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ダンボール生活

ホームレスではなく、引越し前で。

1月15日(木)

日比谷シャンテ・シネ 『英国王給仕人に乾杯
平日の昼間ということはあるが、けっこう客席は埋まっていて、年配に人が多い。なかには老夫婦で来ている人もいる。しかし、鑑賞後のかれらの会話がどんなのか聞きたい、そんな作品だった。
チェコ映画です。タイトルは紛らわしいですが、第二次大戦前後を生きたある一人の男の物語。15年の刑務を終えて出所するところから始まる。そして、なぜ彼が監獄に入れられたのか、その歴史を遡り、若かりし頃彼が駅のホームでソーセージの販売をしていた頃から歴史物語は始まる。彼の人生の目標は百万長者になること。このソーセージ売りでもなかなかの金儲けセンスを見せつけた彼は次にビアホールで働く。そこで地元の有力者も集まるそのビアホールで学んだことは、お客様の会話を「何も聞いてはならぬ。そして、全て聞け。」そこではたまたま雨宿りでお店に入ってきた娼婦に惚れ込んでしまい、そこでセックスの悦びも知ることになる。金とセックス、それがその後の彼の人生を象徴するものだ。そう、この映画は老夫婦に見せるにはかなり過激なものだったのだ。
次いで、彼はホテルの給仕となる。そこはホテルといってもいかがわしいもので、富裕層の男性のみが客で、レストランでも、そしてその後の客室でもお客一人に対して一人の女性がついている、そんなお店なのだ。次に移ったホテルはプラハで一番のホテル。そこの給仕長が英国王に遣えたことがあるという伝説の給仕。お客が入ってくると、その人の母国語で話しかけ、しかも注文するメニューを先に当ててしまう。彼が扱う言語は全ヨーロッパを網羅しているのだ。そんな給仕たちからいろんなことを学びながら、街で会ったドイツ人女性と恋に落ちてしまう。この辺の描写はなかなか興味深い。ナチスドイツの勢力が強くなってきたプラハでは、プラハ在住のドイツ人への風当たりが強い。なので、ドイツ語しかしゃべれない恋人を持つ主人公は居場所を失い、職も失う。しかし、チェコ自体がドイツに屈服すると、今度は逆の立場に立つが、あまりにナチス信仰心の強い彼女は、はじめ主人公との性交を望まない。純血を守りたいというのだ。しかし、結婚を前に彼は精子の検査を受け、優勢血統の結果を受け、2人は結ばれることになる。そんなこんなで、いろいろあって戦後までを描くわけだが、もちろんドイツの敗戦によりまた状況は一転。妻は戦争で命を失ってしまうが、大富豪になった彼は、民主化の波の中でその財産の量に比例した刑期を修めなくてはならなくなる。
そして、出所してから辺境の道路工事に就きながらも、やはり女好きな性向は変わらずの人生も描かれる。まあ、そんな感じのシリアスな歴史的背景を描きながらも、その間を器用にユーモアたっぷりにすり抜けた男の物語でした。こういう戦争映画、いいですね。ちなみに、主人公の妻役には、ダニエル・ブリュール主演のドイツ映画『ベルリン,僕らの革命』に出演し,『白バラの祈り ゾフィー・ジョル,最後の日々』に主演したユリア・イェンチが扮する。『白バラの祈り』は観ていないが,本作では他の女優に負けじと美しい裸体を披露しています。まあ,ともかくこんなに内容を書いてしまうほど,なかなか爽快な作品でした。

下北沢colored jam 宮嶋みぎわ大橋エリ江藤有希
初めて行くことになった下北沢の新しいライヴハウス。地下のお店ですが,その上1階には以前は「ペッパーランチ」があり,ライヴ前にささっと夕食を食べるためによく通ったものだ。その頃このお店はなかったはず。こんなところにねえ。
お店の中ほどに階段があり,下ると左手にカウンター。といっても,高椅子のではなく,掘りごたつ的カウンター席があり,そちらは喫煙席だというので,右手のテーブル席へ。一応,30人限定ということだったけど,座れるのは多く見積もっても20人かな。一つ一つのソファが大きかったり,真ん中に階段や柱があったり,広さの割には有効活用できない空間。「カラジャムプレート」のような名前の1000円の食事メニューを注文したが,鶏の唐揚プレートといった感じ。まあ,美味しいけどね。さて,通路挟んで隣には後藤郁夫さんが娘さんをあやしている。そう,この日はなんとこの女の子,いくりちゃんの2歳の誕生日なのだ。みぎわさんの企画ライヴなんだけど,郁夫さんがゲストだし、いくりちゃんの世話にエリさんの妹夫婦もきてたりして、ちょっとした誕生日パーティでした。
ステージの真ん中にずどんとアップライトのピアノがあり、みぎわさんはお客さんに背を向けての演奏。向かって右側にはマリンバ。当然ヴァイオリンの江藤有希さんはその真ん中、といいたいところだが、背後に大きなスピーカーがあり、音響的に適切でないということでピアノの左。なんと、私の席からは左手の先しか見えません。カウンターの後方に座っているお客さんからはマリンバが見えないし。みぎわさんが、お客さんがくつろげてステージと客席の区別がないくらいアットホームということで選んだお店でしたが、ちょっとステージを観るには難ありかな。しかし、音の方は申し分なし。マリンバとヴァイオリンはやはりなかなかない組み合わせだけに、よく会うとはお世辞にもいえないが、それがまた面白さを醸し出します。久し振りにエリちゃんのオリジナル曲「アフリカ」も聴けたし、有希さんのコーコーヤでは聴くことのできないオリジナル曲も聴けてよかった。やはり彼女の曲はちょっと変わっていて可愛い。それぞれオリジナル曲4曲ずつ、郁夫さんのオリジナル曲も1曲、その他もろもろという感じの2部制のステージでした。いくりちゃんは終始ご機嫌で、エリさんも「赤ちゃんの声も音楽の一部だと思って楽しんでください」と開き直り。でも、インストゥルメンタルだから全然OKですね。ちなみに、このお店のピアノは茶系で装飾もあるきれいな外観で、高音が面白い音がするなあと思っていたら、調律がずれていたそうです。
終演後も有希さんを中心にゆっくりお話をして、いくりちゃんにはCDのプレゼント。キャロル・キングの『おしゃまなロージー』サントラ盤でしたが、彼女は中身が食べられるものじゃないかと、袋という袋を開けていました。

