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ライヴのない平日

8月26日(火)

新宿K's cinema 『能登の花ヨメ
田中美里主演映画。派遣社員でバリバリ働いた主人公は、勤務先で取引のあった会社の男性と知り合い、めでたく寿退社。婚前の彼のニューヨーク出張中に、石川県能登半島の小さな村で一人暮らしをする彼の母親が交通事故にあったということで、身の回りの世話をするために東京から能登へと旅立つ主人公。その母親を演じるのは泉 ピン子。今回の役では言葉少なだが、無愛想に姑を迎える存在感はさすが。数年前に地震の被害にあったばかりの高齢化が進むこの閉鎖的な町で、都会から来た女性が、はじめのうちはなかなか溶け込めないが、徐々に町の人の温かさに触れ、この土地に対する思いも深めていくという有体なストーリー。
広告代理店に勤めていた経験を活かし、この町で震災後に自粛し続けているキリコ祭りというのを復活させることに成功し、地元の人も彼女を受け入れていく。当初は東京で式を挙げようと考えていた2人だが、母が嫁ぐ時に着た白無垢を着て、この土地のやり方で式を挙げるというラスト。このお祭りを復活させようという主人公の提案に対して、地元の誰もが、「急によその土地からやってきて、土地の伝統を守れだなんてきれいごとをいうでねえ」というシーンがあった。このことはとても興味深い。かなり観光映画っぽいつくりになっているこの作品。この言葉を発するのは、テレビなどで活躍している松尾貴史。もちろん、彼の生活は東京が中心だろう。その他にも多くが私も知っている俳優たち。もちろん、ほとんどのスタッフ、キャストは東京からやってきているに違いない。そしてなによりもこの撮影のために、キリコ祭りは20年ぶりの盛況さで擬似的に行われたという。しかも、映画と同様に、撮影ということで近隣・遠方からエキストラとしてこの町出身者が戻ってきたという事実。
ちなみに、この作品の音楽は大江千里が担当しているとのこと。そして、主題歌は大江作の曲を岩崎宏美が歌っている。なぜか、エンドロールには「岩崎宏美さんと能登を応援する会」のような団体がいくつも。でも、岩崎宏美は能登の出身ではないようだ。どういうことなのか?まあ、ともかく考えさせられることの多い作品。

映画の後は祖師ヶ谷大蔵まで。実はこの日、引越し中のチェロ奏者、橋本 歩さんの自宅を訪ねることになっていた。恋人と駅で待ち合わせ、昼食をとって歩さんちへ。先日吉祥寺stringsでのライヴの際、歩さんが「今、引越しでCDの整理をしていて、処分したいのがけっこうあるんですけど、成瀬さん聴きませんか?」といわれ、そのいくつかのリストのなかに私が持っていないものもあったので、「是非いただきます」と回答。ついでにCDラックも余っているのがあるから、ということでそれを取りに行ったのです。翌日が引越し、3日後の飛行機で渡米するというのに、部屋のなかは散らかり放題。昼間っからビールを飲みながら梱包作業をしている歩さん、さすがです。私たちは幅21cm、高さ180cmあるCDラック(というより隙間家具)を梱包し、もらうCDを選別。ヤマト運輸に取りに来てもらう連絡をして帰ります。本当は引越しの手伝いをして、一段楽したところで一緒に食事でも、と思ったのですが、まだ手伝える状態でもなかったし、歩さんは一人のほうが気が楽だということでお暇しました。

8月27日(水)

この日は恋人のアルバイトが終わってから食事をする約束をしていたので、その前に1本映画を観る。

渋谷イメージフォーラム 『小さな赤い花
中国には全寮制の幼稚園ってのがあるんですね。そこに預けられた男の子が主人公。この幼稚園ではクラスの担任の先生の支配の下、他の3人の先生とともに、厳しい規律が保たれている。その日よい行いをした子どもには紙でできた小さな赤い花が与えられ、その花の数が成績表のように張り出されるのだ。この主人公の子どもははじめから、服も一人で着れないし、おねしょはするし、で花を一つももらえない。そのことを不満に思ってさらに行いは悪くなり、ますます規律の和から外れていく。そして、その子は「担任の先生は妖怪で、みんな食べられちゃう。食べられちゃった子どもには尻尾が生えてくる」と嘯く。
まあ、あえて説明すればこんなストーリーだが、全てがフィクション的一貫性で作られているわけではない。そもそもが、こんな4,5歳の子どもたちが脚本どおりの演技をするはずがない。主人公の男の子は本当に可愛く、喜怒哀楽が激しく、意地悪で、面白い。おそらく、監督や脚本家は撮影するなかで、面白い映像やエピソードなどを作り、それらを緩やかに結び付けていったのだと思う。でも、全体的には大人の社会にも反映できる社会の怖さを物語っているのではないだろうか。

映画が終わって恋人と落ち合い,溝の口の焼肉屋へ。久し振りの焼肉でしたが,ガード下の「二の鉄」という渋いお店。実はチェーン店でしたが,けっこう安くて美味しかったです。

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コメント

引越し作業をビールを飲みながらする女性はあまりいないと思いますが、歩さんらしいですね。以前にもCDを処分したそうですが、BOOK-OFFに売るくらいなら譲って欲しいと思いました。僕はあまりモノを捨てられないほうで、特にCDは売らずに取っていますが、読まない本や着ない服は捨てないと、収納から溢れたものが何となく山になって部屋がすぐに狭くなってしまいます。これまでは月に一度の大掃除みたいな感じでやってきましたが、それもそろそろ限界。近々、雑誌と服をどんと捨てようかと思っています。

29日は渋谷「DUO」でJiLL-Decoy associationのワンマン。ホーン隊がいなくなって、シンプル構成のジルデコ、チヒロの歌わたっぷり聴くにはこの方がいいのかも知れませんが、あまりPOPになると、このバンドならではのスタイリッシュな良さがなくなってしまう気がしないでもない。衣装替えもたっぷり、サービス満点のライブは良かったのですが、少し複雑な心境。
30日は「葛西臨海水族園」でNUUのフリーライブ。天候が心配でしたが、昼過ぎには晴れてライブ開始の14時頃はけっこう暑くなりました。小一時間と時間もたっぷりでしたが、小さな子どもには少し長かったようです。豊洲に移動して、alutoのフリーライブへ。が~ん、何と悪天候で中止(雨降っていないのに)。さて、茅ヶ崎のaikoのフリーライブ、今からだと遅刻だし、こちらも中止かも知れない。船橋のレストランで20時スタートのFonogenicoのライブに行こうと、念のためお店に連絡するが、満員で断られる!! 何てこと。というわけで、雨に一喜一憂した一日。(aikoのライブはちゃんとやっていて、大雨だったFonogenicoはキャンセル客が出て入れた様子)
31日はナナカイ☆の昼のイベント。高鈴にハセガワミヤコと、なかなかのメンツ。それにしても高鈴の二人、高稲さんの厳しい突っ込みを交わさない、山口くんがなかなかgoodでした。セットリストの紙に書いた曲名の漢字が間違っていた。それもエンピツで下書きをしていた山口君に、「意味無し!」って冷たい言葉。けっこう笑えました。(笑っちゃいけない?)

投稿: TOPS | 2008年9月 1日 (月) 17時58分

>TOPSさん
私もJiLL-Decoy,ちょっと行ってみたかったです。
『落語娘』という映画で主題歌歌ってますよ~
まあ,知っているでしょうけど。

投稿: ナルセ | 2008年9月 2日 (火) 18時01分

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