーブルに上ったり、かなりはじけていましたが、eliさんにはかないませんか。でも、やっぱりeliさんの歌声はそれほど好きではないかな。ステージから下りてきたeliさんはやっぱり愛犬(ステージ上では「娘」と呼んでいた)をリュックに入れて背負って踊っていました。

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BE THE VOICE:私はblue moonでのライヴ自体が3年ほど前のflex life以来2度目ですが、BE THE VOICEは7年連続出演しているそうです。先日の江ノ島もそうですが、こういうところでの和田純子さんの歌声はいいですなあ。そして、熊坂さんのウッドベース。ベースつきのBE THE VOICEは初めてですよ。もちろん、気持ちよさそうに吹いているhitmeさん。そして永山マキさんも登場して、miggyさんのみを欠くLynn的セッションなど。あっという間のステージでした。けっこう、海の家でライヴをすることは周辺住民に嫌がられていて、21時がタイムリミットのようです。アンコールを要求されながらも終了。しかも、そのことを伝えようとする純子さんの声すらマイクを使えないという厳しい事情がよく分かりました。
Lynnの発売日は都合で8月5日に延期されたのですが、手売りはOKということで、ようやくゲット。miggyさん以外の3人からサインをいただいて、hitmeさんとマキさんとまた3人で何をしゃべったのかは忘れましたが、楽しいひと時を過ごして、長い道のりを帰りました。

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映画・ライヴ・映画・ライヴ

8月2日(土)

この日もけっこう忙しい。

渋谷シネ・アミューズ 『きみの友だち
まずは映画。最近次々と作品を発表している廣木隆一監督作品。重松 清の原作。予告編でもかかっていましたが,冒頭が松崎ナオ。廣木監督は『ラマン』でエンディングに五輪真弓の「少女」を辻 香織のカヴァーヴァージョンで使った円で,香織ちゃんのPVも撮るようになりましたが,香織ちゃんと親しい松崎ナオの曲を使うなんて若いというかなんというか。まあ,『ヴァイブレータ』の時から,その音楽センスはよかったけどね。でも,映画音楽として相応しいかどうかは別。このオープニングもちょっとヴォーカル付きの曲は相応しくなかったようにも思う。
でも,作品自体は素晴らしい。自己で片足が不自由になってしまった少女が主人公。石橋杏奈という初めて観る女優さんが演じます。重たい持病を持った少女とふとしたことで仲良くなり,その友だちが中学3年生で亡くなるまでの5年間,2人はずっと一緒にいる。この子はなんと『誰も知らない』の長女役だったらしい。その後も岸田今日子と吉行和子出演映画『ウール100%』に登場する訳の分からん巨大な少女を演じていたのも彼女,北浦 愛だった。中学校で吉高由里子演じる女の子が一時期この2人に近づくことがあるが,吉高が「なんで2人はいつも一緒なの?」という問いに答える北浦の台詞が印象的だった。「歩く速度が一緒だから」という一言。吉高由里子は目立ちすぎだが、石橋と北浦の2人は妙に幸薄そうな感じが良い。けっこう長い作品だが、いくつかのエピソード、保健室のシーン、サッカー部の話、病院でのこと、そして現時点での自由教室のシーン。どれもが、対等に、そして淡々と進行するので、飽きることはない。まあ、一つだけ難点をいえば、以前の廣木作品の時も書いたかもしれないが、全てが妙に清潔で美しいのだ。彼が取り上げるテーマはほとんどが影を持った暗い部分を含んでいるのに、そこに暗さを感じさせない透明感がある。私のような人間にはそれが魅力だが、特定の人にとっては物足りないのかもしれない。まあ、ともかく魅力的な監督であることにかわりはない。次回作はドキュメンタリーということで、これも楽しみにしたい。
ちなみに、この作品のスティールカメラは原田奈々さんが担当していて、先日まで代官山のギャラリーで展示会をやっていたらしい。しかも、扇谷一穂さんも展示に参加していたとのこと。ちなみに、原田奈々さんはHARCOのジャケット写真なども手がけたことのある、クラムボン原田郁子さんの妹さん。

代官山 ball room port of notes
次回に続いての参加となった、port of notesの代官山ライヴ。前回は激しい雨で開場待ちが大変だったが、今回は照りつける日差しが厳しい。今回も整理番号は100番台だったが、空いていた端っこの最前列をゲット。前回はステージ向かって左側だったので、今回は右側。昼食もとれないスケジュールだったし、開場から開演まで1時間ということで、「再入場はできませんか?」というと、嫌な顔しながらも、「じゃあ、1度だけですよ」といって、外に出してくれた。すると、階段には「再入場不可」とちゃんと書いてあった。で、待ち時間に駅前のカフェに行って軽く食事をすることにした。
さて、ライヴの方ですが、今回も小池龍平氏を迎えての3人のステージ。前回とはセットリストも随分変えてきていい感じです。MCは美由紀さんがdouble famousで韓国に行った話やフジロックにいった話など。でも部分的にはすでに彼女のblogにも書かれていた内容だったので少し残念。でも、そこは小島大介さんのいつも通りのおとぼけトークが楽しくてよし。彼もフジロックに行っていたようです。ミュージシャンとして参加するのは楽しいでしょうね。もちろんただだし、普段会えないミュージシャン仲間にも会えるだろうし、もちろん外国アーティストのステージも。話をステージに戻して、この日はゲストにアン・サリーさんを迎えています。美由紀さんとアンさんが仲がいいのは知っていたけど、前回対バンしたときには同じステージには上がらなかったと思うから、2人が並んだ姿を見るのは初めて。どちらも美人ですがやはり質の違う2人ですな。もちろん歌声も。その2人の歌声のハーモニーと、大介さんと龍平さんのダブルギター、いいですね。とても贅沢です。もちろん美由紀さんが後方のソファに下がって、アンさんのソロも2曲ほど。なんでも美由紀さんとアンさんは今月誕生日を迎える1日違いの同い年セという。まあ、どんな年齢になっても輝いている2人なんでしょうね。

