« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

2008年10月

クローゼットの認識論

イブ・コゾフスキー・セジウィック著,外岡尚美訳 1999. 『クローゼットの認識論――セクシュアリティの20世紀』青土社,384p.,2800円.

はっきりいって、最近の読書のなかでは一番苦労した。もともと気になっていた本だし、まだまだホモセクシュアリティの研究書で日本語で読めるものは少ない。かといって、本書が全般的に難解な文章から成っているわけではない。序文の問題設定は非常に明白で、ホモ・セクシュアリティに関する単純化された議論を複雑化しようとする意図は納得。
しかし、1章から始まる具体的な作品を通しての分析・議論は私にはとてもとっつきにくい。前半はそもそも著者名も作品名も聞いたことのないものばかりでしょうがないが、後半ではプルーストの『失われた時を求めて』が取り上げられる。『失われた時を求めて』は数冊呼んだことがあるが、それでもやっぱりついていけない。それはやはりこの日本社会におけるホモ・セクシュアリティの状況、まあそれほど大きくなくても私自身の周囲における状況があまりにも違いすぎるからだろうか。
しかし、本文を読んでいて理解できなかった、ホモセクシュアリティの普遍化の傾向とマイノリティの傾向というテーゼが、役者のあとがきを読んで理解できたってのは、やはり私自身の読解力の問題か。ともかく、これ以上書けないちょっと悔しい読書でした。
セジウィックの前作『男同士の絆』を読むべきか否か。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

あなたの履いているジーンズは中国製ですか?

10月29日(水)

この日は恋人が友達と表参道で食事をするからってことで呼ばれて行くことになったが、集合時間が遅いので、その前に映画を1本。

渋谷イメージフォーラム 『女工哀歌
現在、私たちの生活品には「made in china」がはびこっている。食料品については、多少お金を出せば日本産を手に入れることができるので、近年さまざまな形で問われている中国製を避けることができる。しかし、洋服となると、日本や欧米のブランド品でも多くが実際には中国製であり、特に特売品でなくても中国製を避けることは難しい。かといって、私は中国嫌いでもないし、どうしても中国製を避けたいと思っているわけでもない。ここ、イメージフォーラムでは『いのちの食べ方』、『いま ここにある風景』と、私たちの生活を見直すべくドキュメンタリー作品が続いている。『いま ここにある風景』はまさに中国を題材とした作品でもあった。
本作は、スイス生まれの異色ドキュメンタリー作家による作品で、中国にあるジーンズ工場を舞台としている。そこで働くジャスミンという1人の17歳の少女を追ったものだ。警察署長を辞して経営を始めたというこの工場の社長が冒頭に「世界における中国のイメージは間違っている。中国人は真面目で誠実な労働者だ」みたいなことをいっている。確かに、最近日本で報道される、中国産食品の不祥事ニュースの多くには生産者の姿は見えない。そこを知りたいがためにこの作品を観たかったのだが、結局のところはこの現状をどう理解したらよいのだろうか。どうしたら事態は改善されるのだろうか。途方に暮れる映画だった。
ジャスミンが17歳で出稼ぎに出たのは、彼女が次女だからだ。一人っ子政策ってのが未だにどれほどの効力を持っているか分からないが、ともかく長女が大学に行ったということで、次女は家計を支えるために、自ら進んで働きに出るという。住み込みの職に就くことで家計の出費を減らし、働いた給料を送金することでより助けになればという、涙ぐましい家族愛だ。といっても、あらかじめ就職が決まって都市へ出るわけではない。人伝いに人手を求めている会社を探し、直談判のようだ。それにしても、そんな状態でどうやって彼女が故郷を離れるシーンから撮影ができるのだろうか。
ともかく、ジャスミンは工場に併設された女工のための寮に住むことができ、早速朝の8時から勤務に就く。寮はもちろん共同トイレで2段ペッド。洗面所はなく、各自バケツで水を汲んできてベランダで洗顔、歯磨き、洗濯をする。お湯は有料。食事も給料から天引きだ。彼女の仕事はジーンズの最終工程、ミシンで縫った後の残った糸を取り除く作業だ。どの作業工程にもノルマがあり、それが終わらない限りその日の作業は終了しないが、効率よく作業を行うものは歩合制となる。作業中の居眠りなどには罰則があり、罰金としてこれまた給料から天引きされる。歩合制といっても単価は定まっているわけではなく、個々の発注によって異なる。発注先が代金を支払わない限り、動労者への賃金も支払われない。平気で3ヶ月遅れになったりするという。個々人の給料は職場に張り出される。ジャスミンの初任給は会社預かりとなり、数ヶ月お金の入らない彼女は正月に帰省もできなかった。初めて入った給料では実家に送金する以外はなんと精力剤の購入に当てるという。1日の労働をより効率的にするためだ。納期の前には深夜2,3時に及ぶこともある。作業が徹夜にまで及ぼうとしたある夜、ジャスミンは友達と一緒に、ちょっと抜け出して街まで栄養ドリンクを飲みにいった。眠気を覚まして作業するためだ。しかし、そのちょっとした外出が罰則の対象となり、その日は欠勤扱いとされ、さらに罰金は2日分の給料に及んだ。撮影の期間、動労者たちによるストライキをもとらえている。しかし、基本的な状態は変わらない。
結局、この会社自身も儲けは少ないのだ。外国企業との取引の様子も撮影されているが、これがまたひどい。基本的に発注者であるジーンズメーカーの買値は売値の10分の1。もちろん、かれらが生産地として中国を選択しているのはあくまでも安価な労働力が魅力。中国は社会主義国でありながらも、結局このグローバル化の時代に資本主義の世界システムから孤立して国民経済を維持できるわけでもないので、しょうがないんだよな。
ところで、17歳のジャスミンはそれでも、歳を取っている方。なかには14歳の子もいて、16歳未満の子は皆、偽造した身分証を持っているとのこと。他にもいろんな女性が登場していて、人間模様の観察としてもなかなか面白い。結末はそんな女工たちが数ヵ月後にどうなったのかが字幕で知らされ、最後の最後にまた字幕で締めくくられる。この作品の撮影中。中国当局から規制にあって、撮影データのいくつかが没収されたとか、会社と女工との関係が絶たれたとか書いてあった。本編中にずーっと流れていたジャスミンの声だと思っていたナレーションは、なんとさまざまな情報から再現された吹き替えだったとのこと。それも微妙だな。

そして、この日も食事は表参道の地下にあるエチカで。最近お気に入りです。食事もお酒も気軽に。

10月30日(木)

有楽町サロンパス ルーブル丸の内 『ICHI
講義前に観たのはこちら。私自身は観たいと思っていなかったが、恋人が観たいというので一緒に。私は北野 武の『座頭市』も観ていないが、彼女はそれを観たのかもしれない(そのくらい、確認しろよ!)。まあ、私が観てもいいと思ったのは、主演の綾瀬はるかちゃんと、監督の曽利文彦。『ピンポン』の監督でもある。私は勝新太郎の座頭市も知らないので、座頭市が女っていう奇抜な設定でも、元を知らないのでよく分からない。まあ、ともかくある意味では面白かった。まず、綾瀬はるか。相変わらず美しいが、人と関わる感情を失い、かつ盲目であるということから、終始無表情。瞬きすらほとんどしません。これは前作『僕の彼女はサイボーグ』と同じである。そして、『ピンポン』で敵味方で対決した、窪塚洋介と中村獅童がここでも敵味方だ。とにかく、主演の大沢たかおといい、これまで各人が培ったキャラクターをそのまま踏襲するという、いかにも保守的な配役と演出。どこか観るべき点があるとしたら、利重 剛だろうか。でも、チャンバラシーンで、飛び散る血液をCGで合成する技法ってのはなかなkいいかもしれない。

この日は講義を終えて真っ直ぐ帰宅。たまには家で一人のんびりと。といいながら、ちょっと引越しを計画していて、部屋の荷物のスリムアップを図っていたりする。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

9組はやりすぎ。

10月25日(土)

この日は本当は会社のスポーツ大会の予定だった。私は講義後、国分寺から武蔵野線の西浦和へと急ぐつもりだったが、前日までの長雨の影響で前日に中止。その日は晴れていましたが、河川敷のグラウンドということでやむなく中止。私も予定を変更して恋人と美容院に行くことにした。
講義が終わって国分寺から立川-武蔵溝ノ口経由で用賀まで。1時間弱たっぷり時間をかけてもらって、ちょっと短めになりましたが、かなり満足な仕上がり。用賀駅で軽くランチをして渋谷に移動。

渋谷シネマライズ 『僕らのミライへ逆回転
『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』と楽しませてくれたミシェル・ゴンドリー監督最新作。あ、『TOKYO!』の一編も彼でしたね。そして、先日はcasaの古賀美宏君からミシェル・ゴンドリーのPV&短編集DVDを借りて観たところだったので、期待は膨らみます。主演の一人がジャック・ブラックですが、私は彼のあの眼光の強さがけっこう苦手。でも、本作ではまさにその苦手な特徴が嫌われ者として機能しそうなので、大丈夫でしょう。それにしても、リチャード・リンクレイターの『スクール・オブ・ロック』など、私の好きな監督がジャック・ブラックを選ぶのはなぜだろう。
舞台はアメリカの田舎町のレンタルビデオショップ。近所の大きなレンタルDVDショップに客をごっそり取られて、いまだにDVDに移行していない貧しい顧客だけを相手にしている。店主が秘密でそのDVDショップの視察に出かけている間、モス・デフ演じる若き黒人店員が店を守るのだが、彼の友人であるジャック・ブラックが身体に磁気を帯びたまま店内に入ったために、店内のビデオは全てパー。しかし、常連の女性客がどうしても『ゴーストバスターズ』を観たいというので、急遽、店においてあったカメラで自らリメイク版を作成することになる。予告編ではジャックが悪ふざけのように提案しているようになっているが、実際にはモスが真面目に考え付いた解決策。そのビデオはこの女性の家にたむろする甥の悪ガキどもに観られることになり、それが反響を呼び、次から次へと自主リメイク版を求める客で店内は溢れかえる、という物語。予告編で観る限りでは、この辺の展開がとてもいい感じなのだが、本編ではけっこうダラダラ。PVや短編などを手がけてきた映像作家は、テンポの良さが売りってことがよくあります。『エターナル・サンシャイン』はそのとおりで、観客を飽きさせない洗練された構成が魅力でしたが、ゴンドリーの場合は長編には短編ではできないことができるという自由さを満喫しているようにも思えます。『TOYO!』は短編でしたが、『恋愛睡眠のすすめ』、そして本作とだんだんゆる~くなってきている気がして、よい意味か悪い意味か判断しかねますが、観客の期待を少しずつ裏切っている。
まあ、ともかくあまり期待せずに気楽に観るのがお勧め。ともかく、ゴンドリーの大好きな手作り感が十二分に溢れた楽しい作品ですよ。

10月26日(日)

この日は夕方から一人でライヴなので、その前にライヴハウス近くの映画館で恋人と一緒に1本。

渋谷ユーロスペース 『真木栗ノ穴
2つスクリーンのあるユーロスペースで、どちらも西島秀俊出演作品を上映している。片方の『東南角部屋二階の女』も先日観て、今回はこちら。今度は売れない小説家の役です。真木栗というのは西島演じる男の名字。またまた、西島氏は取り壊されるぼろいアパートの住人なのだが、その壁に空いた穴から除く隣人の生活から妄想した内容を小説化していく、という内容。本作でも、初めて見るけど不思議な魅力を持った女優さんが2人出演しています。隣の部屋に住む女性を演じる粟田 麗と、雑誌編集社の女性を演じる木下あゆ美。特別な賞賛に値する映画だとまではいいませんが、東京ビジュアルアーツ出身の32歳だという深川栄洋監督、ちょっとチェックしておきましょうかね。

