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父親の死についての映画2本

あ,先日の下痢ですが,正露丸を飲んで,1日半で治りました。しかし,その反動で今度は便秘気味。それも徐々に治りつつあります。

9月5日(土)

渋谷シネマ・アンジェリカ 『ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式
シネマート六本木でのみ上映されていたこの作品。前日に六本木に行ったので、観たかったのだが、恋人に却下され『南極料理人』になった。すると、渋谷でも公開中ということで、前売り券はなかったが当日券1800円で鑑賞。私の経験上、葬式ものの映画ってけっこう面白いのだ。しかし、結論的にはそれほどでもなかった。主演は『フロスト×ニクソン』にも出演していたマシュー・マクファディン。それ以外には目立った配役はなし。ちょっとドタバタ過ぎたかな。まあ,過剰なドタバタを続けて,最後の主人公の弔辞を目立たせるという演出ですね。まあ,それはある程度成功していたと思う。

映画が終わって祐天寺に移動。以前にdois mapasのサポートでベースを弾いていたこじままきじさんがやっているmargoというカフェがあるので行ってみた。というのも,こちらでちょっとした催し物を企画しているからだ。まだ正式に決定していないので,お知らせはできませんが,その下見でもある。ランチメニューは一番軽いのが終わっていて,カレーかドリア。ドリアはちょっと時間がかかりそうだったので,カレーを食べる。この日は昼からたらふく食べるつもりではなかったが,1100円でサラダもついていて,ルーには野菜がたっぷり溶け込み,具にはレンズ豆とひよこ豆のベジタブルカレー。200円プラスでたっぷりのコーヒーもいただき,満足。この日はまきじさんはいなかったけど,奥さんと少しお話して,都立大学に移動。

私が都立大学に通っていたのは平成元年に入学してから2年間。ちょうど20年前ですね。知っているところをウロウロしながら,その都立大跡地に建てられた目黒区の施設のなかにあるホールへ。そこで,結成20周年というショーロクラブのコンサートとはなにやら面白い。

都立大学ハーシモン小ホール小ホール ショーロクラブ
小ホールに入ると,いきなり黒川紗恵子さんが「いらっしゃいませ」とお出迎え。この日もスタッフとして駆り出されているようです。ショーロクラブ単独でのコンサートはいつしかの恵比寿ガーデンプレイスでのフリーライヴ以来でしょう。そして、客席にはプラッサオンゼのおかみさんの姿があったり、なんと私の隣の隣はNUUちゃんでした。20周年記念ということで、ゲストも豪華。まあ、私の今回のお目当てはフルートのヤマカミヒトミさんでもあったのですが、パーカッションの岡部洋一さんや、アコーディオンの佐藤芳明さんは、いろんな場所で活躍しているミュージシャンでもあるので演奏を聴くのはすごく楽しみ。それに加え、チェロの柏木広樹さんという人ですが、なんと映画『おくりびと』で劇中本木雅弘さんが演奏しているチェロ、その音は彼が演奏しているとのこと。本人たちも珍しいことだといっていましたが、最近発売になった新しいアルバム『torilogia』のなかからほとんどを演奏するコンサート。といっても、ショーロクラブのライヴはあまり聴いたことのない、アルバムも歌もの企画の1枚しか持っていない私にとっては、全てが新曲のようなものですが、ともかくほとんどがオリジナルということです。その新しいアルバムの曲のなかには、ショーロクラブのメンバー、コントラバス奏者の沢田譲治さんがいつも音楽を手がけている映画監督、中川陽介さんの今年公開された映画『群青』のために作られたものの、ボツになり、ショーロクラブの楽曲としたものも含まれていたりしました。3人だけの演奏あり、ゲストも入れ替わり立ち代りで、人数もまちまち、そんな演奏が続きますが、やはりホールの音はいいですね。お客さんも静かだし、私の席もちょっと前よりのど真ん中ということで、弦楽器の音に身を委ねる、そんな素敵な午後でした。
最近、家でCDをかける回数が減ってきていますが、これだったらちょうどよい、ということで、サイン会もあったので、新しいCDを購入。笹子さんには「今度のコーコーヤ行きますよ」と声をかけ、沢田さんには「『群青』観ました」と一言ずつ声をかけて退散。ヤマカミヒトミさんなど、ゲストミュージシャンはついに出てきませんでした。hitmeさんは黒の衣装でしたが、ストレートにした髪とちょうど合って、素敵でしたね。

9月6日(日)