この日も2ステージあるということで、さっくりと90分ほどで終わり、そのことを予想していた私はそそくさと渋谷に戻ります。ユーロスペースで恋人と待ち合わせて16:30の回の映画を観ることに。ギリギリ間に合いました。

渋谷ユーロスペース 『ビルと動物園
今度は音楽をおおはた雄一さんが担当した映画。坂井真紀主演。ここ最近風変わりな役でちょこちょこ映画に出ていた坂井真紀ですが、普通のOL役で主役を演じます。勝村政信演じる上司と不倫をして妊娠をしてしまうが、下ろすしかない。田舎に住む父親(母親は既に亡くなっている)からはお見合い話などがきて、結婚をせかされるが、それは父親自身の意思というよりは、地元の周囲が勝手に盛り上がっている感じ。おそらく彼女はそうした閉鎖的な人間関係が嫌で都会暮らしをしていると思うが、それも楽ではない。かなり追い込まれた状況で出会うのが、彼女の勤める会社のビルの窓拭きアルバイトをしていた青年。小林且弥が演じます。前にもいくつかの作品で観たことがありますが、なかなかの好青年。まあ、物語の成り行きを細かく説明する必要はありませんが、映画のタイトル通り、ビルの窓拭きのシーンや、動物園のシーンはなかなかいい。主役の2人以外のキャストもなかなか笑えます。まあ、一つだけ難点をいえば、この青年は音楽大学の学生でヴァイオリンを専攻しているのだが、この演奏のシーンがね、やっぱり。もう少しは練習しようよ。でも、基本的にこういう穏やかな作品は大好き。おおはたウんの音楽も素晴らしくマッチしています。斎藤 孝、覚えておきましょう。

さて、今度は2人で三軒茶屋に移動。ライヴの前に腹ごしらえ。246沿いにある洋食屋に入ります。ちょこっと高めですが、ハンバーグは本当にその場で丸めているのでなかなかです。

三軒茶屋世田谷ものつくり学校 扇谷一穂
以前にも扇谷さんが個展を開いたことのあるものつくり学校の中にあるGO SLOWカフェ。私も扇谷さんの個展を観に行ったときにランチをいただきましたが、時折ここでライヴイヴェントをやっているそうです。ということで、今回の出演者は扇谷一穂さん。前回の「渋谷オーガニック」の時と同様にグッドラックヘイワの野村氏がサポートに入ります。おおはたさんサポートの時のアコースティックな雰囲気とは違って、電子音ピコピコいう感じも私は好きです。前回の時も書きましたが、扇谷さん自身も片手で持てる小型のシンセサイザーを演奏したり、扇谷さフお茶目でかわいい側面が出る編成ですね。一応、休憩を挟んで2部構成になっていて、私は赤ワインなど呑んでいたかなあ。ちょっとソファ席以外はちょっと狭くて落ち着けませんが、もともと小学校を利用したこのものつくり学校で、ここGO SLOWは保健室だったようで、午前中に観た映画とも重なるところがあって、ある意味では落ち着きます。
帰り際には扇谷さんとそんな映画の話をしたりして。

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みほみほ

8月1日(金)

吉祥寺manda-la 2
久し振りの朝日美穂、久し振りのmanda-la 2。整理番号が4番だったので、いつもだったら最前列かぶりつきにしますが、なんとなくカウンター席に座ってみた。込み合うライヴの時はステージ近くはかなり狭いんだよね。開演まで1時間あり、食事もしたかったので。夏の曼荼羅グループはビール祭りなので、生ビール中ジョッキにソーセージのドイツ風煮込みを注文。これは初めて食べたけど、なかなかの美味。ビールによく合います。
もりばやしみほ:この日,対バンに選ばれたのはミホミホマコトで仲の良いもりばやしみほさん。彼女のライヴは多分3回目だと思うが,かなり印象が違った。それはグランドピアノでの弾き語りだからか,選曲が随分深刻な雰囲気の曲が多かったからか。ともかく,しっとりとしてとても良いステージだった。
朝日美穂:最近ネット配信で発売されたという新曲「夏のトレモロ」,どうやらキリンジの堀込高樹さんの作曲らしい。ということで,客席には掘込氏の姿が。さすがに目立ちますね。この日もドラムス楠 均氏,ベース千ヶ崎 学氏によるトリオからスタート。グランドピアノに登場した朝日美穂さんは夏らしく,ショートヘアに。最近は細めのパーマでしたが,久し振りに『ハッピー・ニュー・イヤー』ジャケットくらいの長さに。そういえば,物販に売ってたな。以前は在庫がなくなったといわれて,私はネットで探したのに。まあ,それはよしとして,この日の美穂さんのテンションはとても良かった。やはりmanda-la 2が落ち着くのか,もりばやしみほさんと一緒というのが良いのか,ともかく立ち見も出る盛況のなかでいいパフォーマンスだった。途中から高橋健太郎さんも登場して,先日の雷で朝日美穂事務所のパソコンが壊れただのというMC。そして,後半にその新曲「夏のトレモロ」を披露。レコーディングにも参加したという特別ゲスト,ギタリストの青山陽一氏が登場。なかなか難しい曲ですが,青山氏のソロはさすが。ところで,トレモロとはマリンバなどで同じ音を繰り返し叩く演奏法のこと。一体どんな歌詞なんでしょう。アンコールを含めても22時前にさっくりと終了。

いつものように井の頭線で帰宅しますが,最近は吉祥寺駅の改修工事をしていて,ホームが一つしかありません。当分は特別ダイヤでけっこう不便なようです。

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暑くて移動は堪えます

7月31日(木)

