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ライヴ予定を変更して初日舞台挨拶

10月21日(水)

渋谷duo music exchange tokyo song book 2009秋
ライヴ会場のホームページでの告知に気づいてすぐにそこでの先行受付に申し込んだものの、なんの連絡もなかったので、そのまま忘れていた。どうやら、先に郵便振込みをしなくてはいけなかったようだ。気づいた頃にチケットをぴあで直接買ったが整理番号は300番台後半。しかも、同じ日にtrico!のライヴもあったのだが、それを忘れてチケットを買ってしまった。まあ、ともかく行くことにしたのだが、整理番号が悪いので、事前に夕食を食べてから、19時過ぎに会場に到着。立ち見を覚悟していたが、まだ空席はあったので、中央右側後方の席を確保。今回のゲストは中納良恵さん。彼女がヴォーカルを務めるエゴ・ラッピンというバンドは聴いたことがないが、畠山美由紀さん関係で、ゲストヴォーカルで出てきたのを2度ほど見たことがある。その声量は文句なしだが、その異様なテンションの高さにちょっと自分好みではないかなと思っていた。しかし、先日小さな喫茶店での二階堂和美さん出演ライヴにお客さんで遊びにきていて、別に話をしたわけでもないのだが、なんとなく親しみを感じ、今回はちょっと彼女の歌を聴くのを楽しみにしていた。
さて、久し振りなので、説明が必要ですが、この「tokyo song book」というイヴェントは、おおはた雄一さんがここduoで季節ごとに行っているイヴェントで、毎回1人、ないし2人のゲストを迎えている。歌を歌う人だったり、楽器を演奏する人だったり。完全にステージを任せる場合とセッションが中心になる場合と、その組み合わせも自由だ。今回は初っ端から良恵さんが登場し、2曲を演奏。良恵さんはよく二階堂さんがやるような、言葉ではない歌声をおおはたさんのギターに合わせるという曲で幕を開ける。それから、おおはたさんが下がって、グランドピアノで良恵さんは弾き語り。相変わらずテンションは高いが、このイヴェントでさすがに踊って歌うわけにもいかないし、楽器も演奏しなくてはならない。そういう彼女もソロアルバムを出していたんですね。時折「では、エゴ・ラッピンの曲を」といっていたので、それ以外はソロの曲だったようです。いやいや、彼女が楽器を演奏するとは知らなかったので、けっこうな腕前のピアノにビックリ。そして、やはりその声量と高音とはかなり稀有なヴォーカリストですね。なぜか英語詩が中心だと勘違いしていましたが、日本語詩の曲はどれもなかなか素敵で、久し振りにずっしりと感動しました。そして、おおはたさんの「さかな」もカヴァーする。この曲をピアノで聴くのも当然初めてですが、かなり大胆なアレンジで良かったです。もちろん、その後のおおはたさんの演奏も素晴らしく、最後には2人でセッション。グランドピアノだけでなく、エレキギター、鍵盤ハーモニカやスネアドラムまで。なんでも大丈夫なんですね。あそこまで音楽を楽しむ人を見ると本当に楽しいです。いやはや、天才ですね。ソロアルバムがあれば買って帰ろうと思いましたが、なぜか物販にはTシャツしか置いてませんでした。今度改めて中古CD屋さんで探そう(中古かよ!)

10月24日(土)

この日は橋本 歩さんも参加するリクオさんのライヴがあったけど、急遽予定変更で、講義後急いで渋谷のユーロスペースへ。この日レイトショーで初日を迎える『TOCHKA』という映画に藤田陽子さんが出演していて、初日の舞台挨拶に登場するというのだ。藤田陽子さんは数年前に野田秀樹さんと結婚し、今年6月に第一子を出産。映画は2年前に撮影されたようですが、昨年押井 守氏の短編に出演したものの、監督と共演の菊池凛子さんが壇上に上ったトークショーには妊娠中で欠席した。なので、生の藤田陽子さんに会うために、急遽予定を変更した次第。しかも、普通、初日舞台挨拶となれば、事前にチケットを販売するが、今回は通常通り当日朝からの受付ということで、急いで向かったのだ。その甲斐あって整理番号は2番。せっかくこの時間にこの映画館に来たので、その時間からちょうど始まる映画を観る。

渋谷ユーロスペース 『のんちゃんのり弁
『いつか読書する日』が素晴らしかった緒方 明監督の最新作。小西真奈美を主演に迎えます。原作は漫画のようですが、岡田義徳演じるダメ夫に嫌気がさして、幼稚園生の娘とともに人生やり直す31歳の女性を演じます。黒目が大きく、目に表情が出にくい小西真奈美さんですが、『UDON』あたりから演技に度胸がついてきたような気がします。本作も彼女が出ずっぱりの大役。母親が倍賞美津子、彼女が弟子入りを申し込む料理屋の店主に『いつか読書する日』主演の岸部一徳。実は中学時代に好きあっていたという同級生役に村上 淳という豪華なキャストに囲まれて奮闘していましたね。見ていて、とても気持ちのよい演技でした。岡田君はダメ男役が板についてきたし、でももてない30男役が村上 淳ってのはどうかって気もしましたが、そんな男たち3人にキスをされるという役どころの真奈美さん。子役もとても可愛くて、全体的にとても上手くまとまっている作品でした。

