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2008年12月

ホールコンサートが続きます

12月19日(金)

六本木サントリーホール小ホール ビューティフルハミングバード
年末はライヴが続きます。初めて来るサントリーホール。サントリーホールのあるアークヒルズは、今でこそこの手の開発例としては小規模なものだが、私が学生の頃の先駆的な開発例ということで、講義の一環として見学に行ったものだ。やはりクリスマス時ともなるとイルミネーションがすごいが、やはり交通の便からいうとこの場所は少し不便かな。
コンサートがあるのは小ホールの方だったが、それでも十分立派だ。ここのところのビューティフルハミングバードのコンサートとしてはお客の入りがいまひとつだったが、いつもどおりのいいコンサートでした。この日は『HIBIKI』という新しいアルバムの曲を中心に、そのレコーディングメンバーである、ピアノ藤原マヒトさんと、チェロの四家卯大さん。四家さんは先日観た映画『うん,何?』でも音楽で参加していたようです。浜田真理子さんのライヴでも演奏するのだろうか。今回のアルバムは、かれらのファーストアルバムが入手困難ということで、その収録曲から4曲ほどこのメンバーで録音して収録されている。ということで、今回のコンサートでも『HIBIKI』からはほとんど演奏し、それ以外の曲も最近のライヴではやっていない曲が多かったような気もします。そういった意味でも聴き応えのあるコンサートだった。この日はトークもけっこう面白かったかな。少年少女合唱団に入っていたというヴォーカルの小池光子さんは幼い頃にこのステージにも立ったことがあるということや、家で飼っているカタツムリが無数の子どもを産んでいることなど。でも、先週の畠山美由紀さんのコンサートの話はなかったな。
かれらのコンサートは普段行かないような会場でやってくれることも楽しみだったりする。来年はどんなところへ連れて行ってくれるのだろうか。

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新居決まりました。

12月18日(木)

風邪とともに、なにやら首が痛い。寝違えに始まってけっこう1週間くらい違和感があったんだけど、先日寝ている時にピキーンってきた。以前、パーカッショニストの仙道さおりさんが「ギックリ首」になったといってたけど、それだろうか。まあ、調べてみると症状は私のほうが軽いようなので、シップを貼って、安静にする。ということで、水曜日に予定していた大塚GRECOのライヴもキャンセル。
この日は年内最後の講義の日だが、また調布の不動産屋に行く。今度は自分たちに都合の良い条件をインターネットで下調べして、それを持参する。結局、4件案内してもらうが、やはり間取図と写真だけでは分かりません。結局、国領駅から徒歩11分というかなり広い1階の物件と、ちょっと狭く、収納も少ないが、西調布駅隣のビルの2階かが候補。広いお部屋も魅力だが、あまり広いと無駄に荷物が増えてしまうことを考え、西調布物件に決定。ウォシュレットつきトイレと、追い炊きのできる新しい浴槽というのも魅力。それから1週間経ってまだ手続きは終了していないが、来月の引越しが楽しみだ。ちなみに、ちょっと侮っていた西調布は駅前にもけっこう商店があって便利そう。
映画を観るほどの時間の余裕がなかったので、以前から行きたかった絵画店を観に渋谷まで。

文化村ザ・ミュージアム アンドリュー・ワイエス展
アンドリュー・ワイエスとは90歳を越えた今でも生きているアメリカの画家。私は全く知りませんでしたが、大学院時代に交流のあった学芸大学の院生に「ナルセさんっぽいと思って」と送られた絵葉書がワイエスの作品だった。まあ、彼女とは彼女の大学院終了以来連絡は取っていないのだが、可愛かったのと、私の研究を好きでいてくれたこと、そして某有名人と同姓同名だったことでよく覚えていた。絵葉書一枚(2枚だったかな?)の作品しか知らなかったこの画家のことをもう少し知りたいと思った次第。
その絵葉書は草原に寝そべる、麦藁帽子を顔に乗せた女性を描いたものだったが、非常に写実的な印象。でも、いかにも写真的というよりは若干イラスト的な雰囲気のある作品だったが、なにせ絵葉書大に縮小されているので詳細までは分からない。基本的にはアメリカ中西部の田舎町を主題とする画家のようで、その土地の人々の肖像と素朴な建築物、そしてちょっと薄暗くセピア色した風景というのがほとんどである。しかも、油絵ではない。今回展示されていたのはそのほとんどが習作であり、日本の美術館が所有しているものとワイエス夫人が所有しているものから構成されていたようだ。ということで、鉛筆によるスケッチ、水彩による習作。わずかにあった完成品も私の知らない画材で描かれていた。近くで見るとイラストレータが使うような画材のように思われ、水彩とも油彩とも違った雰囲気。完成品のごく一部を構成するにすぎないようなものでも、丁寧に習作が複数存在する。かといって、作品全体が緻密に描かれているというわけでもない。細部を観るとの全体を見るのとではちょっと印象の違う作品。鉛筆のスケッチはなかなか興味深かった。私もかつてはそれなりに絵心があり、特に中学校の美術の時間は毎週宿題でスケッチの課題が出され、先生が採点してくれるのが楽しみでよく書いていた。水彩で色を塗るのはあまり得意ではなかったが、スケッチは好きだった。先生の評価も高かった。そんな頃を思い出すような、習作たち。輪郭を何気なく活き活きと描くところではかなわないが、陰影の付け方は私の方法に似ているように思った。その中学校の時の美術の先生は、私に「影は塗りつぶすのではなく、影の方向や影をなす物体の形に添って、線を重ねるとそれらしく見える。でも、ナルセ君の塗りつぶしの技法もそれはそれで面白いし、中学生としては十分だから直す必要はない」といってくれたのだ。

まあ、そんな感じですが、やっぱり美術展を観るのは1時間もかからないが、映画を観るより体力(集中力)が必要です。恋人とはここで別れて私は講義へ向かいます。講義は18:20までなのに、この日のライヴは18時開場、19時開演。市ヶ谷のキャンパスを18:20に出ると渋谷に着くのは19時前。ところが、この日は大学がやっている授業アンケートというのがあって、18時に大学を出る。18:30には会場に到着しました。

渋谷duo music exchange 坂本美雨
まあ、坂本美雨ファンはそれほどガツガツしていないので、開場30分後でも席はけっこう空いていました。それに、チケットがあまり売れていないんでしょうね。前方にもしっかりとテーブルが出ていて、私はフロアに2本ある右側の柱の前のテーブルに座る。4人がけテーブルの他の3人は全て女性1人客だった。この日のステージはいつものチェロ徳澤青弦さんとキーボードの須藤 豪さん。須藤さんってどこかで観たことあるんだけど、美雨さんのライヴだったっけなあ?この日の美雨さんは肩丸出しの素的な衣装。ちょっとスペシャルに、出演者にはドレスコードを決めて、バックの男性陣も白い襟付きシャツに黒いパンツ。そして、この日はゲストとしておおはた雄一さんが参加します。途中で登場したおおはたさんは白いVネック長袖Tシャツに色落ちして穴も開いたブラックジーンズ。一応、コンバースも黒ではありますが。この辺で美雨さんの突っ込み満載。
さて、演奏の方は相変わらず、青弦さんが操るPCからトラックを流しながら、鍵盤とチェロを重ねる方式。基本的にはライヴは生演奏に限る派ですが、彼女の場合には仕方がありませんね。といっても、このスタイルにも大分慣れてきました。しかも、おおはたさんがギター&ワイゼンボーンで参加することにより、「never ebding story」を含む数曲はトラックなしだったし。おおはたさんとのデュオ「おお雨」ではおなじみのゆるゆるトークも適度に、2時間たっぷりの充実したパフォーマンスでした。それにしてもこの日の美雨さんは綺麗だったなあ。熱唱して胸の谷間にうっすらと汗を浮かべたりしてセクシー。
終演後、このライヴに来るはずの友人と落ち合わせて食事でも行く予定だったが、終演後私がトイレに行っていたせいか、結局会うことはできなかった。駅前でさくっとカツ丼を食べて、少し胸焼けしながら帰りました。

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部屋探し、そして風邪気味

12月14日(日)

この日は一日を調布で過ごす。何って引越し先を探しにだ。この日記にも頻出する私の恋人と2人暮らしをしようということになった。彼女の4月からの勤務先はまだ決定していないが、私が今住んでいるところよりも新宿寄りの京王線沿線ということで、調布駅を中心に考えることにして、とりあえず調布駅周辺の不動産屋を回りながら、調布の変わり具合を観察するのが目的。私は以前付き合っていた女性が調布に住んでいたこともあり、調布の駅周辺はけっこう詳しかった。しかし、今度京王線は調布駅を地下駅にする計画で、駅前を中心に大規模な再開発が展開中である。PARCOも久し振りに入ったが、なかなか侮れない。PARCOも含め、けっこう楽しめる街だ。久し振りにシュベールという南口にある喫茶店でランチ。
実際に回ってみると、あまりにも不動産屋が多くて驚く。とりあえず、まだ時間的に余裕があるので、お店のなかには入らずに店頭に出ている物件をチェック。最近はネットでもかなり手広く検索できるが、2DKの大体の相場を把握して、それと1件くらい話を聞いてみようとminiminiというチェーンの不動産屋に入ってみる。実際に話を聞いて、より詳しい内容が書かれた物件の書類を出されると俄然やる気になってしまいます。かれらの営業トークはさすがです。この不動産屋では敷金と礼金はなく、借主交代時にかかるクリーニング代を入居者が先に払うというシステムを採用している。やはり最近は敷金の変換金をめぐって借主と貸主とのトラブルが絶えないという。そういう意味ではいい変化だと思う。実際に、関東では当たり前だった敷金と礼金がともに2ヶ月という物件も減っているように思う。
もうすでに歩き回って疲れていたし、実際の物件を見せてもらうのもけっこう疲れるので、とりあえず1件。国領駅から徒歩13分ということだけどもちろん、車で案内してもらう。2階建てアパートの2階。実際に家具のない2DKに入ってみるとかなり広く、ここで決めちゃいたくなる。しかし、雨上がりの夕方だったこともあり、西向きの窓では室内まで明るくならない。そこで不動産屋さんには帰ってもらい、そこでいいかどうか考えながら駅への道のりを歩く。人通り、車通りはあるけどけっこう暗く、そして遠く感じる。結局、急ぐことはないということで、日当たりと駅から遠いことでこの物件は断ることにした。部屋探しはまた来週に持ち越しだ。

12月15日(月)

この日の朝からなんだか調子が悪い。明らかに喉と鼻水という風邪の症状だ。でも、熱はないし、引きかけなので辛いというよりは少しぼーっとしていて気持ちよい。この日予定していたライヴに行くかどうか迷いどころだったが、暖かいスープを入れた久しぶりの自炊夕食で暖まり、1時間ほど寝たら気分が良くなったので出かけることにした。国分寺は自宅からバスで30分かからないし、スタートも21:30からの1ステージなので体力的にもきつくないだろう。