午前中は暑い部屋でいろいろしながらのんびりしていたが、午後からは意外に忙しい一日。昼過ぎから前期の成績を提出に国分寺の東京経済大学まで。そこから高円寺に移動。南下すると甲州街道に出ますが、この下を丸の内線が走っていて、新高円寺という駅がある。この近くに「クラブライナー」というライヴハウスがあり、今度HARCOの2マンライヴがあるということでチケットを買いに来た。店内はかなり狭い様子。店頭販売のチケットが優先されるということで、チケット発売日からかなり経っていたが、整理番号は2番。そこから丸の内線で新宿まで。サブナード(新宿の地下街)のチケット店で前売り券を買って映画館へ。その前に近くに新しくできたコンビニエンスストアによってアイスキャンディーを買って食べる。こう暑いとけっこう頻繁にこうして買ってしまうんですよね。ペットボトルのドリンクは買うことに抵抗があるのだけど、アイスはけっこう買って食べてしまう。

新宿角川シネマ 『ジャージの二人
長嶋 有原作の映画化。『ルート225』や『アヒルと鴨のコインロッカー』などの監督、中村義洋作品ということです。鮎川 誠と堺 雅人が親子役。おばあちゃんが住んでいた避暑地の別荘で夏休みを2人で過ごすという設定。ダンカン扮する父親の友達や、大楠道代扮するご近所さんや、水野美紀扮する堺の奥さんや、田中あさみという子が演じる鮎川の娘などがちらほら登場するゆる~い映画。まあ、特筆することでもないけど、いいのではないでしょうか。ところで、このくらいの映画で制作費はどのくらいかかるのでしょうね。
新宿三丁目駅に乗る前に、紀伊国屋書店の地下階にあるうどん屋で軽く食事。釜揚げ天ぷらそばにしたんだけど、天ぷらが揚げたて。まあ、衣は厚かったけどね。副都心線に乗って明治神宮前まで。そこからプラッサオンゼまで歩きます。

青山プラッサオンゼ コーコーヤ
コーコーヤ1stアルバム『antique』が7月23日に発売になって初めてのライヴ。ということで、かれらがホームとしてきたここプラッサオンゼも予約で満席になりました。それでも、当日でやってくる人もいて、ステージ前方も椅子を並べて、かなり盛況です。予約を入れてもいつもカウンター席にされてしまう私ですが、この日は好いているときでもクラウジアさんに「あなたはいつもここだよね」といわれてしまう、中央のテーブル席のステージ側の席を確保してくれていました。この日は混雑を予想して食事を事前にしてきたので、赤ワインで静かに開演を待ちます。すると、目の前にTOPSさんの姿が。先日メールで送った私の誕生日ライヴの集合写真をPCの壁紙に設定してくれていました。
実は数日前に体調を崩してしまったクラリネットの黒川紗恵子さん。なんとか栄養ドリンクを飲んで本番に臨んでいるようですが、この日は新しいクラリネットを人前で初披露ということもあるし、大変そうです。コーコーヤのアルバムは14曲入りで2100円。しかも、12曲はオリジナルです。いやあ、これがいいんですよねえ。正直、ショーロなんてジャンルは私にとってはどうでもよく、ジャケットデザインなども含めた全体的なセンスが今の私にピッタリきています。思わず、購入した時に嬉しくて、タワーレコード渋谷店の視聴機の様子を撮影して黒川さんや江藤さんにメールで送ったりして。もちろん、彼女たちも発売されたことが嬉しかったのでしょう。すぐさま返信が来ました。そんなことで、楽しみにしていたライヴ。笹子さんの口からもこの日ばかりはレコーディングの様子など、MCでいろいろ聞くことができました。ところで、本作はなんかちょっと路線的にどうなのかなあと思いながらもhappiness recordsなんですよね。同じhappinessから近日発売されたLynnの『girl talk』も2100円。でも、オリジナル1曲の7曲入り。紙ジャケで凝っているとはいえ、どうなんでしょう。
まあ、それはともかく、もう説明の必要のないくらい、素晴らしいライヴで、そして暖かいお客さんに見守られての、素的な時間でした。TOPSさんも交えて江藤さんとお話したり、黒川さんとはそこで私が呼んでいたマルコ・ポーロ『東方見聞録』の話をしたり、そして3人にサインをもらい、帰りました。

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夏バテ気味ですかね

7月28日(月)

大阪の翌日は会社を休みにしていたけど,やはりかなりの疲れが出ました。初めてあう人と久し振りに会う人に囲まれた数時間,そして新幹線往復。早く帰れたらこの日は逗子の音霊で山田タマルちゃんのライヴでも行こうかなと思っていたけど,映画を1本だけ観て部屋で大人しくすることにした。

渋谷イメージフォーラム 『天安門,恋人たち
中国映画にしては大胆な性描写で話題になったという作品。私としては天安門事件と若者たちというテーマが気になって観に行った。しかし,映画自体の政治的主張はほとんどなく(中国においては,このレベルの性描写自体がある種の政治的主張なのかもしれないが),ひたすら登場人物たちの恋と友人関係の行方を追った物語。天安門事件の1989年に大学生だった登場人物たち。くっついたり離れたり,ドイツに移住したり,中国中を移動したり,そんなことで現代まで物語は続きます。件のセックスシーンはなかなか自然でいい感じだが,全体的にはあまり魅力的な作品ではなかった。ちなみに,私も1989年4月に大学に入学しているから,かれらとは同時代なんだよな,って思ったりして。観る前にそのことに気づけばよかった。

7月30日(火)