渋谷duo music exchange wangan music festival
chocolatre:ヴォーカルが一生懸命唄わない、ピースフルなユニット。まあ、似てはいないんだけど、airdropを想起してしまう雰囲気でちょっと好きにはなれません。なぜかトップバッターなのに、他の出演者よりも1曲多い6曲だった。
metro trip:ベースの高井亮士さんを含む、ドラムスとキーボードのサポートによるステージ。うーん、やっぱりあのリーダーのテンションといい、いまいち好きではないかな。
vice versa:ドラムスとベースとサックスのサポートを入れたバンド編成。vice versaをバンドで聴くのは初めてかもしれない。あゆこさんの歌声はアコースティックの方がいいと思ったが、バンドはバンドでまた違った印象でさすが。でも、今年2回目のかれらの演奏を聴いて、ガッツリ好きにはならないな、と確認した。でも、こうして5曲ほどのんびり聴いている分には気持ちいいな。
高橋ちか:こちらもパーカッションとベースのサポートを入れたステージ。でも、それにも負けず、力強いギターは以前より上達しているような気がします。こちらはやっぱり好きだなあと実感。いつか千葉のレストランライヴにも行きたいけど、開演が21時かあ...
noa noa:とても久し振り2回目。casaやナオリュウさんと親しいフルートの上野さんと、one toneと親しいキーボードの鈴木さんはよく見かけるけど、こうしてnoa noaとしてみるのは何年かぶりで、ヴォーカルがしっかり入ることも忘れていた。コーラスまで2人つけちゃって。演奏はさすがだったけど、楽曲が好みじゃないかな。
fonogenico:metro tripの時にサポートしていた、ベース、ドラムス、キーボードの3人に加え、オオニシユウスケさんがセットチェンジでステージ上に登場して、fonogenicoだなあ、と思いながら、「キーボード?」と疑問形。残されている3組を考えてもfonogenicoには間違いない。ひょっとしてと思ったが、やはり。ステージ上で、高山奈帆子さんが「fonogenicoは私一人なんです。日本人ですけど」と話す。あちゃー、川口さんいなくなっちゃったか。まあ、幸い活動休止にはならずによかった。なんか、とても応援したい気持ちでじっくりと聴きました。やはり歌声も曲も素敵だ。
vividblaze:セットチェンジの前に同じPVを何度も観させられる。しかし、登場した女性ヴォーカリストは映像と雰囲気が違う。高橋ちかちゃんの時にサポートしていたベーシストが衣装を換えて全く違う雰囲気で登場。高音中心でやはり趣味的にイマイチ。
paris match:ここまで来てかなり遅い時間。paris matchとorange pekoeは翌日も2組でライヴをするということで、3曲ずつってことをはじめに明かしてくれてかなり安堵。彼女の歌声を聴くのは初めてでしたが、予想通りの大人な低音中心の雰囲気はさすがの貫禄。
orange pekoe:こちらも名前は有名ですが、曲はほとんど聴いたことがなかった。ここまでバンド編成中心にやってきたイヴェントでしたが、最低人数、2人でのステージでした。はじめに登場した大柄で長髪の男性ギタリストはかなり音楽マニア的な奏法。その爽やかなユニット名とジャケットイラストから予想していた音楽とはかなり違います。彼はとてもスマートではない自分の世界に入っていく演奏で、女性ヴォーカリストの方も、大きな口で力強く唄う。2人ながらその迫力に圧倒されるステージでしたが、これが売れるんだ、とちょっと不思議な心境。アンコールもなく終わりました。ところで、リンクを貼ろうとかれらのサイトを訪れて思い出した。そういえば、昨年の渋谷のカフェでのflex lifeライヴ。島さんがサポートだったんだけど、orange pecoeの藤本一馬さんもちょこっとゲストで出てきたなあ。あれ?身長どのくらいだろ。
ともかく座っていたのに、クタクタになった一日でした。16時開演で15時半くらいにお店に入ったけど、終わったのは22時半。7時間もいたんだよな。おかげで、30日のハシケンライヴに行くつもりだったのにやめてしまいました。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

おおはたさんごめんなさい。忘れていました。

10月22日(水)

なぜかこの日のことを書き忘れてしまいました。

渋谷duo music exchange おおはた雄一
おおはたさんがここ渋谷duoで昨年9月から開催してきた「tokyo song book」も,今回で4回目になる。1回目に配られた4回分のポイントカードも毎回参加の私は埋まる。プレゼントは何かなあと思っていたら,入場時にポイントを押してもらい,その場でなにやら紙が手渡される。それには,「終演後,本人とポラロイド写真の撮影があります」とのこと。この企画が,本編の演奏時間にも影響してきます。
さて,会場に入ると白いアイリッシュハープがステージ上に。この日のゲストはアン・サリーさんと聞いていたが,サポートメンバーがいるということは全く知らなかった。他にもウッドベースが置いてある。ハープはtico moonの吉野友加さんで,ベースは伊賀 航さんだろうと予想。もちろん,友加さんは早々とステージに出て調律。すると,しばらくしてtico moonの影山さんも登場。少し離れて置いてあったギターは影山さんのでした。ということで,この日はtico moon&伊賀さんというかつての潮音バンドメンバーによるサポート(というかゲスト)。もちろんはじめは1人弾き語り。最近ワイゼンボーンの出番がないなあ。
先日のインストアライヴの感じで,最近のお気に入りの「街と砂嵐のバラッド」を含む数曲を演奏。そしてtico moonと伊賀さんの登場。おおはたさんと友加さんといえば,ビートルズのカヴァーアルバム『りんごの子守唄』の青盤で1曲レコーディングしているはずだ。でも,私が初めて友加さんに話しかけた日に,おおはたさんと2人で演奏したことがある。それあは2005年2月18日の,今はなき渋谷gabowlでの深夜イヴェントだ。おおはたさんとtico moonとflex lifeまで出演した深夜に雪が降り始める寒い夜でした。あの頃はおおはたさんもflex lifeも知り合いではなかったなあ。
まあ,とにかく最近のおおはたさんからするとちょっと意外な組み合わせのような気もしますが,前から仲が良く,また新鮮な組み合わせです。この編成で数曲演奏して,アン・サリーさんの登場。私の隣にいた女性2人組はここで大騒ぎ。どうやらアン・サリーさん好きなようです。しかし,この番号でチケットを入手したということはPARCO劇場に来ていたということでしょうが,まあ両方好きなんでしょうね。でも,まあアン・サリーさんは性別,年齢問わずに好かれる雰囲気を持っているのは確かだ。さすが医者と納得。まだ単独で彼女のライヴを聴いたことはないが,本当に数曲で癒されますな。この辺で確か,tico moonコーナーが2曲ほどありましたが,影山さんの小粋な発言でまた場を盛り上げます。そして,なんと後半戦にはもう一人飛び入りゲスト。先日のおおはたさんのワンマンでもゲスト出演した,チェロ奏者の徳澤青弦さんだ。おおはたさん曰く,「今日は弦スペシャルだ!」。しかも,このメンバーとくれば,そしてアン・サリーさんの歌声。本当にこれにまさる至福はナカナカないですよ。ということで,あっという間の終演。賞味2時間程度でしたが,こんなに短く感じたライヴもナカナカないです。このくらいのすっきり感がいいんですよね。お客さんの多くはダブルアンコールを期待したようですが,ここはしつこくしない方が。
と,実は事情があったんですね。そうそう,そのポイントカードプレゼントが待っています。なんだかんだで30人ほどの人が該当者のようです。初めて2階に通されて上る。皆,口をそろえてその見晴らしのよさに驚く。でも,きっと皆かぶりつきを選ぶんだろうな。やっぱり2階からだと1階フロアが広く見えます。30人いると1人1分としても30分かかりますから,何気なく撮影場所と思われるところの近くにいて,撮影順は5番手でした。撮影された写真はこんな感じ。やはり毎回通うとなると,おおはたさんともけっこう親しい人も多いですね。のんびりお話しながら撮影会していますよ。私はそそくさと帰りましたが,多分全部で1時間くらいはかかったのではないでしょうか。1階に下りると,飾らないステージ衣装のまま上着を着てリュックをしょったアン・サリーさんがウロウロ。なんとなく,会釈をすると応えてくれました。いやあ,それにしてもいいライヴだった。

20081026_004

| | コメント (1) | トラックバック (0)

アナム&マキ活動休止

10月24日(金)

下北沢club 251 アナム&マキ
アナム&マキのライヴは昨年9月のクワトロ以来。初めてちゃんと聴いたのが『ゴッタ』発売記念のクワトロだったので,感慨深くおなかいっぱいになってそれ以来彼女たちのライヴから遠ざかっていた。しかし,今回はなんとドラマーにあらきゆうこさんが参加するというので,会場が251でギュウギュウスタンディング必至ながらも久し振りだし行くことにした。すると,数日前に届いたメールマガジン。

「こんにちは、アナム&マキです。皆さまお元気でしょうか。
今回は大切なお知らせがあります。
私たちアナム&マキは2008年12月いっぱいで
アナム&マキとしての活動をしばらくお休みすることになりました。」

こんな書き出しです。あらー,来年で結成15年という2人。大抵のユニットorバンドが経験する「活動休止」ってのをやるとは。まあ,ともかくわざわざ店頭販売で整理番号8番をゲットしてきた甲斐がありましたよ。開場時間から開演時間まで1時間あるけど,この日は余裕で耐えられるでしょう。なぜか、この日はお客さんの集まりが悪く、手売りチケットの人はまだ1人も来ていなくて、店頭売りチケットの4人組に続いて私の入場となった。その4人組はアナムちゃん側。私はドラムセットがある左側、つまりマキちゃん側の最前列を確保した。すると、私の左隣に小鉄さんチーム。小鉄さんというのは筋金入りのアナマキファン。ファンサイトも運営しています。昔は彼女を取り囲むようにアナマキファンたちが集って、その多くが喫煙者ということで、近くにいるのは困りものでしたが、この日は大丈夫。東京でのとりあえずのラストライヴだというのに、あの人たちはどうなったのだろうか。まあ、それはともかくスタンディングということで、この日持ってきた本は岩波文庫のラブレー『ガルガンチュワ物語』。以前から2冊だけ古書店で手に入れて持っていたけど、さすがに読む気にならず。今年になってようやく5冊まとめて売っているのを購入したので、読み始めました。いやあ、これがすごい。まあ、このことはまた後ほど読書日記で書くことにして、立っている辛さはあったし、暗くて読みにくいのもありましたが、1時間はそれほど苦痛でなくすぎてくれました。そして、ほぼ予定時刻に出演者登場。
この日はサポートがドラムスのあらきゆうこさんとベースの中村キタローさん。いつもはドラムスが沼澤 尚さんですが、お忙しいですからね。まあ、それをいったらあらきさんも忙しいのですが、私的にはleyonaなら沼澤さんですが、アナマキだったらあらきさんの方が合うと思う。そして登場したアナムちゃんとマキちゃん。マキちゃんは相変わらずですが、アナムちゃんはすっかり可愛く装うようになりました。以前からその傾向はありましたが、1年見ない間にもう30歳も近いということで唄わずに立っている分には大人の女性です。その2人の対照性を見て、なんとなく活動休止の一端を理解した気もする。
さーて、一曲目からガツンときました。私自身の加齢と普段聴いている音楽の変化に伴なって、ライヴで大音量のは受け付けなくなっていた私ですが、大音量でもその音楽が気持ちよいものであるならば大丈夫なことに気付いて安心。それというのもやっぱりあらきさんだ。久し振りに見る、しかもこんなに間近でみるあらきさんですが、相変わらず若くて可愛いな。いったい何歳なんだろう。あらきさんがよく見える位置をキープしていたつもりがやはり、徐々にステージ中央へと移動してしまい、あらきさんの姿がマキちゃんに隠れてしまう。あ、見た目ばっかり書いていますね。いやいや、そうじゃないんです。あらきさんのグルーヴ、いやあ最高です。本当になんだか最近、ガツンとくるドラマーの演奏から遠ざかっていたので、なんだか感動。もちろん、キタローさんのベースとの組み合わせも抜群。
実はアナマキは最近ベストアルバムを発売した。それが活動休止のきっかけ、つまり一区切りにもなったようですが、私は買っていません。そしたら、家帰ってチラシを見たら、この日の演奏曲はやはりベストアルバムからの選曲だったようですね。昔の懐かしい曲から、最近のシングル(これも買っていなかった)とその日初めて演奏するというマキちゃんのソロ曲まで、コンパクトで濃厚なステージ。だらだらしたキタローさんを交えてのトークも控えめで、無駄に長いコール&レスポンスもなし。中盤にはアナムちゃんがワイゼンボーンで、あらきさんとキタローさんが向かい合ってジャンベというアコースティックコーナーもあったり。いやあ、素晴らしいステージでした。まあ、15年いろいろあったんだろうな。まあ、新しい展開も楽しみにしましょう。
終演後にドリンク交換。せっかくなので、シングルCDも購入。出口付近にあらきさんのマネージャー川口さん(HARCOのマネージャーでもある)がいたが、まもなくあらきさんがやってきてお話をしている。せっかくなので、帰り際に川口さんに挨拶するついでにあらきさんにも挨拶。川口さんが「この人HARCOファンなんです」というと、たまたま川口さんと私がボーダー長袖Tシャツを着ていたので(川口さんはボーダー好き)、あらきさんが「ボーダー仲間だ!」と返す。いやあ、あらきさんとは初めて接触したけど、こういう時小心者だよな。ろくにお話もできずに帰路につきました。

| | コメント (3) | トラックバック (1)

プラトン全集3

プラトン著,藤田令夫・水野有庸訳 1976.『プラトン全集3 ソピステス/ポリティコス(政治家)』岩波書店,488p.,4000円.