国立no trunks 太田朱美
そんな太田朱美さんのライヴは「独壇場」と名付けられた、今年月1で行われてきたソロライヴの集大成。同じようにここno trunksでピアノソロライヴをマンスリーでやってきたというピアニスト石田幹雄さんとのデュオライヴだ。いつもは22
時スタートだったのを少し早めている。エレベータを上って、5階につくと、すでにお客さんでかなり賑わっています。私は2階目で前回も太田朱美さんの独壇場だったが、その時は私が入ったのは3人目くらいで、最終的にも寂しい入りだった。今回は既にバーとして賑わっており、演奏が始まろうとすると帰る客もいたくらいだ。しかし、私が座ってからも客足が途絶えず、満席なのを見て帰ってしまうお客さんも。私はこの日も含めまだ2品しか食べていないが、食事もリーズナブルでかつ美味しいので、常連さんが多いのかもしれない。そんな、開演前にウロウロしている石田さん。スキンヘッドで服装や体格からしてもピアニストには見えないので、失礼ながらちょっとこのデュオはどうなのかなあ、と思ったけど、このピアニスト、なかなかとんでもない演奏を聴かせてくれた。そして、以前から他のミュージシャンから「スゴイ」といわれていた太田朱美さんだが、5回目のライヴでようやくその凄さの真髄の片鱗を垣間みたような気がする。いやあ、ともかく凄かった。石田さんのピアノは上半身を鍵盤にかがみ込ませて、しかも激しく上下に体を揺さぶる。時折は体を完全に朱美さんの方に向け、鍵盤を見ていないフに激しく弾いているのだ。朱美さんは朱美さんで、ついに循環呼吸で吹きっぱなし奏法を体験してしまった。しかも、彼女の場合は、胸から上をひねり、物理的に横隔膜を開いて肺に空気を入れているようだ。まあ、ここで書いたのはあくまでもエピソード的なもので、とにかく、度肝を抜かれるライヴだった。もちろん、満席のお客さんもかなり満足したようです。
ちなみに、この日はこのお店で肉豆腐をいただきました。しかも、体調がすぐれないのにハートランドビールを注文。500ml瓶が出てきてしまいましたよ。事前に聖蹟桜ヶ丘駅行きのバスの最終が22:45であることを確認しておいたが、ちょうどアンコールでその時間にかかってしまった。ということで、府中駅行きの最終バスに乗って帰ったが、南武線経由よりも早く帰れたようです。

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思いがけず舞台挨拶

12月13日(土)

渋谷イメージフォーラム 『うん,何?
予告編を観た時から、観に行きたいとは思っていたが、ようやく都合がついたのは公開が始まって3週間経ってからだった。上映時間ギリギリに映画館に到着すると、なにやらごった返している。客席もかなり埋まっていて、何かなあと思ったら、マスコミの人たちが通路に立っています。どうやら舞台挨拶があるようですね。得した気分で席に着くと、意外にも豪華なゲストたちです。もちろん、監督の錦織良成さんはもちろんのこと、宮崎美子さん、中村麻美さん、黄川田将也さん、そして甲本雅裕さんというメンバーでした。予告編の記憶では高校生の男女のィ語で、しかも、有名俳優は出てこない印象だったのに、すごく得した気分。
主演の男子高校生役を演じるのは橋爪 遼というが、宮崎美子さんが「お父さんにそっくりで」っていっていたので、恐らく橋爪 功が父親だと思う。実年齢はすでに22歳だが、まあ良しとしましょう。相手役の女子高生を演じるのは柳沢ななという女の子で、こちらも実年齢は21歳。でも、彼女は『やさしい旋律』という作品でも主役を演じている。宮崎美子さんは橋爪君の母親役。病院でのシーンしかありません。中村麻美さんはななちゃんのお兄さんのお嫁さん役。妊婦さん役です。黄川田君は高校の先輩役。ななちゃんは水泳部員という設定だが、水泳部のOBで、オリンピック候補という設定。甲本さんはこの日のゲストの中では一番出演時間が長く、主人公2人の担任役だ。
さて、舞台は鳥取県の雲南市。タイトルはこの地名にかけている。この作品には「やまたのおろち伝説」という副題がついていて、この地方で重要な遺跡が発掘されたということで、日本史の教師である甲本さん演じる教師はやまたのおろちはこの地に実在したと信じ、郷土愛にあふれてそれを生徒たちにも伝えようとしている。そんななか、幼なじみの主人公2人、鉄郎と多賀子は好き合っていながらもお互いに想いを伝えられず、鉄郎は何となく卒業後故郷を離れたがっていて、多賀子の方は郷土愛から(自宅は地酒の酒蔵である)地元に残ることを希望してい驕Bまあ、高校生が主役なので、2人以外にもいろいろ面白いエピソードがあり、飽きることのないほのぼのした作品だ。といっても、『ミラクルバナナ』もこの監督の作品であり、やはり同様にエンタテイメント性は豊かである。逆にいうと、島根県の地方色を捉えるにしてはキャストが豪華すぎるかもしれない。もう少し地元の人の出演を多くした方が良かったような気もしないでもない。でも、エンタテイメント性と地方色の強いドキュメンタリー性というのは二律背反的な側面もあるので、まあ難しいといえば難しい。ちなみに、私はこの柳沢ななという女性がけっこう気に入った。外見からすると好みって訳でもないのだが、橋爪君が陸上部の設定の割には走り方がイマイチだったのに対し、ななちゃんは水泳部員という設定のためにかなり肌を焼いていてまさに健康的なイメージ。もちろん、泳ぎもなかなかで、演技もナカナカいい。『やさしい旋律』はまた違った印象ですが、楽しみにしたい。それから、舞台挨拶に登場した中村麻美さんはスクリーンの印象と違って、とてもしっかりとした顔立ちをしていて、大きな手をしていた。『せかいのおわり』という彼女が主演した映画があったが、そこでも彼女はとてもほんわかした印象だったが実際には無理に笑顔を作らない、シャープな印象だった。それに対して甲本さんはスクリーンのままの印象。
そして、この作品は愛媛県在住のシンガー、浜田真理子さんが音楽を担当している。彼女自身が歌っている曲も、一曲挿入歌として、そしてエンディングに流れるテーマ曲も彼女の歌だ。これがまさにとてもいい感じの地方色を醸し出していて、優しい歌声がとてもすてきだ。

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豪華絢爛な(?)コンサート

12月12日(金)

渋谷オーチャードホール 畠山美由紀
久し振りのオーチャードホール。もう10年以上前の東京国際映画祭で『ラジオの時間』を観に行った以来だ。昔すぎて、それがオーチャードだったのか、シアターコクーンだったのか、思い出せない。あらかじめ食事をして、開場時間30分過ぎくらいに到着したのだが、まだ開場していない。それでも待たずに開場したが、客席には入れない。ようやくなかに入ると、その天井の高さに驚く。やっぱり全く覚えてませんね。そして、やっぱりいいホールだ。女性客はどことなくそれなりにお洒落だ。それに比して男性客は仕事帰りのよれよれスーツか、普段着の人はまったく無頓着なカジュアルスタイル。
さて、すでに1週間以上が経過して、詳細についてはTOPSさん同様、mikeさんにお任せしましょう。といっても、とりあえずmikeさんblogでカンニングする前に私の印象を。それにしても、今回は畠山美由紀さんが歌手生活15周年記念のコンサートということで、贅沢すぎるゲスト陣。もちろん、バックバンドも豪華。正直いって、これで平日19時開演は無理じゃないかと思った。休日の17時くらいからでもちょうどよいのでは。しかし、始まってみると、あっという間の3時間弱で、飽きることはもちろんないし、疲れることもない、素晴らしいエンタテイメントだった。その点では、やはりゲストの多かった先日のdouble famousライヴが2部制でやたらとダラダラ長かったのとは対照的だ。そのdouble famousもゲストの1つ。グループとしてはそれに加え、port of notesもゲスト。といっても、畠山さんと小島大介さんのデュオですから、ゲストは小島さんということですが。ギタリストとしてのゲストは小沼ようすけさんと笹子重治さん。ヴォーカルのゲストはアン・サリーさんとハナレグミこと永積タカシ、そしてエゴ・ラッピンの中納良恵さん。そして、事前予告のなかったところでは、リリー・フランキーさんとキリンジの堀込泰行さん。バックバンドはピアノ中島ノブユキさん、ベース鈴木正人さん、ドラムス坂田 学さん、ともうこのピアノトリオだけでも最高のメンバーですが、それにペダルスティールの高田 蓮さんとパーカッションのBICさんという馴染みのメンバーが加わる。ここで、今回一番驚いたこと。BICさんの髪の毛。私の記憶のなかのBICさんはいつも坊主頭だった。なので、そういえばパーカッションって誰だったっけ?と美由紀さんが紹介するまで思い出せなかったくらいだ。ここ数年彼のことを見ていなかったわけではないだろうに、いつの間にあんな髪の毛が。しかも、けっこう長いよ。さて、それは余計なことですが、バックバンドにもう一人、なんと山田タマルさんのサポートをよくしているギタリスト福原さんがいてビックリ。正直いって彼のギターはアコースティックでもエレキでもそつなくこなす感じで、特別に好きになるプレイヤーでもなかった。今回にしても、ゲストのギタリスト、および小島さんや青柳さんなど、自ら作品も作って自分のギターで歌うみたいなスタイルの人が多いなかで、引き立て役のように理解してしまった。でも、実は美由紀さんのソロファーストアルバムのレコーディングに参加しているんですね。ビックリして見直したり。あと,mikeさんに指摘されるまでなぜか忘れていたコーラスにビューティフルハミングバードの小池光子さん(翌週のサントリーホールコンサートにも行ったのに...)。
さて、ここまで書いた出演者たちは、いろいろつながりすぎているくらいですね。double famousの青柳さんと栗原さんは、バックバンドの鈴木正人さんとlittle creatureだし、アン・サリーさんは笹子さんのサポートでも歌っている。ちなみに、永積さんと中納良恵さんは美由紀さんのアルバム『リフレクション』で楽曲提供している。とにかく、mixiでの美由紀さんのコミュニティ名が「畠山美由紀とその周辺」とあるように、彼女の15周年を祝うために、彼女と関わりのある人たちが勢ぞろいしたともいえる豪華なコンサートだということです。医者でもあるアン・サリーさんはリハーサルのために抜けるわけにもいかず、ようやく本番に間に合ったとのこと。永積氏も風邪を引いていて何とか来たとのこと(だからかどうか分からないが、すごいテンションだった)。思わずタキシードで来てしまったリリー・フランキーさん。
オーチャードホールでの、クリスマスも近いコンサートということで、ドレスアップしてちょっと気取った雰囲気かと思いきや、本当に出演者は皆お祝いムードで楽しいコンサートでした。リリーさんはなんと美由紀さんと「ロンリー・チャップリン」を熱唱。もちろん、カラオケではなく、この素晴らしいバンドでの生演奏です。しかも、福原さんは鈴木雅之氏のツアーに参加していたとのこと。さて、私は恒例となっている品川教会での美由紀さんのコンサートにも2年前に一度参加しているが、その時はけっこうスタンダード曲が多かった。なんだかんだで美由紀さんの歌声を聴く機会はあるのだが、これほど彼女のオリジナル曲をまとめて聴くのは初めてだった。私はやっぱりヴォーカリストとしての彼女よりも(もちろん、それはそれで十分素晴らしい)、シンガーソングライターとしての彼女が好きだ。なので、こういうライヴをいままで心待ちにしていたんですよね。書いているとだんだん思い出して、まだまだ書きたいこともありますが、大切に心のなかにしまっておくことにしましょう。

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未来を写した子どもたち

12月11日(木)