大宮ムムタージ 三木千夏
大宮ソニックシティのビルのなかにあるインドレストラン「ムムタージ」。前にも書いたともうが,ここは水曜日にチャージフリーのライヴがあり,そのブッキングをwater water camelの須藤君がやっているために,それなりに頻繁に通うようになったお店。ポイントカードを作るといろいろいい特典があります。大体月に1枚贈ってくる案内ハガキを持参するとおつまみ一点サービス。この日は手羽先1本でした。そして誕生日に送られてくる2ヶ月有効のサービスハガキではカレー&ナンセットがサービス。おまけにポイント2倍。他のハガキとも併用できます。ということで,誕生日ハガキが有効なうちに,ということで,元one toneの三木千夏さんのライヴを聴きに行きました。まだ一人弾き語りでは自信のない千夏さんがサポートで招いたのはMitaTakeの見田 諭氏。まあ,ノラオンナさんつながりなんだろうけど,ホント女性シンガーにもてるよな。
まあ,ともかくそんな感じで,ビールとワインはほんだものの,フードはみんな無料なので,この日のお会計は1050円。交通費の方が高いよ。そして,ライヴ。千夏さんがソロになってから1年はその歌を聴いていなかった。先日のleteではじめて聴き,今回が2回目。はっぴいえんどや童謡のカヴァー曲は個人的にはあまり好きになれないが,数曲たまってきたオリジナル曲はなかなかいいとおもう。ギターも随分上手になってきた。今のように,一人誰かをサポートで交えてのやっていく方向性でいいと思う。ってけっこう偉そうだな。次回は藤原マヒトさんのアコーディオンとデュオなんてどうだろうか。
ちなみに,この日私の隣に座っていた男性。千夏さんの演奏をノリノリで聴いていた。私の知らない彼女の常連さんがいるのかと思いきや,彼女は声を掛けないので,そうでもないらしい。注文の仕方もでたらめで,初っ端からウィスキーを呑んでいたと思ったら,飲みものもなくハニーナンを食べていたり,終演後にビールを頼んだり。うーん,なんなんでしょうね。ムムタージのフリーライヴの時に来る常連さんって感じなのかな。8月も松下美千代さんとか,omu-toneとかあるんだよな。

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大阪で研究会

7月27日(日)

誕生日明けて翌日は大阪に行く用事がありました。地理学者仲間の若松 司氏に声を掛けてもらって彼が世話役をしている研究会で発表させてもらうことになった。関西地方に在住する地理学者を中心に,哲学者を数人巻き込んでやっている「地理哲学研究会」という名の,こじんまりとした会。大阪方面では,翻訳会を含めて地理学者のこうした会合がなかなか活発みたいです。
9時過ぎの電車に乗って東京駅へ。久し振りの新幹線なので,座席指定で行こうとも思ったが,前日まで指定席は空いていたので,自由席を狙って東京駅まで。でも,けっこう空いていました。品川からでも座れました。まあ,ともかく座れてよかったんだけど,東海道新幹線は禁煙席でもなぜか臭いんだよな。はじめはすごく臭くてしょうがないんだけど,3時間弱乗っている間に慣れてしまって,しまいには鼻の中が臭さで凝縮されているんだよね。あの臭いは頭が痛くなります。さすがに新大阪駅は東京駅の6割くらいの混雑がありましたが,大阪駅に移動して環状線に乗り換えると,日曜日の昼間だというのに,平日の山手線よりも全然空いている。しかも,環状線なのに快速とかいろいろあって,ドアの少ない座席が前を向いた車両が当たり前のように走っていることに,ビックリ。

20080704_003 環状線から有名なビルがみえました。

そして,待ち合わせの新今宮駅に到着。まだ30分以上あるので,昼食をとろうとあたりをブラブラ。そういえば,数年前に地理学者の山口 晋君に案内してもらった場所で,串カツやが軒を連ねるような庶民的な地区だったことを覚えている。しかし,すっかり廃墟になってしまった遊園ビル,フランチャイズのカフェなど一軒もなく,皆昼間っから串カツを食べています。ここに限らず,環状線に乗っている若者もいまどきのファッションではなく,かなり自分自身の居心地の悪さを感じる。こんな場所に来て,現実から乖離したような形而上学な発表などしていいのだろうかと思う。結局,その辺りを一週して,待ち合わせの改札から歩いて30秒もない喫茶店でサンドイッチセットを食べる。内装も価格も,おばちゃんもまさしく庶民的です。まあ,でも山手線でも西日暮里から大塚辺りまで乗ったと考えればこんなもんだとも思ったりして。

20080704_005 廃墟の遊園ビル

20080704_006 いかにも大阪的風景,通天閣です。
結局,この日はあちらの都合で日程が決まったにもかかわらず,出席者は私の他に5人のみ。しかも,哲学者の木岡伸夫さん以外は地理学者で,年齢的にも大平晃久氏が学年が私より一つ上だが同じ1970年生まれで,他は私より年下。大平さんは彼の論文を私が『地理学評論』上で批判論文を書いた仲で,若松君と泉谷洋平君は私の『地理科学』の論文に批判論文を書いてくれた仲。そして,もう一人が西部 均君。会場はこのメンバーの中の幾人かが関わっている大阪市立大学が借り受けている部屋。普通の会議室かと思ったら,なんと1,2階に100円ショップが入っているビルの2階。3階に会議室らしきものがあるらしいが,エアコンの効きが悪いので,人数も少ないことだしということで,2階の小さな部屋でやることになった。エアコンをつけてもギリギリ汗は出ないほどの不快指数のなかでの3時間弱。私の発表内容は,ポール・オースターの小説『ガラスの街』をめぐるあれこれでしたが,初対面の木岡さんをはじめとしてとても有意義な意見をもらって嬉しい限り。やはり一人で悶々と考えているだけでは駄目だね,と感謝。

20080704_009 研究会会場近くにあったそばや。オールナイトって...
とりあえず,打ち上げということで,こちらの幹事の泉谷君の住んでいる近所のジンギスカン店ということで,環状線で弁天町まで移動。この日も私はあまりアルコールがすすみませんでしたが,たらふく食べて,その後は私が呑めないということで英国風の紅茶のお店でシフォンケーキをいただいたりして,20:30ほどに解散。なんとこの食事代は全て研究会の経費から出してもらっちゃって,しかも帰りがけには交通費もいただいちゃいました。研究と称して,研究以外にも経費が使えるという環境は羨ましい限りではありますが,とりあえず一日かけて行った甲斐は十分にあったのではないでしょうか。
京都に住む若松君とともに新大阪まで一緒に行き,私は新幹線に乗り換えましたが,帰りものぞみの自由席に座れて,快適。往復の新幹線で,残りのレポート採点も終わった。

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薔薇十字の覚醒

フランシス・イエイツ著,山下和夫訳 1986. 『薔薇十字軍の覚醒――隠されたヨーロッパ精神史』工作舎,440p.,3914円.