プラトン全集は,12巻の『ティマイオス/クリティアス』,5巻の『饗宴/パイドロス』に続いて3冊目。「ティマイオス」は「自然について」という副題が,そして「クリティアス」には「アトランティスの物語」という副題があるように,地理学者にとって興味深い内容だ。一方,「饗宴」にも「恋について」と個人的に興味のある題材だった。
実は,本書3巻は自分で購入したものではない。大学院にいた時に,ちょうど私の大学は大学院の定員が毎年増えている時期だった。大学院生には一人一つの机が与えられていたが,増員に対応するために余計なものを処分する必要があり,蔵書の多くを処分していたのだ。この1冊も捨てられようとしていたもの。
当時は地理学専攻でプラトンを読む人などありえず,私自身も読もうとなど思っていなかったが,あまりにも想定が美しくて捨てるのが忍びなく,私が引き取ったのだ。
しかし,卒業論文ではじめた場所研究がエスカレートするなかで,プラトンの「ティマイオス」やアリストテレスの『自然学』は必読文献になってきて,やはり1冊読むと他のも読んだほうがより深く理解できるということで,機会があればできるだけ読んでみるようになってきた訳です。この全集は古書店で購入してもそれなりに高いわけで,そんな意味では大学から引き取ってきたのは今から考えると随分お徳だったわけで。
さて,書名だけでは内容が分からないのがプラトン全集。この3巻は後半の「ポリティコス」は想像できるものの,前半は全く何のことやら分かりません。前にも5巻の時に説明したように,プラトンの著作は対話篇という形式をとっていて,4,5人の登場人物が出てくる。そして,そのなかの主たる語り手の名がそのまま書名になることも多い。「ソピステス」ではプラトンの師,ソクラテスの他,テオドロス,テアイトス,そして名のないエレアからの客人が登場し,主たる語り手はこのエレアからの客人で,彼は「ポリティコス」の語り手でもある。そして,「ソピステス」では全編にわたってテアイトスを相手にしゃべりまくる。「ソピステス」の主題はソフィストとはどんな人たちのことをいうか,という点に絞られている。なので,「ソピステス」とはなんなのか,読み終わっても不明だ。と思ったら,「ソフィスト」のギリシア原語に近い読みが「ソピステス」なのだってよ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88
まあ,ともかくこの頃は「修辞学」というのが学問でも重要な一分野であったように,聴き手を納得させる話術ってのがここでも活かされているわけです。ソフィストってのは知識人の一種で,本書ではかなり悪い人物として批判の対象になっている。正確でない知識を他人に与えることで人をだましているような,そんな印象です。さて,この客人はソフィストの特徴を伝えるのに,思考実験のように「魚釣師」を例にしている。魚釣りとは一種の技術であり,技術には自ら作るものと何かを獲得するものとある。魚釣は獲得する技術であり,獲得するもののなかでも積極的に奪い取るものではなく,かかってくるのを待つ狩猟するものであり,狩猟するもののなかでも無生物ではなく生物を対象にする,云々...
とアリストテレスの三段論法ではないが,ひたすら「何であるか」と「何でないか」を区別しながら,対象の定義を徐々に狭めて行くという論法は当たり前のものでもあるが,ここまで極端にしつこくやられると新鮮だ。
そして,実は「ソピステス」で何よりも興味深いのが,ソフィストとは何かという定義として辿り着く結論ではない。「何である」ということと「何でない」ということについての哲学的な議論がメチャクチャ面白いのだ。「何である」と「何でない」の区分をもっと単純に,抽象化させると,「あるもの(有)」と「あらぬもの(非有)」とになる。まあ,簡単にいうと,「あらぬもの」という状態を示しているが,「ない」という状態はそもそも「もの」として指し示すことができるのか,という難癖をつけているのだ。最後の方でエレアからの客人はソフィストの定義を示すに際し,この問題は解決したというようないいかたをしているが,果たしてそうだろうか。いまだにこの問題については哲学的遊戯として楽しまれているように思う。
さて,「ポリティコス」だが,これもまたエレアからの客人の独壇場だ。今度は話し相手を「若いソクラテス(ソクラテスと同名だが別人)」にし,まだまだ語る。話し相手をテアイトスから若いソクラテスに変更したのは,テアイトスの疲労を考慮してだが,自身の方が疲労しているのではないだろうか。しかも,「ポリティコス」は「ソピステス」よりも分量がかなり多い。しかも,「ソピステス」のような文彩上の効果ではなく,なにやら余談が多いような。ただ,そこで示される理想的な政治家像は,同じく理想的な政治体制を論じた『国家』との関連も大きいようで,やはり『国家』を読まねばいけないなあと実感。
ともかく,刺激的な読書です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

何年ぶりかの東京国際映画祭

10月23日(木)

この日は早起きして東京国際映画祭へ。六本木ヒルズです。昨年は私の恋人がボランティアで参加していたようで、私は初めてコンペティション部門の作品を観ることになりました。でも、一般に購入した鑑賞券ですよ。1300円です。

六本木TOHOシネマズ 『九月の風
選んだ作品は台湾映画。高校生7人の青春劇です。日本で公開されるかどうかは分かりませんが、あまり詳しく書くのはやめておきましょうか。なぜか高校1年生から3年生までの7人男子生徒がいつもつるんで悪いことばかりして遊んでいる。私自身はこういう団体でつるんでの行動は昔から嫌いなので、共感することはない。ただ、映画として観る分には特に嫌悪感などはないが、やはり主役のリーダー格の男が恋人を差し置いて、友達とナンパに走るってのはどうですかね。まあ、もちろんフィクションでこれがあることで物語が展開していくわけですが。帰るときにスタッフにもらった名刺サイズのチラシは9人の顔写真が並べられたものだ。そう、7人の男たちに2人の女性が絡んでくる物語。一人はリーダー格の男の恋人。そして、もう一人は1年生で生徒会の役員のようなものをやっていて、同時にプラスバンド部員。1年生で2人、このグループに入っていた男子生徒がいるが、かれらを無理矢理ブラスバンド部に入部させて更正させようと目論んでいる。この女優さんがとても美しいのだ。
映画祭ですから、上映後に舞台挨拶、というかティーチインがあり、プロデューサー2人、監督、そして出演男優2人が登場しました。本編が終わって、前方の空席にやってきたちょっと年配の女性たちはこの若き台湾俳優たちが目当てだったようで、写真撮りまくり。こういう時、映画祭は大丈夫なんですね。ちなみに、この作品は1996年時点を舞台にしており、おそらく監督の高校生の時代に合わせているようです。リーダーとその恋人が部屋のなかでいちゃつくシーンではドリカムのCDが登場したりします。まあ、そんな日本の影響はさておき、私の恋人もその同時代感がたまらなかったようです。私たちはその後別々の予定があったので、質疑応答に入ったところで抜け出してきました。

日比谷みゆき座 『私がクマにキレた理由
私は講義前に引き続き映画。スカーレット・ヨハンソン主演作です。アニーという名の主人公。経営学を主専攻とした大学を卒業して、就職活動でニューヨークにやってきた彼女。面接で、「あなたはどういう人間ですか?」「あなたは何がやりたいのですか?」という質問に閉口してしまい、ここまでいろいろ与えられてきた人生のなかで、この先自分らしくどう生きていけばいいのか途方に暮れて、セントラルパークでボーっとしていた時、一人の男の子とそのセレブな母親に出会う。「アニー」と自分の名前をいったつもりが、「ナニー=子守」と間違えられ、名刺を渡される。職が見つかるまでの腰掛に始めた住み込みの子守は予想以上に大変。そして、セレブの暮らしもお金があるからって決して幸せではないということに気付く。アニーの母親は看護師で女で一つで彼女を育ててきた。なので、お金で困らないように、経営学を学ばせたのだ。しかし、アニーが大学で副専攻にしていたのは人類学。ここがこの映画のポイントです。冒頭に自然史博物館を訪れるシーンがあるのですが、田舎から出てきた彼女にとってはニューヨークに住むさまざまな人たちも人類学的な関心で観察される。その様子を博物館内のディスプレイで表現するという手法は面白い。まあ、結局は彼女の存在が、セレブ母親に愛情のなくなった夫をつなぎとめようとすることよりも、子どもと一緒の時間を作ってあげることの大切さを教え、彼女の方ではそんな経験が、給料のいい安定した職業よりも、自分のやりたいことを素直にやる決心をさせ、人類学専攻で大学院に入学することになる。まあ、結末的にはありがちな感じだが、そして、ちょっとスカーレットに絡んでくる男性もそれほど魅力的ではないが、それだけに余計スカーレットの魅力満載な作品で満足です。

講義後、市ヶ谷駅で恋人と待ち合わせて食事。初めて「to the herbs」というお店に入ってみました。少し大衆的ではありますが、けっこう美味しかった。女性一人客も多し。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

一人で豪華レストラン

10月21日(火)

本当は月曜日にAsa festoonさんの吉祥寺stringsライヴか、当日誕生日だという大塚GRECOでの太田朱美さんのデュオライヴに行きたかったんだけど、どちらか決められずにどちらも行きませんでした。というのも、昨年の誕生日ライヴに出演してくれた櫻倉レオンちゃんからメールがあって、ライヴがあるというので、火曜日にこちらにいくことにして、月曜日はお休みにしたのだ。

銀座my humble house tokyo 櫻倉レオン
ということで、久し振りに来たmy humble house tokyo。昨年一十三十一ライヴがあってきたけど、レストラン営業時に来たのは、古賀夕紀子+shima & shikou DUOで演奏した2年前以来。本当は誰か誘って来たかったんだけど、皆月末にかけて忙しいらしく、結局一人で。一人客ということでカウンターを勧められたが、「演奏を聴きに来た」といったらなんとステージの目の前の禁煙席を案内してくれた。しかも、20時からだと思って5分前に入ったら既に演奏中。しかも、唄い終わった後で、「2ndステージは21時から」といって、1stステージ終了。この日は誕生日ライヴの時にサポートしていたパーカッションとピアノの人による3人編成。さくらちゃん、赤いドレスでセクシーです。休憩時間に入って、白ワインとイカ墨リゾットを注文して読書を始めると、青い洋服に着替えてさくらちゃん登場。まだこの時間は他にさくらちゃんのお客さんが来ていなかったようで、私のテーブルに座ってくれてしばしお話。21をすぎて、2ndステージ。1stではお客さんも少なくて、拍手もあったのに、2ndの頃にはすっかり食事客が増えていて、拍手もなし。なかなか厳しいですね。でも、私は最前列だったので、かれらのうるさいおしゃべりは後方、ライヴは前方ということで気にならず。なかなかムーディな感じで、サポート2人の演奏もいいです。けど、ちょっとさくらちゃんの歌声が控えめかな。一応、MCらしきことも1言いっていたけど、どうせ皆聞いてないだろう的な諦めが伝わってきてしまい残念。もっと、かれらを振り向かせるくらいの勢いがあってもよかったかも。あまりやりすぎるとお店の人にしかられるかもしれないけど。曲目は、sadeの「smooth operator」など意外なナンバーや、「L.O.V.E.」などのスタンダードなど4曲。
その後、やはり一人で時間つぶすのも難しいので、ウィスキー1杯でまたさくらちゃんが出てきてくれるのを待っていましたが、飲み終わったところで断念。帰ることにしました。久し振りに彼女のホームページをチェックしたらリニューアルされていて、blogも始めたようです。今回誘ってくれた以外にもけっこう精力的にライヴをしているようで、12月にはなんとCDを出すらしい。しかも、この日パーカッションを叩いていた、しおのやさんが伊藤志宏さんと親しいらしく、このさくらちゃんのアルバムにも参加していただいたとのこと。楽しみです。
20081021_002

| | コメント (1) | トラックバック (0)

心待ちの共演

10月19日(日)

この日はお互い別々にお弁当を作って、恋人と国営昭和記念公園へ。コスモスをはじめとする秋の花を被写体に撮影会のつもり。しかし、入場料がなんと400円。そして、あまりもの人の多さ。しかも、多くの人が立派なカメラを担いで撮影会をしています。なんだか、気分が萎えてしまって、まあ撮影会は主目的とせず、お弁当と人物観察などで楽しむことにしました。まあ、ともかくとにかく広くて移動するだけで歩き疲れてしまう公園ですね。

吉祥寺プラザ 『P.S.アイラヴユー
吉祥寺に移動して映画。以前から恋人が観たいといっていた作品。チラシでは気付かなかったが、主演はヒラリー・スワンク。夫役がバトラーで、私にとっては『Daerフランキー』での演技が印象的だ。マッチョで誠実そうな男。冒頭は夫婦喧嘩のシーン。まあ、予告編で分かってはいたけど、それほど仲がよいところも見られないまま死んでしまう。そんな天国の夫から届くラヴレターによって、夫を失った悲しみから立ち直っていくという物語。これまで、2度のアカデミー主演女優賞に輝いているヒラリー・スワンクだが、どこかのインタビューで、今回の役はあまりにも普通の女性で、演技に苦労したと書いてあった。私がチラシで彼女と気付かなかったのは、横顔というだけではなく、金髪でいかにも美人として描かれていたからだ。やはり彼女自身の言葉のように、本作における彼女の演技はあまり深みがない(といっても、私は彼女の演技を全面的に評価しているわけではない)。まあ、そのくらいがちょうどよいのかもしれないが。といっても、本作の脚本は素直に楽しめるものなので、過剰な喧嘩のシーンや、悲しみにふけるシーンが多少冗長であることを除けば、とても楽しめる作品です。脇役たちもとてもいいです。

恋人がサンドイッチのお弁当を作りすぎたので、夕食はその残りをいただくことに。ちょうど、ライヴ会場の近くのスターバックスにテラス席があるので、コーヒーを買ってそこでいただきます。

