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ライヴに行き忘れて、映画ばかり観る

2月11日(水,祝)

渋谷シアターTSUTAYA 『ジョッキーを夢見る子供たち
本当はカトリーヌ・ドヌーヴの昔のミュージカル映画『シェルブールの雨傘』を観ようと思ったけど、ギリギリの時間に行ったら、「お立ち見の可能性あります」といわれて予定変更。同じフランスですが、競馬のジョッキーになるために訓練を受けている子どもたちのドキュメンタリー映画を選択。子どもたちが寮で共同生活し、毎朝早起きして馬の世話から始まる毎日は、中国のジーンズ労働のドキュメンタリー映画『女工哀歌』と似ているところがなくもないが、中身は全く異なる。このフランスの子どもたちは(主に取り上げられる3人は皆男の子だが、女の子も一緒に訓練を受けています)、ジョッキーになって成功すれば巨額な報酬が待っているのだ。かれらの親の経済階級もかなり違う。
ドキュメンタリーながら、いくつも見せ場があって、映画としてとても面白く仕上がっています。最後に取り上げられる、少女のようにキレイで小さな男の子はレースでデビューするのだが、彼が恋心寄せる年上の女の子もとてもキレイで、その恋の行方とか、仲間がデビューしたことでの周りの反応(心から喜び応援する者や、嫉妬心が入り混じる者)とか、まさにドラマです。それにしても、プロの騎手が乗っているときとは違い、恐怖心を抱いてしまう子どもが乗っているときの馬の速度はとても速く見える。もちろん、バイクなども怖いが、機械のように思い通りにはコントロールの利かない馬という動物。日本映画でも、ここ数年で『雪に願うこと』や『三本木農業高校、馬術部』などの作品があり、競馬自体には興味のない私ですが、馬と人間の関係には多少関心が出てきますね。

2月12日(木)

なんと、この日は予約していた渋谷HOMEのライヴをすっぽかしてしまった。火曜日に2時間ほど残業をして、休日前に急ぎで終わらせた仕事があった。しかし、翌日の夜に家に帰ってみると会社から電話があって、なにやらミスがあった様子。まあ、なんとか休日出勤をする必要はなくなったけど、この日木曜日は午前中にマンションの排水の点検があったりで他に気をとられることが多く、この週に入って一度もこの日のライヴの予定を思い出さなかった。そもそも最近ライヴの本数が減っているのも原因かと思う。毎日のようにライヴがあった日は、ライヴがない日をしっかり覚えていて、それ以外はどこに行くかが問題になったが、ライヴが少なくなると何も考えずに帰宅してしまう。まだ引越しの片付けなども残っていたりして、部屋でやることも多いのだ。ということで、ライヴがないものだと思い込んで、この日は映画を2本も観てしまった。

新宿武蔵野館 『エレジー
『あなたになら言える秘密のこと』の監督、イザベル・コイシェ最新作。なんと、今回はペネロペ・クルスを主演に迎えます。ベン・キングスレー演じる大学教員デヴィッドは、講義中に一人の女性に目を奪われる。一度弁護士事務所で働いていたが、大学に入りなおしたという女性をペネロペが演じる。舞台はニューヨークのようだが、もちろんこちらでも大学でのセクハラやアカハラ(アカデミック・ハラスメント)が問題になっているから、デヴィッドも簡単には近づけない。大学教員が成績と引き替えに性的関係を強要するような行為とみなされてしまうからだ。ということで,この教授は成績を発表した学年末に,受講生を自宅に呼んでパーティを行なうのが恒例らしい。その場で,この女学生コンスエラに近づいていく。もちろん,2人は愛し合うが,過去の結婚で懲りてしまったデヴィッドは,彼女が家族に会わせたいという願いをとうとうかなえることなく別れてしまい...というような展開だが,デヴィッドの大学の同僚を演じているデニス・ホッパーの役どころがなんとも愛らしい。デヴィッドの20年来の愛人を演じる『あぁ,結婚生活』のパトリシア・クラークソンもいいですね。
かなり有名な作家の短編が原作ということだが,ちょっと有体な物語展開かな。コイシェ監督の前作『あなたになら』はかなり先の読めない面白い脚本だっただけに,本作はちょっと残念。でも,ペネロペの存在感と美しさは申し分ないので,十分観るに値する作品。平日ながら,年配の人を中心にけっこうお客さんは入ってました。

新宿ミラノ 『花ゲリラ
続いては日本映画。なぜか池袋で1週間,新宿で1週間のみの上映作品。ちゃんと調べたわけじゃなかったけど,ネットでちょこっと見て,観たくなった。冒頭でスーツ姿で出てきた女の子,どこかで観たことあるなあと思ったら伴 杏里ちゃんだった。彼女の出演作品は『約三十の嘘』くらいしか観てないけど(その他にも観ている作品は『リリィ・シュシュのすべて』や『ナイスの森』,『イヌゴエ 幸せの肉球』などにも出演していたらしいがあまり印象にない),この作品での存在感はピカイチだったので,第一印象だけだったがやっぱり観に来てよかった。
この作品,ほとんど彼女が出ずっぱりです。毎日パソコンに向かって原稿の修正をする毎日の出版社勤務の女性。残業も多く,食事はほとんどコンビニ弁当。そんな毎日をどうにかしたいと,まだ自覚はしていないが,なんとなく思っている。そんな時,線路のなかで不審な男性をみかける。鉄道会社の人にみつかってその場は逃げるが,翌日も見かけたので,思い切って声を掛ける。すると,彼は夜な夜ないろんなところで花の種を植えていたのだ。なにやら興味を持ってしまった彼女は翌日から彼の種まきにつきあって夜の街を歩くことになる。以前にも増して睡眠時間は減っているはずなのに,なぜか仕事にもはりが出て,生活が変化してくる。
人知れず花の種を植え,その種が人知れず芽を出し、花が咲いて、誰かが気づく。そんな「花の時限爆弾」のような試みを「花ゲリラ」と呼ぶのだそうだ。主人公はその平和な反社会的運動がいたく気に入ってしまう。しかし、当の本人はまったく無気力で、やる気がない。基本的に引き篭もりで、植物が好きなだけ。かろうじての活動として、自宅で植物を栽培するにも限度があるので、街を自分の庭代わりに借りて、陽の当たらない、そして人目のつかない夜中を使って種まきに繰り出す毎日。この男性を演じる小西遼生という人物がまさにこの役にぴったりな貧弱さ。いかにも健康そうな判 杏里との対象がまたいい。まあ、毎晩種まきに出かけるだけという話では面白くないから、この映画ではいくつか伏線を張っていて、そのひとつがとても面白い。主人公がよく通う、自宅のコンビニエンスストアでもうひとつの話が展開しているのだ。おにぎりフェアにあわせて夜なべしておにぎりの着ぐるみを作ってくるが、アルバイトの女の子には冷たくあしらわれる。その反動か、派遣できている中国人の女性にはつらく当たり、それを仲裁するアルバイトの男性。この男性を『カフェ代官山』の馬場 徹が演じる。言葉で説明すると面白くないが、この人間関係はこの作品では欠かせない。
最後のシーン。花ゲリラの2人が昼間に待ち合わせて、自分たちが種を植えた鉄道に乗る。この鉄道は江ノ島電鉄でした。都心で働いているはずなのに、帰宅すると近所には単線の線路がってのはちょっとおかしい設定ですが、まあよしとしましょう。ともかく、仏頂面たっぷりの杏里ちゃんの魅力が存分に味わえる作品。こういう作品こそロングランしてほしいと思うな。

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