イエイツの本は以前にも紹介したと思う。『ヴァロア・タピスリーの謎』や『世界劇場』,『記憶術』など一風変わった歴史記述はいつも刺激を与えてくれる。アラン・コルバンなどのアナール派とは全く異なるアプローチで,ルネサンス期の科学と地下文化について深い洞察を与えてくれる。
「薔薇十字団」は種村季弘が『薔薇十字の魔法』(1986年,青土社)でも取り上げているが,なかなか実態がつかめずに終わっているような気がする。そして,真面目な歴史家ではなく,読み物として面白い種村氏の歴史記述で取り上げられるような特徴を持っている。つまり薔薇十字団は正史に登場するようなものではなく,いわゆる存在したかどうかも分からない地下組織であるところに特徴がある。実際にこの組織は一般的に「薔薇十字宣言」と呼ばれてる2つの文書,「友愛団の名声,および薔薇十字のもっとも気高き結社の友愛団の発見」および「友愛団の告白,あるいはヨーロッパの全学者に宛てて書かれた,薔薇十字のもっとも立派な結社の称えられるべき友愛団の告白」という,それぞれ1614年と1615年に出版された小冊子によってのみ,その組織の確実な存在がほのめかされているにすぎない。そして,この2つの文章は本書に収められているわけだが,そのなかに,団員は団員であることを公言してはならないということが記されているために,いまだに薔薇十字団は謎なままであり,著名な科学者もその団員だったのではないかと噂されもしている。
しかし,ロッシによるベーコンについての研究書の邦題『魔術から科学へ』という時代に現れた怪しげな宗教団体として簡単に済ませることはできないというのがイエイツの主張だ。本書はまさしく正史である,英国王女エリザベスとファルツ選帝侯フリードリヒとの政治的戦略結婚の話から始まる。一見,かなり薔薇十字団とは無関係と思われる同時代的なヨーロッパの国境を越えた政治的動向が,ドイツで出版された上記「薔薇十字宣言」と緩やかなつながりを持ってくるということを一つ一つ丹念に辿ってくれるのが本書である。
これまでのイエイツ作品にも登場しているさまざまな科学者,哲学者が本書にも登場する。英国の数学者,ジョン・ディー,ロバート・フラッド,フランシス・ベーコン。ベーコンと並んであまりにも有名なフランスのルネ・デカルト,イタリアのカンパネッラ,果ては物理学者アイザック・ニュートンまで。近代的な思考の発端となったとされているベーコンやニュートンが,その裏では魔術的な思考の愛好者だったこと。ベーコンの遺作『ニューアトランティス』というユートピア物語の設定は薔薇十字団を知っていた可能性十分。もちろん,カンパネッラの『太陽の都』も。
この薔薇十字宣言は独自のオカルト思想というわけではなく,やはり当時のヨーロッパ社会に広く関連性を持っており,体系立って論証できないその残された断片のさまざまな象徴を読み解き,それをさまざまあ資料と結び付けていく,正攻法は現代文化を研究する私のような者にも学ぶところは非常に大きい。まあ,その博識には驚く他ないが,こういう刺激的な読書を経験させてくれる著書を自身でも書いてみたいものだ。

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そういえば,このblogも1周年です

7月25日(金)

タワーレコード渋谷店 omu-tone
この日は恋人とタワーレコード渋谷店で待ち合わせてomu-toneのインストアライヴを一緒に聴いて帰ることにした。ライヴはワールドミュージックの5階だが、1階に入るとなにやら見覚えのある女性の後姿。彼女が向かう先は可愛い女の子を抱っこした後藤郁夫さん。そう、その小柄な女性は大橋エリさんでした。「どうもー」と挨拶すると、「あら?ああ、オムトンね」といって、とりあえず私は5階へ。23日に発売になったコーコーヤのアルバム『antique』は5階では大々的に売り出されていてちょっと嬉しい。購入して恋人と落ち合う。
椅子は出ていなくて、もう始まる時間直前だというのにまだまだリハーサル中。リハーサルが終わって開始時間10分遅れ。スタッフは「時間も時間だしこのまま始めちゃいましょうか」といっていたが、なぜかメンバーはどこかに行ってしまう。結局、その後にスタッフが椅子を出してきて、とりあえず座るが、一向に始まらない。結局20分以上遅れて演奏開始。かなりパーカッションの音が大きくてちょっとどうかなあ、なライヴ。やっぱりomu-toneはbobtailかmanda-la 2で聴きたいもんだ。事前に買ったCDにサインをもらおうと思ったが、またまた段取り悪い。購入者特典があったらしく(私もタワレコで買ったが、その時にはなかった)、それを配布するのが先決だし、そもそも遅れているので、エリちゃん家族に挨拶して帰ることにした。

7月26日(土)

この日は私の誕生日。ちょっと興奮状態か、早めに起きてしまったので、軽くジョギング。本当は木曜日に髪の毛を切る予定だったが、考えていた地元の美容室が2つとも朝は混雑していたため、この日にずれ込んだ。またまた、恋人もこの日に切るというので、そして彼女の前のスタイルがなかなか素敵だったので、わたしも一緒に用賀まで切りに行くことにした。予想していたのとは違って、彼女の担当者が2人まとめて切ってくれた。ちょっとお調子者の若い男性ではあるが、きちんと話は聞いてくれるし、一方的におしゃべりではないし、なかなかいい感じ。スタイル的にもとても気に入りました。そして、彼自身もまあお世辞だとは思うが、前にどんな髪型をしていたか知りませんが、今のスタイルは雰囲気によく合っている、といってくれた。マッサージも入念に(本来私はあまり必要ではないのだが)、そしてドリンクも付いて4200円だから、まあまあいいのではないでしょうか。