銀座シネスイッチ 『未来を写した子どもたち
インドの売春街に住む子どもたちを救おうと、一人の女性写真家が子どもたちのための写真教室を始める。そのことを追ったドキュメンタリー映画。数年前のアカデミー賞ドキュメンタリー部門で受賞したそうです。この写真家はそもそも、子どもたちの救済のためにインドに来た訳ではなく、売春街に住む人々を撮影するために住み着いたようだ。この社会では、売春婦たちの夫やひもといった男たちは大抵、酒やドラックにおぼれた体たらくだ。そんな社会に生れ落ちた子どもたちは男だろうが、女だろうが厳しい環境に立たされる。学校もろくに行けず、周囲からは差別の目、家庭内暴力、重労働も当たり前。そんななかでも健気に生きる子どもたちの将来のことを考えたくなるのもよく分かる。
実際、彼女は自分にできることとして、まずは厳しい日常のなかに楽しみを見出す術として、子どもたちにカメラを与え、写真術を教える。それだけでも十分だ。しかし、かれらの活動範囲のなかで撮影された写真たちはそれだけでもドキュメンタリー的価値を持っている。その写真を使って、世界の人たちにかれらの立たされた状況を訴えるのだ。なかには、世界的に幼い写真家を育てようとする団体の主催者の目に、一人の少年の作品が留まり、オランダで開催される集会に招待される。貧民窟の子どもということではなく、インド代表としてだ。それと平行して、この女性写真家は、これらの子どもたちを寄宿制の学校に入学させようと骨を折る。しかし、オランダに行くためのパスポートや、入学に必要な書類や、なにもかもが取得するまでに多大な努力を必要とする。
そうした努力のほとんどがなんとかうまくいくのだが、結局は子ども自身や親の都合で、彼女の思い通りの未来を手に入れようとする子どもは数人にとどまり、多くの子どもは挫折してしまい、もとの生活に戻っている。まあ、それが現実なのだろうか。

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平日,ライヴ,映画

12月10日(水)

いつも,20:30まで表参道で恋人がアルバイトしているので,渋谷辺りで落ち合うことにしたが,せっかくなので観たかった映画をレイトショーで一緒に観ることにする。そのついでに,渋谷でやっていたフリーライヴに顔を出した。

Apple Store渋谷店 HARQUA
HARQUAとはHARCOとQuinka, with a Yawnという2人による新生ユニット。まあ,ご存知のように2人は夫婦だ。数年前からHARCOのライヴにQuinkaがサポートで入るようになって,ここ数年はクリスマスイヴに一緒にイヴェントをやるようになって,それがさらにクリスマス以外にもエコをテーマにしたイヴェントに発展するようになった。なので,この2人で作品を作るというのはごく自然な流れだ。一応,どちらのファンもしてきた私ですから,今回発売されたミニアルバムも当然のように購入した。しかし,はっきりいってインパクトのない作品。インパクトがなくても聴くたびごとにジワジワくるものもあるが,そういう作品になるかどうか。harcopatchの時のように,あまり聴かなくなる作品かもしれない。ともかく,無料ライヴということで足を運んだが,開演10分前でもあまり客が集まっておらず,結局私は最前列。HARCOがキーボードでQuinkaがエレキギター。HARCOがシロフォンでQuinkaがキーボードみたいな感じで,4曲くらいでしょうか。かつてはQuinkaのためにHARCOが書いた「花びら読み捨て」のようなミニマルで素敵な曲があったが,そういう素朴な可愛さが足りない。HARCOが近年エコを前面に主張していることに違和感を抱くファンは少なくないが,それは徐々に楽曲まで浸透しているのかもしれない。

渋谷駅前のTSUTAYAで恋人と待ち合わせてチケットを買って映画館へ。この日,水曜日は多くの映画館でレディースデイを実施しているが,ユーロスペースにはなし。

渋谷ユーロスペース 『アリアAir
就活女優として有名(?)な原田佳奈という女優が主演。彼女の出演映画は『Wiz/Out』『ラストゲーム』『ねこのひげ』など多数ある。でも,なぜかそれ以上に親しみを感じている女性。舞台挨拶などで生で見たこともないんだけど,しゃべる声が顔の幼さに比べて低いからだろうか。まあ,ともかく彼女が主演ということで観たくなった作品。
最近の髪が伸びてきた彼女に比べて,この作品での彼女は髪もまだ肩に届かないくらいで,まさに丸顔。多分,撮影は数年前だとは思うけど,年齢的には高校生役は無理があるような気もするが大丈夫。予告編では雪のシーンが多く,舞台は北海道かと思いきや,長野県の諏訪。幼い頃からずっと一緒だったいとこのお兄ちゃんが,3年ぶりに帰ってくるが,恋人を連れてくる。一方で,主人公の方はこれまた小さな頃から言い寄られている高校の同級生の交際の申し込みをなんとなく受けてしまう。そこから,4人で会うことが多くなるんだけど,会っていなかった3年間が2人にその間柄が特別なことだと再確認させてしまう。映画は淡々と,そしてカメラワークも揺れたりぼやけたり,決して見やすい映像ではないが,それがこの人間関係のもどかしさを表現しているのかもしれない。まあ,何てことない映画かもしれないが,私はこういう作品をレイトショーで観るのは結構好き。

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音楽だけでない心地良さ

12月9日(火)

渋谷duo music exchange おおはた雄一
今年もここduoでの3回のtokyo song bookがあり,PARCO劇場の単独ライヴがあり,タワーレコード新宿店でのインストアも2回行って,今年の締めくくりはまたduoでの単独ライヴ。今年は8度おおはたさんのライヴに足を運びました。実際には27日にbobtailでの歌い納めがありますが,残念ながら一瞬にして30名の定員は埋まってしまったそうです。実は,このbobtailライヴ,私はbobtailのスケジュールで2ヶ月前くらいに知っていたんです。でも,いつの間にか削除されていて,最近おおはたさんのオフィシャルサイトに告知されてしまったんですね。まあ,それではいくらbobtailに10回通おうが,一般のファンに勝てるはずがありません。まあ,私は一度だけbobtailでのライヴ(ビューティフルハミングバードとの2組)を聴いたことがあるし,お客さんとして来ていてhitme & miggyとみちしたの音楽のライヴの時に飛び入り参加したり,ライヴの終わったお店におおはたさんが遊びに来たり(その時もhitme & miggyのライヴだったな),なんだかんだでおおはたさんとbobtailという組み合わせは体験してきたので,まあ,よしとするか。最後くらい常連達を優先になんてleteのような心遣いをしてくれても良さそうだが,年間10回くらいじゃ常連の仲間入りはできないか。それに,今のおおはたファンに初bobtail(そしてラストbobtail)を味わってもらうのもいいかもしれない。
前置きが長くなりましたが,そんな新しいホームでの単独ライヴ。この日はペダルスティールの高田 蓮さんと,パーカッションの芳垣安洋さんという3人編成。この日のおおはたさんはエレキギターの出番がいつもより多かったかな。そのうち1台は新しく買ったもの。といっても,1960年代によく通販で売っていた安っぽいものらしいが,それでもある意味での伝説のギターらしい。私には違いは良く分からないんだけどね。芳垣さんの演奏は初めて聴きますが,ROVOのドラマーということで,髭にも白髪がかなり混じった年季の入ったおじさんです。演奏は悪くいえばかなりいい加減,良くいえば即興的要素が大きい。でも,私はけっこう好きだな。各楽器の打面の位置を認識して,そこで寸止めするというスタイル。高田 蓮さんは相変わらず衣装が奇抜で面白い。無地のパンツを履いている彼を見ることは非常に少ない。
中盤の一人でのスタンディング弾き語りも面白い。いやあ,なんていうかな,最近のおおはたさんのライヴはまったく気を抜いてみているような気がする。その日の演奏が良かったとか悪かったとかではなく,そして別に本人と一対一でお話しているわけでもないんだけど,彼と会って,お話してきたみたいな充実感をいつももらっているようだ。そして,この日も気持ちよく帰路につくのである。

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ピアノ・ガール

12月8日(月)

恵比寿天窓switch いいくぼさおり
久し振りに来た恵比寿のswitch。いいくぼさおりさんのライヴも久し振りだ。ついに彼女もフルアルバムを発売し、大規模なレコ発は来年渋谷のduoで行うようだが、彼女のホームグラウンドともいえるこのお店でのライヴに行きたかった。開場から開演まで1時間あったので、恵比寿駅中でさぬきうどんを食べて、開演20分後に到着すると開場が遅れていた。入場は30番手くらいでしたかね。ここで一つの失態。赤ワインを注文して席に着いた途端、上着とバッグ、財布にワインをこぼしてしまいました。ここのワインはmona recordsやduo music exchangeと同じ安物ワイン。早速帰ってなんともう10年近く着ているブルゾンと化学繊維でできている肩掛けバッグを洗濯機で洗濯。ブルゾンには若干ワイン染みが残ってしまいましたが、意外にきれいになりました。
さて、すっかり髪の毛の伸びたいいくぼさおり。演奏前に、彼女が5歳の時のピアノ発表会のビデオが上映されます。本名は「飯窪早織」。やっぱりちょっと硬いですね。神童モーツァルトが5歳の時に作曲したという曲を、5歳の彼女が演奏する。その説明も面白いけど、演奏の素晴らしいこと。そして、本人登場。初っ端からテンション高めでアップテンポな曲が続きますが、彼女にも周囲の反応にも着いていけず。でも、中盤はバラード中心で、やはり聴き応えがありますね。これだけのピアノ演奏だとサポートは全く必要ありません。トークのテンションも普段に戻り、いい感じ。そして、まさかのゲストで、即興劇団インプロモーティブが出てきてしまいました。まあ、あれだけの演奏を見せてくれたさおりちゃんをちょっと休憩させるにはいい時間ですが、彼女も交えての即興劇はもう少し短めにお願いしたいところ。後半は衣装換えをして登場。こちらがどんな衣装だったが忘れましたが,前半はいつもと同じように白いブラウスでした。意識的にだと思いますが,彼女は白いブラウスが似合います。そして化粧が似合わない。もっというとショートヘアのほうがいいかな。でも,もうそろそろいい年齢なのでイメージチェンジは必要ですね。まあ,ともかく後半もいい演奏を聴かせてくれました。年に1,2度は聴きたい歌声だ。

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英国映画2本

12月7日(日)

ここ最近は恋人と2人で観たい映画を一緒に観られなかったので、まとめて2本。偶然にも両方とも英国映画です。

恵比寿ガーデンシネマ 『ジョージアの日記:ゆーうつでキラキラな毎日
海浜リゾートに住む女子高生の初恋を描いたラヴコメディ。私は未見だが『ベッカムに恋して』の監督作品とのこと。ブスでも多少太っていても、自分に自信を持って明るくいれば大丈夫、みたいな最近ありがちなメッセージですが、主役を演じる女の子は決してブスではないと思う。むしろ、着飾って化粧している姿がちょっと...まあ、ともかくすっきり楽しめます。地理学者的に面白いのは場所かな。英国で始まった海水浴の風習。それがリクリエーションとしてすっかり定着すると、浜辺を観光地化する動きが現れ、多くの海岸は大規模な海浜リゾートとして開発された。でも、今はすっかり老人の町になっているような、そんな雰囲気がうかがえます。