吉祥寺strings 戸田和雅子松下美千代ヤマカミヒトミ
この日、立川に行ったのも、珍しく2人で吉祥寺で映画を観たのも、夜に2人で楽しみにしていたライヴがあったからだ。このblog読者なら知っていると思うが、私は7月の自らの誕生日にライヴイヴェントを開催し、今年は戸田和雅子さんと橋本 歩さん、そして松下美千代さんに参加してもらい、三つ巴のステージをしてもらった。この時、戸田さんと美千代さんは初対面だったのだが、今回は美千代さんがホームの一つとしてよく出演しているstringsに戸田さんを招いての企画。その話を美千代さんの口から聞いたときに驚いて、後日hitmeさんにそのことを自慢したら、これまた後日。hitmeさんから「なにやら私も一緒みたい」と聞いて、さらにビックリ。美千代さんとhitmeさんは急速に仲が良くなって以前もstringsでデュオライヴを行ったが、もう2度ビックリでその日からこの日を心待ちにしていた。そう、歩さんは現在米国暮らしだし、歩さんとhitmeさんも仲が良いし。
でも、ちょっとお客さんの入りが心配でしたが、わたしたちが入ると、なんとかなり店内は賑わっています。私たちの後から入ってくるお客さんには「すみません、予約で満席なんです」などといっていたが、ダブって予約しちゃった人もいたみたいで、私たちは後方カウンターの一番手前に移動できたし、どうやら立ち見の人はいなかったので一安心。出演者が戻ってくるのを待ちます。スタートは美千代さんとhitmeさんのデュオ、girl's talkで始まります。久し振りの美千代さんの演奏でしたが、やっぱり違うなあ、すごいなあと唸りながら聴く。毎度書いていますが、彼女のオリジナル曲もすごいんだけど、スタンダード曲を演奏しても、やっぱり他の人とはどこか違う、華があるという表現はちょっと相応しくないけど、hitmeさんの表現を借りれば独特の色があるというんでしょうか。本当に素敵です。そして、この日の美千代さんのテーマは「ほっこり」。ということで、自らのオリジナル曲は封じて、hitmeさん作曲の「happy hour」と「ソラの始まり」を2曲披露。この日のhitmeさんの演奏もそれに応えるようなほっこりとした演奏で、素晴らしかった。なんというんだろう、フルートにしても、サックスにしてもジワジワと効いてくるようなそんな感じ。

20081019_047 20081019_014
戸田和雅子さん    ヤマカミヒトミさん

20081019_036
松下美千代さん

さて、もちろん戸田さんを忘れてはいけませんよ。この日、美千代さんとhitmeさんのデュオで演奏したのは4曲。それ以外はカヴァー曲を数曲含んでいますが、戸田さんのオリジナルが中心です。そう、私の誕生日には来てくれませんでしたが、いつもの女性シンガーファンたちの姿もちらほら。彼らがstringsにくることはあまりないと思いますけどね。いろんなお客さんがいたほうが面白いです。店内に張ってあったこの日の予告には「JAZZ 戸田和雅子special session」とあり、戸田さんも終始、申し訳なさそう。そう、この日はMCも飛ばしていました。年代的に近い3人ですから、数日前にリハーサルをした時に、美千代さんの自宅だったらしいですが、とりあえず2時間おしゃべり。音あわせ1時間、そしてまたおしゃべりみたいな、そんな会合だったようです。でも、それでいいんです。前回の誕生日ライヴではイマイチ戸田さんの内面を掴みきれていなかったという美千代さん。本番でももともと何度も共演している戸田さんと歩さんに対して、どこか遠慮がちなところが否めなく、ソロパートもあまりありませんでしたが、今回は戸田さんの歌とギターに寄り添うような伴奏が本当に素敵だった。そして、hitmeさん。前半はやはりフルート中心だったのですが、何曲かは戸田さんの曲にサックスで参加。もちろん、戸田さんハンドマイクでピアノ演奏での曲もあり。それにしても、戸田さんは素晴らしいサポート2人との3人編成って似合うな。オオニシユウスケ+島 裕介、橋本 歩+オオニシユウスケ、small color、MitaTake、ハセガワミヤコ+入倉リョウ、そして今回の組み合わせも再度見られることを期待しましょう。
20081019_027_3 

| | コメント (1) | トラックバック (0)

監獄の誕生

ミシェル・フーコー著,田村 俶訳 1977. 『監獄の誕生――監視と処罰』新潮社,318p.,3800円.

いわずとしれたフーコーの代表作。他の主著からすると,本書は後期の著作といえる。私が読んだフーコーは,『これはパイプではない』,『狂気と文化』,『言葉と物』,『言語表現の秩序』,『ピエール・リヴィエールの犯罪』に次いで6冊目。でも皆,薄めのやつだ。本書も主著といわれながら,分量的には薄い方かもしれない。
しかし,後期の著作ということもあり,いわゆるフーコー的議論の多くがそこには含まれている。まずもって,『監獄の誕生』といえば,ベンサムの一望監視方式だ。しかし,そこまでに辿り着く記述が重要なんだろう。とりあえず,目次を示してみよう。

第1部 身体刑
 第1章 受刑者の身体
 第2章 身体刑の華々しさ
第2部 処 罰
 第1章 一般化される処罰
 第2章 刑罰のおだやかさ
第3部 規律・訓練
 第1章 従順な身体
 第2章 良き訓育の手段
 第3章 一望監視方式
第4部 監 獄
 第1章 「完全で厳格な制度」
 第2章 違法行為と非行性
 第3章 監禁的なるもの

そう,これまたフーコー的概念である,規律・訓練=ディシプリン=学問分野も本書に含まれます。他にも文中には微視的物理学とか権力の偏在性とか,へたなフーコー解説書よりもコンパクトにフーコー的エッセンスが学べます。冒頭には現代のわたしたちからみると,おぞましいほどの身体刑の記述があります。人々は刑罰という目的で,平気で他人を苦しめながら死に至らしめ,しかもその様子を見世物として楽しむ。人間がそういうむごたらしいことをせずにすむようになったのは,一方で,罪人に限らず,軍隊から始まり,学校教育における規律・訓練。そして一方では,法律の厳格化と監獄施設の発明により,社会全体がおぞましい刑罰を必要としなくなったということ。しかしそれは必ずしも幸せな社会変化ではなく,近年はこの分かりやすい一望監視方式という特定の施設の形状が,社会全体にいきわたり,最新テクノロジーをともなって「監視社会」などといわれるようになっているわけです。
だから逆にある意味では物足りなく感じたりします。私が読んだフーコーの本のなかでは一番読みやすかったし,他の著書はどこかしら解説書などでは説明しきれない複雑な要素を含んでいたが,本書は解説書からはみ出ることはない内容。まあ,でもまだまだ読むべき本はあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ニューヨークはそんなに魅力的な都市か?

10月18日(土)

講義を終えて一旦帰宅。国分寺のパン屋「キイニョン」で購入したパンでランチ。この日は1時間弱寝坊してしまい、スープだけの朝食だった。立川駅の改札内のショップ群「ecute」にも入ったおかけで、最近は食事パンも作っているキイニョン。今度買って帰ろう。この日は夕方恋人と落ち合って映画を観る予定だった。その前に映画もう1本というのは慌しいので、15時まで家でのんびりすることに。でも、意外にやることがあって結局慌しい。

恵比寿ガーデンシネマ 『トウキョウソナタ
黒沢 清監督最新作。ここ2作品ほど彼の作品を観ているが、どうにも受け付けないというのは以前も書いたと思う。しかし、今回は家族ものということで、ちょっとこれまでとは違う予感がして(どこかの国際映画祭で評判が良かったってのもある)、さらには恋人もとても観たがっていたので観ることにした。
夫婦を演じるのは香川照之と小泉今日子。大学生と小学生の息子2人がいる家族。家長であるプライドを捨てきれない父親、日本でやりたいことが見つからず米軍に入隊する長男。密かにピアノを習う、クラスに馴染めない次男。そんな別々の方向を向いた家族をどうにかしたいがその術を知らない母親。まさに、次男が発する言葉としてのコピー「ぼくんち、不協和音」というのがまさしく相応しい、最近の報道で話題にされているさまざまな社会問題を分かりやすく1つの家族に凝縮させたいかにも映画的な設定。しかし、そこは訳の分からないホラーの得意な黒沢監督。父親はショッピングセンターの清掃労働の途中で大金を拾ってしまい、逃げる途中でひき逃げされる。母親は自宅で強盗に遭い、役所広司演じる強盗とともにドライヴして海岸まで。長男は戦地に派遣され、次男はバスの無賃乗車がばれて拘留されてしまう。とりあえず、極限まで人間を追い詰めないと気がすまないようです、この監督。これから「?」な結末に導かれ、落胆することをどこかで期待しながら観ていましたが、なんと家族映画っぽい結末で意外や意外。けっこう面白かったです。

吉祥寺strings 永山マキ
急いで吉祥寺に向かいます。stringsに到着したのは開演5分前。ほぼ満席です。
この日はもう随分長い間続いています、永山マキさんの「ことり小屋」というイヴェント。ピアニストの宮嶋みぎわさんと、ゲストミュージシャンを呼んでのステージ。今回はヴィブラフォーン奏者の香取良彦さん。香取さんはみぎわさんの作曲の先生とのこと。ところで、私は先日矢野真紀さんのライヴの予習として、久し振りに『この世界に生きて』というアルバムを聴いていた。何気なく、歌詞カードをみていたら、なんとシングルにもなった「さよなら色はブルー」に香取さんがヴィブラフォーンで参加しているではないですか!ということで、かなり楽しみにしていた。そして、永山マキさんと宮嶋みぎわさんは先日ニューヨークに旅行に行っていて、その土産話も楽しみ。
そして、早速1stステージから、その土産話に花が咲きます。マキさんはシンガーとしてもコンポーザーとしても素晴らしいんだけど、その人柄がね、なんとも面白いんです。そんな彼女が初めてのニューヨーク(意外にも海外旅行はほとんど経験がないとのこと)ですから、そのエピソードが面白いのはもちろんのこと、その語り口がまた最高なのです。ということで、1stから爆笑の渦、そして長い長い。香取さんは一見、普通のサラリーマン風。とてもミュージシャンには見えず、小さめのヴィブラフォーンで譜面を見ながら冷静にマレットを動かします。やっぱりマリンバとは叩き方がかなり違いますね。音の響き方も独特。それにしてもいい音だ。私の印象としては彼は凄腕のプレイヤーというわけではない。みぎわさんの説明によれば、音楽理論の本や文章をよく書いている執筆家でもある。また、自身のCDはmiggy+の手本にもなるような、人数の多い編成のバンドでオリジナルを演奏しているらしい。演奏はあくまでも彼の多岐にわたる音楽活動の一つであり、その比重はそれほど高くないと思った。まあ、ともかくこの日のステージはそんな音楽的なことはさておき、楽しいステージだった。
終演後、みぎわさんにもマキさんにもお話したいことはあったんだけど、終演が23時近くなっていたし、香取さんの本を買い求める人やらなにやらで、出演者はステージから出られないし、断念して挨拶もできずに帰ってきました。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

ゆる~いのが魅力なライヴバー

10月16日(木)

新宿ミラノ座 『宮廷画家ゴヤは見た
以前、新宿のディスカウントチケット屋で購入した東急系の株主優待券。全部で何枚綴りか忘れたけど、購入したのは4枚綴り。7,8月分が2枚で、2人でその場で使い、9,10月分の2枚を私が一人で、その最後がこの作品です。1枚当たり800円で購入したからけっこうお徳。
さて、この作品はナタリー・ポートマンが出演しているということで、見逃すわけにはいきません。ゴヤの名前と数枚の作品は知っていたけど、時代とか国とか細かいところまで意識したことはなかった。時は18世紀末のスペイン。宮廷画家として仕える一方で、ゴヤは下層階級の人々を含む風俗画を銅版画にして流布させていたのだ。教会の異端審問委員会でゴヤの絵が審査されていたが、『ノーカントリー』のハビエル・バルデム演じる、その委員の一人のロレンソ神父はゴヤに肖像画を依頼しており、ゴヤを擁護するためにも異端者を社会から排斥すべく先頭に立つのだった。ナタリー演じる富裕層の娘もまたゴヤのモデルとなっていたが、とある日2人の兄と町の居酒屋に繰り出した時、豚肉料理を避けていたところを審問委員に目撃され、異端者(=ユダヤ教徒)の疑いをかけられる。そこから彼女の長い牢獄生活が始まってしまう。15年の後に隣国フランスでは革命が起き、王制が崩壊する。その民衆の流れはスペインまでやってきて、しかも形骸化された単なる暴力と混乱のスペイン社会。もちろん、宮廷にはいられなくなったゴヤはその混乱の様子を記録する一方で、ナタリー演じる女性の安否を気遣う。幸いにもその混乱で囚人たちは釈放され、ナタリー演じる女性も変わり果てた姿で街中に放り出される。
まあ、ちょっとストーリーはあまりにごちゃごちゃしていて説明するときりがないのですが、多くのフィクショナルなエピソードを含んでいるでしょうが、歴史的状況についてはなかなか学ぶところあり。それにしても、あのナタリーちゃんの姿は見てられないなあ。獄中でも全裸で。その痛々しい姿のナタリーを見るのはちょっと忍びないですな。その一方で、ハビエル・バルデムは生き延びるために立場をコロコロ変える悪漢ぶりはなかなかの迫力。もうちょっとゴヤ自身がいろいろ活躍すればよかったのに、と思うが、ある程度は史実に基づいているのだろうから、晩年は聴力をも失ったというゴヤは描くことでしかことをなしえなかったのでしょう。

10月17日(金)

