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過去と未来の間に

ハンナ・アレント著,志水速雄訳 1970. 『歴史の意味――過去と未来の間にⅠ』合同出版,198p.,680円.『文化の危機――過去と未来の間にⅡ』合同出版,186p.,680円.

ちょうど私が生まれた頃に出版された本。この合同出版のシリーズは青い簡素な表紙で,ペーパーバック。まあ,どこかの本棚に眠っていた期間が長いとはいえ,40年近い月日を過ごしてきたと思うと感慨深い。というより,安かったよな。
さて,アレントは以前『人間の条件』を読んで,本格的に読んでみようと思い,古書店で買ったもの。さすがにそう簡単ではない。なんといっても政治哲学者ですから。本書は1968年に出版された『過去と未来の間で――政治思想における演習』というエッセイ集。副題どおり,8つの論文が収められ,上巻に3つ,下巻に4つとなっている。
上巻
序 過去と未来の裂け目
第1章 伝統と近代
第2章 歴史の概念――古代と近代
第3章 権威とは何か
下巻
第4章 自由とは何か
第5章 教育の危機
第6章 文化の危機――その社会的政治的意味
第7章 真理と政治
第8章 空間の征服と人間の大きさ

多岐にわたる内容だが,本書を読んで,なぜアレントの文章が難解ながらも読みやすいかが少し分かった。当たり前の話だが,タイトルに書かれているテーマに忠実に論が展開されてること。まあ,最近の論者は(私も含め)タイトルなんて関係ないといわんばかりに自由に議論が拡散する。でも,逆にいうと日本語のタイトルはどうだったのかな,って思う。確かに,上巻には歴史論が含まれ,下巻には文化論が含まれるが,あくまでも,本書は原著の副題にあるように「政治思想」の書であるわけだから。
そう,まあ,「権威」はもちろんのこと,「自由」と「真理」がいかに政治と深く関わっているのか,あるいは場合によっては政治とは正反対の位置を占めるものと装おうとするもの。6章の文化の話も興味深かったけど,やっぱりポッブスとかカントとか,基本的なものは読んでいないといけないなあと実感。40歳を前にしても,まだまだ基本的文献の欠如がネックで読みこなせないものが多すぎです。

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