軽く食事をして、恋人はちょっと学校に用事があるというので、別れて私は献血ルームへ。前にも書いたように、この日はわたしが自分で企画したライヴイヴェントがあり、17時には会場入りしなくてはならなかった。献血ルームに到着したのは16時15分前くらいで、成分献血が間に合うかどうか不安だったが、看護師さんの言葉を信じて採血を始めたが、どうやらわたしが出なきゃいけない時間が伝わり間違っていたようで、4サイクルのところを途中で2サイクルで切り上げてしまった。血液はちょっとずつ多くの人の血液を集めて使えるようなものではないので、なんとなく申し訳なく思いながら、銀座線で外苑前に向かう。

外苑前Z・imagine 東京生音生活vol.2
さて、やってきました、外苑前Z・imagine。17時に10分以上遅れてしまいましたが、到着すると戸田さんと私の恋人が先に来ていました。お店のスタッフは女性の方と男性のPAさんがいて、挨拶。実は事前にやり取りしていた人はこの日不在で、はじめましてでお願いしますって感じ。ほどなく歩さんが到着して、ステージ上でピアノを動かしたりしていると、美千代さんも登場。美千代さんはなんと昼間も代官山ball roomでのイヴェントに参加していてジャズヴォーカルの伊藤大輔さんの伴奏をしていたのだ。「暑いっすねー、お腹空いたっす」といいながら、衣装を着替え、上階のファーストキッチンで買ってきたものを食べています。なんだかんだでいろいろ準備をしていたら、音出しが始まったのは18時前。やっぱり会場入りを17時にしておいてよかった(通常は18時らしい)。
歩さんに「ナルセさんはリハーサルも聴いちゃっていいの?それとも本番までとっておく?」と訊ねられたが、やはりリハーサルも聴きたい。実はこの日はわたしのトークもある予定だったので、何を話すかをまとめながら先日のリハーサルでは聴けなかった、美千代さんと歩さんのデュオの成果を聴く。まあ、感想は本番にところで書くとして、やはりこの日のライヴが素晴らしいものになることを確信してワクワク。結局、リハーサルは開場時間の19時には終わらず、ちょこっと階段を上って様子をうかがおうとすると、やはり下りてくる人がいて、「ちょっと遅れています」と伝える。歩さんに「あと2曲!」といわれて、結局開場は10分ほど遅れてしまった。さすがに出演者はこの空き時間に食事というわけにもいかず、わたしと恋人2人で近くの蕎麦屋で軽く食事。なんだかんだで開演予定時間になってしまい、お店に戻ると15人ほどのお客さんが既にいらしています。カウンターの一番ステージに近い席にはTOPSさん、その2人となりにはサカウエ君という面々。残念ながら他に私の知り合いはいませんでしたが、一人客の多いお客さん同士も程よい感覚でいい感じです。本当は20人目標ということでしたけど。
しかし、出演者たちは店内にはいない。どうやら、直前の打合せか単なるおしゃべりか、「うっかり10分くらいいいだろう、とやってしまいました」といって、結局20分遅れほどで開演します。はじめはピアノ松下美千代さんとチェロ橋本 歩さんのデュオから。美千代さんのウッドベースとのデュオCD『Infinity』の収録されたアルバムタイトル曲「Infinity」は本来チェロのために作られた曲だといい、以前からチェロとやってみたいといっていたのをわたしが覚えていて、今回はその希望をかなえられたという形です。そのウッドベースの矢野さんとのトリオ演奏は聴いたことがあるけど、確かその時はこの曲はやらなかったはず。そんなことで、初っ端からガツンと一発やられます。やはりこの2人スゴイ!楽曲の素晴らしさももちろんのこと,けっして簡単ではないこの曲を,リハーサルの時から一発で弾きこなしてしまう歩さん。ちなみに,私は座席がないので,一番後ろで立ったまま全体を見渡します。なんかね,自分の企画イヴェントだと落ち着いて座ってられないんですよね。細かい順序は忘れましたが,程なくして戸田和雅子さんもステージ上に呼び込まれます。そこからはけっこうあっという間の1stステージ。戸田さんの曲で私がリクエストしたのは「その瞬間を」と「でかけよう」。この日のために彼女のアルバム『PASSING』と『water strings』を何度か聴き直したのだが,やはり名作だ。彼女の作る曲にはずれはない。そして,CDではピアノが入っているこの2曲を是非聴きたいと思ったのだ。毎年6月にハセガワミヤコさんと一緒にやっているイヴェントで,ミヤコちゃんのピアノを交えて戸田さんの曲を演奏しているが,それ以外ではピアノのサポートを入れることはほとんどない。そこが今回の組み合わせの1つのポイント。実際,この2曲は歩さんも交えての3人の演奏になったのだが,「その瞬間を」の演奏の前に戸田さんは,「この曲はCDでピアノが入っていますが,ライヴでピアノを入れるのはレコ発以来です」といっていた。レコ発はどんな編成だったんだろう。まあ,ともかくこの日は戸田さんファンにも貴重なライヴです。そして,「my favorite things」はなんと,戸田さんがギターを置いてピアノ伴奏のみで唄う。こういうのも密かにリハーサルしていたんですね。

