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シェイクスピアと大英帝国の幕開け

フランク・カーモード著,吉澤康子訳 2008. 『シェイクスピアと大英帝国の幕開け』ランダムハウス講談社,257p.,2200円.

カーモードは今年で90歳を迎える著名な文芸批評家ということで,翻訳も数冊あるが,残念ながらきちんと読んだことはない。しかし,ミッチェル編『物語について』(平凡社)に「秘密と物語のシークエンス」という文章を寄せていて,ちょっと変わったその名前を覚えていた。基本的にシェイクスピア研究には興味があるし,発売されたばかりの本書を古書店で見かけたので買うことにした。
原著のタイトルは『The age of Shakespare』というくらいだから,16世紀末から17世紀初頭にかけてシェイクスピアが活躍した英国の時代背景を見据えた上での作品論ということだが,「大英帝国の幕開け」というタイトルはいささかやりすぎではないだろうか。確かに,シェイクスピア作品には国王の名前をタイトルに冠した政治劇が少なくない。そのことについてかなり紙幅を割いて論じられてはいるが,やはりシェイクスピア作品の批評が中心だ。
先日もグリーンブラットによるシェイクスピア伝記をここでも紹介したが,その翻訳にも本書の監訳者,河合祥一郎氏が関わっていたりする。
まあ,90歳間近で描かれた本書ということなので,そんなに刺激を期待してしまってはいけない。あくまでも教科書的にさらっとシェイクスピア作品をその時代背景とともに評価したものだ。まあ,ともかくこの手の作品各論ではなく,作家総論を読むには多くの作品を読んでいることが必要とされるということを実感させられる。

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