シネカノン有楽町1丁目 『ちゃんと伝える
園 子温最新作。最近は制作のペースが早いような気がする。前作『愛のむきだし』は3時間に及ぶ超大作だったにもかかわらず、今回も父親の死と向かい合う息子という思いテーマ。主人公を演じるのはなんとEXILEのAKIRA。前作に続いてミュージシャンの起用。ミュージシャンとしての彼のスタイルは長髪で口ひげなんですね。本作では髭をさっぱり、髪の毛もスッキリです。まあ、彼の演技は一生懸命やっているというところですが、周りの役者のおかげでそれをとても好意的に受け止めることができます。特に見ものが、主人公と長い間恋愛関係にあり、結婚を考えている恋人役の伊藤 歩。彼女の存在が本当に愛らしく、元々好きな女優さんではありますが、本作での彼女は素晴らしい。そして、父親役の奥田映二はおいておいて、その奥さん役の高橋惠子が本当に素晴らしいのだ。まずなんといっても、加齢してもなおのその美しさであり、そして、死に逝く夫を想うその愛らしさ。そう、本作は男中心の物語ではあるのだが、どちらも死に逝く男たちを送り出す女性の強さと愛に満ちた作品だと思う。全くもって、お涙頂戴な展開なのだが、涙を流すシーンは少ない。その台詞一つ一つもある意味では有体なのだが、とても素晴らしい言葉の数々。これまでも奇異な発想とストーリー展開をその魅力としていた園監督だが、本作はありがちな設定とストーリーを土台に、女優群に対する演出と台詞で、また違った魅力をみせてくれています。
ちなみに、個人的なことも書きましょうか。私は20歳の時に父親を亡くしている。私の家族4人は男2人兄弟ですが、私の顔は母親似、体型は父親似、兄の顔は誰に似たのか分かりませんが、体型は母親似。父親は2番目には娘を望んでいたらしく、私への愛情は兄への愛情とは少し違っていたようですね。なので、関係性としては兄と父が仲が良く、私は母と仲が良かった。なので、母親とは高校生の頃に一緒にお菓子作りをしたりした記憶があるが、父親とのコミュニケーションは十分でなかったように思う。高卒の父にとって、私が現役で公立大学に合格したのは(ちなみに、兄は6大学ではあるが私立で一浪)最大の親孝行だと思うが、それでも入学してまもなく、大学の移転に伴い私は独り暮らしをはじめることになる。詳しくは覚えていないが、その前後に父親は胃癌になり、手術や入退院を繰り返す。結局、本人には告知しなかったが、見舞いに行った最期の何回かがようやく、父親と面と向かって大人同士で話ができる貴重な機会だった。しかも、一度は病院に祖父もきていて、3人で話したこともあった。私はこんな風に話せるようになってよかったと思いながらも、それは当分続く時間だと思っていた。そんな矢先に病状が急変して他界。当時固定電話すら持っていなかった私は、それを知ったのは翌日の朝。私が父親と対面したのは、兄が病院から連れて帰ってきた自宅でだった。
映画の最後の最後では、園監督が本作を父親に捧ぐと書いてあった。ある程度自分の思いが込められた作品なんですね。そして、同じような経験をしている息子たちは数多くいるということです。とにかく、いい映画でした。

谷中ボッサ 戸田和雅子
死に関する映画の後に、新しい命を宿したシンガーソングライターの産休前のライヴを聴きに行く。昨年の誕生日ライヴに戸田和雅子さんに出演してもらった。同じく出演してもらった橋本 歩さんはその後すぐに渡米し,1年間の留学を終えて帰ってきたばかりだ。1年前には男の影もなかったように思われた戸田さんが妊娠8ヶ月。この歳になると周りの人は口癖のように「一年は早い」というが,この2人のことを考えると随分長いように思う。ちなみに,戸田さんはハセガワミヤコちゃんとQuinocoというユニット名で昨年CDを出したのに,なんとハセガワミヤコちゃんも妊娠4ヶ月という。まあ,こちらは数年前にサポートミュージシャンであった入倉リョウ氏と結婚していたので,順調な結婚生活ということになるが,戸田さんの方はその父親が誰で,結婚しているのかどうかも公には発表されていない。まあ,ともかく本人のライヴ中の話しでは,妊娠4,5ヶ月目の頃がかなりつわりがひどかったらしく,大変だったということだ。ということで,毎年6月に行なわれていたハセガワミヤコちゃんとのイヴェントも中止。ほとんどライヴをやらずにきて,この日が産休前の最後のライヴということで,予約が始まるやいなや満席になった。私もmixi情報がなければ危うく行き損ねるところだった。
登場した戸田さんは妊婦らしく髪の毛を短くして,私よりも短くなっていた。以前から彼女はそれほど体型がくっきり出る洋服は着ないが,さらにたっぷりとした衣装で,「最近急に張り出してきた」というお腹もそれほど分からない。ただ,物腰が重たそうなのはよく分かる。既に体重が7kg増だといい,街でもいろんな人に気を遣われるようになったとのこと。
さて,まずは一人弾き語り。さすがに,あまり人前で演奏していなかったためか,ギターも歌声もイマイチだったが,徐々に調子を取り戻す。中盤からは助っ人にMitaTakeの見田 諭君をサポートギターで迎え,時にはハンドマイクで歌う。新しいCD作成に向けて多少は動き出していたようなのに,作業はまたストップしてしまったとのこと。でも,『water strings』以降の歌たちも素敵だ。まあ,彼女の場合は,勝手ながら結婚や出産があまり楽曲に影響しないように思うので,長い目で新譜を待つことにしましょう。休憩を挟んでも1時間半ほどの演奏で終了。まあ,ちょっと物足りない感はありますが,妊婦にあまり無理をさせてはいけませんね。
終演後,本人はお店の外に出て,お客さんたちにお祝いされている。私は今年の夏はこの谷中ボッサに足繁く通いながら飲んでいなかった,ブラジルのアイスデザート「リモナーダ」をいただく。基本的にはレモネードですが,ブラジルの特有な青く苦味のあるレモンを凍らしたものをシャーベット状にしたもの。もう19時を過ぎてすっかり涼しくなったけど,今年のうちに食べておいてよかったと思える美味しいデザートでした。お店の人や見田君とおしゃべりしながら,なんだかんだで最後の客になってしまう。戸田さんとはあまり話はできなかったけど(そもそも彼女と腰を据えてしっかりお話したことはあまりない),皆さんに別れを告げ,新宿に移動。

新宿に移動して恋人に電話をすると,ちょうど残業を終えたところ。一緒に新宿で夕食を食べて帰路へ。

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