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2009年初泣き

1月10日(土)

テアトル新宿 『ぼくのおばあちゃん
俳優でもある榊 英雄監督作品。いやあ、たっぷり泣かせてもらいました。ネタバレ注意です。愛媛県の田舎町が舞台。おばあちゃんっ子の主人公が、幼少期と中学生、大人になってからの3つの時代における家族との関わり合いを描く。幼年期においては菅井きん演じるおばあちゃんは元気。一方で、柳葉敏郎演じる父親が病気で亡くなってしまう。意外にもこの死についてはあまり多くは語られない。続いて中学生時台に時間は飛ぶが、現時点での大人の時代については随時挿入される。岡本健一演じる大人になった主人公は木下工務店(実在する企業がそのまま登場)の営業マン。親身に顧客家族の話を聞くという方法で業績トップ。しかし、一方で一人息子のいる自分の家庭を蔑ろにしていて、父親参観日もドタキャンしてしまい、息子は塞ぎこんでしまう。
いわば、この映画で描かれる幼年期と中学生時代のおばあちゃんを中心とした家族と過ごしているシーンは、現時点での主人公が家族の大切さを思い起こすための記憶や思い出のようなものだ。実際にそれを思い出しているという設定と考えてもいい。主人公が中学生になるとおばあちゃんは急に元気を失ってしまう。そう、父親は癌で亡くなり、このおばあちゃんも癌に侵されていたのだ。その事実をおばあちゃんが知ると、父親の短命さを自らの家系のせいにしてしまい、彼女は一気に衰弱する。しかし、主人公は必死に看病を続け、大切な思い出とともに、おばあちゃんを天国に送ることができた。この中学生の主人公を演じる少年が素晴らしい。映画俳優ってのはけっこう実年齢よりも若い役を平気でやってのけるが(小池徹平が中学生ってなによ!)、彼はまさに中学生らしい屈託のない表情と、目を輝かせて家族に立ち向かうその姿に泣かされます。
本作は、この一つの家族の物語に限定されない。中学生時代までの田舎町では当然のように近所の家族も関わってきて、それらのご近所さんに扮する俳優たちも素晴らしい。大人時代では、顧客家族として他の家族も関わるが、こちらでも清水美沙や阿部サダヲ、石橋蓮司が家族の役。無駄がなく,それぞれの俳優が出演時間の単調に関わらずいい味を出しているところがこの作品の魅力だな。

下北沢lete 朝日美穂
今年に入って、六本木Alfieと渋谷JZ Bratという私にはちょっと場違いな会場が続いたので、leteに来ると安心します。久し振りにTOPSさんにも会って、隣に座る。この日の朝日さんはベースに千ヶ崎 学さんを迎えて、あと高橋健太郎さんとのステージ。やっぱりこのミニマルな編成も落ち着きます。特にこの日は千ヶ崎さんが良かったなあ。はじめの数曲はギターとベースを中心とした歌が続きましたが、健太郎さんのギターも良かったし、やっぱり今私が本当に聴きたい音楽ってのはこういうのなんだなあ、としみじみ浸ります。前日のshima & shikouも人数からいうと2人だけなんだけど、彼らはヴォーカルがいても自己主張が強く、音数も多い。もちろん、それが魅力なのだが、千ヶ崎さんに健太郎さんという態度の控えめな演奏でありながらきちんと個が立っているというのは理想的なのかもしれない(もちろん、島さんも志宏さんもサポートに徹する時はその理想です)。それに対して、朝日さんの歌声は最高の出来とまではいかなかったと思うが、一時期のような後ろ向きの雰囲気はなく、ピアノを弾かない曲では、お得意の手振りまで出てかなり上機嫌だったと思う。もちろん、ライヴ前に一杯引っ掛けてきたという千ヶ崎さんとおとぼけの健太郎さんも加わってのMCは相変わらず面白かった。それにしても,ライヴ定番曲が毎度聴いてもよく聴こえるシンガーはそうはいない。いいライヴでした。

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コメント

朝日さんのライブは私も参加していました。lateは初めて訪れましたが、かなり至近距離でちょっとビックリ。
おっしゃるように朝日さんの出来は平凡でしたが、雰囲気を演出するのは上手かったですね。特にチガちゃんと二人でのステージはいい緊張感あって、グイグイと引き込まれてしまったかな。

投稿: mike | 2009年1月16日 (金) 00時21分

>mikeさん
こんばんは。
あの狭い空間に,私とTOPSさんとmikeさんといらしたんですね。いまだにmikeさんがどなたか見当がつきません。
それはそうと,lete初めてでしたか。トイレに入るのにはけっこう勇気がいりますよね。でも,入ってみると,客席よりゆったりできたりして(笑)。

投稿: ナルセ | 2009年1月19日 (月) 22時11分

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