20080728_024 チェロ橋本 歩さん

20080728_022 ピアノ松下美千代さん

20080728_016 歌,戸田和雅子さん
さて,しばし休憩を挟みます。昨年のグレープフルーツムーンでの歩さんとオオニシユウスケ氏を招いての戸田さんライヴの終演後,私と歩さんに戸田さんとサカウエ君を交えてしばし歓談したのです。その場で昨年の私の誕生日イヴェントの話になり,歩さんは「ナルセさんも是非話すべきだ!」となぜか力説していた。今年は出演者に歩さんを招いていることもあって,この休憩時間中に私の話をすることになった。いつもの学会発表でもせいぜい発表時間は15分でいつも足りずにもどかしさを感じている私ですが,この日も与えられたのはせいぜい15分。しかも,私の話を聴きにきた人などいないお客さんのなかで何を話せばいいのかという感じでしたが,はじめに歩さんが一緒にステージに上がってくれて,後半は他の2人も呼んで,まあそれなりの話になったのではないでしょうか。一応その内容を簡単に説明すると,自己紹介も兼ねて自分が大学でも教えている研究者であることを説明し,音楽家と研究者の類似点と相違点を示す。その相違点から,音楽はいかに多く人に受容されているのに対して,研究書というのは研究者の仲間内でしか受容されないという嘆きと,研究書でも音楽と同様に日常生活の癒しとなることを主張。
心優しいお客さんの多くが耳を傾けてくれて,2ndステージに突入。こちらも初っ端が歩さんと美千代さんのデュオからスタート。美千代さんのCDには納められていない比較的最近の曲「waltzer」,ワルツを踊る人という意味だそうですが,辞書には載ってなくて綴りがあっているかどうかは分かりません。普段は美千代さんが鍵盤ハーモニカを譜面台において,右手で主旋律を弾き,ピアノを左手で伴奏しているが,この日は主旋律をチェロに任せての演奏。これがまたまた素晴らしかった。リハーサルでは素人の私には全く分かりませんが,歩さんが「どうしても弾けないところがあるんだよなあ」などといっていましたが,いやはや見事です。2ndも戸田さんの歌声たっぷりのステージで,全体の構成を考えてくれた歩さんに感謝,感謝ですが,やはり本人が控えめなだけに,ちょっと期待していたair plantsのピアノヴァージョンは残念ながらありませんでした。また,戸田さんの曲での美千代さんソロももっと聴きたいところでした。本編が「でかけよう」で盛り上がって終わった後,前方からTOPSさん,後方から私,中央からサカウエ君の拍手で盛り上げて,終演予定時刻の22時をかなり回ってはいましたが,アンコールに突入。すると,予想外にというか,お約束のようにというか,昨年には誰も用意していなかったバースデイケーキが登場して美千代さんのピアノでハッピーバースデイの合唱とともに,私がステージに呼び出されます。このケーキは恋人が用事があるといって先に南青山にあるケーキ屋に取りに行っていたものでした。ここまでやっていいのか!って気もしないでもないですが,まあ1年に1度しかないことですから。よしとしましょう。
結局,アンコールは美千代さんのオリジナルのゆったりとした曲と,戸田さんの曲で閉め。22:30を回ってしまいました。終演後私はもう1杯赤ワインを注文し,ステージ近くでサカウエ君とTOPSさんとおしゃべりし,出演者は出口近くでお客さんとコミュニケーション。いい感じです。でも,そこでどんな感想が伝えられたのか,気になるところでもありますね。こちらではケーキを8等分して,出演者や残ってくれたお客さん,そしてお店にスタッフで美味しくいただきました。一通り落ち着いたあとで,出演者と私と恋人,TOPSさんとサカウエ君でおしゃべり&記念撮影。時間が時間だったので改めて打ち上げはできませんでしたし,そのおかげでおそらく歩さんはほとんど何も食べていないようですが,ここZ・imagineで23:30くらいまで呑んでおりました。今年も幸せな誕生日でした。

20080728_006

写真撮影はコウガホウさん

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観劇は自分への誕生日プレゼント

7月24日(木)

この日は2日後のライヴのリハーサル。12時に下北沢440の上、2階にあるANDY'Sというスタジオに出演者と集まります。最近渋谷にも出店した「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が食べたくて、恋人と少し前に渋谷で待ち合わせ、ドーナツを購入してから軽くランチをして下北沢へ。ここのドーナツは行列で有名だが、イートインも充実している渋谷店は木曜日の11:30ではガラガラ。以前にも「コールド・ストーン」という行列のすごいアイスクリーム店が渋谷にオープンした時には行列は短かった。何かあるんですかね。ともかく、意外にもここのドーナツは種類が少なく、スタンダードなもので値段も法外には高くない。
スタジオに着くと、既に松下美千代さん、そしてわたしたちの後ろから登場した戸田和雅子さん、少し遅れて橋本 歩さん。いつも夜に会うミュージシャンですから、こんな真昼間には化粧もしてないのではと思ったが、戸田さんはバッチリ。でも、歩さんはどうやら二日酔いの様子。美千代さんも右手首が腱鞘炎気味ということで、ミュージシャン生活もなかなか大変なようだ。当初は「成瀬さんのやりたいように」といわれていたが、やはりもっぱら聴く一方の私には具体的な方策を提示することはできず、最終的には歩さんがリーダーとして2人を引っ張っていってくれた次第。美千代さんは2人と初対面だし、26日当日は昼間にもライヴがあり、十分にリハーサルができなそうだったので、事前のリハーサルの予定が立たないのを私はどうしようもなく不安だったが、水面下でリハーサルの日程調整はされていたらしい。最終的に登録制というこのスタジオを戸田さんが確保してくれて、実現したのです。そして、当日の全体的な流れも歩さんが考えてくれていて、ほぼそのとおりの進行になりそうです。
残念ながらこの日はわたしが予定を入れてしまい、恋人もアルバイトがあるということで、われわれ2人ははじめの1時間ちょっとしかいられませんでしたが、なにやら音楽用語が飛び交うなか、見守ることしかできませんでした。でも、譜面とその音楽用語のちょっとしたやり取りだけで、音が出来上がっていくのはすごい。やはりさすがだこの3人、と安心して私は渋谷に移動したのでした。結局、彼女たちのリハーサルは17時まで続けられたとのこと。少しでも役に立とうと、7000円強のスタジオ代だけはわたしが払いました。でも、平日パックでかなりお得なようです。確かに、先日うさぎさんの呑み会で銀座カラオケをしたときは2時間で11人、飲み食いはしたものの、1人2000円取られましたから、それよりよっぽど安い!

