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MARICOVER

erimba with HARCO『MARICOVER

Maricover

erimbaこと,大橋エリさんと私が出会ったのは2004年の7月。その前の年から私はHARCOが好きになって,それから数年は足繁くHARCOライヴに通っていた。そんなHARCOをゲストで迎えたerimba企画のDiningというイヴェントの1回目が下北沢440で開催されたのです。残念ながらそのイヴェントは1年間,4回で終わってしまい,それ以降エリさんはerimbaという名前を使わなくなってしまいました。
さて,そのことはさておき,そのDiningの1回目。ゲストがHARCOということで,行ったイヴェントですが,とりあえず主催者であるerimbaこと,大橋エリさんのことについて調べると,HARCOのミニアルバム『大気圏シャワー』やフルアルバム『シンクロの世界』でマリンバ参加をしている人物だと知る。HARCOのステージは一人ピアノ弾き語りから,パーカッションに金野さんを招いて2人,そして主催者のエリさんを呼び込んでの3人の演奏だった。特に,1台のマリンバをHARCOと連弾するエリさんの姿が素敵で,そしてもちろん初めて生で間近で聴くマリンバの魅力に一目惚れ。しかも,その後のerimbaの演奏のすごいこと!この時erimbaという名前は,HARCOと同様に,エリさんの個人ユニット名だったが,基本的にオリジナル曲を中心に演奏していて,そのオリジナル曲がアヴァンギャルドですごいのだ。
その後,one toneというユニットのサポートや,オルガン奏者下村真有美さんとのデュオ,ギタリストUMEZYとのデュオコミルコ,竹マリンバユニットバンブーオーケストラ,三鷹で毎年行われるモンジャーニコンサート,フドラマーイトケンさんの変則ユニット,erimbaにも参加しているthe primroseのベーシスト松井さんとのデュオ,鬼太鼓座,今はリズム隊3人になってしまったギャルバンドHB,ギタリスト後藤郁夫さんとのデュオerikuo,ピアニスト宮嶋みぎわさんとのデュオ,などなどできる限り彼女が参加するライヴ・コンサートには出かけた。江ノ島や鎌倉,大宮から西立川まで。
そんなさまざまな形態,ジャンルで活躍するエリさんは,自らのユニットerimbaを中心にしながらも,erimbaのサポートとしていつも一緒だったギタリストの永田太郎さんが正式加入ということで,erimba名義を2人のユニットetaに変更,erimba名義では自主制作の2曲入りCDがあるだけで,その後レコーディングをしていたという話もありましたが,etaになり多少の路線変更があり,その後結婚,出産と生活の大きな変化に伴ない,音楽活動も大きく変化します。

子育ても一段落して,お子さんを連れて公的な場での演奏をするようになったエリさんから,本格的なレコーディングが始まったと嬉しいニュースが届く。しばらく水面下で動いていたようですが,HARCOの側からも情報が開示されます。HARCOプロデュースによる,マリンバのカヴァーアルバムが発売されるというもの。そして,erimba with HARCOという名義であることが決まり,etaで活動するようになってから封印されていた名前,erimbaが復活し,しかもポリスターから,いきなりメジャーデビューです。でも,このCDの装丁は素晴らしい。最近エコに目覚めているHARCOだけあって,CD本体以外は全て再生紙100%の紙仕様。インクは大豆インクです。もちろん,そのことは別にしても,素晴らしいイラストで,楽曲の内容とピッタリ。
そして,肝心の音自体ですが,かつてのerimbaの活動を知っていて途中経過を知らずにこのCDを手にした人はビックリするかもしれない。とても,明るく,軽くて,ポップで,楽しい。かつてのerimba時代のライヴはエレキギターの残響を利用した,幻想的で海の中や宇宙空間にいるような,そんな音の世界に漂う感覚を作り出す演奏だった。エリさん自身も演奏中に笑顔はなく,ひたすら左右に動き回りながら鍵盤を弾く,そんな演奏。もちろん,その楽曲は素晴らしく,私は大好きだったわけだが,一般受けするような音楽というよりも玄人好みするものだった。結局,そのerimba名義のイヴェントDiningは4回で終了し,もちろん私は全て出席したわけですが,ゲスト出演者も豪華,erimbaバンドとして参加したミュージシャンも豪華だった。
そんなerimba,etaを休止し,カヴァー中心の夫婦ユニットerikuoを始め,子育てを経たエリさんが取り組んだのは,当初からレコード会社によるマリンバ・カヴァー・アルバムという条件があったものの,お年寄りや子どもにも聴きやすい楽しくて軽快な音楽だった。もちろん,エリさんはさまざまな音楽活動のなかでお年寄りや病人,子どもたちを相手にした演奏はお手のもの。本人も体が小さくて笑顔が素敵な女性ですから,彼女の人柄そのものだともいえるでしょう。むしろ,かつてのerimbaの音楽は彼女の芯の強さや可愛い笑顔の裏に隠れた感情(否定的な意味ではなく,誰でも苦しみや悲しみの感情も持っている)などが表現されたものなんでしょうね。両者が合わさって,大橋エリさんということになるんでしょう。是非,第2弾として,erimbaオリジナルアルバムも作ってもらいたいもの。レコード会社も『MARICOVER』が好評だったら,そのくらいの冒険をしてくれてもいいのではないでしょうか。
でも,この軽快で楽しい『MARICOVER』も出産と同様,産み落とす作業はかなり大変だったようですね。防音設備が整った大橋エリさんの自宅で毎日のようにHARCOがやってきて長時間にわたる作業,その様子はお2人のblogでも知ることができますが,HARCOの初めての他人へのプロデュース,そしてエリさんは自分名義で初めてのCD。そんなお2人にとっても満足な出来栄えだというこのアルバム。まさに家庭に1枚の定番アイテムとなりましたよ。また,家族のある友人へのプレゼントとして,私も2枚目,3枚目とプレゼント用に買うことになるでしょう。