久し振りのbobtail。その前にmona recordsにmona rock caravanのチケットを買いに行く。今年は池上本門寺を会場に、湯川潮音ちゃんと羊毛とおはなが参加するということで、恋人の分も一緒に、先行店頭販売で購入。その後、ちょっと時間の空いた恋人と下北沢で食事だったが、待ち合わせの駅に向かう途中にcanaちゃんとバッタリ。「あ、今日bobtail?」と聞かれ、じゃあまたということでその場で別れる。お客さんの少ない半地下の洋食屋で夕食。ここはチキンソテーがライス付きで500円なんですよね。私はハンバーグでした。

池ノ上bobtail
bobtailは今年一杯でオーナーの羽場さんが引退(?)するということで、年末までかなり楽しみな組み合わせが続いている。私がお店に入ったときにはまだカウンター席も空いていて、後方の席をゲット。すると、その後に続々とお客さんが押し寄せ、TOPSさんは私の隣に、サカウエ君は早くから来ていたようで、カウンターのベストポジションでしたが、彼の恋人は遅れてきて中ほどの椅子にようやく腰を下ろす。canaちゃんの姿はなし。どうやら開演直前には到着していたらしいが、お店に入れずに外で聴いたりしていたら羽場さんに勧められて楽屋で聴いていたそうな。
mue:なんと、canaちゃんのユニット、canappecoが活動停止前の最後にやった昨年末のライヴ以来、10ヶ月ぶりのmueちゃんライヴ。この日はギターで一人弾き語りだったけど、とても強い歌声でガツンとやられたステージだった。知らない間にmuseyの3枚目のCDも発売されていたようで、ソロのCDも近日中に発売するらしい。8曲入って25分くらいってのが可愛いけど、とても楽しみだ。11月21日には渋谷7th floorでワンマンライヴもあるらしい。力強いけど、声はなんとも可愛らしいのが彼女の最大の魅力。可愛らしいといっても、あくまでも本人は媚びないさばさばした性格なので、全く嫌味はないんですよね。いやいや、もっと聴きに行かなきゃ。
沢田ナオヤ:彼もけっこうbobtailに出演していたようですが、私が聴くのは初めて。ギター弾き語りの純粋フォークという感じ。かなりの高音で1曲目で「おお~」と思ったが、2曲3曲と続けて聴いているとちょっと飽きてしまった。でも、そんな演奏を真面目に聴かずにこのbobtailの薄暗い店内を眺めてみたり、目を閉じてぼーっとしてみたりするのもなかなかおつだ。
misato & shin:MCもほとんどなかった沢田ナオヤ氏に比べて、曲もMCも区別がつかない夫婦ユニット。前回ですっかり楽しみ方が分かったので、今回もすっかり笑わせてもらいました。背後からはTOPSさんの歌声も聞こえて、今回も楽しいステージ。最後にはアンドウケンジロウさんも飛び入りで加わって、ううじんさんにつなぎます。
ううじん:1曲目からおなじみの曲で一気にほっこりしたううじんワールドに店内は包まれます。でも、やっぱりこの人は不思議なんだよな。本人はすごくしっかりしているように見えるんだけど、ライヴはゆるゆる。ゆるゆるといっても、純粋な自然体というわけではなく、どこか抜けているんだよな。ゆるいときはゆるいでいいんだけど、しっかりとした演奏もできる、そんな風になったらいいな。でも、もちろん彼女の紡ぐ曲と歌詞は本当に独特で素敵だ。
終演後には、ううじんさんに『音のブーケ』の歌詞カードにサインをいただく。なんとなくは私の顔も覚えてくれているようだ。そして、mueさんにも挨拶。「ロンゲだー」などといっていたけど、ちゃんと名前も覚えてくれていました。せっかくなので、canaちゃんも呼んでもらって、しばらくおしゃべり。こういうのがいいんですよね、bobtail。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

11月のライヴスケジュール

11月1日(土)
品川きゅりあんホール 東京楽竹団(チケット購入済み)
11月3日(月,祝)
祖師ヶ谷大蔵MURIUWI casa(予約なし)
11月7日(金)
渋谷7th floor 永山マキ/small color/mue(予約済み)
11月9日(日)
表参道UNcafe 山田タマル(予約済み)
池ノ上bobtail たゆたう/神谷きよみ/他(予約なし)
11月12日(水)
大宮ムムタージ 松下美千代
11月14日(金)
池ノ上bobtail 古賀夕紀子/ミトモタカコ/他(予約なし)
11月18日(火)
下北沢lete TICA(予約済み)
11月20日(木)
吉祥寺strings 太宰百合トリオジョイナス(予約済み)
11月21日(金)
渋谷7th floor mue(予約済み)
11月24日(月,祝)
表参道FAB 辻 香織(予約済み)
11月27日(木)
吉祥寺strings 松下美千代トリオ(予約済み)
11月28日(金)
SHIBUYA AX 竹仲絵里(チケット購入済み)
11月29日(土)
池上本門寺 湯川潮音/羊毛とおはな/他(チケット購入済み)
11月30日(日)
白楽natane 朝日美穂+戸田和雅子+small color(予約済み)

| | コメント (3) | トラックバック (0)

お散歩ついでというわけには...

10月14日(火)

浜離宮朝日ホール 矢野真紀
最近はワンマンライヴ中心になってきたので、かなりお久し振りの真紀ちゃん。私と知り合う前から矢野真紀を少し聴いていた恋人が「一度ライヴを見てみたい」といっていたので、2人で行くことにした。最近、ますます「窓」の人気が上々みたいで、この日もソールドアウトです。私たちは先行予約で、それでも11列目。でも、音響的にはこのくらいがいいかもしれない。
「お散歩ついでに寄ってけろ」とお茶目なサブタイトルがついている今回のコンサート。しかも、vol.1とあるので、ここでのコンサートは恒例化するのだろうか。でも、ちょっと料金が高いので、半年に1回くらいがいいかな。さて、前回に引き続き、ギター中村修司氏、ピアノ斎藤有太氏によるサポート。前回は座席が最前列か2列目くらいだった(なぜか覚えていない。最前列ではなかった気がする)せいか、ちょっと音が大きすぎる気がしたが、今回はバランス的にはよかったように思う。本当は全体的にもうちょっと抑え目でもいいと思うけど。そして前回に引き続き、ちょっと堅苦しいホールでありながら、出演者の衣装は極めてラフ。真紀ちゃんはビーチサンダルですよ。当然、歌う時には素足です。そして、お茶をポットごと置いて、それを飲みます。前回も、お客さんにせっかくここに来たのならば築地市場に寄るべきだ、と主張していた真紀さんですが、冒頭にはちょっとしたビデオ上映会があり、事前に真紀さんが築地市場を散策する様子が流されました。お昼にお寿司を食べたり、お土産を購入したり。
今回のコンサートでは事前にメルマガ会員に演奏して欲しい曲のアンケートをとっていたせいか(後日、集計結果が送られてきたが、セットリストには全く反映されなかったとのこと)、レアな曲が多かった。「アンスー」をやったのも嬉しかったが、このアコースティック編成では難しいと思われる「蜜」とか、前半は特に『この世界を生きて』あたりから中心に私好みの選曲で、斎藤氏の爽やかなピアノと、ますますエキセントリックな修司氏のギターでいい感じ。斎藤有太氏のサイトを調べようと検索したら、なんとリクオさんがやっているCRAZY FINGERSの一員で、私よりも2つ年上とは。遠めで見るとすごく若く見えるんだよね。いやあ、ビックリ。そして、納得の演奏。実は私は「窓」はあまり好きでは泣けど、この日の歌声はすごかった。私も思わず泣きそうになったよ。そして、前回に引き続き、マイクを外してのアカペラもあり。
そして、なんとこの日、途中で真紀ちゃんがワイヤレスマイクに持ち替えて、何をするかと思えば、ステージから客席に下りてきました。客席を回って、立ち止まりインタビューをしては築地市場で買ってきたお土産(ブリキの金魚や亀の子タワシなど)を渡して行くという企画。一通り回ってもまだお土産がなくならないので、2週目に入ったときに私の恋人が手で呼んでみたがあっさりとスルーされて、2階にいってしまった。それにしても、インタビューなど面白すぎる真紀ちゃんだけど、ちょっと長かったかな。
後半は定番曲を中心にテンポのいい盛り上がりソングを集めてきて、お客さんが立つところまではいかなかったけど、いい盛り上がりのなか、本編は終了。
メルマガから、セットリストを転載しておきましょう。

M-1 真夜中の国道
M-2 アンスー
M-3 東京タワー
M-4 うちにおいで
M-5 お天気
M-6 君の為に出来る事
M-7 いつか僕が還る場所
M-8 窓
M-9 青空に浮かぶは白い月
M-10 赤とんぼ(童謡)
M-11 Time After Time(Cyndi Lauper)
M-12 さよなら色はブルー
M-13 蜜
M-14 明日
M-15 オアシス
M-16 幸せな夜 儚い時間

En-1 せんたくもの

| | コメント (0) | トラックバック (0)

有楽町-根津-表参道

10月13日(月,祝)

シネカノン有楽町1丁目 『石内尋常高等小学校 花は散れども
95歳現役映画監督、新藤兼人作品。95歳を記念してということで、劇場販売前売り券が950円だったので思わず購入。やはり彼独特の雰囲気があります。大竹しのぶ主演の『ふくろう』もわけ分からなかったけど、ストーリー的には分かりやすい本作も、どこか理解不能な演出がある。なんか、私には役者が自らを鍛えるために臨んでいるような印象すら受ける。本作でも大竹しのぶ(51)が出演していて、小学校でのシーンを除けば、一番若い出演者が豊川悦司(46)という妙なキャスティング。
それよりも、笑ってしまうのが、出演者の年齢がちぐはぐなのだ。そもそも、若い役をカツラ被って臨んでいる柄本 明(60)と、歳をとったのを化粧で演じている川上麻衣子(42)が夫婦役であるということ。そして、同級生だった小学生が30年後に同窓会で集まるが、その俳優の年齢差ときたら。歳相応なのは大竹しのぶと豊川悦司のみ。その他にリリィ(56)とか大杉 漣(57)、根岸季衣(54)とか、その辺はチョイ役だからよいものの、大竹と同等に登場する六平直政(54)が同級生か...まあ、泣いたり笑ったり唄ったり、ともかく役者の演技が大袈裟で、演劇的な作品。リアリティとは別次元で存在する作品です。でも、こうして、実年齢を示してみると思ってた印象とは違っていて面白い。

有楽町から山手線に乗って上野まで。上野公園を通り抜けて,東京藝術大学のちょっと先,市田邸という古い民家でやっている「芸工展2008」に行く。HARCOファン友だちの三五千波さん(なんと,ここれは本名なのだ!)の展示がやっているので観に行ったのだ。このお屋敷は台東区の(?)有形文化財にも指定されているという非常に味のある建築物。三五さんは漫画を描いている。いわゆるコミケ(コミックマーケット。同人誌即売会のこと)に出品するような作品だ。以前にも自主制作の単行本をいただいたことがあるが,これがなかなか面白い。アヴァンギャルドでサイケデリックで,それでいて非常に古風。この会場にはその漫画の原稿や,表紙などに使ったカラーのイラストなどが展示されていた。この日も着物で三五さんはいらしてたので,ひとしきりおしゃべり。100円で売っていたポストカードセットやお茶とお茶菓子,そして私が以前mixi日記で書いていた,粗品のタオルも山ほどお土産でくれたりして,100円で新作漫画を購入したものの,いただきものばかりでした。
今度は千代田線の湯島駅まで歩き,そこから表参道まで。

青山avex本社前 山本のりこ
前々日に続いて「ボサノヴァ2008」のフリーライヴ。山本のりこさんはトランペッターの島さんなどがサポートしていて,以前から聴いてみたかったボサノヴァシンガー。年代的には小野リサさんと同じくらいでしょうか。この日はマツモニカさんと2人のステージ。おそらく,長い間,ボサノヴァを歌って,若い人たちに教えてきた人なんでしょうね。「隣のおじさんが実は有名人だったような感覚」といって,ボサノヴァのイヴェントにこれだけ人が集まることに驚きを隠せなかったようです。しかし,自身の演奏の方はそれほどボサノヴァに傾倒していない私にとっては,そこそこだった。確かにギターは上手いけど,歌声もポルトガル語の発音もそこそこ(なんて偉そうですみません)。私はすっかりマツモニカさんのハーモニカに集中していました。でも,周りのお客さんは皆,その有名なブラジルの曲を一緒に口ずさむなど,プラッサオンゼでも見かけない光景に心が温まる。本当にボサノヴァは日本人に愛されているようです。

次のライヴは開場から開演まで1時間あり,この時点ですでに開演時間は過ぎていたのですが,ちょっと戻って初めて入るラーメン屋で塩もやしそばをいただく。最近食べたラーメンでは一番美味しかった。というか,私はいわゆる美味しいといわれているスープは味が濃くて駄目なんですよね。