ガーデンプレイス内のエクセシオールカフェでランチをし、渋谷に移動。

渋谷シネ・アミューズ 『BOY A
本当は明るい『ジョージアの日記』に対して、本作はどう見ても暗いので、観る順番を逆にしたかったが、上映時間の関係でこうなった。日本でもよく、少年犯罪の加害者は匿名で「少年A」と呼ばれるが、本作はまさにそんなテーマ。小学校の時、いじめられていた主人公はあるとき助けてくれた不良少年とつるむことになる。ある日、ちょっとした悪事を注意されたことに腹を立て、同級生の女の子を2人で殺害してしまう。2人は鑑別所に入るが、14年後、1人の少年は保釈される。このシーンから映画は始まる。『マイネームイズジョー』の名優、ピーター・ミュラーが彼の監督役だ。名前を換え、見知らぬ町で運送業の会社で働きながら新しい生活をスタートさせる。ちなみに、主犯格の少年は鑑別所で自殺をしてしまうが、主人公は他殺だと思っている。仕事も恋愛も、一つ一つこの年齢にしては初めてなことばかりで、丁寧に生に向き合うことで順調に進んでいく。一度は配達中に事故車を発見し、中から少女を助け出すということまでやってのける。しかし、この時のことが地方の新聞に写真入りで掲載されたことが後に命取りになる。そう、まあこのての映画ですからこういう展開は避けられませんが、隠していた過去がばれてしまうんですね。その途端、身近な人は離れていき、マスコミが追いかけてくるという、お決まりの展開。最後、彼が逃げた先がまたまた海浜リゾートだった。そこで彼は自殺したのか否か。どっちにしろ、行き場はない。
主演のアンドリュー・ガーフィールド、『ブーリン家の姉妹』にも出ていたらしい。うーん、どこでだ?まあ、とにかく本作はまさに適役な感じでしたね。次なる作品が楽しみだ。

渋谷で2人で夕食を食べた後に別れて私は井の頭線に。

池ノ上bobtail omu-tone
久し振りのomu-tone。お店に入ると久し振りに空席が目立ちます。どこに座ろうかキョロキョロしていると、一番後ろの席にマスクをしている戸田和雅子さん。暗くてその時は気付きませんでしたが、一緒にいたのはハセガワミヤコさん。私は後方のカウンター席に座ります。やはりこの日も開演時にはほぼ満席に。omu-toneはいつもどおりの演奏でしたが、久し振りの割に、以前ほど新鮮味を持って聴くことができなくなっているようだ。もちろん、相変わらず澤口 希ちゃんの演奏はマリンバもピアノも素敵だし、高橋若菜ちゃんのマリンバも上達している気がする。まあ、聴き手の問題か。
この日はomu-toneの単独ライヴだったので、2部制だったがトータル時間は短め。いつの間にやら4曲入りのCDを発売していたので、それを購入して家路に着く。すると、池ノ上の駅で、MitaTakeの見田君とすれ違う。最近、彼らのライヴは聴いていないのによく会うので、彼もうんざりしているような顔でビックリしていた。そういえば、戸田さんはギターを、ミヤコちゃんはウクレレを持参していたので、この後何かあるのだろうか。

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ベタな日本映画2本立て

12月6日(土)

講義後、新宿に移動。ライヴ前に映画2本。かなり過密スケジュールです。新宿ピカデリーもバルト9も受付に時間がかかることが多いので。まずはピカデリーで受付し、バルト9に行って受付を済ませてから再度ピカデリーに戻る。少し時間に余裕があると思ったが、最上階のスクリーンで、ここはエスカレータしかなく、2日前のジョギングで膝を痛めていたこともあって、結局上映数分前に到着。

新宿ピカデリー 『ハッピー・フライト
実はこの作品はあまり観たいとは思ってなかったんだけど、ある日、家を出る時に恋人にとあるCDを発見されたことがきっかけでやっぱり観ようと思った。そのCDとは綾瀬はるかのデビューシングル。でも、私はなにも歌手綾瀬はるかを目当てに買ったわけではなく、彼女が出演したショートフィルム「たべるきしない」のDVDも付いていたからだ。でも、けっこう綾瀬はるかが好きだったことは間違いないので、まあ矢口監督だし、時間的にもちょうどよかったので。
さて、さんざん宣伝していたのでご存知の通り、綾瀬はるかがCA役の航空ものだ。何を隠そう、私は平日会社で空港関係の仕事をしているのだ。といっても、基本は土木施設の設計なので(といっても最近は計画業務ばかり)、ターミナルビルは範囲外。仕事はもっぱら役所相手で、航空会社の従業員との接点などほとんどない。でも、飛行機の離着陸の仕組みはそれなりに分かっているので、とても楽しめる作品だった。しかも、1つの出来事に集中している辺りが場を盛り上げるのに適切だったと思う。多くのスチュアーデス(一応死語です)ものは一人のCAの成長を辿るもので、いくつものエピソードがあって、失敗から成長していくというストーリーが多いが、今回の作品は1機の飛行機が羽田空港をホノルルに向けて出発し、途中のアクシデントにより羽田空港に引き返すまでで終了。綾瀬はるかも主人公とはいえず、むしろパイロット訓練生の田辺誠一だといえるかもしれない。とにかく、楽しい役者がいっぱい出ていて面白い。イチイチ挙げているときりがないが、航空会社で働く女性はCAだけではなく、チケットなどターミナルビルでお客さんを裁く人もいるし、1機の航空機を飛ばすには地上の整備士は欠かせない。もちろん、多くの離着陸機を管理するのは管制官の仕事、そしてそれと連動して、発地と着地の気象状態を分析する気象台の人たち。この映画では、バードストライキング(鳥が航空機に衝突すること)を防ぐために空砲で鳥の集団を追い払う航空局の人も出てくる(ベンガルが演じます)。各所で新米とベテランが、男性と女性がそれぞれの短所長所を発揮して、笑いどころあり、涙あり(?)のエンタテイメントに仕上がっています。
あ、ちなみに羽田から出発するホノルル行きはありません。

新宿バルト9 『ラブ・ファイト
続いても比較的メジャーどころの日本映画。こちらはボクシングものです。林 遣都と北乃きいが演じる幼馴染の高校生が主人公。いつも男がいじめられ、女が守るという構図で幼稚園から高校生まで。男は逃げるのが上手くなり、女は回し蹴りまでして男勝りの喧嘩の強さ。男はある日、いじめてくる相手に対抗するためではなく、いつも自分を守ってくれる女から逃れたいがためにボクシングを始める。しかし、長年逃げ回ることで絶妙なフットワークを身につけた男はボクシングが楽しくてしょうがない。さて、彼のボクシングの先生が大沢たかお。日本チャンピオンでありながら、恋愛スキャンダルで世界を目指す前にダメになった男。その時以来会わなくなったかつての恋人を桜井幸子が演じるが、再び彼の前に姿を現す。実は、林と北乃の初々しい関係よりも、この大人の関係が見所なのかもしれない。
主演の林君は、野球、飛び込み、そしてボクシングとスポーツづいている。スポーツものは大抵、へたくそな素人演技から、上達していく過程を描くので、ちょっと本作での演技のできについては評価しづらい。精神的には『ちーちゃんは悠久の向こう』と似て、いじいじしたかんじかな。北乃きいちゃんの体を張った堂々とした演技は見ていてやっぱり気持ちいい。そして、やっぱりなによりも桜井幸子の存在がこの映画には必要だ。イマイチぱっとしない女優さんのようにも思うけど、彼女はけっこう好きな女優さんだ。そして、相変わらず素敵です。

恋人と新宿で待ち合わせて食事。彼女はそこから小田急線に乗って,祖師ヶ谷大蔵のムリウイ。古賀夕紀子さんが誕生日間近のライヴということで,私は行けませんが代わりにケーキを持っていってもらう。私は阿佐ヶ谷へ。こちらのライヴの時間にはまだ早かったので,古書店を探して散策。

阿佐ヶ谷Mix 高宮マキ
こちらも初めてくるお店。さがゆきさんなど,知った人も出演しているライヴバー。外苑前のZ・imagineのような縦長の作り。扉側にステージを作って,アップライトピアノが壁側にあり,反対の壁側に長いカウンター席,その背後にテーブル席があり,30人以上は入るでしょうか。私が入った頃にはすでにかなり賑わっていましたが,予約をしておいたので,カウンター席を確保してくれていました。人のよさそうなママとその娘さんで切り盛りされているお店です。
この日の出演は,今年8月に結婚して,現在妊娠6ヶ月の高宮マキさん。当分ライヴの予定はなかったらしいが,先日友人のライヴでこの店を訪れて,その場の勢いでライヴをすることになった。今後も音楽活動の方向性の決まっていない彼女にとって,この日は貴重なライヴになるはずだ。そんな時に,ピアノの泰輝さんもスケジュールを合わせてくれて,以前に新宿のnaked loftでのライヴを一緒にやっていたギターの伊原広志さんと3人のステージ。
彼女自身人前で歌うのは久し振りのはずだが,やはり彼女のヴォーカルは素晴らしい。狭いお店でマイクなんていらないほどの,マイクは他のお店の営業妨害ではないかと心配するほど,素晴らしい声量で高音も響かせてくれました。当初の予定ではほとんどスタンダード曲の演奏という予定だったらしいが,泰輝さんが最近ロックの名曲をピアノ一台でカヴァーするというCDを発売したらしく,そんな泰輝さんコーナーも1stと2ndと2曲ずつありの,マキさんのオリジナル曲も,その当時の思い出とともに,そして最後の「鍵穴」はその当時関わってくれた人への感謝をこめて,涙ながらのライヴとなりました。お客さんの多くも彼女の実際の知人であったりして,とても和やかな雰囲気。そして,実際にはけっこういい時間が経っていたライヴでしたが,本当にあっという間に感じました。
私の2つ前に座っていた人は最近高宮マキを知ったとのことで,1stアルバム『鳥籠の中』を持参してサインしてもらっていたり,私の後ろに座っている女性が,お腹を触らしてもらっていたり(実際にはけっこうお腹の目立たない衣装でしたが,やはり横を向くとちょっとビックリしますね)。私はご懐妊祝いということで,子ども向けのCDを持参したり。その時,旦那さんも紹介してもらいました。そう,彼女が結婚する直前ですかね,一度下北沢のスープカレー店「マジックスパイス」にてお会いしたことがあったんです。その時に一緒だったのがご主人だったとのこと。そんなこんなで,皆が祝福ムードで賑わっているお店を後に,帰路につきました。

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土足厳禁,完全禁煙ライヴハウス

12月5日(金)

