« ライヴに行き忘れて、映画ばかり観る | トップページ | 2人暮らし開始 »

まだまだ映画

2月14日(土)

渋谷シネフロント 『誰も守ってくれない
結構評判のよい映画ということで、早めに着いて前売り券を購入して指定席を取ろうと思ったら、なんと当日料金1000円でした。この劇場もTOHOシネマズの管轄になっていて、14日はトーフォー=東宝ということで、毎月サービスデイなのだ。ちょっと損をした感じ。さて、本作は、志田未来演じるのは15歳の中学生。18歳の兄が幼い姉妹を殺害して逮捕されてしまう。佐藤浩市演じる刑事は松田龍平演じる部下と一緒にこの加害者の家族を保護する任務で彼女の家に行く。犯人は未成年だが本名が公表され、その家族たちもさまざまな形で公の場にさらされることになる。そこから家族を守るのが佐野史郎を長とするチームの今回の任務。興味深いのは長男が逮捕されて間もない自宅でのシーン。加害者の家族を保護するという警察の仕事は被害者側の立場に立つ警察という建前から、公にはされていないが、かなりマニュアル化されていた。犯人の名前が公にされることで、その家族に対する非難や差別が予想されることから、両親は一度離婚し、再度婿入りという形で結婚する。これによって、戸籍上も名字は妻の旧制へと変更されるわけだ。この行政手続きが、役人の自宅出張により、さらには複雑な法的手続きの免除により、自宅にいながらにして、即座に行われる。
さて、自宅にはマスコミやら野次馬やらが集まるので、家族は一人ひとり別の場所に搬送される。しかし、このネット社会においてどこにも個人の逃げ場はないというのが、この作品で恐怖心を煽り立てるものだ。例えば、こんな理論がある。1人が100人の知り合いを持つ。その100人が別の100人の知り合いを持っていると仮定すれば、100×100×100×100=1億人。つまり、その社会が日本で完結するのであれば、知り合いの知り合いの知り合いの知り合いで日本国民すべてを網羅するという話。まあ、これはただの思考実験にすぎないが、少なくとも人間は一人では生活できないので、誰もがネットを使って情報を発信できる今の時代においては、テレビに登場する特別な個人といえども、すぐにその人物にかかわる情報は発信されてしまうということだ。まあ、かといっても誰もがそんなに暇なはずはない。この映画で描かれていることはあまりにも大げさだと思うが、そんなに楽観視もできないかもしれない。ともかく、映画のエンタテイメント性としては優れた作品で、十分に楽しませてくれるし、志田未来の演技もなかなか見ごたえがあったと思う。

渋谷ユーロスペース 『キャラメル
何度も予告編を観ていたが、なぜキャラメルというタイトルかよくわからない作品。レバノンはベイルートのエステサロンを舞台にした作品編んだけど、予告編でも主人公の女性が自家製のキャラメルを練っては食べるシーンがある。なぜ、エステサロンでキャラメル?と思ったが、実はこのキャラメル、脱毛に使うのです。まだ温かい状態で伸び縮みするそのキャラメルを足とか顔とかに伸ばして貼り、毛の生えている方向に逆らうように、一気にはがすのです。なんとも原始的な脱毛法よ。
エステサロンといっても、基本的には美容室。でも、ネイルもやれば、脱毛もする。まあ、基本的に女性が美しくなるための場所といったらよいのでしょうか。なんと、このエステサロンのオーナーを演じるナディーン・ラバキーという女性が監督をしている。そして、出演している女性は皆、女優を本業としてない素人だという。エステで働くのは主に3人。1人は若い美容師で結婚が決まっている。もう1人はボーイッシュな感じの裏方さん。いつも女性にモテル。この作品では、このオーナーを中心に話が展開するのではなく、この2人の美容師とともに、そこにかかわる人の人間模様を描く。1人はこのお店の常連。すっかり中年になっても、昔女優としてドラマやCMに出演していたことが忘れられずにオーディションを受けまくっている。その度に、このサロンで美しくなろうとするのだ。このサロンの向かいには年老いた女性が営む洋服の修繕屋がある。彼女は少しぼけてきた姉と一緒に暮らしているために、自分を犠牲にした毎日。そんな女性たちのなかに、一人だけ男性が登場する。彼は警官。オーナーの違法駐車や、シートベルト未装着を取り締まるうちにすっかり彼女に惚れてしまう。しかし、彼女には不倫相手がいて、その男性はちゃんとはスクリーンに顔を出さないが、後半ではその妻が登場する。そのあたりも見もの。
そんな感じで、素人俳優が本当に生き生きとしていて、この監督の人柄と手腕が光る秀作です。ところで、文化的に面白いのは、このオーナーは30歳という設定なのだが、不倫といってもいつも車の中で密会するだけ。私がよく観る映画だったら、ここでセックスシーンなどが当たり前のようにあるが、それはない。ずいぶん控えめだなあと思っていると、どうやらこちらでは婚前交渉が禁じられており、それをけっこう厳格に守っているということ。結婚を前にした美容師の一人は、仲間たちに処女じゃないことを告白し、フランス医師の下で処女膜を縫い合わすという手術をするシーンがある。
まあ、ともかく確か米国アカデミー賞の外国語映画部門にもノミネートされた作品。『おくりびと』もがんばってほしいが、個人的にはこういう作品がもっと評価されてほしいと思う。そして、日本で上映してくれたことに感謝したい。

2月15日(日)

銀座テアトルシネマ 『我が至上の愛~アストレとセラドン
フランス映画。予告編だと、美形男子をめぐる、フランス映画っぽいエロティックな作品を期待したが、意外にそうではなく純愛の物語。原作は17世紀に書かれたもので、舞台は5世紀だという。それをフランスの巨匠エリック・ロメールが監督するということだが、なんだかその時代を意識しすぎてリアリティがないというのが正直なところだろうか。演出も自然な演技というよりは舞台のような身振りや言い回し。それがかえって面白くもあったりする。一人だけ知っている女優が出演していた。セシル・カッセルという女優さんで、俳優のヴァンサン・カッセルの妹。2002年の『好きと言えるまでの恋愛猶予』という作品で観たことがある。けっして、飛び切りの美人というわけではないが印象的な顔立ち。

映画が終わって有楽町の献血ルームで献血。夕方でしたが、相変わらず混んでいます。平日の午前中なども混んでいて、やはり待ち時間をなくすには予約がいいんだけど、なかなか献血をその日の最優先な予定にはできないものです。なぜか、2回続けて血小板ではなく、血漿採血。

|

« ライヴに行き忘れて、映画ばかり観る | トップページ | 2人暮らし開始 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218863/44119934

この記事へのトラックバック一覧です: まだまだ映画:

« ライヴに行き忘れて、映画ばかり観る | トップページ | 2人暮らし開始 »