音楽的知識のない拙い私ですが,1曲ずつコメントしてみましょう。
1曲目「I Got Rhythm」は私の好きなピアニスト,松下美千代さんも好きな作曲家ガーシュインの曲。このアルバムはerimbaことマリンバ奏者の大橋エリさんと,HARCOことピアノ演奏の青木慶則によるものだが,多くの曲に大橋エリさんのご主人,ギタリストの後藤郁夫氏が参加している。1曲目はその3人に加え,クラリネットとトランペット,とローンボーンというホーン隊が入った賑やかなオープニングだ。
2曲目「What Game Shall We Play Today?」はerimba名義で活動していた時から演奏していた,エリさんが大好きな軽快で楽しい曲。その当時はエレキギターとの2人だったが,今回はアコーディオンを入れて,より柔らかい雰囲気。
3曲目「Sunday Morning」はいろんな編成でエリさんの演奏を聴いている私でも聞き覚えのない曲。でも,サビのトレモロのとても気持ちよい曲。水の泡のような効果音や中ほどから登場するアルトサックス,鳥の鳴き声からエレキギターのソロへという流れも楽しい。まさにアルバムごと日曜日の朝にピッタリ!
4曲目「世界の車窓から」はお馴染みの曲。エリさんがたまに共演している二胡奏者の程さんが途中で参加し,まさに世界の車窓からに相応しいアレンジ。
5曲目「第3の男」は続いてテレビでお馴染みの曲。エビスビールのテーマソングですが,実は1949年の英国映画『第3の男』の主題歌とのこと。
6曲目「Copacabana」はバニー・マニロウの曲とのことですが,フリューゲルホルンとトロンボーンのパートや,後藤氏によるバンジョー,そして後半のHARCO夫妻(青木慶則氏とQuinka, with a Yawnこと青木美智子さん)によるコーラスで,すっかり歌ものの原曲は想像できません。バラエティに富んだ楽しいアレンジ。
7曲目「Young Folks」では,マリンバにヴィブラフォンを重ね,後半からは二胡,そして徐々にドラマーでもあるHARCOによるドラム音(プログラム化されたもの?)も加わって,疾走感のある旋律。
8曲目「New Soul」はいかにもHARCOっぽいピコピコ電子音から始まるエキセントリックな仕上がり。ここでもベース音にマリンバを重ねて繰り返し,グロッケンで旋律を奏でるというアレンジ。後半ではマリンバが主役になってきます。
9曲目「Sugar Town」はもちろんマリンバと,そしてアコーディオンが中心になりながらも,いろんな楽器が登場してとにかく楽しい。そして,可愛い。
10曲目「L.O.V.E.」はナット・キング・コールの有名な曲ですが,erimbaとHARCOのマリンバ連弾。冒頭には赤ちゃんの声も入っています。大橋エリさん自身にも2歳になる娘さんがいるのです。そんな,小さなお子さんと一緒に楽しみながら家族愛を感じることのできる曲。
11曲目はHARCOを再び人気者にしたCM曲「世界でいちばん頑張っている君に」。HARCO自身の作詞作曲ではなく,正直いって私はそれほど好きな曲ではないのですが,ヴォーカルなしのマリンバの音色だと落ち着いて聴くことができます。

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コメント

CDのイメージ写真をアップしたら?

投稿: 爽健美茶 | 2008年8月27日 (水) 11時38分

>爽健美茶さん
こんな感じでいいですか?

投稿: ナルセ | 2008年8月27日 (水) 12時28分

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