池袋鈴ん小屋
初めて行くライヴハウス。池袋駅東口に下りて,ビックカメラやYAMADA電器がある方へ歩いて10分弱。ライヴハウスのホームページの地図があまりにも簡潔で,なかなか見つからなかった。ようやく見つかって地下へと降りて行くと,「ここからは靴をお脱ぎください」と書いてあり,靴を脱いでドアを開け,受付がある。さらにドアを開けると薄暗い照明で,机が3つほど。後は最前列にベンチのような長椅子と,あとは背もたれのない丸椅子。すでに5,6人のお客さんがいて,私は左側の前のほうに座る。ホームページでご飯が美味しそうだったので,鶏肉のトマト煮をいただく。これがなかなか手作り感があって美味しい。グラスのビールも冷え冷え。お店の雰囲気は,青山の「月見ル君想フ」と代官山の「晴れたら空に豆まいて」の系列店だといっても納得してしまう。でも,それらと決定的に違うのは,それらよりかなり小さ目の空間が全面禁煙だということ。靴を脱ぐところといい,かなり清潔空間だ。ステージ上には可愛らしい装飾のついたアップライトピアノがある。そして,なぜかステージ下にはタブラが置いてあったり。食事を食べ始めるとほぼ時間どおりにariさんが登場して演奏が始まる。一つの難点は空間が小さいので,エアコンが効きすぎること。
ari:この日は彼女の4枚目のCD『アカシア』発売直後ということで,彼女主催のイヴェントではないが,勝手にプチレコ発ということにしている。私の左隣に座っていた男性もariさんを目当てに来ていたらしい。この日はそのレコーディングメンバーである,ギター西村周平さんとサックス渡邊勇人さんの3人。渡邊さんのサックスは何度か聴いたことがあるが,なかなか寡黙な感じで素敵だ。西村さんのギターは初めてか2回目くらいだが,正直その手腕は分からないけど,ariさんのピアノがやっぱり引き立つ方が私は好きなので,控えめな彼のギターはバランス的にもちょうど良いとおもう。そして,この日はなんとレコ発ということで,スペシャルゲストとして,CD1曲目の「アカシア」にストリングスカルテットの第一ヴァイオリン,及びストリングスアレンジとして参加しているという水谷美月さんが数曲加わった。まあ,私は初めて聴くヴァイオリニストなのだが,かなり素敵だった。その日は当然CDを購入して数日後に聴いてみたのだが,カルテットとして入っているCDの演奏と,この日4人で演奏したヴァイオリンのみのアレンジは異なっていて,この日は多くの場面でヴォーカルと同等にヴァイオリンが入っていて,ariさんのライヴではなかなか聴けない貴重な演奏だった。ariさんは桐朋学園の声楽家出身だからかどうか分からないが,いつも素敵なミュージシャンを呼んでくるので,それも楽しみの一つである。普段のイヴェントライヴということで,演奏時間は40分ほどだったが,とても内容の濃いパフォーマンスだったと思う。
森ゆに:以前,トルネード竜巻のイヴェントにゲスト出演したビンジョウバカネのヴォーカルの一人だった女性。その後もウッドベースと2人のユニットKOMEでも演奏を聴いたことがある。優しい歌声の持ち主で,個人的には寺尾沙穂さんのイメージと重なる。今年の初めからソロ活動を始めたということだが,なかなか堂々としていて,淡々と歌うそのステージはそれなりに魅力的だ。彼女の話によると,今回のブッキングはこのお店にも関わりのある女性シンガーによるものだということで,女性ヴォーカル4組ということ。当初はariさんだけ聴いて帰ってもよいと思っていたが,とりあえず残ることにする。
ピナコティカ:続いて登場したのは,またまたルックスではナカナカいい感じの女性シンガー。それに男性ギタリストとパーカッショニストの3人編成。歌は上手いのだが,どうにもヴォーカルスクールで鍛え上げた感じの歌い方で,オリジナルソングを歌っているのだが,その歌詞は言葉の意味として耳には入ってこない,表面的な印象。
このお店の居心地は悪くないのだが,椅子だけはずーっと座っているには小さくて硬く,4組目を聴くのは断念して,後ろの席で食事中だったariさんからCDを購入し,ひとしきりお話をして帰路につきました。

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韓国人を愛せますか?

朴 倧玄 2008. 『韓国人を愛せますか?』講談社(+α新書),187p.,800円.

著者の朴さんは人文地理学者。1969年生まれだから,私と同じ時代に大学院を過ごしていた。私も1993年の『人文地理』で論文デビューを果たしてから,毎年とはいわずとも,平均すると年1本以上のペースで2001年くらいまで論文を書いてきた。本数としては比較的多かったほうだと思う。しかし,東京大学大学院の朴さんはそれ以上の論文執筆ペースで驚いたものだ。しかも,私は「論説」の論文をいまだ3本しか持っていなく,『地理科学』のフォーラムという外部査読者を必要としない種別で本数を稼いできたともいえる。それに対して,朴さんは毎年のように論説で論文を発表し,他の種別も利用して年に2,3本のペースだったような気がする。といっても,彼の研究は私の関心とは離れていたので,まともに文章を読んだことがないので内容については評価しかねるが,ともかく論文を書き,編集委員会とのやり取りでそれを掲載にまでこぎつけるというのは相当なエネルギーを必要とする。その論文生産力のおかげでとんとん拍子で就職し,大東文化大学を経て,現在は法政大学経済学部教授という出世ぶり。私はその同じ法政大学で非常勤講師とは雲泥の差だ。ともかく,彼とは結局まったく接点もなくお話したこともないのだが,なんと先日私の好きな脚本家,今井雅子さんのサイトの掲示板に彼の書き込みがあってちょっとしたやり取りをしたのだ。しかも,その書き込みと今井さんとお会いした時の彼女の日記のなかで,朴さんが本書ともう一冊『韓国人は好きですか?』という一般書を書いていることを知る。たまたま,外出先で読むべき本を携帯するのを忘れてしまった時に,ふと思いついて新宿のブック・ファーストで買い求めて短時間で読んでしまった。
韓国で育ち,大学院進学とともに日本に来て,すでに15年ほど経つという彼。その論文生産能力から,私は勝手に学問に対する彼の熱意を想像していたのだが,本書を読むとそれは勝手な思い込みのようだ。初来日した時に親切にしてもらった鹿児島の人の話や,日本で知り合った女性を好きになって日本に住みたくなった話など,かなり偶然と学問とは関係のない動機が書かれている。しかも,ネット上でのやり取りのなかでは,彼はとにかく就職のことだけ考えていたと書いている(まあ,ちょっと動機が不純だといってもそれで簡単に就職できるわけではないので,彼の努力と能力がすごいのは変わりない)。その執筆能力は就職してからも衰えなかったようで,これまでの研究をまとめた研究書がすでに2冊。そして,本書のように,韓国で日本留学の経験を活かした著書も書いている。本書はこの韓国での著書の延長線上にあるようだ。いわば,日本に住む韓国人から見た日本文化論・日本人論である。あるいは,日韓比較文化論であるといえようか。彼が大東文化大学にいたときの所属は国際関係学部だったそうだから,そこで総合教育科目の比較文化論などを担当していたのかもしれない。
まあ,もちろん私は韓国文化には詳しくないので,それなりに本書を楽しむことができる。人文地理学などにまったく関心のない多くの読者も,本書の内容を新鮮さを持って面白く読むことだろう。しかし,私は少なくとも人文・社会科学に携わる人間として書く文章としてはあまりにも軽薄すぎるといわざるをえない。しかも,これから書く私の印象は,学問に携わる立場からの独自のものではない。試しに,Amazonのカスタマーレビューを読んでみたが,面白いという評価から,それほど新鮮味がないというものも含めた好意的な評価のなかで,個人的な経験を日本人と韓国人という次元に一般化するには無理があるという厳しい否定的な意見も少なくない。そう,本書は彼個人の経験が基礎になっているので,その点での特殊性は有しているものの,全般的には巷に溢れている○○人論,○○文化論と同等の,国民国家・国民文化のあり方を自明視して疑うことのない荒っぽい議論である。
多少なりとも,大学で比較文化論なるものを教える身としては,そのバイブルともいえる西川長夫『国境の越え方』を読んでしかるべきだし,読んだならば本書のような強引な一般論は書けないはずだ。あるいはどうしてもこの路線で書くのならば,西川氏の論理を批判するのが先決になると思う。まあ,ともかく彼の人となりを知るには絶好の本かもしれない。近いうちに彼と会うことを楽しみにしよう。しかし,本書に韓国人は呑み会の席は3次会4次会は当たり前で,出席者は途中で退出するなど論外と書かれているので,お酒に弱い私は酒の席をご一緒するのは恐ろしいが...

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暗い気持ちになるのも悪くない

12月4日(木)

新宿武蔵野館 『青い鳥
『ブタがいた教室』の小学生、『俺たちに明日はないッス』の高校生に続いて、中学校が舞台。一人の男子生徒が自殺未遂をした後のお話。いじめを見過ごしてしまったと責められて出勤できなくなってしまった担任の先生の代わりに臨時教員がやってくる。演じるのは阿部 寛。彼の演技は上手いという感じではないけど、今回の役どころは訳あり(映画のなかでは屋上に上がってかつて自分が担任したクラスの集合写真を見つめるシーンがある。おそらく、そのなかの一人が屋上から飛び降り自殺をしたんでしょう)で、「どもり」がある。表情もほとんど変えず、もちろん台詞も少ない役だが、長身の存在感で人を諭すという重要な特徴は彼ならではだと思う。この作品も原作は重松 清だが、いじめという現象をより身近なものとして描いていると思う。本人たちも日常的な悪ふざけの延長線上で慣れてしまって、事が起こってからその重要さに気付くが、その重要さでさえ、周囲が過剰に反応することで、その沈静化に躍起になって忘れ去ろうとする。それすらもが慣れてしまうのだ。主演の本郷奏多(かなた)君は本当は高校生の年齢だけど、等身大でいい演技だと思う。

講義を終えて表参道で恋人と待ち合わせて軽い食事。表参道の地下は新宿や東京駅の地下街とは比べものにならないほど規模は小さいが、とても充実している。恋人が最近見つけた、新しいカレー屋で食べたが、なかなか美味しい。

青山プラッサオンゼ Asa festoon
けっこう久し振りのプラッサオンゼ。予約なしで来たけど、けっこう空いていて、クラウジアさんに「あらお久し振り。いつもの席でいいよね」と後方テーブルのステージ寄りの席に案内される。カレーと一緒にビールを呑んだので、ここでは赤ワイン。小レポートを採点しながら開演を待ちます。
この日のAsa festoonは私は初めて聴くバンド編成。ドラムスにcasaでもよくサポートしてプラッサオンゼにも出演している菅沼雄太さんが出演。意外にAsaさんとの関係は古いそうです。そして、いつものギタリスト木村香真良さんに加え、エレキギターの白山貴史さんとウッドベースの真船勝博さん。5人編成です。このベースの人もAsaさんのレコーディングにも参加している人らしい。どこかで見たことがある人なんだけど、ちゃんとは思い出せません。大山百合香ちゃんだったような気もする(調べたらあってた)。
AsaさんのCDにはラテンの賑やかな曲も多いけど、少人数編成のライヴだとなかなか再現はできないし、演奏できない曲も多いが、この日はそういうところに焦点を当てた選曲。いやあ、やっぱり大人なメンバーだけあって、素晴らしい演奏。Asaさんの歌声は意識的にこもらせた感じだが、バンド編成でも負けたりしない力強さを持っていて、やっぱり素晴らしいシンガーだ。そして、本当にこの日の演奏はCDどおりの賑やかさ初体験といった感じでとてもよかった。お客さんが少なかったのがとても残念なくらいだ。お客さんが少ないということもあって、2ndステージは予定よりも10分ほど早めて、終わる時間も早かった。私的にはもう2,3曲やってくれてもいいかなって感じでしたが、1st、2ndとも50分はやっていたようだ。とても短く感じました。
特にこの日、1曲披露した曲はなんとmama! milkの生駒祐子さんと2人で作って昨年発売したというCDから演奏。生駒さんが作曲して、Asaさんが作詞をするというスタイルで、いつもはアコーディオンを演奏している生駒さんがアコーディオン以外の鍵盤を演奏するという面白いCDでした。当然私は購入してきたわけですが、Asaさん的にはいつも明るい雰囲気を作っているのに、そのCDはとても暗い独特な世界を表現しているので、あまり積極的に宣伝していなかったとのこと。

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今年192本目の映画

12月2日(火)