1月18日(日)

昼間は吉祥寺で恋人と一緒に彼女の友達と会う。近日中に上海に旅立ってしまうということで、私もご一緒させてもらった。

新宿シネマート 『泣きたいときのクスリ
新宿に移動して映画。一応、最近何本もの映画に出演している大東俊介がメインキャストとして先頭に名前があるが、彼の役どころは結局詳細が明らかにされないエピソードの一つにすぎず、象徴的な存在。「泣き薬師」というローカル線の駅に関わる人々の「泣く」ことにまつわるオムニバス的作品。都会の本社から地方の在庫管理に回されてしまった、独身女性を演じる戸田菜穂。亡き父親の教えどおり人前で泣いたことのない独身男性を演じる遠藤賢一。30歳にして幼い頃の夢だった駅員になった、泣き薬師駅に勤める袴田良彦。離婚した父親と久し振りに会う女子高生を演じる北浦 愛とその父親の再婚相手の子どもを演じる佐津川愛美は高校の同級生という設定。
ちょっと袴田君の演技は仰々しくていただけませんが、戸田菜穂さんの存在はさすがだ。でも、やはりどこか寂しげな表情だからか、こういう幸薄い女性の役が多いな。もっと他の役どころも映画で観てみたい。北浦 愛ちゃんは『きみの友だち』でも素的な存在でしたが、なかなかこういう雰囲気を持つ女優さんは貴重だ。それとは対照的な佐津川愛美ちゃん(『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』に出演)とのシーンはいいです。そして、この架空の駅がある単線の鉄道。実在する小湊鉄道を利用しています。銚子付近を走るやつですね。あ、そういえば中村麻美ちゃんも出てましたよ。なかなかインパクトあります。先日舞台挨拶で観たテンションの低さとは比べものにならない。
残念ながら、タイトルどおりに観客が泣けるような作品ではありませんが、ほのぼのしていていいですね。

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コメント

この季節に引越しは総理大臣並みですね。さて、音楽俳句クイズです。誰を詠んだ句でしょうか。ナルセさんには簡単ですね。次はもっと難しいのを詠んでみましょう。

月想ふ うさぎが蒔きたる 歌の種  (季語:種蒔く[春])

浅草は 祭りだ祭りだ 弾き語り  (季語:祭り[夏])

花散らす 秋田美人が 幸を呼ぶ   (季語:花散る[春])

緑着て 蛙になりたる おんな歌   (季語:蛙[春])

卒業や 尼さんの歌に 泣かされる  (季語:卒業[春])

昨日は東京タワー大展望台の「333スタジオ」というイベントスペースで、辻香織のフリーライブ。熱心な辻ファンが10人ちょいのほか、その場にいあわせた人などで、かなりの立ち見が出ましたが、タワレコあたりのフリーライブよりも落ち着いて聞けるのが、良かった。最後は辻ファンが6人残って、展望を楽しむ辻さんと交流。なかなか楽しかったです。

投稿: TOPS | 2009年1月22日 (木) 17時29分

>TOPSさん
一応答えておきましょうね。
・ハセガワミヤコ
・辻 香織
・伊藤サチコ
・NUU
・二階堂和美
ってところでしょうか?
4番目がちょっと「おんな歌」ってところに自信ありませんが,一応『つんつんつるんぶつるんぶつるん』のジャケットから予想しました。ところで,25日のstar pine's cafeでのNUUちゃんワンマンは行きそびれましたが,なんと無期限の充電期間に入るとのこと。
まあ,どうなることやら。

投稿: ナルセ | 2009年1月27日 (火) 21時56分

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