青山月見ル君想フ
この日はtrico!さんのCD発売記念ライヴということで,込み合うことが予想され,スタンディングかあるいは上階から覗くかを想定していましたが,下のフロアにも椅子とテーブルが出ていて,しかもフードメニューもあった。このフードも美味しそうでちょっと後悔。
kazumasa hashimoto + gutevolk + 植野隆司:この日のレコ発には2組のゲストが出演。良原リエさんの交友関係はかなり広く,しかも私の全く知らないジャンルも含まれているので,どんなことになるんでしょう。個人名,あるいはソロユニットで活動していると思われる男女3人のセッション的なステージ。ヴォーカルの女性(しかも妊婦!)とギターの男性とキーボードの男性。それに2人サポートがつきます。ベースとなんだったっけな。まあ,ちょっと微妙な感じで,耳馴染みはいいんだけど,どうかなあ?ちなみに,この橋本和昌さんが『トウキョウソナタ』の音楽を担当しているらしい。
TICA:この日も2人のステージ。ちょっと良原リエさんとか参加したら面白いのにな。先日monaで聴いた曲ばかりだったし,初めてそれほどのめりこめなかった。leteのライヴではそれが楽しみでもあるトークも全くなかったし,上階のお客さんでちょっとうるさい人たちもいたし。
trico!:この日も廃材パーカッショニスト山口ともさんとのステージ。数曲やった後はベースの西村直樹さんも一緒。いやあ,trico!のライヴはまだ3,4回目だけど,この日のが一番良かった。やっぱりツアー最終日ってのが良かったんでしょうね。もちろん,3人は素晴らしいプレイヤーだけど,たまにしか演奏しないので,この日ほど息の合ったまとまりはなかなか出ないと思う。アンコール曲ではHONZIさん作曲の曲をオオニシユウスケさんも呼んで,リエさんはヴォーカルに徹して演奏して終演。いやあ,うるっときますよ。
終演後は永山マキさんと扇谷一穂さんにお会いする。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

青山でボサノヴァ

10月11日(土)

講義を終えて、一度帰宅。15時前に出かけます。新宿歌舞伎町の映画館で観るつもりで、駅から急いでようやく上映時間に間に合ったと思ったら、ちょうど前の回の上映が終了したところ。もう1本観ようと思ってた映画と時間を間違えたようです。汗だくになって損をした。

新宿トーア 『三本木農業高校,馬術部
ということで、この日選んだのはタイトルどおり、青森に実在する高校の馬術部を舞台にした事実に基づくお話。競技馬は大抵、競技に支障のある怪我や病気にかかると安楽死させられてしまうようですが、この物語の主人公、コスモという馬は高校に引き取られて、もう一人の主人公、高校1年生の女子馬術部員に世話されることになった。その主役を演じるのはなんと長渕 剛の娘、長渕文音。もちろん、私は彼女を初めて見るわけですが、役どころにあっていて、なかなか素敵だ。まあ、演技の方はと問われると正直よく分からない。動物ものはそんな、ある意味でずるいところがある。出産のシーンやお別れのシーン(撮影が終了して実際にお別れだ)は演技を必要とせず、素でも感動できる。それから乗馬のシーン。高校生だから、初めて乗馬を始め、上達していくのは撮影期間を通してそのまま表現できると思う。実際に四季を通じて撮影するために、撮影期間は1年に及んだようだ。馬術部顧問に扮するのは柳葉敏郎。とかく力の入りすぎの多いギバちゃんですが、確か秋田県出身の彼だから、青森弁の本作はほどよく力が抜けていて、いい感じです。他にも黒谷友香や松方弘樹など、いいですねえ。特に出産シーンでは、本当にこの大人3人が子馬を親馬の子宮から引きずり出していますよ。それから、主人公のルームメイト役で柳 英里紗ちゃん出てるんですよね。すっかり盛り上げ役が板についてしまっていますが、けっこう好きなんです。あ、ストーリーを書き忘れましたね。視力を失っていく病気を持った競技にも出場できない馬、コスモをいやいや世話していた主人公の香苗が高校3年間を通して、徐々にコスモと香苗が心を開いていく成長物語。入学当初は卒業後の進学も、実家から出たいという思いだけで漠然と上京することだけを考えていた香苗だったが、卒業を迎える頃には、馬と関わりたいという明確な目標を持って東京農業大学の受験を成功する。まあ、ともかくこういう映画好きなんですよね。

さて、この日はライヴの予定も入れず、名古屋から上京するうさぎさんを囲む呑み会に恋人と一緒に参加する。前回5月に同様の集まりで10人以上が集まりましたが、今回も新しく加わった人は1人だけで、またまた10人が集まるという出席率。今回は1次会のみで失礼しましたが、またまたすっかり聞き手にまわってしまいましたが、面白い夜でした。

10月12日(日)

渋谷ユーロスペース 『東南角部屋二階の女
池田千尋という27歳の女性監督による作品。主演が西島英俊、そして加瀬 亮。加えて、香川京子と高橋昌也、塩見三省という渋い面々も豪華で、地味な映画ながら隙がありません。そして、その若い世代と上の世代の俳優たちを結びつける、本作でのヒロインが竹花 梓という女性。どうやら本職はモデル。映画でこれだけ大きな役は初めてだと思いますが、ほぼすっぴんと(冒頭に晴れ着のシーンはあるが)全編いたってカジュアルなパンツルックでけっこう地味に見える。帰って検索して、事務所のサイトを見たら、これがまたいかにもモデルという感じの美形ですよ。しかも,劇中で披露するバドミントンは経験者だと思った。クレジットには「バドミントン指導」とあったので,撮影のために初歩から練習したかもしれませんが,バドミントン経験者の私からみてもいい感じのシャトル捌きで気持ちいいです。
さて,映画ですが,監督本人による脚本ではなく,大石三知子というこれまた,女性。1965年生まれですが,一度会社員を経験後,東京藝術大学の映画専攻の大学院に入学したという経歴。確かに,古き良き日本映画をよく知っている(まあ,私はよく知りませんが)といった感じの雰囲気を醸し出す素敵な脚本です。そういう意味では,脚本や俳優にとても恵まれた若き監督ということになりますが,その脚本世界をうまく引き出してまとめるロケ地とか演出とか,その期待に応えるいい作品に仕上がっています。

さて,映画の後はゆっくりと歩きながら外苑前まで。途中でランチということでしたが,珍しくキャットストリートにあるたこ焼き屋で,たこ焼きをぱくつきながら,コカコーラの190ml瓶を飲んだりして。たまにはこういうのもいいですな。

外苑前ラ・メゾン・ドゥ・タカギ naomi & goro
この辺りに来たのは,TOPSさんも書いてくれたように,この3連休で,青山・神宮前で開催されていた「ボサノヴァ2008」というイヴェントのフリーライヴ。2年前までは恵比寿のガーデンプレイスで開催されていたのですが,噂によるとガーデンプレイスと主催者との折り合いがつかなくなって昨年は開催されなかったという。その時は,happiness recordsが中心となって出演者もそんな感じでしたが,今年はtico moonらが所属する333 discsが中心となっていたようです。
いろいろ行きたかったけど,結局行けたのは2組だけ。この日はオープンテラスになったレストラン。早めに行って席を確保すればお茶やお酒を呑みながら聴くことができましたが,私たちはお店の外から覗く感じです。久し振りのnaomi & goro。この日は途中からチェロの男性も加わっての演奏。相変わらず素敵です。でも,小1時間ばかり歩いていたので,そして立っているお客さんのいるスペースがとても狭く,ゆったりとはできなかったので,ちょっと辛かった。naomi & goroはいつもフリーライヴがなにかのイヴェントでしか聴いたことがないので,ゆっくりと食事できるような環境で聴いてみたいものだ。

この日は早めに帰って家でゆっくりとくつろぎました。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

新しいクワトロ?,あるいは3時間立ち

10月9日(木)

新宿テアトルタイムズスクエア 『イントゥ・ザ・ワイルド
ショーン・ペン監督作品。ショーン・ペンはあまり好きじゃないし,俳優が監督をやるってのもあまり好きではないが,この作品は予告編で妙に観たくなっていた。恋人も観たいというので,一緒に観に行った。本作は事実に基づくものであり,大学を卒業したばかりの青年がアラスカの大地へと一人旅立ちかえらぬ人になってしまったという物語。虚栄心の強い両親の元で仲良く育った兄妹。主人公を演じるエミール・ハーシュと妹役のジェナ・マローンは,なんとジョディ・フォスター監督作品『イノセント・ボーイズ』で共演しています。
フィクションであれば,主役の俳優もカッコイイし,主人公には妹ではなく,恋人の一人くらいいそうなもんだが,その辺は事実に忠実なんでしょうか。でも,こういう放浪ものにはありがちな,行く先々で素晴らしい出会いがあるといった展開にはちょっとフィクション的なものを感じる。まあ,映画どおりの道筋を辿ったとするならば,一度メキシコまで行ってしまった後に,アラスカまで到着するんだから,多くの手を借りないとありえないとは思う。この映画で描かれるエピソードが多少の脚色はあるにせよ,それが全て事実に基づくのならばしょうがないが,せっかく事実に基づくのであれば,ありきたりの放浪物語の幻想を打ち壊すようなものであって欲しかった。でも,一応結論的には多少そんな側面があったような気もする。この青年はこの旅を通し,多少の人生の教訓は学んだだろうが,本質はあまり変わることなく死んでいったからだ。よって,結論としてはこの作品から学ことは何もない。だからといって,それはこの作品の価値を低めるものではなく,むしろ教育的なものではないということがこの作品の意義だと思う。

急いで大学に向かい、講義。講義後、急いで渋谷へ。この日はクワトロでsaigenjiのライヴだが、いつものように、開場が18:30で、開演が19:30。座ろうとするならばまだしも、客の入りは遅いと予想して、軽く食事をして開演15分ほど前に到着。

渋谷クラブ・クワトロ saigenji
改装して初めて入るクラブ・クワトロ。噂されていたように、中身はほとんど変わりない。ただし、入口の場所が変わり、トイレやコインロッカーが使いやすくなったようだ。でも、この日はたまたまエスカレータを昇ってきたので、そのまま変更された入口にたどり着いたが、いつもどおり階段を上っていたら行き止まりだったよ。フロアに入ると予想通り前方でも最前列に熱狂的な人が陣取っていて、椅子席はほぼ埋められているものの、人の入りはまばら。柱に寄りかかってもらったチラシをパラパラ見ていると前方のテーブルのところにサカウエ君が女性を連れていたので、声を掛ける。しばらくするとTOPSさんも登場。さらにはみうさんの友人、宮さんも登場し、みうさんは最後に現れたが、なにやら知っている人、初めて会う人も含めて6人の集団になり、なんだかsaigenjiらしいなあという、ライヴもそんな予感がする。
そう、ここ数年はサポートメンバーもいろいろ変化させてきたsaigenjiだが、初期の頃のメンバーが揃っての今回のワンマンライヴ。ホーン隊にヤマカミヒトミと島 裕介。パーカッション福和誠司にベース小泉P克人といった面々が揃うのは久し振りですねえ。というか、実はsaigenjiライヴはさほど行っているわけではなく、ワンマンが年に1回、イヴェント出演やゲスト出演が年1回といった程度。そして、最後のメンバーがドラムス斉藤 良。MCでsaigenjiが「良君に会った頃は彼がまだ24歳くらいで、でも今年もう彼は30歳ですよ」なんていってたから、関係は古いらしい。でも、saigenji自身も33歳だからそんなに離れてませんよ。でも、斉藤 良さんは松下美千代さんのトリオメンバーとして最近知ったので、saigenjiの新譜に参加していることを知って驚いたものです。まあ、ともかくそんないろんな場面で演奏を聴いたことのある人ばかり揃ったライヴだったので、楽しいはずがありませんね。ところで、一応今回のライヴはCD発売記念ということでしたが、そんな懐かしいバンドメンバーを率いて、デビュー6年間の変化を楽しむライヴ、というのがコンセプトだったようで、新旧おり混ぜて披露してくれました。結局、2部制で、10分遅れほどで始まって、20分ほどの休憩を挟んだものの、終演は23時前。楽しいといっても体力持ちません。かといって、突っ立っているのも逆に疲れるので、最後の方がヤケクソで踊る。そもそも、saigenjiの曲って私には踊りにくいんだよね。まあ、ともかくそんな疲れも含めて楽しいライヴでした。久し振りにどっぷり聴くsaigenjiの演奏はやっぱり粗いよな。そして、彼のステージが長引いてしまうのは曲数が多いのではなく、1曲が長いんだよなあ。無駄に長くせずに、どんどん曲をやって欲しいようにも思う。久し振りにmotion blueにでも聴きに行ったら完成度の高いステージを見せてくれるのだろうか。そして、やはり懐かしいバンドメンバーといえども、変化はあったようで、特にホーン隊の2人は私の記憶にある以前のステージとは随分ちがかったように思う。うまくいえないが、ちょっと物足りなく感じるほど控えめで裏方に徹していたように思います。

終演後、時間がかなり遅かったので、そこで皆はバラバラに。立ちっぱなしで疲れたということで、私とみうさんが2人でバーで1杯。本当に1杯で30分。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

下北沢の夜を満喫

10月8日(水)

この日は下北沢でライヴ。19時開場なので、一旦帰宅してからと思ったのに、こういうときに限って残業。ライヴ前に食事もできるかどうか、ということでしたが、下北沢なのでよかった。開場30分前には到着したので、茄子おやじでカレー。最近食器が変わり、平たいお皿になったのだが、なんかちょっとね。前は底の深いものだったので、タプタプに入ったカレーがなかなか冷めず、アツアツで確かに食べにくいといえばそうですが、なんか私はあっちの方が好きだったな。今回もブラックミルクは飲まず。