新宿シネマスクエアとうきゅう 『秋深き
八嶋智人主演のラヴストーリー。昭和の文豪、織田作之助原作ってのを売りにしていて、チラシの写真が古風な和服での結婚写真のため、時代設定が古いかと思いきや、舞台は現代に変更しています。お相手は佐藤江梨子。『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で主演した彼女ですが、本作ではその時よりも数倍いい演技を見せています。しかも、舞台が大阪で2人は関西弁でしゃべっている。まあ、私は標準語しか知らないけど、2人の関西弁はさほど違和感はない。八嶋演じる男は仏壇屋の息子でしがない高校理科教師をしている。きっかけは分からないが、キャバレーで佐藤江梨子演じるホステスに惚れてしまい、毎晩通う。そのうち、彼女の仕事上がりをストーキングするようになってしまい、いきなりお揃いの位牌を持ってプロポーズする。いろんなことに嫌になっていた彼女はこの風変わりな男性に一生を捧げることにする。
なんと、この奥手の主人公は、これが初恋。そのお相手が男関係ではいろいろあるホステスだとくれば、大変です。もちろん、2人でいる時は仲良くしているのだが、何かあるとすぐにその愛を疑ってしまう主人公。まあ、仕方がありませんが、その嫉妬心の矛先がとても正しいとは思えず、イライラします。でも、だからこそフィクションとしてオリジナリティのある物語になっているんですけどね。2人にとっては男が女の愛を信じて、いつもそばに居てあげることが重要なんだけど、あえてそうしないことで、鑑賞者にはそうしてほしいという願いが伝わるのかもしれません。主人公はある理由で競馬場に行くシーンがあるのですが、そこで出会う男性を演じるのが佐藤浩市。彼はJRAのCMにも出演しているので、適役すぎて笑っちゃうほどです。でも、さすが存在感ありますね。

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連日盛況bobtail

12月1日(月)

池ノ上bobtail LynnBE THE VOICE
和田純子、永山マキ、ヤマカミヒトミ、宮嶋みぎわという4人によるユニットは本人たちによるとここ、bobtailで誕生したらしい。うーん、その時私はそこに来ていたかな?まあ、とにかく開場まもなく到着しましたが、お店の外まで人が並んでいます。いつものbobtailはとりあえず席に座れるが、この日は完全予約制でソールドアウトだったので、受付に時間がかかっているようです。やっと店内に入ると、すでにTOPSさんと服部さんは指定席に。一人によさそうな席はないので、私はカウンター奥の高い椅子に座ります。座り心地はイマイチだけど、眺めはよい。私の後ろに並んでいた私と同世代の女性3人が面白かった。演奏中の反応によるとどうやらBE THE VOICEファンで、Lynnも知って、それも好きになったという感じ。並んでいる時にヒトミさんがお店の外に出て行ったが、「挨拶はしてくれたけどまだ認識している感じじゃないかなあ」などとミーハーなことをいう一方で、「何時に終わるかなあ。23時から観たいドラマがあるんだよね」などといったりする。もっと驚いたのは、席についた彼女たちはなんと近くで買ってきたサンドイッチを食べ始めたのだ。しかも、そのなかの1人は注文したドリンクを飲み終わると持参したタンブラーのドリンクを飲み始めた。「なんだか自宅みたいだね~」などと楽しげ。店長のケンちゃんも特に何もいわずでしたが、ああいう神経羨ましいなあ。でも、アンコールでマキさんの「かくれんぼ」が歌われると、「あーこれ、ダメ。泣いちゃう~」って本当に泣いてました。
とすっかり終わりの話になってしまいましたが、この日はLynn+BE THE VOICEといいながらも、Lynn+鈴木俊治といったほうがいいでしょうね。そもそも、Lynnとしてのオリジナル曲は結局1曲以外は新しくできていないので、演奏曲はスタンダード曲かBE THE VOICE、あるいは永山マキかモダーン今夜の曲だし。2部制だけど、5人が入り混じりの形式。そして、なんと初っ端に登場したのはヤマカミヒトミと宮嶋みぎわ。そう、hitme & miggyでの演奏です。この日も当然いらしていたマルヤマさんは後で「涙チョチョギレ」っていってましたが、私もかなりくるものがありましたよ。やはりこのユニットが一番みぎわさんらしいんだよな。最近、みぎわさんのピアノの魅力がよく分からなくなっていたけど、やっぱり素晴らしいピアニストだと実感するわずか2曲の演奏でした。あ、でももちろんLynnとしてもみぎわさんのピアノは素晴らしく合っています。前半は永山マキさんを中心とするステージで、2ndはまずBE THE VOICE2人による演奏でした。この日の俊治さんはかなり激しかったな。まあ、いつもどおりなんだけど、この狭い空間で聴くと彼のギターはかなり強い。でも、この日のメンバーのテンション自体がかなり高く、そんな俊治さんの演奏もバランス的にはいい感じでした。この日の演奏は音としてはいまひとつだったと思うけど、皆の想いの強さが伝えられ、お客もそれを十二分に受け取るいいパフォーマンスだったと思う。やはり、このお店はスペシャルな場所だな。
この日も演奏後のみぎわさんやら純子さんやらが取り囲まれていたので、少しまったり待っていたが、帰ろうと思ったけど、帰り際にマキさんに「帰るんですか」と声を掛けられ、話し込むうちにみぎわさんやhitmeさんにも話しかけることができて、結局帰りが遅くなってしまいました。

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12月は映画にライヴにラストスパート

11月30日(日)

卒業制作提出間際の恋人は忙しい。なので、私は一人で映画とライヴな休日。

渋谷シネマライズ 『バンク・ジョブ
この映画は私が生まれた頃にロンドンで起こった銀行強盗事件を元にしたもの。これまで小さな盗みばかりをはたらいていた仲間たちが一世一代の勝負にでる。たまたま盗んだ貸金庫の中に皇室王女のスキャンダル写真があり、単なる強盗以上の複雑な展開になっていくというストーリー。結局、主犯格の人物は生き残っているので、彼に聞き取りすればかなりの事実は復元できるとは思うが、この映画の脚本がどのくらい事実に基づいているかは不明。むしろ、フィクションとして楽しむほうが面白いと思う。ちょっと、黒人ヤクザだけが救いのない悪党として描かれているところはちょっとどうなんだろう。まあ、とにかく飽きることなく楽しめる作品。

渋谷ユーロスペース 『俺たちに明日はないッス
続いてはタナダユキ監督最新作のこちら。今回は原作もあるし、脚本も別の人(山下敦弘作品も手がける向井康介)。実年齢では20歳を越えている柄本時生が主役。まあ、男子高校生が悶々と妄想する性の問題を男女3人ずつに焦点を当てて描いたもの。1人は担任教師とできてしまって、それを目撃した主人公はそのネタで脅して「やらせろ」と迫る。男で一人で育てられた一人の女子高生は興味本位で好きになった男子生徒と結ばれてしまう。ちなみに、その父親役はダンカン。その女子高生は『風の外側』に出演していた安藤サクラ。巨乳に悩む一人の女子高生はなぜか太った男子に積極的にアタック(その理由が笑わせてくれます)。残念ながら私は自分の悶々を実際に近くにいた女子高生にぶつける勇気などないウブな少年だったので、それほど感情移入することはありませんでしたし、自らの高校時代を鮮明に思い出すこともなかったけど、こちらもとりあえず楽しめる作品。

渋谷で恋人と待ち合わせて夕食だけのデート。最近は恋人がそのあと深夜のバイトだし、あまりゆっくりもしてられないので、お酒は控えめにして、安いところで済ませる。この日はリンガーハットで長崎ちゃんぽん。私は一人で東横線に乗って白楽まで。今回は2度目だったし、時間にも余裕があったのでnataneまでの商店街をキョロキョロして歩き、なかなかよい古書店を発見。この駅は神奈川大学の最寄り駅です。日曜日なのに、ライヴ終了時にもまだ空いていました。

白楽natane パンにつられてツアー
無類のパン好きだという、良原リエさんと朝日美穂さんが企画し、朝日さんとは早稲田大学時代からの付き合いだという戸田和雅子も一緒になって、small color戸田和雅子朝日美穂という4人でのプチツアー最終日。神戸、京都、名古屋、浜松、横浜と1週間で回ってきたとのこと。どの会場も、美味しいパンを提供してくれるというのが条件のツアー。私はこの4人とも好きですし、パン好きでもありますからもちろん参加。開場5分後くらいに到着したのですが、すでに席がかなり埋まっています。最終的には立ち見も。予約でソールドアウトだったのですが、お客さんで来ていたHARCOは別枠だったんでしょうね。彼は席がなくて立ってパンを食べ、聴いていました。残念ながら私の席は身動きできず、HARCOとは挨拶もできず。
さて、まずはリエさんが登場し、trico!として2曲。続いて、ギターのオオニシユウスケさんが登場して、small colorとして数曲。でも、いつもsmall colorとしてはエレキギターでの演奏なので、ガットギターでの演奏は初めてかもしれない。でも、この2人でのサポートってのはたまにあるので、違和感はなし。続いて戸田さん登場して、1stセットは基本的に戸田さん中心のステージ。でも、このツアーでさんざん歌ってしゃべった戸田さんはなんと気管支炎に。今年は以前にもQuinocoでのレコ発で声をからしたステージがありましたが、今回は声が出ないというよりは医者から止められているといった感じ。ささやくような歌声で、これはこれで貴重。でも、予定通りの曲数を歌うのですからさすがプロです。後半では朝日美穂さんも登場して4人での演奏。
途中休憩が入るが、身動きとれず。まあ、私の座った椅子は他のものよりも座りやすかったのでお尻が痛くなるようなことはないのが幸いでした。この日は前回NUUちゃんの時に食べたパンとは違って、サクサク系ではなくどちらかというとモチモチ系。私が選んだのはバナナパンでした。これひとつで特別な美味しさを実感するようなものではありませんが、食事パンを含めていろんな種類を食べてみたいなあ。さて、2ndステージは朝日美穂さんを中心としたセット。この日の朝日さんは戸田さんという突っ込み相手がいたおかげでトークがとても面白かった。そしてやっぱり朝日さんの笑顔の可愛いこと。実は、お店に行く途中で、一人歩く朝日さんとすれ違ったのだが、仏頂面でうつむき加減の彼女にはやはりちょっと年齢を感じましたね。朝日さんのステージにオオニシさんのギターが入るってのもとても新鮮で、そして最近の曲「ブラックキューピッド」もこのメンバーで演奏すると賑やかで素敵。やはりサポートが入ると朝日さんも安心するんですかね。それにこの4人とはこの1週間かなり密着していたということで、息もピッタリ。かなりいいライヴでした。お客さんもいい感じ。なんと、今回のツアー中に誕生日を迎えたという男性のお客さんは、ツアー全てに参加したとのこと。お店からはパンの詰め合わせなど、プレゼントをもらっていました。しかし、彼はそれ以上にパンやドリンクをおかわりして売り上げに貢献。彼はどこに住んでいて、誰のファンだったんでしょうかね。
久し振りに朝日さんともちょこっとお話して、他のメンバーにも一通り挨拶をして、気持ちよい気分で帰路についたのですが、南武線の乗り継ぎの悪さなどもあって、帰宅までは随分時間がかかってしまい、楽しい気分も萎えてしまいます。

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お寺本堂での素敵ライヴ

11月29日(土)

講義を終えて池上へ。池上本門寺のライヴは過去に2度来ているが、1度目の行き以外は全て地下鉄の西馬込駅を使っていたため、昼間の池上駅周辺をゆっくり散策するのは初めて。やはり品川区や大田区独特の下町的雰囲気があります。でも、軽くランチができるお店があまりなく、チェーン店のコーヒー屋「コロラド」でランチ。本門寺の周辺にも面白いお店がいろいろあり、ゴマの専門店で金ゴマなる炒りゴマを買ったりして本門寺へ。以前行ったイヴェントは広場での野外ライヴだったが、今回は本堂が会場。