最近外食が続いているので、一度帰宅して夕食。ちょっと昼寝でもと思っていたが、勉強会の準備などいろいろやっていたらバタバタのまま夕食を食べて再び渋谷まで。

渋谷ユーロスペース 『TOCHKA
映画館は、もう一つのスクリーンでもレイトショーの初日舞台挨拶があるというので、かなりごった返していました。その作品『代行のススメ』は先日なくなった山田辰夫さんの遺作ということでそちらも話題のようです。でも、結局『TOCHKA』の方は満席にはならず、私は最前列中央をゲットしました。舞台挨拶には監督の松村浩行さん、主演の藤田陽子さんと菅田 俊さんが登場。陽子さんはさすがに出産後間もない体型の変化がありましたが、相変わらず素敵ですが、彼女も30歳前ということもあるし、ちょっと顔つきも変わりましたかね。私のことを覚えていたかは分かりませんが、客席を一通り見回して、私と目が合うとちょっと苦笑いっぽく微笑みました。ちょっと嬉しい。さて、この映画のタイトル「トーチカ」は戦争のための施設。この映画に登場するのは北海道の東の果て、根室の海岸沿いにあるもので、太平洋戦争当時、アメリカ軍の上陸に備えて建てられたもので、現在も取り壊されずに残っているらしい。コンクリート製のちょっとした小屋で、銃撃を受けても大丈夫なように、人が入って小窓から監視し、場合によっては銃撃できるという施設。普段は誰も近づかないようなその場所に、特別な理由を持って訪れた男女2人だけが登場人物で、ひたすら2人の会話が続くというだけの作品。思ったよりも舞台挨拶は長い時間があてられた。実物を初めて見る菅田さんはやはり大きく、トークも期待通りの面白い人でした。そして、藤田陽子さん。相変わらず知的で、決められた台詞だけをいうのではなく、その場の雰囲気で反応・対応する機転の持ち主。監督はけっこう若く、それでいて控えめな感じでした。出演者の2人が「けっして分かりやすい作品ではない」と繰り返すこの映画はどんなんでしょうか。ところで、私の右隣の男性はシャッター音を鳴らしながら携帯電話で舞台上の出演者と監督を撮影していた。撮影禁止とは特段いわれたりはしていないが、常識だと思う。ひょっとして自分がこの場を台無しにしてしまうという危機感がこの男にはないのだろうか。
上に書いたように、舞台は根室の海岸沿い。雪はまだ降っていない季節ですが、明らかに冷たそうな海からの風が強く、音楽の全くない作品ですが、終始波と風の音が背景にあります。藤田陽子演じる「女」はトーチカを次から次へとめぐり、中に入ってのぞき穴から見える風景をじーっと眺め、ポケットから取り出したスライド写真を取り出し、見比べる。その繰り返し。あるトーチカから同じように外を覗き、ここぞとばかりに二眼レフカメラを取り出し撮影しようと構える。すると、その景色のなかに人影が見え、どんどん大きくなります。その人物が菅田 俊演じる「男」。心持ち片足を引きずっているようなぎこちない歩みで、大きな旅行かばんを持っています。そのトーチカに向かってくるかと思いきや、その手前でうずくまります。他にまったく人気のない場所なので、女はトーチから出ると、男が話しかけてくる。「こんなところで何をしているんですか?」、女は答える。「トーチカを撮っているんです。大学で戦争遺跡の研究をしてまして」。こんな場所で男と女が出会う。非常に不自然なシチュエーションだと思うけど、対話が進むにつれて、2人は大きな理由があってここを訪れたことが分かる。この2人の関係の近さと遠さが面白い脚本。男について知ろうとして女が質問すると、半ば怒ったように「なんでですか!」と男が答える。しかし、最終的には男の方から非常にプライベートな話を見ず知らずの女に告白する。思ったよりも分かりやすいストーリーだと思う。まあ、最後の最後、クライマックスともいえるのが、トーチカのなかで菅田氏が暗闇のなかでひたすら座り、タバコを吸い、お酒を呑むシーンが面白い。おそらく10分以上は続くと思うが、まったく発話はない。レイトショーでただでさえ眠い時間に、いつ終わるとも分からないこのシーンに耐えるのはかなり大変だ。実はこのシーンの前の陽子さんの台詞と行動から、ある結末を予測できるのだが、このシーンによってその結末が間違っていたと思わせる。でも、最終的にはその予測は正しかった。そう、きちんとオチのある作品です。本作における陽子さんは『犬猫』の時より若干伸びているくらいのショートヘア。正直いって、撮影技術などにもそれほど力を入れていない感じで、陽子さんの美しさを楽しむような作品ではないが、まあそういう作品こそ彼女に相応しいといえるかもしれない。まあ、映画そのものの出来が素晴らしいとはいえないが、観るべき作品。
終映後、久し振りに『ぴあ』の初日インタビュースタッフに捕まる。一度10年以上前に答えてからは断っていたが、この作品なので答えようと思った。簡単な感想を、ということだったが、その女のスタッフがいろいろ聞いてきたので、けっこうしゃべってしまった。彼女の調査票には私のしゃべった言葉の断片が書き記されただけだったが、あれで話の内容を復元できるのだろうか。

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