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今年も早速喉を痛めてしまった。

結構ひどいので,今日は会社を早退して耳鼻咽喉科に行った。

10月11日(日)

この日は恋人が午後出勤なので、久し振りに一緒に映画を観る。

新宿バルト9 『空気人形
是枝裕和監督の最新作。今回は漫画の原作がありますが、やはり原作は読んでいません。でも、漫画が原作というのもあるし、当然是枝監督というのもあるので、原作があろうがなかろうが、非常に映画的な表現なので、それはどうでもよいと思える。主演はぺ・ドゥナ。『リンダリンダリンダ』にも出演して、日本でも馴染みの韓国女優となったが、私は『吠える犬は噛まない』の頃から注目していた女優。この映画はまさに彼女のために作られたようなものだ。結末以外は予告編どおりの展開なので、若干のストーリー解説を。板尾創路演じる中年男は何をやってもダメ。当然まともな恋愛を諦め、空気人形=ダッチワイフを生活のパートナーとしている。しかし、ある日この「のぞみ」と名づけられた人形は心を持ち、自分の力で街を徘徊する。男手一つで女の子を育てている近所の父娘や、酸素吸入器を引きずりながら公園で佇む老人。すっかり年増で行き遅れてしまった受付嬢、テレビで事件を調べては、それを自分がやったと近所の派出所に自首しに行く老婆、上京したものの引き篭もって暴飲暴食をしている星野真理演じる女性。などに出会いながら、彼女はとあるレンタルビデオ屋に辿り着く。そこで、ARATA扮する男性に一目惚れをし、岩松 了演じる店主のこの店でアルバイトを始める。そこには常連客として柄本 祐がきたり。そして、板尾の家から徐々に抜け出すことを考えながらARATAとの恋が始まる。しかし、それは切なく、行き詰った時に彼女は自分が製作された会社を訪ね、そこでオダギリジョー演じる人形職人と出会う。そんな内容。
ある意味で、この「のぞみ」は神から使わされた天使のように、この人間が生活する現代社会を俯瞰する役割を持っているように思われる。老若男女を含む複数の登場人物たちの日常的な行動を素朴なまなざしで不思議がり、少しずつ理解していく。でも、不可解な部分も残しつつ。そう、この作品は決して人造人間が高度な知性を獲得するようなSFではない。確かに綾瀬はるか演じたサイボーグのように、無機質な肌の質などが強調されるが、むしろ日本社会を舞台としたところに、人間臭くない、しかも異文化としての韓国から来た女優がそれを演じる。人形が魂を持つ、あるいは逆に肉体を手にしたピュアな魂が社会のことを学んでいく、という設定にすると、明らかに矛盾は多い。しかし、そういう現代日本という社会や人間、あるいはもっと限定して男性の性欲というものを超越した存在として、彼女はこの僅かな(映画にしては出演者は多い)人間たちを励ましにやってくるのだ。全員がハッピーになるわけではないが、最後は個々人に少しの希望の光をもたらすような、そんな結末。
さて、この映画の音楽は、world's end girlfriendが担当した。これがどんなユニットなのか、ホームページを観てもよく分からないが、Wikipediaに載っていた。まあ、ともかくピアノ他で良原リエさん、チェロに徳澤青弦さん、ヴァイオリンに岡村美央さん、そしてハープに吉野友加さんという豪華なミュージシャンが参加。サントラCDのジャケットは森本千恵さんだというからけっこう素敵だ。まあ、是枝ワールド健在というところか。

私はその後、新宿東口の献血ルームに行った。受付では成分献血は1時間待ちだといわれたが、35分くらいで採血できた。午後の遅い時間なので、血漿献血。この献血ルームはDVD鑑賞はできないのか。やはり献血は渋谷だな。献血を終えて調布へ。ちょっとした調べもので、調布市立図書館に1時間ほどこもる。やはりこういうわざわざ調べるという行為は研究に対するモチベーションを高めることになるようだ。

10月12日(月,祝)