下北沢440
整理番号が10番だったので、最前列右側を確保。黒ビールを飲んで開演を待ちます。
michiluca:オープニングアクトはmopsy flopsyが改名したバンド。モプシーとフロプシーというのはピーターラビットに出てくるうさぎの名前。あと2匹がカトンテール、ピーターという4兄弟だそうです。このバンド名はけっこう気に入っていましたが、ポター協会からクレームでも入ったんでしょうかね。ちょっと残念。なので、バンドメンバーが代わったわけではない。ステージ上にマリンバが置いてあって、ドラマーのスティック捌きがよく見られずにちょっと残念でしたが、そして聴くのはかなり久し振りでしたが、いいグルーヴを聴かせてくれました。実は、このドラマーがけっこう美形で以前からチェックしていたのですが、相変わらず美しく、しかもドラムスの技術も上達していたように思います。
ところで、出演者席にはsoil & "pimp" sessionsのドラマー、みどりんの姿も。みどりんといえば、erimbaがその名前で活動していた時に、ドラマーとして何度か参加していた。特に、ここ440でのerimbaイヴェント「Dining」の時には、開場待ちしている時に、大きな車で乗り付けて登場したみどりんでした。全く音合わせもせずにいきなり本番って度胸には驚きますが、彼の風貌や態度からすると別に驚きません。そして、以前やっぱり大橋エリさんが参加していたHBというギャルバンドが深夜の渋谷PLUGでライヴをした時にもみどりんは来ていて、一番後ろのソファで美女たちをはべらかしていたっけ、ということを思い出しながら、やはりこの美女ドラマーを隣に座らせておしゃべりしていました。でも、彼女の方でもみどりんは憧れのドラマーなんでしょう。
erimba with HARCO:さて、短いオープニングの後、さすがにセッティングに少し時間がかかりましたが、今回はerimba with HARCOとしては初めてのバンド編成。そもそもCD『MARICOVER』はオーソドックスなバンド編成で録音した訳ではないが、今回はドラムス高橋結子さん、ベース高井亮士さん、ギター後藤郁夫さんというかなりオーソドックスなバンド編成。ピアノのHARCOがいなければ、以前のerimbaとしても立派に成立するメンバーだ。編成はオーソドックスだけど、メンバーは私の好きな人たちばかりなので、嬉しいですね。密かにエリちゃんのオリジナル曲もこの編成でやってくれないかなと期待しながら聴き始めます。
残念ながらエリちゃんのオリジナル曲はなく,『MARICOVER』からの曲がほとんど,しかも1時間ちょっとの短めのステージでしたが,大満足なパフォーマンス。最前列で堪能してしまいました。エリちゃんは髪を染め直し,ツルツルヘア(禿ってことじゃないよ)でメイクもバッチリ。ヒールの高いシューズでしたが,ステージ上でははだし。うん,それが良いよ。HARCOもネクタイにベストも着こんで,高橋結子さんも素敵な衣装,高井さんも素肌にシャツ,ハットと決めていますが,なぜか後藤さんだけTシャツにジーンズ。いいですねえ,この辺のバランスが(笑)。まあ,サポートメンバーたちはいわずもがな,素晴らしいバランスで安定した演奏を聴かせてくれますが,もちろん主役のエリちゃんが良かった。何がってのは素人すらない私に説明は難しいのですが,マレットが弾んでいました!そう,マリンバは打楽器のひとつに数えられますが,「叩く」のではいけないようです。「弾む=はずむ」ように「弾く=ひく」のであり,そうすると響が違うんですよねえ。今回もおばあちゃんマリンバ「Saito」でしたが,よく響いていたように思います。時折は3,4年前のerimba最盛期を髣髴とさせるような自分の世界に入り込むような表情を見せながらも,やはり全般的には皆と一緒に奏でる音,そして身体運動を楽しんでいるエリちゃんの姿が印象的でした。もちろん,HARCOも自身のライヴ以上のテンションの高さは面白かった。ある意味では責任の軽さというか,そんな気楽さがあるのかもしれない。そして,エリちゃんはerimba全盛期には前面的にサポートメンバーを信用しながらも,自身のオリジナルな表現を追及していた,ある意味ストイックなパフォーマンスだったと思うけど,妻になり,母になった今となっては,自分が中心にいながらもユニットパートナーのHARCOだけでなく,サポートメンバーも同等に楽しんでいる,そのことが伝わった,まさに今の彼女が前面に出たライヴだったのではないでしょうか。
ちなみに,後藤郁夫さんはこの日,バンジョーも演奏していたのですが,彼がバンジョーを演奏する1曲で,なんと高井さんが郁夫さんのギターを演奏していたのも面白かった。そして,予想通り,本編ラストの曲でソロプレイが続くなか,スペシャルゲストとして登場したのがみどりん。久し振りに聴く彼の演奏はさすがでした。そして,アンコールではこの日の開演前の映像制作で参加していたパーカッショニストの金野由之さんも飛び入りして賑やかに終わりました。
終演後,UMEZYに挨拶をし,ちょっとお店を出てファミリーマート店頭の公衆電話で恋人に電話。あるバイト終了後に下北沢まで来てもらっていたのですが,まもなくお店で合流。お客さんのなかには私の直接の知り合いは少なかったのですが,2人でカウンターでもう1杯のみながら,宴の後の余韻を楽しみます。かつてerimba,そしてetaとエリちゃんと一緒にやってきたギタリスト,永田太郎さんも来ていましたが,かなりふっくらしていてちょっとショック。打ち上げが始まろうとするところで失礼して,2人でバーキタザワに。前日数年ぶりのカラオケで私が歌ったアリスの「エスピオナージ」をかけてもらう。それを聴きながら赤玉ポートワインを呑み,昔なつかしテレビゲーム「ブロック崩し」を恋人がやったりして。彼女にもかなり気に入ってもらいましたよ。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

曇天の吉祥寺、映画-ライヴ-ライヴ

10月5日(日)

この日は1日吉祥寺で過ごす。ジブリ美術館に隣接した公園で、「三鷹の森フェスティバル2008」というライヴイヴェントが昼間の時間に行われる。しかも、その日はたまたま夜のライヴも吉祥寺だったので、三鷹の森の前にも吉祥寺で映画を観ることにした。

吉祥寺バウスシアター 『最後の初恋
リチャード・ギアとダイアン・レインという20年ほど前なら「夢の共演」といわれただろう作品です。といっても、最近もこの2人はけっこう活躍していると思う。ダイアン・レインはここ5年ほどでかなりスクリーンに現れるようになったし、リチャード・ギアもすっかりグレイヘアになって、最近も『ハンティング・パーティ』など役どころの幅を広げていると思う。でも、一方でダイアン・レインは最近でもけっこうコテコテの恋愛ものに出ているから面白い。彼女の場合は年を重ねた女性のよさというよりも、いまだに若さを保っているというところがすごい。ということで、本作も渋~い感じにはならずに恋愛ものの王道という感じ。だから、恋に落ちる原因がちょっと軽すぎるかな。もう少しお互いの人間性に惹かれあうところを細かく描いた方がよかったな。意外なところでは、リチャード・ギアの息子役でジェームズ・フランコが出ています。

井の頭公園に移動する間に1人でランチできるところを探していたが、ちょっと入り損ねた。すると、井の頭公園西園の陸上競技場を使ってなにやらお祭りが行われていて、世界各地の出店が出ていた。会場があまりに広く、どんなお店が出ているのか分からなかったので、とりあえず秋田県名産という「横手やきそば」をいただく。するとやっぱり、なかなかレアな国の出店があって、ちょっと残念だった。でもやきそばも美味しかった。

吉祥寺井の頭公園西園 三鷹の森フェスティバル2008
2年前に拝郷メイコ目当てで来たことのあるイヴェント。その時も雨だったが、この日もかなり怪しい雲行き。到着すると早速竹仲絵里ちゃん発見。缶ビールを買っていたら恋人登場。彼女もビールと焼き鳥を買って、席に座る。座って2組目の演奏がちょっと耐えがたかったので、席を離れてトイレを探したりで散策。戻ってくるとかなりの人だかり。TOPSさんとみうさん発見。みうさんと3人で席を探して座る。広沢タダシの演奏前に随分人の入れ替えがあり、けっこう前の方の席を確保できた。かなりスムーズなセットチェンジだったのに、先に演奏を終えた男2人が場つなぎとしてトークを披露。この声がうるさすぎてろくにお話もできません。セットチェンジに時間がかかるときの場つなぎは助かりますが、今回に関しては邪魔。
広沢タダシ:この日はキーボード杉浦琢雄さんと2人。久し振りに「虹のつづき」も聴けたし、こういう場所での広沢さんもいいですねえ。お客さんもかなり聴き入っていて、唄っている方も気持ちよかっただろうな。ちなみに、髪型だけはパーマのかけたてでちょっとイマイチだったかな。
竹仲絵里:昨年に続いての出演。といっても、昨年は来れなかったのですが、ちょうどこのころに彼女は喉を悪くして声が出なかったはず。確か、復帰して初めてのライヴだったものの、その後もほとんどライヴがなかったはず。それ以外にも、ジブリ作品が大好きだという彼女にとっては特別なイヴェントなのかもしれません。なかでも一番好きだという『天空の城ラピュタ』のテーマ曲を歌っていました。突然ギターを置いてハンドマイクで準備したので、まさか「ガーベラ」か!と思ったけど、ラピュタでした。でも、素敵だった。ちなみに、この日はいつもどおりのキーボード小林健樹さんと、なんとパーカッション宮川 剛さん。ちょっとさすがに絵里ちゃんの曲には絡みづらかった感もありますが、面白いステージだったと思います。
終演後、絵里ちゃんのニューシングル購入者はサイン入りポストカードあるいはポスターがもらえるということで列に並ぶ。この時点でこの日、3本ライヴはしごのみうさんとは別れる。前のシングル2枚で2枚のポスターをもらったが、貼る場所もないし、その大きさに困っていたが、今回はポストカードも作ってくれて嬉しい。特にサインが欲しいというわけではないが(CDに直接書いてくれるのは欲しい)、やはり本人と接触できるというのは嬉しい。演奏前に会場にいた絵里ちゃんは話しかけやすい雰囲気だが(でも、強面のマネージャーさんが一緒なので難しい)、ステージを終えたばかりの絵里ちゃんは輝いていて気軽には話しかけられない。今度のワンマンに行くとのことだけ伝えて、その場を立ち去る。ちなみに、CDを購入していない恋人も一緒に列に並んでいたのですが、絵里ちゃんは彼女にも「ありがとうございます」と声を掛けていたようだ。

あまり時間がないが、2人で夕食を、ということで2人では初めてリトルスパイスに行こうと思ったらお休み。しょうがないので、この日見つけたカレーカフェに行ってみる。どろっとしたカレーだったが、私が選んだ牛すじカレーはまあまあ美味しかった。ここで恋人と別れてライヴへ。

吉祥寺manda-la 2 ノラオンナ
ノラオンナさんの企画イヴェント「バラッドラリー」。今回で9回目です。私が行きだしたのが、ビューティフルハミングバードがゲストだった6回目で、それからは皆勤賞です。今回はゲストというのはなく、ノラオンナバンドとして出演するミュージシャン多数という感じの企画。私は開場15分ほどすぎてお店に到着しましたが、そこそこの入りで、中ほどの席を確保。後ろにはtoncoさんとおきょんさんが座っています。この日はその後ろに戸田和雅子さんもいらしてました。19時開演ということでしたが、19時ちょうどにノラオンナさんがステージに登場。まずは演奏中の煙草はご遠慮くださいとお願いがあり、そのお礼ではないですが、と1人で1曲。そのまま、一人ウクレレ弾き語りの第1部が始まりました。ギネスビールを飲んでいる私はちょうどよい気持ちで、1部はウトウトタイム。久し振りのノラオンナさんの弾き語り。これがよく眠れるんですよ。単に気持ちよいというだけでなく、なんというか、心の奥底に精神が沈んでいくというか、そういう不思議な感覚がたまりません。
さて、休憩時間もそこそこで第2部が始まります。バンドメンバーは、ワタナベエスさん、見田 諭君、柿澤龍介さんは前回のレコ発と一緒。今回違うのは、ワタナベエスさんと同じくものすカルテットというバンドをやっている片岡正二郎さんというヴァイオリニスト、藤原マヒトさんの代わりにノラオンナさんの初期のCD『サンドレス』でピアノを弾いていたというRICOさん、そして見田君と仲がよいという羊毛とおはなのギタリスト市川和則さんがエレキギターで参加します。今回も豪華ですねえ。また前回のレコ発のときとは違っていい感じです。特にRICOさんのピアノ。もちろんマヒトさんも素敵なのですが、このバンド演奏のなかでもきちんと聞こえてくる美しい旋律。そして、バンド編成の時しかやらないノラオンナさんのオリジナル曲。弾き語り曲とは全く雰囲気の違う曲ですが、大抵はCDに収められていないもので、いつかじっくりと聴いてみたいと思う、素敵な曲が多かった。とにかく、やっぱり来て良かったなあと思える、素敵なライヴでした。
この日はわが家で恋人が待っていたので、ノラオンナさんに挨拶もせずに失礼しました。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

5日連続映画

10月3日(金)