渋谷PARCO劇場 SISTERS
さて、わたしが急遽行くことになった舞台は長塚圭史氏作の「SISTERS」というもの。長塚氏の舞台といえば、歩さんも前回の「ドラクル」という作品で生演奏で参加したものだ。まだ地方公演は残っていると思いますが、ネタバレでいきますので注意してください。
主演は松 たか子と鈴木 杏。実の姉妹という関係ではない。鈴木 杏は父親とホテルで2人暮らし。そのホテルは父親の妹がやりくりしていたもので、その妹は自殺し、その旦那が現在経営している。子ども向けの物語を書いているというこの父親は、そんなことでホテルの一室を間借りしている。その旦那は妻がいなくなった今、レストランの食事を調理するために、親戚のシェフの手を借りて料理修行をすることに。そのシェフを演じるのが田中哲司で、その奥さん役が松 たか子という関係。だから、松 たか子と鈴木 杏はかなり遠い親戚関係にある。この夫婦が料理修行のためにホテルの一室に泊まっている数日間を描いたもの。父娘が住む部屋と夫婦が住む部屋とはもちろん別だが、ホテルという画一的な部屋の構造を活かして、セットは変えずに、時折登場人物が入り乱れながら展開していきます。
この父娘は恋愛関係を結んでしまっている。そして、この夫婦は新婚だというのにイマイチうまくいっていない。この2つの人間関係から、松 たか子と鈴木 杏が互いを求めるように急接近する。松は幼い頃、父親に悪戯されていたという記憶が恐らく夫婦仲に響いている。悪戯といっても、一方的な父親による娘の支配という構図ではなく、まさにこの父娘と同様に、娘の側も支配されていることを望んでいるのだ。ただ、松の場合にはそこにもう一人、妹が介在する。その父親が妹に執着するがために、松は悪戯から解放されはするのだ。しかし、妹はそれで気がふれてしまう。松は杏に妹の姿を重ね、彼女の将来を想って、断ち切ることを薦めるが...
まあ、そんなドロドロ悲劇です。ちなみに、私は2週間前ほどにチケットを購入したので、後ろから数えて4列目くらい。でも、PARCO劇場ってやっぱり舞台のためにつくられているので、上のほうでもさほど遠くはないです。以前に矢野真紀のコンサートで最前列に座りましたが、その時後ろを振り返って感じたほど広くはない。ただ、舞台の臨場感という面ではさすがに前半は冷静に見ていました。杏ちゃんのテンションの高さに比べると、松さんの前半はかなり抑え気味で、演出自身もかなり控えめ。ちょっと退屈しそうになるところでしたが、全体を見越しての演出だったんですね。徐々に舞台はヒートアップしていきます。ここから松さんの本領発揮(?)。私はテレビでしか彼女の姿を知らないが、舞台によく出演しているのは知っている。始まった頃はちょっと声が聞こえにくいくらいだったが、後半になるにつれて、テレビでは観ることのできない彼女の激しい姿に圧倒されます。最後のシーンでは、いつの間にかセットが床上浸水してきて、出演者はバシャバシャしながら、立ち居振る舞います。特に意味のある演出かどうかは疑問なところですが、緊迫感を増すのに役立っているのは確かかも。1日2公演ある日もあるのに、ベッドだのソファだの、はたまた革靴だのはどうなるんだろう。
いかにもフロイト的テーマでしたが、なかなか楽しめる舞台でした。舞台セットもシンプルで、登場人物も少なくて、このくらいだと集中して楽しめます。

さて、続いては日暮里に移動。その道すがらで夕食を食べるつもりでしたが、なかなかいい店がなく、結局目的地のBar Portoまで着いてしまった。でも、まだ時間に余裕があるので、もう少し先まで歩くことにする。この日もかなり暑く、もう疲れてしまったので、唯一何か食べさせてくれそうな、小料理屋に入る。まあ、それほど高級なお店でもなさそうだし、いわゆる居酒屋でもないようで、店頭にはメニューがあったので安心して、メニューにあった「天丼1200円」を注文。まあ、なんとか許容範囲だ。飲み物などは控えるつもりだったが、あまりにも暑かったので思わずビールを注文。すると、キリンの「ブラウマイスター」でした。たまに、「キリンシティ」で飲みますが、こうしておいてある店もあるんですね。しかも、キリンシティよりも安いような。お客は私一人で、もちろん全てその場で調理してくれます。刺身と漬物と味噌汁とついて、大きな海老が2匹というような一般的な天丼ではなく、ふわっとした衣ではなく、カリっとした薄い衣で小さな海老が6匹くらい、その他も野菜とキノコ類などで、満足な定食でした。食べ終わる頃に「これ食べてね」と沖縄産のドラゴンフルーツ1/4カットを持ってきてくれる。ふと入ったこんなお店で、ちょっと心細くなっていた気持ちもすっかりよい気分になって(少し食べすぎ感はありましたが)、Portoに戻ります。

日暮里Bar Porto tomoca
これまでわたしがオーボエ奏者tomocaさんの演奏を聴くのはいつも太宰百合さんと一緒だった。でも、彼女の演奏を初めて聴いた時に購入した彼女のCD『Aqui』もとても好きで、このCDで一緒に演奏している鴛淵(おしぶち)禎祐さんとのデュオを一度聴いてみたくて楽しみにしてきたのだ。お店に入ると、お客さんは3人程度で、出演者の2人を交えて妙に話が盛り上がっています。新国立美術館の話かなんかで、終演後の話題はオペラの話で、妙にハイカルチャーでわたしにはついていけません...見た目普通のおじさんたちなんだけどね。
まあ、それはともかく、以前から鴛淵さんは変な人でって話は聞いていたけど、見た目もなかなかです。なにせ、tomocaさんが一緒にやるようになったのは、tomocaさんの楽曲にギターサポートという形ではなく、むしろ面白い曲を書く人がいるってので、一緒にやるようになったとのこと。年齢はかなり不詳だが、少し長めで後ろで束ねている髪は白髪交じりである。でも、奥さんはわたしと同い年らしく、お子さんはまだ生まれたばかりという。まあ、ともかく、ギターをたてに構えての演奏や、CDでも披露しているスキャット(?)もなかなか魅力的で、素的なステージでした。

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