池上本門寺 mona rock caravan 2008後半戦
ほぼ時間通りの開場だったけど、mona records店長の行さん直々に入場整理に当たっていたため、とてもいい加減。「1番から50番までの人どうぞ」って感じです。本当は店頭売りのAチケットとプレイガイドのBチケットがあり、同時入場だったのに、そんなことも説明されない(入口に書面で書いてありました)。A60番だった私たちは3列目中央寄りの席をゲット。明日館の時よりもかなりステージが近いです。mona recordsの出張カフェがありましたが、本堂では当然飲食禁止なので、別のスペースでの飲食。ドリンクチケットも一枚買わされたが、どうやら混みあっているようなので後にする。ほぼ時間通りに行さんが登場してスタート。
羊毛とおはな:トップバッターはこの2人。私は昨年の夏に横須賀の海の家「かねよ食堂」でのライヴを聴いているが、その時は英語のカヴァー曲ばかりだった。それが今年はまたたくまにオリジナル曲も含むCDを何枚も発売して、タワーレコードインストアツアーのような形で活動するようになった。しかも、恋人の家にはかれらのCDがあり、かなり気に入っている様子。でも、ライヴはまだ行ったことがないということなので、今回潮音ちゃんと一緒に観られるということで、速攻でチケットを購入したのだ。ヴォーカルの千葉はなさんは富山県出身だそうで、私たちの背後には富山県からやってきた人たちを含む「羊毛とおはな親衛隊」のような集団だった。素朴なステージはとてもこの雰囲気にマッチして、一度聴いてグッとくる感じではないが、なかなかいいかもしれない。
次の出演者が唯一よく知らないバンドだったので、この休憩時間でドリンクコーナーへ。最近ランチテイクアウトを始めたというmona recordsのフード、カレーとタコライスがあって美味しそうだったけど、私はトマトのお酒。すると、なんとその場に芙咲由美恵さんがいた。やっぱり目立ちますね。次のステージが始まったようでしたが、恋人はかぼちゃのタルトなども注文してのんびりと。そうこうしていると、羊毛とおはなの2人が出てきたので、恋人が持っていないCDを速攻で買いに行ってサインをもらう。私もかねよ食堂の話などすると、「確かあれは初ライヴに近いものだった」などと懐かしがられる。会場に戻ると、安宅浩司さんの姿。ああ、そうか潮音ちゃんのサポートだ。
前園直樹グループ:会場に戻ると怪しげな歌声。ステージ上では長髪の怪しげな男性がギターを抱えて歌っている。グループとはベースとピアノの3人組み。しかも、ピアノ弾いているのは小西康陽さんだ。シュガー・ベイブ当時の山下達郎に外見的な親近感を持っているのか、「show」なども唄ったりして、カヴァー曲のみのステージ。そのオタクっぽいはしゃぎっぷりが観客の反応を真っ二つに分けていました。ちなみに、私はそれなりにこういうのは好き。まあ、今度ワンマンをやるといっていたけど、それには行かないが。
ここで、住職さんのお話があった。
湯川潮音:やはりこの日は安宅浩司さんと2人のステージ。ギターのみです。この日の潮音ちゃんもシックな衣装。もうフリフリ衣装を着る機会も減るかもしれませんね。わずか6曲くらいでしたが、彼女らしいところは存分に味わえたいいステージでした。本人もいっていたように、いつもはかかとの高い靴を履いていますが、この日はもちろん靴は脱いで。「本当はすごくちっちゃいんです」と恥ずかしそうな潮音ちゃんも可愛かった。
カジヒデキ:女性のパーカッションとベースを率い、本人はギターを持っての登場。カジヒデキさんはHARCOのワンマンライヴにゲスト出演して見たことがあるけど、相変わらず素敵だ。なんというか、お坊ちゃんスタイルを40歳過ぎまで貫き通していて無理がないってところはすごい。この日の衣装のテーマは「七五三」ということで、短パンにジャケット。なぜか出演者のなかでも彼だけは汗だくになって、途中でジャケットを脱ぐ。もちろん、彼も靴を脱いでいるんだけど、律儀にスリッパを履いているのは彼らしい。当初はアコースティックスタイルということで、座って演奏する予定だったらしいが、なにやら緊張も手伝って、かなり熱いステージになりました。しかも、今年公開された映画『デトロイト・メタル・シティ』の音楽を手がけたのが彼。甘いポップソングから、デスメタルバンドの曲まで。さすがに後者の曲はやらなかったけど、前者の曲は新しい彼自身のアルバムにも収録されているらしい。かなり貴重なステージだった。
コトリンゴ:最近よく目にするが、女性一人のユニット名なんですね。普段はピアノ弾き語りが多いということで、この日もグランドピアノに1人座っての演奏。個人的なスケジュールの都合で最後の出演にしてもらったということを恥ずかしそうに説明していた。実は方々で配られるチラシに掲載された彼女の写真の印象があまり良くなく、積極的に聴いていたかったのだが、ピアノ弾き語りはかなり私好みだった。ピアノの演奏もなかなかなもので、ちょっとすでに人気が出ていて今更聴き始めるのもちょっと気が引けるが、来年にはmona recordsでachordionとの対バンもあるので、また聴きに行きたいと思う。

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シェイクスピアの驚異の成功物語

スティーヴン・グリーンブラット著,河合祥一郎訳 2006. 『シェイクスピアの驚異の成功物語』白水社,583p.,4200円.

本書は新歴史主義を代表する歴史家,グリーンブラットによる,シェイクスピアの伝記的作品分析。訳者あとがきでも書かれているように,ポスト構造主義やポストモダン思想にも含むことのできる新歴史主義は作家論とは縁遠いところにある。フランスの批評家ロラン・バルトが「作者の死」や「作品からテクストへ」という文章を書いて以来,作品の解釈を作家の伝記的記録に基づき,作家のいいたいことを探るような古典的文学研究は時代遅れとなった。
なので,グリーンブラットがこの手の一般書に手を染めるというのはどうしたことか!ということらしい。でも,新歴史主義についてイマイチ分かっていない私にとってはこの辺りはよく分からない。新しい歴史学のあり方は,上で書いた文学批評と同様に,その時代の歴史資料から,説明したい事柄を決定論的に説明する旧来の歴史研究を「歴史主義」と批判したのではないか。そうしたポスト構造主義的な「反歴史主義」の行き過ぎを是正しようという更に新しい歴史研究の態度を私は勝手に「新歴史主義」と呼ぶものだと思っていた。そう考えれば,その代表論者が一見,作家論ともいえる作品を書くのは納得がいかないか。この訳者の解説を読んで,ちょこっと,構造主義論争とは縁遠いところにいるアメリカの批評家,ケネス・バークの議論を思い出した。彼は作家の伝記的記録に頼りすぎるのはよくないが,利用できる資料は何でも使うべきだと書いていたような気がする。
ところで,本書は読んですぐに分かるように,彼自身によるこれまでのお堅い研究所とは異なり,非常に読みやすい。私はそれほど多くシェイクスピア作品を読んでいませんが,引き込まれていきます。グリーンブラットは一般書であるという利点を上手く利用している。もちろん,これまでの歴史でシェイクスピアの伝記というのは無数に書かれた。元々,作品以外には個人的な記録をほとんど残していないシェイクスピアだからこそ,その謎に迫る果てしない努力がなされてきたのだ。
しかし一方で,グリーンブラットはその真面目な探究心の矛先を換える。これまでの伝記はフィクションとしての作品が,どのようなリアルなシェイクスピアという人物によって生み出されたのか,という因習的な認識論だが,グリーンブラットは,実在するリアルな作品から,どんなイマジネイティヴな人物が浮かび上がるのか,そんな謎解きの仕方のように思える。あくまでも,シェイクスピアの実生活については推測の域を超えないのだ。だったら,それを推測であることを前提に,大胆に作品中の記述の特徴を執筆年代ごとに抽出してまとめあげ,確認されている伝記的事実,そして彼を取り巻く社会的状況と結びつけ,新たな作品解釈を試みようとするのがグリーンブラットの意図である。
細かく説明するときりがないが,とにかく読み物としてとても面白い作品です。

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今年のベストライヴか?

11月28日(金)

渋谷AX 竹仲絵里
最近金曜日にライヴが多い。土曜日は朝早いから辛いんだよね。この日は指定席で開演が19時だったので、一度帰宅して、最寄駅前で食事をしてから渋谷に向かう。それでも、開演の30分前には着いてしまった。すでに開場はしているんだけど、まだロビーに人が溢れている。座席への案内はまだとのこと。開場時間18時に来ている人は可愛そうに。ビールを片手にふらふら。程なくしてホールが開場したので、席につく。前回の赤坂BLITZの時もそうだったが、そんなに前ではないがど真ん中。この日は前の席も女性だったので、かなり観やすいです。私の右隣は女性だったけど、左隣2人がちょっと体の大きめな男性で、ちょっと狭そうでかわいそうだった。早めに座ってよかったと思いながら、私はきちんと寄りかかる。この日はどこかの音楽番組で生中継されるとのことで、演出の凝ったステージでした。
バンドメンバーには私の切望していたヴァイオリニストの岡村美央さんもいて、ひとまず安心。それどころかそれだけで心躍ります。ギターに松岡モトキさん、ピアノが小林健樹さんというベストメンバーに今年の「みたかの森フェスティヴァル」でパーカッションサポートした宮川 剛さんを迎えます。いいですねえ、シンプルなんだけど強力バンドメンバー。と、先を急ぎすぎましたが、今回はお色直しを含めて2部制。第1部はアコースティックセットです。まずは一人で弾き語り。白くてドレスのような衣装、素敵です。絵里さんは体が細すぎる感はありますが、こういう衣装だとやはりかなりの美形ですね。でも、それだけじゃないのが彼女の魅力。初っ端からエレキギターで弾き語り。その瞬間の私の予想通り、低いヴォーカルから入る「トンネル」。この曲好きなんですよね。いやあ、やっぱり彼女のギタープレイは力強くてカッコいい。そして、アコースティックギターに持ち替えると、いきなり岡村美央さんの登場。2人で録音したシングル『帰らない夏と消えないあのメロディー』のカップリング曲「距離」を披露。その後の展開は忘れてしまいましたが、美央さんが引っ込んで誰かが出て、みたいな感じで、1stセットの前半は2人や3人での演奏。その中には、以前に渋谷duoの単独ライヴのとき、ピアノ弾き語りの絵里さんと美央さんとの演奏で、シングル『シャリラリラ/ファイファイ』のカップリングにも収録された「黄色い花」をこの日も同様に2人で演奏。しかも、それには感動的な手紙の朗読もありました。小林健樹さんとはカーペンターズのカヴァー曲もあったりして、もう前半だけで泣きそうです。そしてなんと、スペシャルゲストとしておおはた雄一さん登場。彼が今年発売したカヴァーアルバムに収録した井上陽水さんの「海へ来なさい」1曲のみを披露。この曲はdois mapasもライヴでよく唄っています。TOPSさんが書いたように、確かに1曲では物足りませんでしたね。
さて、セットチェンジにちょっと時間がかかって、先にバンドメンバーが登場し、これはこれでインストゥルメンタルとしても楽しめる演奏がけっこう続いた後で、衣装換えした絵里さん登場。こっちの衣装はあまり好みじゃないかな。岡村美央さんはなにやらシンセサイザーなどでサウンドモジュレーションしています。宮川さんはドラムセットに移動して、ベースも登場。絵里さんは昨年お笑いの吉本喜劇がやっているレコード会社に移籍して、シングルリリースが続いている。どれもアップテンポで、吉本らしいといえば、シングル続きの商売っ気も含めてそんな気もするが、2ndセットはそんな選曲。竹仲絵里はバラードでなきゃダメってことはないんだけど、最近の曲はまだしっくりこない。なので、後半は勢いに任せて楽しんだが、ちょうど中頃に「ガーベラ」を持ってきたのはさすがだ。以前にも書いたけど、この曲はバンド編成でしか歌わないので、ここぞとばかりに私の体の中にも吸収します。続いて彼女の代表曲となっている感のある「サヨナラサヨナラ」。でも、この曲は好きじゃないんですよね。なんといっても、これは彼女の作詞作曲ではなくコブクロの小渕氏の曲ですから。しかも、この曲は弾き語りの短いライヴでも必ず演奏するような気がする。早く、これ以上の代表曲が出てきて欲しいものだ。といっても、それは彼女のソングランティングにかかっているのではなく、あくまでも聴く側の問題だ。
アンコールでは、以前から発売されていた「鹿羽=屍Tシャツ」で登場。遠目で体の小さそうに見えるベースの人が着ていてもジャストフィットな感じがしたので、結局購入してしまいました。3000円でしたが、ちょっとサイズが大きいものの生地もしっかりしていて左肩後ろには金色で羽が描かれていてかなりいい感じ。で、アンコールはバンドで1曲と、最後の最後、1人弾き語りで「ありがとう」。いやあ、今年のベストアクトにしたくなる、とても充実したライヴでした。終演後、トイレに行って出てくると、目の前にSHUUBIさん。もちろんヒールを履いていたと思うけど、目の前で見るとやはりでかくてキレイだ。そして、2階への階段から降りてきたのはV6の三宅 健君。テレビのままです。もっとジロジロ有名人を探したかったけど、あまりにも関係者に囲まれていたので、抜け出してアンケートを記入。最近竹仲絵里さんが身につけている羽ピアスが1名に当たるんだってよ。そういえば、岡村美央さんもつけてたな。