新宿武蔵野館 『言えない秘密
台湾映画。監督&主演はジェイ・チョウという人物で,本職はミュージシャンらしい。台湾では超有名とのこと。それはさておき,先日も『長い道のり』でその魅力にやられてしまった女優,グイ・ルンメイが相手役。しかも,私の恋人の通っていた学校の文化財になっている校舎が撮影に使われているということで,後悔終了間際に時間を作って観に行った。
タイトルがタイトルなので,ネタバレはせずに秘密にしておきますが,物語の発想としてはナカナカいいと思う。その発想はちょっと奇抜ですが,個々の事柄に矛盾がないようにうまく構成されていると思う。といっても、最後のいい場面でのCGはちょっと安っぽかったかな。まあ、それ以外はきれいな風景のシーンとか、ピアノ演奏についてもけっこう見応えのある作品だと思います。ともかく、ルンメイちゃんが素敵です。

10月4日(土)

この日は東京経済大学の後期講義初日。予想より学生が多かったけど、受講態度はどうか。ノートを持たずに講義に臨むなんて言語道断だと思うんだけどね。わざわざ早起きして何しに来てんだか。
一度帰宅して、久し振りに多摩センターへ。恋人と待ち合わせて、ちょこっと用事を済ませて、お茶をして、多摩センターのワーナーでは初めての鑑賞。実は、以前カリヨン館の上階に映画館があったんですよね。プロジェクタ上映の小さなスクリーンでしたが、やはり聖蹟桜ヶ丘の同じような映画館と同様に、つぶれてしまいました。でも、あの程度の規模ならば、次の用途にも困らないだろう。

多摩センターワーナーマイカルシネマズ 『容疑者Xの献身
さて、選んだ映画はこちら。この日が公開初日だったけど、大きなスクリーンで満席にはならなかった。この作品は東野圭吾原作のガリレオシリーズ。湯川という大学の物理学者が大学で同期だった刑事の依頼で捜査協力をするという設定。ドラマ化もされているようで、キャストやスタッフも同じようですね。東野圭吾好きな恋人が先日原作を読んで、ひどく感動したそう。しかし、原作が良いものは映画を観ることでがっかりすることもあるけど、恋人は堤 真一が好きだということで、観ることにした。まあ、主演のガリレオ役は福山雅治だしね。柴咲コウがあまり好きでない私でも、このキャストならば私も観たいと思った。さて、この作品は多くの人が観ると思うから、詳細は書かずにおこう。結果からいうと、恋人も号泣の大満足。私もけっこう満足。私の場合は逆にお涙頂戴的泣かせるようなクライマックスの演出がそれほど明瞭ではなかったことが、良い印象。やっぱり福山君はカッコいいと思う。堤 真一の演技もさすがだ。ただ、これは原作に対する意見だが、どうしても物理学者と数学者の分かりやすい差異を強調しすぎだと思う。物理学者にも完全に机上の空論に徹する理論物理学者もいて、かれらは数学者とさほど変わらないと思う。また、数学なら大学にいなくてもどこでも研究ができるというのもどうだろうか。単なる数学的遊戯ならまだしも、ちゃんとした研究は。といっても、私の意見も推測に過ぎないけどね。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

一昔前のフランスとアメリカ

10月1日(水)

この週はなんとなく、平日ライヴはお休み。

渋谷シネセゾン 『ベティの小さな秘密
愛らしい少女が主演のフランス映画を観ることにする。字幕ではエリザベスと表記されていたが、フランス語読みだからエリザベートだろうか、そんな名前の少女はみんなに「ベティ」と呼ばれている。彼女の父親は精神病院の院長。病院の隣に家はあり、患者の女性が家政婦として働いている。多感な少女は学校でも家庭でも器用に振舞えずに悩んでしまう。そんな時に、病院の男性患者が病院から抜け出してしまう。彼、イヴォンは実はベティが自転車をしまっている納屋の影に身を潜めていただけだった。ベティはそんな彼を匿い、納屋に住まわせることにする。そして、彼女は彼に心をゆるし、彼も少しずつ彼女に心を開いていく。まあ、そんな心温まる物語。もう、とにかく、このベティ役の女の子が可愛いのだ。冒頭の、ひたすら彼女が自転車で走るのを追いかけるシーンのなんと美しいことか。こういう作品は云々かんぬん感想を書いて他人に知らせるよりも自分だけでこっそりと心のうちにしまっておきたい。

10月2日(木)

午前中にイープラスから竹仲絵里のチケットが届く予定だったが、11:50になってもヤマト運輸はやってこないので、メモ書きをして出かけてしまう。それにしても、この「午前中」という区分はどうにかならないか。明らかに当日出発する時点では配達コースが決まっているはずだ。だったら、9時台にくるのか、11時台にくるのかくらいは知らせて欲しい。といっても、全ての配達先に連絡するのは面倒か。こういう日は9時には起きていないといけないし、無闇に大音量で音楽を聴いたり、掃除機をかけるのも気が引ける。排便をするのもままならない。そんな小さなことだが、気を使いながら3時間を待つのはけっこう苦痛だ。その3時間すら遅れてしまうなんて言語道断だよ!といいながら「すみませ~ん、遅れてしまって」などといって、配達人がやってくると、作り笑顔で「ご苦労さま~」とかいっちゃうんだよな。

渋谷ル・シネマ 『あぁ,結婚生活
先日恋人と観る予定で、前売り券を買って劇場に行くと、「火曜日サービス、1000円」とあり、別の作品に変更。ということで、この日に観ることにした。こういうアメリカ映画,好きなんですよね。古きよき時代のアメリカンライフ。なぜかこの時代の主人公は若からず,年老いてなく,中年夫婦が元気な時代なんでしょうか。もちろん,奥さんは専業主婦。でも,毎日買い物やら習い事やらおしゃべりや。夫も仕事をしながら付き合いや浮気や。ご活発な時代です。そんな人々の物語。出演俳優たちも当時のかれらに負けない脂の乗り切った出演作の多い優れた俳優たち。まさに古きよき時代のアメリカを体現するのに相応しい映画だったのではないでしょうか。ちょっとコメディとはいいがたい,シリアスなシーンも多々ありますが,そのくらいの方が今の時代に制作するには相応しいのかも。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

ユートピアの系譜

ルイス・マンフォード著,岡 裕三郎訳 1971. 『ユートピアの系譜――理想の都市とは何か』新泉社,316p,1200円.

都市研究をしながらも,マンフォードの本は1冊も読んだことがなかった。今回の本も都市研究の一環というよりは歴史的な内容の講義用に。ユートピアといえば,もちろん口でゴムをくわえてパッチンするお笑いコンビではなく,トマス・モアによる1516年の著作『ユートピア』で用いられた造語。この作品で描かれた理想郷を,理想との都市との関連で論じたのは,ルイ・マラン『ユートピア的なもの』(法政大学出版局)だが,本書は1922年に発行されたその先駆に当たるもの。しかし,原題には「系譜」という言葉はなく,「The story of utopias」である。なので,一応本の構成は歴史順となっているが,時代が原題に近いほど分量は多く,多くは18,19世紀に当てられている。実際にヨーロッパで近代都市が形を成す頃のことのほうがマンフォードの関心があることは当然といえば当然。しかし,彼はモアをユートピアの起源にするのではなく,紀元前のギリシア都市国家アテネ,プラトンの『国家』から議論を始めているのは意外な発見だった。ちょうど今,並行してプラトンの『ポリティコス』を読んでいて,かなり関わりがあるので,まだ読んでいなかったことを後悔。講義はもう始まるので,時代を下る順番である以上,『国家』を取り上げるのは間に合いません。ともかく,ソンタグやアレントで時折登場した「洞窟の寓話」について知ることも含めて,『国家』は早く読まなくてはなりませんね。
マンフォードは初めてでしたが,やはり研究者というよりは批評家,あるいは作家というべきですかね。久し振りに注のない本で読みやすかったですが,全体的に文章がさらっとしていて,決して軽い内容ではないのですが,軽く読めてしまうことがちょっと物足りなかった。といっても,ウィリアム・モリス『ユートピアだより』(1890)だけでなく(ちなみに,この本の原題は「news from nowhere」でユートピアという言葉は使われていない),『タイム・マシーン』で有名なウェルズにも『モダン・ユートピア』(1905)という作品があったり,学ぶことも多い。今度,違う観点から読み直すのも面白いかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

スタンディング辛い...

9月28日(日)

タワーレコード新宿店 おおはた雄一
インストアライヴが始まる14時の40分前ほどにタワーレコード新宿店のあるビルのエスカレータを歩きながら上っていると、前方にギターとエフェクタなどの機材を担いでいる男性がいた。ミュージシャンもCD店は行くよねー、もしかしたらおおはたさんファンかな?などと眺めていると、おおはたさん本人だった。「こんにちはー、ちょっと遅いんじゃないですか?」というと、「今日何時からだっけ?」とおとぼけた返事。そして、7階に着くと、「一緒に入るのもなんだから」といって、彼は先を急いだ。すると、やはり可愛い感じの女性マネージャが心配そうに出迎える。まもなくリハーサルは始まったが、この日は客の集まりが悪い。私は先日bar portoのトイレでチラシを発見した『colors』というオムニバスアルバムを探す。なんと、casaの古賀夕紀子さんも3曲ヴォーカルで参加しているのだ。そして、あと2人のシンガーによるカヴァーアルバム。1人はcasaの古賀美宏君がライヴでよくサポートしている宮崎幸子(ゆきこ)さん。他にも、スパングル・コール・リリィ・ラインがアコースティックな新譜を出していたので購入。ステージの方に戻るとちょうど恋人も来ていたので、最前列を陣取ります。この日は休日とあって、私の後ろには小学生の子どもを連れたお父さんの姿も。
1曲目からギターをマイクスタンドにこすり付けるパフォーマンスで場を盛り上げます。珍しく愛用のギブソンの古いギターではなく、ピカピカ光ったギターでの演奏でした。ちょっと前までは立って演奏するのはちょっと違和感がありましたが、随分見慣れてきましたね。初めておおはたさんを見る恋人も彼のギタープレイに感心。演奏後はサイン会でしたが、今回も一番。「一緒に来たとは思えませんね」とイマイチ訳の分からないやりとり。でも、今回はちゃんと名前を覚えてくれていました。

さて、恋人はこの後も用事があるということで、軽くお茶をして別れ、私は恵比寿へ。この日はガーデンホールでライヴ。到着したのが開場5分前で、ちょっと迷いましたが、整理番号が300番近いということで、すぐ下のラーメン屋さんでお腹を満たす。15分くらいで食べて戻ると、もう1000番台の人が入場していました。一体何人入れるんだー!

恵比寿ガーデンホール double famous
ということで、この日はガーデンホールでオールスタンディングのdouble famous。私は初めてです。それどころかCDすら聴いたことがない。単に、メインヴォーカルが畠山美由紀さんで、メンバーには栗原 務さんと青柳拓次さんがいて、この日のゲストヴォーカルにleyonaと二階堂和美さんがいた、ということで、一度聴いてみようと思った次第。ホールに入った途端に、予想していたとはいえ、嫌な予感。ラウンジでは多くの人がお酒を呑んでおり、ホールに入ると、これまた多くの人が酒を片手に座り込んでいる。もちろん、スタンディングだと普通の光景であるが、やはりラウンジでもホールでも、その姿がちょっといつもとは違っていて、明らかにフェス好きな客のあり方だ。私はとりあえず、前方で光が当たっているところに座り、読書をしたりウトウトしたりで30分を過ごす。予定開演時間10分前ほどになると、スタッフの人が「もうすぐ始まりますのでお立ちになってお待ちください」といい、立つと空間ができるので、必然的に前方へ移動。この時点で光の当たらないところに来てしまったので読書は断念。開場から開演まで1時間あろうが、やはり遅れるものは遅れる。毎度のことではあるけど、何のための1時間なの、と理不尽な気持ちに。そして、それは時間の問題だけではなく、周りのお客の行動についても。もう、イチイチ細かく書くのはうんざりするのでやめるが、前後左右、半数ほどの客は自分のことばかり考えた身勝手な行動。まあ、まだ我慢の範疇でしたが、これだからこの手のライヴは苦手なんですよね。
美由紀さんの説明によると、このバンドは(多分早稲田)大学のサークルに端を発するらしい。美由紀さんとパーカッションの女性はその大学ではなく、栗原さんや青柳さんなど、ミュージシャンを本業とする人だけでなく、本職を持ちながら音楽活動もしているというメンバーも少なくないという。モダーン今夜やmiggy+のような団体ということか。なので、やはりブルーハッツのようなクオリティの高さというよりはノリが勝負といった感じ。音楽ジャンル的にもイマイチ盛り上がれない私。ただ、知らない間に5列目くらいになっていたので、美由紀さんとの距離はとても近く、それだけで盛り上がる。なかなかゲストが出てこないなあ、と思ったら、70分ほどのステージで第一部が終わり。なんと、2部制だったんですね。「これから20分間の休憩に入ります」というアナウンスにはうんざりしたが、この休憩時間にこともあろうに皆座りだし、私は立っているのもやっとの狭いスペース。なんと2列目まで来ちゃいました。そのことでこの先も迷惑を被るわけですが、もうこうなったらヤケクソですね。汗臭さを振りまきながら踊りました。それにしても、ゲストも含めものすごいテンションでしたね。TOPSさんも書いてくれましたが、滝のような汗を流しながら踊り狂う美由紀さんには驚きました。パンツ見えてますよ~

まあ、ともかく家にたどり着くまで立ちっぱなし4時間は疲れた...

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »