« Hanako族と化す | トップページ | 近代世界システム1 »

日帰り名古屋

11月7日(土)

新宿武蔵野館 『サイドウェイズ
数年前に日本でも公開された米国映画『サイドウェイ』は私も劇場で観て気に入っていたが、アカデミー賞で脚色賞を受賞した。ポール・ジアマッティという渋い俳優が主人公ってところが地味で素敵な作品でしたが20世紀FOX製作により、日本でリメイク。しかも、監督も米国人チェリン・グラック。でも、単独の監督作品は初めてのようですね。助監督や、日本映画の米国撮影箇所などで仕事をしてきた人らしい。そして、脚本は日本人の上杉隆之さん。私と同じ年で郵便局員を辞めて脚本家を目指し、テレビを中心に仕事をしながら長編映画は初とのこと。こういう人の存在は励みになります。
基本的なプロットは本家と同じだったようですが、リメイク版を観ても、オリジナル版は思い出さなかった。主人公は冴えない独身中年男性って役どころで、当然日本では小日向文世という適任者がいる。日本でのリメイク版ですが、舞台は米国ワイナリーめぐり。男2人旅のお相手は生瀬勝久。それに絡んでくる女性2人も日本人俳優。男2人と過去に関りのあった女性を鈴木京香が演じ、その親友役に菊池凛子を配する。申し分のないキャストですね。特に映画によって向き不向きのあると思っている菊池凛子ですが、今回は私好みどんぴしゃり。彼女はシリアスな役よりこういう軽めの役のほうがいいと思う。『恋するマドリ』もよかったな。そして、本作で特に彼女の演技的なところでよかったのは言葉。設定は米国に住む日本人。流暢な英語とたどたどしい日本語がまったく違和感ない。そして、鈴木京香もよかった。最近『ぼくとママの黄色い自転車』など、いまいち彼女の役どころが冴えなかったけど、こういう役どころこそ適任ですね。単なるキャリアウーマンじゃつまらないし、強くありたいんだけど、どこか弱さと寂しさを併せ持っている、そんなところが絶妙でした。もちろん、男性2人も素晴らしいです。生瀬さんは本当に好き勝手に暴れまくり、小日向さんは相変わらず一歩踏み出せない中年男。でも、こだわるところはこだわりがあって、最後には怒りを爆発させてしまう。おそらく、彼の役どころには脚本化自身が重ねあわされている。そして、研究者としてなかなか認められない私も彼に自分を重ね合わせます。私も映画のなかの彼のように、どこかで怒りを爆発させたい。一応、ロードムーヴィってことで舞台は広範囲に及びますが、登場人物が少なく、会話が中心の非常にミニマルな作品。なのに、無駄な部分がほとんどなく、上手くまとまっています。こういう作品大好き。

11月8日(日)

この日は人文地理学会の学術大会が名古屋大学で開催されていて、座長の依頼がきてしまったので、行くことにした。人文地理学会の大会は基本的に西日本で開催されることが多く、大阪や神戸だったら断っていたと思うが、名古屋だったので行くことにした。土曜日は講義があるし、1泊するのもいろいろ面倒くさいので、日帰り。往復新幹線が2万円なり。当然、今年の4月にあった研究会のように交通費は支給されません。私が座長を務めるのは最後の2組なので、16時前だったが、せっかくなので無理のない程度に早めに行く。いつも通りの6時起きで8時前に家を出る。当然新幹線はのぞみの自由席。ガラガラで快適。ちょっと寝て、ちょっと論文を読み、ちょっと自分の原稿の見直しなど。
10時半には名古屋駅に到着。以前に名古屋大学に来たのは何年前だったか覚えていないが、新しい地下鉄が開通し、名古屋大学前という駅がある。地下鉄を乗り継いで、11時前に大学に到着。午前中も2つほど発表を聞く。昼休みは大学内のファミリーマートでパンでも買って、と思ったら古今書院の太田君に声を掛けられる、「結婚おめでとう!」。あ、blog読んでくれてるのね。中庭で私が座長を務める発表の要旨を読みながらパンと缶コーヒーの昼食でしたが、知り合いには会わず。食べ終わって読み終わった頃にブラブラしていると島津さんや若松君、二村君、午前中に発表を聴いた稲田さんと会う。若松君に私が座長をする発表者である平川君を紹介される。書籍コーナーでは、荒又さんに会ったり、やはり座長をする発表者の平松君に声を掛けられる。発表会場では、水岡さんや熊谷さん、内田さんなどが相変わらず積極的に質問をしていてそういうのを懐かしく思い出す。
午後もいくつかの会場を移動しながら発表を聞く。前に聞いたときはひどかった森本 泉さんの発表がなかなかよかった。それにしても彼女は早口だ。そして、相変わらず調査内容を説明するだけで質疑応答の時間まで侵食しているような発表がいくつもあって、相変わらずだなと思う。一つ残念だったのは、藤田さんの発表。もう地理学者を志してから20年弱が経つのに、名前だけしか知らない著名な地理学者は何人もいるが、今回は初めて彼の発表を聴こうと思っていったのだ。まあ、彼自身これまでの研究とはちょっと違った仕事を共同研究としてやっているものの発表だったらしいが、かなり粗雑な内容だった。後でプログラムを見直したら同じ時間に水野さんの発表もあって、聞き逃してしまったのも残念。最後に自分が座長をする会場に移動する。私が座長を担当する2発表を含めた、この会場での最後の4発表はどれも若い研究者によるものだったが、なかなか面白いものばかりで来た甲斐があったと思った。さて,私の座長。座長なんていつぶりだろうか。なにやら新型マイクが座長席にはあったが,そういうものを使わないアナログ主義(ちなみに自分の発表でPower Pointも使ったことがない)。ノーマイクで大声を張り上げますが,やはり緊張していますね。口が渇きます。幸い,はじめの発表,平松晃一君の発表には私がコメントするまもなく,3人の質問者が出たので安心。私的には発表要旨を読んだだけでは眉唾物の内容でしたが,実際に聴いてみるとなかなかいい発表でした。発表の仕方も堂々としていて時間内に収まる。平松君は名古屋大学で修士課程まで出ていたが,その先の行き先がないそうだ。さて,続いては建築畑から大阪市立大学の水内門下に入って,釜ヶ崎研究および社会的実践をしている人物。その社会実践はとても意義があるものだったが,学術的意義および地理学的意義について物足りない感じだったので,質問をそんな内容に限定する形でフロアに問いかけたが,残念ながら質問者なし。私のコメントで終わってしまった。
全体的に発表数の少ないこじんまりとした会だったが,終わるとすぐに人々はひけてしまった。そこで初めて杉山君に会うが,彼に捕まる前に帰宅。名古屋駅のお土産屋で立岡さんをみかける。私もきしめんとお弁当,ビールを買って新幹線へ。行きよりは混んでいたが,自由席でも座れます。ビールに弁当でかなり寝てしまった。あっというまに品川に着く。ああ,健全な学会だった。
そのきしめんはこんな感じで翌日の夕食になった。

|

« Hanako族と化す | トップページ | 近代世界システム1 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218863/46737033

この記事へのトラックバック一覧です: 日帰り名古屋:

« Hanako族と化す | トップページ | 近代世界システム1 »