この日は前日にした調べものを整理したり、ジョギングしたり、恋人が出勤するまでゴロゴロしたり、一緒に昼食を食べたりで夕方まで家にいる。

渋谷シネクイント 『クヒオ大佐
堺 雅人主演映画。本当に忙しい人です。今回は実在した結婚詐欺師をモデルにした物語ということで、外見がいかにもインチキ臭い彼にはぴったりだ。ちなみに、彼の顔を見て太川陽介を思い出すのは私だけだろうか。複数の女性に同時にちょっかいを出すという役どころで、絡んでくるのは3人の女優。一人目はまさに結婚の約束まで交わした弁当屋の女主人を演じる松雪泰子。そういえば、『容疑者Xの献身』でも弁当屋で働いてたな。普段は眼鏡をかけ、エプロンに三角巾だが、クヒオとの逢引の時は綺麗な服に身をまとうあたりがいい感じです。一昔前は高飛車な役ばかりだった松雪さんでしたが、こういう役も素敵です。2人目は自分の店を持とうと目論んでいる銀座のホステスを演じる中村優子。なかなか彼女の魅力を引き出す役を観たことありませんが、本作ではいい感じです。騙し騙されの男女関係、実在したクヒオ大佐がどういう人物かは分かりませんが(実在の彼は1億円ほどを稼いだとかいてあるけど、映画のなかでははした金ばかり)、本作の彼は情けなさをどんどんと暴露されていくという展開。3人目は満島ひかり。なぜか彼女の出演作には安藤サクラがつきもののようで、今回も同じ職場の同僚として出演。1990年代初頭の湾岸戦争の頃が時代設定ですが、なぜひかりちゃんが着ている衣装はダサいのでしょうか。まあ、お金も特にない、可愛いけどイマイチいけてない少女をクヒオの相手に選んでいるところが、この作品中での彼の人となりを知らしめてくれるのでしょうか。それから本作で一番面白いのが、松雪の弟役で登場する新井浩文。堺君とのやりとりがなんともいえません。といいつつ、映画としての総評はイマイチかな。

下北沢に移動して一人の夕食。久し振りにマジックスパイスを目指したものの,長蛇の列で断念。『クヒオ大佐』の最後の方で,堺と松雪が2人でお弁当を食べるシーンがあるが,そのお弁当にハンバーグが入っていたので,「くいしんぼ」でハンバーグを食べる。

下北沢lete 笹倉慎介
久し振りのlete。翌週は早稲田で「レテのコンサート」が開催されるが,チケットの受け渡しがこんなに直前になってしまった(本当は9月末日)。それはともかく聴きに来たのは笹倉慎介。数年前にB.Y.Gでのリクオさんライヴに確か,ゲストで数曲歌った。その時もはっぴいえんど時代の大瀧詠一のようなきれいな歌声で歌う男の子だと思ったが,先日トーベンさん主催の吉祥寺ビール祭りのイヴェントにも出演していて,一度きちんと聴いてみようかと思った次第。たまたま,入間のso-soという米軍ハウスを利用したライヴハウスが,ひとまず終了ということで,リクオさんが三宅伸治さんとライヴをやったときに,橋本 歩さんが呼ばれて行ったらしく,その時に飛び入りで笹倉君が歌ったということも歩さんのblogで書いてあったし。ちなみに,笹倉君も米軍ハウスを借りて,自宅兼スタジオとして使っているとのこと。この日もギター2本を車に積んで下北沢まで来たらしい。歌い始めはカントリー曲のカヴァー。やはりルーツはこの辺の音楽なんですね。ちなみに,leteでのライヴでは毎回新しいカヴァー曲を1曲披露することになっているらしく,この日はセカンドセットでのキャロル・キング「you've got a friend」でした。彼のファンは年代が若干上になるようですが,熱心なファンが多いようで,皆さん仲良しでした。そして,演奏やMCに対する反応もとてもよく,いいお客さんだと思った。音響を使わずに,生ギターと生歌で演奏し,その反響を楽しんでいるというMCを含めて,けっこういい気持ちで聴いていたのですが,アンコールで,音楽をしながらお金を稼いで生きることとは,みたいな話になってしまって,ちょっとクールダウン。彼のファーストアルバムは鈴木惣一郎さんプロデュースで出ているんですね。そんな頃はいろいろあったようだ。まあ,いわんとすることは分かるけど,なんとなく言い方が嫌な感じだったな。帰り際にちょっとお話したけど,その印象は変わらず。

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コメント

 私も17日朝、夜行バスの乾燥した空気の中、旅行の疲れで爆睡したらわずか8時間で喉がひどいことに。ただ、にわか炎症だったため一日でほとんど腫れは引きました。完治にはもう少しかかりそうですが。

投稿: ムツダ | 2009年10月20日 (火) 04時08分

>ムツダ君
私も久し振りに医者にいって,久し振りに薬をもらって飲んだら,あっという間に効きました。
なるべく自然治癒がいい,と頑張るのですが,やはりなかなか治癒しない年齢になっているということですね。まあ,薬が効いているうちはまだよいのでしょうが。

投稿: ナルセ | 2009年10月20日 (火) 07時40分

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