« ようやく日常日記更新 | トップページ | 10月のライヴ予定 »

40年でふにゃふにゃ

9月20日(日)

渋谷シネマ・アンジェリカ 『病院で死ぬということ』(1993年)
9月19日は映画監督市川 準さんの命日。一周忌です。ということで,シネマ・アンジェリカでは1週間,市川 準特集を組み,6本の作品を一挙上映。私は『トニー滝谷』以降しか知らないので,これを機に,その前の作品をスクリーンで観ておこうと思い,前売り回数券を4回分購入していた。しかし,前日はそのことをすっかり忘れて,くだらない映画を観てしまったのだ。まあ,連休があるから4本は余裕で観られると思っていたが,22日からは実家に帰る予定にしたので,余裕がなくなりました。ともかく,この日はまず1本を鑑賞。
この『病院で死ぬということ』という作品はその存在を知らなかった。基本的にドキュメンタリータッチ。といっても,実際の患者にインタビューなどをするようなものではなく,定点観測というか,病室の様子がひたすら映し出されるという手法。なので,明確に病名などは登場しないこともあるが,基本的にがん患者という設定のようだ。そして,その患者もその家族も俳優が演じているもの。よく知った俳優はあまり使われていないが,どの患者も岸部一徳演じる医者が担当している。要は,同じ病院のいくつかの病室を観察するという設定。1人の年配女性患者の息子役を松重 豊が演じている。まあ,そんな映画なので病室ばかりのシーンなんだが,時折街中の短い映像が次から次へと流されます。私が観た『トニー滝谷』以降にはこの手法はとられませんが、この時期の作品には決まってこうした手法が登場します。そういえば、遺作である『buy a suite』も全編そんな感じでした。市川 準さんのスタートはCM。一般的に15秒という短いCMの作品世界は綿密に作りこまれた濃密なものであるといえる。時間的にも画面空間的にも。それだからこそ、映画という表現媒体において、彼は余白のある時間と空間を映画作品のなかに盛り込んだのかもしれない。解釈は多様でも記号に満たされたCMに対し、解釈の必要すら鑑賞者に要求しない部分を含む映画。奇を衒い、観る者を引き寄せるCMに対し、なにも事件らしいことは起こらない、私たちがよく知った風景が流れる。しかし、病院で死を迎える癌患者について知っているようでいてあまり知らないのも実情かもしれない。『ちゃんと伝える』の時にも書いたが、私自身父親を癌で病院で亡くしている。私はその場に立ち会えず、母と兄からその状況を聞いただけだ。私は何度か見舞いに行っただけで滞在時間も数時間。四六時中、その病院の様子を知るのは母親だけだった。もちろん、死を迎えるまでの長い時間を全て1本の映画で表現するのは不可能だし、実際にそれをドキュメンタリー化するのは、『精神』の想田監督ならやりかねないが、観る者にかなりきつい印象を残すに違いない。まあ、そんな常識的な考えからも、この作品の手法と目的は察することができる。本作の延長線上に『あおげば尊し』(2005年)があるのかもしれない。

