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制御のきかない精神状態を想像する

8月2日(日)

この日も午前中はゆっくり家に居て、パンを焼いたりします。雨の日曜日はこんな過ごし方が贅沢。パンが思ったよりも早い時間に焼きあがったので、夜のライヴの前に映画でも。でも、この日はギャラリーにも寄ります。渋谷の駅前TSUTAYAで映画の前売り券を購入し、イメージ・フォーラムで受付。公開当時はかなり混み合っていた作品ですが、さすがにもう大丈夫みたい。渋谷駅から映画館までの道中はひどい雨に降られます。そして、程近いギャラリーに移動。

表参道プロモ・アルテ ギャラリー 船越里恵「URBAN ROMANTIC」展
シンガーソングライターとしてはRie fuで活動している船越里恵さん。実は大学はロンドンの美術大学に通っていたんですね。自分のジャケットなどでも作品を使っています。しかも、単なるイラストとかではなく、油絵。しかも、けっこう私好みの絵を描きます。ということで、今回はここ2年ほどで制作された油絵10点ほどが展示されています。ニューヨークやロンドンの都市風景、東京の工事現場の風景などが主題。実物を観るのは初めてでしたが、けっこう大きいです。1m前後の幅と高さを持つ。写実的な細密画ではなく、大胆な筆使いと色の重ねあわせといった画法。特に、黒を多用します。でも、今回のに関しては画集にある縮小された複製くらいがちょうどよく見えます。残念ながら本人はいなかったので画集は購入せず。

渋谷イメージ・フォーラム 『精神
先日、アンコール上映で観た『選挙』の想田和弘監督の最新作。「こらーる岡山」という精神科医院をめぐるドキュメンタリー。最近はうつ病とか自閉症とか、実際にも、そして文学や映画の題材としても非常に身近になってきた精神病。といいつつ、この辺の言葉遣いには非常にナーヴァスになってしまう。まあ、身近になったとはいえ、私自身を含めまだまだ無知であり偏見を持っているのは、腫れ物に触るような扱いをしてしまう、この社会の通念や慣習があるからだが、そうしたものに挑戦しようという想田監督の「観察映画」第2弾。『逃亡くそたわけ』など、フィクションでなら比較的簡単だが、ドキュメンタリーでこの問題に取り組もうというのはなかなかできることではないが、この監督はそこをさらっと始めてしまうところがすごい。しかし、実際の映像を観ていると、この作品制作にはかなりの長い期間がかかっていることが分かる。おそらく準備期間もそれに負けじとあるのだと思う。私の勝手な偏見では、まだまだ日本では、精神科というと大病院のなかにあるか、やはりそれなりの大きさの専門病院という印象があるが、「こらーる岡山」は一軒家の診療所。山本先生という、おそらくはかつては大病院で勤務していたような精神科医が半ば引退して始めたようなところである。そして、かなり特殊な事情もある。この診療所は基本的に患者が生活保護を受けているような人たちで、この映画の撮影時点では、患者の自己負担はない。いわば国の金で運営されているところです。規模に比べると患者も多いし、スタッフも多い。けれども当の山本先生は基本的に年金生活をしているので、ヴォランティアのような給料で診察をしているとのこと。患者の話のなかでも、この先生は若い頃から患者第一主義で、彼を慕って長年通いつめている患者もいる。
インタビューを受ける患者たちはいたって普通である。しかし、かれらはいつでも死と背中合わせの生活。精神の異常は突如としてやってくるらしい。その時のことは多くの患者がしっかりと覚えていて、それらについて語る。数多くの自殺経験、わが子への虐待、頭のなかで鳴り響く誰かの声。この山本先生は決してフィクションで描かれるような聖人ではない。魔法のようにかれらの精神状態をよくするわけではなく、普通に薬剤を投与する。長年治療を続けている患者は膨大な薬剤を摂取し、時にはそれらをまとめ飲みして自殺を図る。でも、患者たちはいたって普通の人間なのだ。外見と実年齢とが一致しない人が多いのも特徴だが、結婚し、子どももいる。若い頃はスマートできれいだったが、発病して肥満になる。大学で勉強しすぎて発病してしまう人。
といろいろ説明したくなるように、私の知らなかったことが次々と突きつけられる作品であるから、説明しながら説明しきれないもどかしさを感じる。まあ、ともかく観るべき作品。この作品から学ぶことは多いけど、これだけで何かを分かった気になるのは注意したい。あくまでも、患者一人ひとりには事情があり、そして治療の方法も千差万別なのだ。

三軒茶屋儘(まんま) ヤマカミヒトミ+平岡雄一郎
かつて、ヤマカミヒトミさんの誕生日ライヴイヴェントが行われたマナマナというお店が入れ替わって、居酒屋になった。そこで、ライヴイヴェントがあり、ヤマカミヒトミさんが演奏するというので、急遽聴きにいくことにした。他にも2組出演するというが、映画の時間を優先して、19時過ぎにお店に到着。ちょうど時間より遅れて進行しており、2組目の演奏が始まる頃。マナマナの時は1階が演奏の場になったが、今回はお客さんもステージも2階。1階は煙草モクモクの出演者の控え室という感じ。とりあえず、生ビールを持って2階へ。半分は座敷席、半分はテーブル席。その他にソファ席もあったりする店内。キャンドルの光だけ。本も読めません。座敷席にはお子ちゃまも多く、ファミリー客。客の入りはナカナカで、私は中ほどの椅子に座る。まんま飯という料理を注文してみる。この演奏者は男性3人組だったが、このお店の店長さんがギターを弾く。どうやら、学生時代にヤマカミヒトミさんとバンドを組んでいた人たちのようです。まあ、普段は仕事を持っている人たちですが、演奏はまずまずです。非常にこじんまりとしたパーティのような雰囲気。
程なく休みがあって、ヤマカミヒトミさん。あ、その前に随分時間が経って「まんま飯」が運ばれてくる。刺身の漬けや生野菜がご飯の上にちりばめられたもので、600円にしてはヴォリュームもあって、とても美味しかった。調子に乗って白ワインと牛蒡の唐揚なども注文。さて、ヤマカミヒトミさんはいつものデュオの相手平岡雄一郎さんとの演奏。お客さんとの距離があるステージだとクールな平岡さんだが、こういう雰囲気だと面白いんですよね。この日もかなり張り切っていました。お店が狭いので当然生音。久し振りにがっつり聴くhitmeさんの演奏は素晴らしかった。本人は「6割のでき」といっていましたが、もちろん素晴らしい平岡さんのギターとhitmeさんのサックスは最強コンビだと思う。昼間焼いたパンのおすそ分けを差し上げて、久し振りにちょっとゆっくりおしゃべりをして帰りました。

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