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欲張りすぎた平日

11月27日(木)

観たいと思っていた映画が朝1回しかやっていないので、早起きして有楽町に。

シネカノン有楽町1丁目 『その日のまえに
重松 清原作小説を大林宣彦が映画化。南原清隆と永作博美が夫婦役で「その日」というのは永作演じる女性が余命わずかと宣告されてからの日々の物語。最近出演作の続く永作だが、なぜかそれは死と結びつくことが多い。前作の『同級生』は死は観客に対するフェイクだったが、今回はそうではない。かなり深刻なムード漂う作品。しかし、その映像はあまりにも不自然だ。電車のシーンや車のシーンの車窓は今だったらもっと自然にできるだろうに、不自然なはめ込み映像。しかも、意図的に画面の端が暗くなっていたり、妙な色彩感だったり、わざとらしい台詞など。まあ、これらは監督の前作『22才の別れ』でも多用されていたようなものだが、本作はストーリー展開よりもその映像の作り方に神経がうばわれてしまう。映画を観ると原作が読みたくなる仕組みになっているのかもしれませんが、いろんなエピソードが入れ替わり立ち代りで落ち着かない展開。『22才の別れ』主演の筧 利夫とか、『転校生』主演の森田直幸とかも出演していて、その辺は面白い。それにしても、南原氏といい、筧氏といい、監督はこういうズブな演技が好きなようですね。ともかく、無駄に長く、恋人とともに期待していただけに落胆...でも、久し振りに宝生 舞が観られたり(お相手がヒロシだったりするのはどうか)、清楚な寺島 咲ちゃんがギャル高校生になっているのは面白いけど。

映画館の入っているイトシア地下のパン屋で軽くランチをして、別れます。私は2本目の映画に。

銀座シネスイッチ 『マルタのやさしい刺繍
スイス映画。山間のこじんまりとした村でのお話。長い間連れ添ってきた夫に先立たれ、生きる気力をなくしてしまったマルタ。友人たちはいろいろな角度から励ますが、なかなか効果はない。そんな時、若かりし頃に恋人を追いかけて渡米し、彼との間に授かった娘を一人で育てている、マルタからすれば若い女性友達が、マルタの隠してあった荷物を紐解いてしまう。そこから出てきたのは綺麗な装飾のついたランジェリー。そう、昔都会に住んでいたマルタはランジェリーショップの経営を夢見ていたのだ。そんなことで、この田舎町に嫁いできてからは封印していた想いを解き放つように、ランジェリー製作を始める。しかも、夫が残したのは自宅の1階の食料品店。昔の勘を取り戻し、店内を改装して、閉鎖的で保守的な田舎町には似つかわしくない、ゴージャスなランジェリーショップの開店。もちろん、皆が歓迎するはずはありません。女性陣で受け入れようとする気持ちがあっても、まだまだ家父長的なこの町では夫の手前、そういうものは避けるほかありません。しかも、マルタの息子がなんとこの町の牧師さん。いわば道徳的な権威です。一方的に商品を処分されそうになり、マルタも一時は萎えてしまうが、周囲の助けもあり、どんどん盛り上がっていく、そんな物語。まあ、よくありがちなストーリー展開ですが、老人や子どもには勝てませんね。気持ちがホッコリさせられる作品です。

講義の後、恋人と待ち合わせて大学の学食でも食べようと思ったら、もう最近は4時限の講義が終わると営業終了しているんですね。残念です。しょうがないので、市ヶ谷駅前のタイラーメン屋で食べる。彼女の専門学校の仲間たちもいたりして。そこから、私は一人で吉祥寺に向かいます。

吉祥寺strings 松下美千代トリオ
この日は意外にもお客さんの入りが悪い。私はいつものカウンター席に案内されます。stringsも今年21回目。このトリオは最近アルバムのレコーディングをしているらしく、そのなかの1曲がピアノトリオコンピレーションCDに収録されたらしい。そんな、3人の密度が高まっているなかでのライヴ。一体感がありますね。初っ端は斉藤 良氏のドラムスも控えめでいい感じでしたが、やはり後半に向けてだんだんヒートアップして音量も増していきます。この日はちょっとそのせいか、ピアノが目立たなかったかな。そして、多分私の個人的な印象だとは思うけど、ベース工藤 精さんが精細を欠いていたような、そんな気が少ししました。アルバムに収録されるというオリジナル曲たちはやはり素晴らしく、この日初披露した新曲も面白い。美千代さん曰く、一つ一つの曲を違うジャンルとして作りたいのだそうだ。やっぱりこの人変わってる。でも、この日はもっと彼女のピアノソロを聴きたかったな。ドラムスやベースのソロが無駄に長く、2ndセットは予定通り21:30に始まったのに、アンコールが終わったのは23時前。どんだけ長いんだよ~、とちょっと疲れてしまいました。やはり聴く方も体力要りますね。まあ、映画2本も観たのが悪いんですけど。

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最近は祝日が何の日か意識しないなあ

11月24日(月,祝)

新宿タワーレコード 坂本美雨
フルアルバム『Zoy』発売を記念してのインストアライヴ。15分前ほどに到着しましたが、3列目ほどを確保。この日も徳澤青弦氏と2人のステージ。開演の直前、楽屋から出てきたのはなんと山田タマルちゃん。ほんと、仲良いです。それにしても、この日のタマルblogによると、タマルちゃんはここで鈴木 杏ちゃんとバッタリ会って、お茶をして、後で美雨さんも合流してガールズトークっていうんだから驚きだ。杏ちゃんが普通にタワレコを歩いていたのだろうか。残念なことにサイン会が終わって店内でタマルさんを探したが見つからず。すでにお茶しに移動していたのだろうか。
まあ、それはともかく、徳澤氏と2人ということで、もちろんチェロも弾きますが、基本的にはPCからトラックを流しての、半分カラオケ状態。それでも、美雨さんは歌に力があるし良しとしましょう。でも、1曲では喉が続かず、途切れてしまうシーンも。前回のミニアルバムはかなり作りこんだ感じで崇高な印象でしたが、今回は本人も「よりパーソナルな作品になりました」というように、おおはた雄一「おだやかな暮らし」のカヴァーを含むより優しく聴きやすい作品です。なので、徳澤氏の出番も2,3曲しかありませんが。まあ、ともかく短いながら素的な歌声でした。
終演後、サイン会の列に並びますが、なんと辻 香織ファンの男性がいてビックリ。なにもこんな日に彼と会うとは...

新宿武蔵野館 『かけひきは,恋のはじまり
夜のライヴまで時間があったので、新宿で映画を1本。ジョージ・クルーニー監督主演作品です。以前の恋人だったレニー・ゼルウィガーをヒロインに起用していて、ネットニュースでは「諦めきれないジョージがよりを戻すのを狙って」みたいに書かれていたがどうなのか。さて、舞台は1920年代のアメリカ。第一次世界大戦後のちょっとした平和な時期。大学のアメリカンフットボールのスター選手が大学を休学して戦地に出征し、手柄を上げて帰国する。すっかり英雄扱いになった彼をめぐってジョージ・クルーニーとレニー・ゼルウィガーが絡んでくるという展開。ジョージクルーニーがプロフットボーラーって設定からして笑えますが、当時は大学では人気スポーツだったが、プロはからきし駄目だったらしい。まあ、とにかくコメディなので、設定なんかいいんです。やっぱりレニーちゃんはシリアスよりもコメディですね。そして、ちょっと男勝りで偉そうな感じが良し。さすが、ジョージ、よく分かってます。それにしても、ジョージ君はこの時代とこの時代の映画がお好きなようですね。難しいことはぬきにして、娯楽としての映画、それが彼の求めるところなのでしょう。

この日のFABは17時開場、18時開演ということで、私が原宿駅に着いたのは17:20くらいでした。このままFABに直行して確実に椅子に座るか、あるいは先に食事をして立ち見を覚悟するか、と悩んだ挙句、開演前の退屈な時間を考えて、早く帰ることを優先し、駅近くの地下にある洋食屋さんで食事をすることに。

表参道FAB 辻 香織
結局、FABに到着したのは開演10分前ほどでしたが、空席は十分にあり、余裕でした。さて、この日のライヴはTOPSさんが書いてくれているので簡単に。なんと、今年初めての辻 香織ライヴです。昨年末にleteでの忘年会ライヴに参加して以来ですね。冒頭でなんと、彼女が出演した『HEY!HEY!HEY!』の映像が流れる。これはかなりビックリです。そして、ライヴ本編ですが、ギターの小宮山さんはいつもどおりですが、キーボードに拝郷メイコサポートで知っている桜田さん、その他ドラムスとベースは若い2人。まあ、一度は香織ちゃんサポートで見たことあるような気もしますが、誕生日記念単独ライヴにこのメンバーとは少し意外。といっても、今年1度も聴いてないのだから、ここまでどんなメンバーでライヴをしてきたのか分かりません。全体的な印象はやはり音が大きかったですね。基本的に小宮山さんと弾き語りでライヴをしている香織ちゃんですから、たまの単独ライヴではしゃぎたい気持ちもよく分かります。私もアコースティックライヴを何度か聴いていれば、今年集大成としてのバンドライヴということで、楽しめたと思いますが。
まあ、とにかく今年も頑張ってきた彼女の姿を、元気な姿を見られたことで良しとしましょう。久し振りですっかり髪の伸びている彼女を見て少しい驚いたのかもしれませんね。でも、ステージ上では相変わらずだし、初めて聴く新曲たちもなかなかいいし、来年はもう少し彼女のライヴにも足を運ぶことにしましょうか。それにしても、誕生日ライヴにしてはお客さんが少なかったかな。
会場から出ると、なんと私の恋人がアルバイト後に待っててくれました。最近よく利用する表参道エチカで軽く飲んで帰宅。

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