渋谷クラブ・クワトロ
遠藤賢司は今年でデビュー40周年。SHIBUYA AXで銀杏BOYSなどをゲストにイヴェントをやったのは35周年の時だったか。そして、私が聴きだしてから、あるいはライヴに通うようになってからは何年経つのだろう。まあ、ともかく還暦をすぎても元気だ。開場から開演までまたまた1時間あって、スタンディングはきつかったけど、背に壁がある位置を陣取り、ちょっと座って眠らせてもらった。開演15分ほど前になると、座ってもいられないほどのお客の入りになって、立つ。
遠藤賢司:初っ端にはエンケンが一人で登場。AXの時よりも若い客の反応が多い。まあ、今回は若いといってもZAZEN BOYSくらいだから、それだけを目当てに来た若者も少ないのだろう。そして、AXの時から、銀杏BOYSや曽我部恵一などとの共演を重ね、若い層にもエンケン人気が高まっているように感じた。
ZAZEN BOYS:数年前に所沢の航空公園でのイヴェントで、ヴォーカルの向井秀徳がソロで出演したことがあった。しかし、長丁場のイヴェントだったこともあって、食事をするために彼の出演時間に公園内をブラブラして、遠くから「やっぱり爆音が聞こえるよ」という形で彼の演奏を聴くのは避けていたが、今回は避けられない。しかし、そんな聴かず嫌いの第一印象は1曲目で払拭された。ただの爆音ではなく、素晴らしくキレが良いのだ。向井氏はギターとキーボード。時にはハンドマイク。バンドにはベースとギター、ドラムスというシンプルな編成だが、この長髪巨漢ドラマーがすごい。と思ったら、なんと松下 敦さんだった。私が観たのは何度かしかなく、その記憶のなかでは坊主頭だったので、全く気づかなかった。でも、そのプレイを聴けばまさしく彼だ。もちろん、ベースもギターも頑張っているけど、このリズムは彼以外にはなかなか難しいように思う。そして、それを統括し、自らの歌声でそれを先導するのが向井氏。その自信たっぷりの表情や、人気の理由が十分に分かります。ちょっと得しましたね。
頭脳警察:頭脳警察は私が遠藤賢司を聴き始めたのと同じ時期にCDで聴いていた。ヴォーカルのPANTA氏は頭脳警察以外にもソロで活動しているのは知っていたが、エンケンのようにライヴに行くことはなかった。確かに、頭脳警察も素晴らしいのだが、私の感覚に身近なものと感じられないというところだろうか。しかし、今回は生で聴けることをとても楽しみにしていた。エンケンバンドでもドラムスを担当しているトシはパーカッションで、もう一人ギターの人と3人編成。かなりアコースティックヴァージョンのようです。確かに、これが60歳の人たちの演奏とは思えない迫力ですが、基本的な演奏と歌唱の技術はやはりエンケンとは違うようです。
さて、最後にはトシさんと湯川トーベンさんも登場して遠藤賢司バンド。初っ端から、「湯川潮音の父親でーす」とトーベンさんを紹介。MC中でも潮音ちゃんが現在ロンドンでレコーディング中だとか、そんなことを誇らしげに語るエンケンがかわいらしい。もうすでにここまでで随分時間が経過し、私の腰も限界に近かったですが、さすがにいつもの単独リサイタルほどの曲数はなかった。今回は単なる40周年記念ではなく、新しいアルバム『君にふにゃふにゃ』の発売記念でもあったが、そしてこの時点でまだ購入していなかったが、今回はとてもいいです。タイトル曲のタイトルとか、ジャケットを絵本作家の荒井良二さんが描いているとか、ファンシィな要素いっぱいです。もちろん、細野晴臣氏や鈴木 茂氏も参加しています。まあ、ともかくまだまだ頑張ってくれることを確認して帰路につきます。

|

« ようやく日常日記更新 | トップページ | 10月のライヴ予定 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こんばんわ。
コチラに書き込みは初めてかも(笑)?
ぬうわ〜に〜!頭脳警察みたの!いいなー。
僕の日本語ロックの原点の一つだよ。来月には数年ぶりの新譜が出るので、
楽しみなかぎり!
パンタもトシも大好きなアーティストです!

投稿: iwasai | 2009年9月28日 (月) 19時27分

>iwasakiさん

多分初めてではないかもしれないけど,ともかくコメントありがとう。
頭脳警察はCDも2枚しか持っていないんだけど,今回の初めてのライヴはかなり楽しみにしていたんです。ちょっと期待が大きすぎたかな。
でも,トシさんのコンガの音色は本当に素敵でした。

投稿: ナルセ | 2009年9月28日 (月) 19時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218863/46337030

この記事へのトラックバック一覧です: 40年でふにゃふにゃ:

« ようやく日常日記更新 | トップページ | 10月のライヴ予定 »