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USBメモリはみつかりました。

ということで,改めて日記更新。

11月13日(金)

前日から恋人の台湾の友人が泊まりにきていて、だからというわけじゃないけど、この日はわが家でアフタヌーンティーパーティ。恋人がよくやっているお菓子作りを他の人にも食べてもらおうということで、もう一人、やはり恋人の友達を呼んで、わが家でお茶をします。私も講義を終えてすぐ帰り、調布で待ち合わせて3人でランチ。そのまま歩いて帰宅し、もう一人のお客さんを待ちます。なかなか私の友人で平日の昼間に空いている人はいませんが、わたしたち夫婦を含め4,5人で昼下がりにお茶をするってのもいいですね。この日は洋ナシのタルトとカボチャプリンの2品。紅茶も3種類用意し、フレーバーティとハーバルティをストレートで、アッサムをミルクティでいただき、お腹一杯。
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2人が帰った後、一寝入りして私たちは渋谷に出かける。軽く一杯のつもりが沖縄料理屋でけっこうお腹一杯に。結婚のお祝いいただいちゃいました。Afternoon Teaのミルクパン。早速これでミルクティを入れる。
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渋谷ユーロスペース 『代行のススメ
公開初日で観たレイトショー『TOCHKA』と同じ日程で2週間限定上映の作品。主演は藤間美穂という女優だが、その父親役の山田辰夫氏も準主役級にスクリーンに映っている。そう、『おくりびと』にも出演していたちょっと強面の個性派俳優、山田氏は本作を最後に亡くなってしまった。そのせいもあって、製作者側にもかなり思い入れがあるようで、公開最終日にも出演者3名に監督の舞台挨拶があった。まずは作品の上映。主人公の女性は産休の先生の代わりに期間限定で小学校の担任教師に。その任期が終わる日に結婚したばかりの夫から離婚届を渡される。山中 崇演じるいい加減そうな男は過去の女とヨリを戻して離婚。主人公はことごとく自分の「代理」人生に嫌気が差し、実家の田舎町に戻る。その実家では両親が代行業者を営んでいる。タクシーとは違って、自分の車で呑み屋に行ったお客をその車と一緒に自宅まで届けるというシステム。私も10年以上前に岡山で初体験して衝撃を受けた。あれは1997年に掲載された論文の内容を発表した学会だから1995年か1996年だったと思うが、岡山大学で学会があるというので、学生時代に仲の良かった、岡山の実家に戻った女友達に連絡してみたのだ。すると、その子は単に会うだけでなく、学会にまでついてきて私の発表を聴いてくれた。学会の1日目が終わると車で岡山案内をしてくれて、そのまま飲み屋へ。車はどうするんだろうなと思ったら、代行を呼んで、そのまま帰宅。またまたついでに彼女の家に泊めてもらう。翌日も午前中のプログラムが終わると車で倉敷へ。なんとも奇妙に楽しんだ学会だった。
まあ、そんな話はおいておいて、映画だが、ともかくのんびりしたペースで淡々と物語りは進み、でもいろいろな出来事も起こる。山田氏は終始言葉少なで微妙な父親像を見事に演じる。これだけ彼の演技を集中して観るのも初めてかもしれない。いやあ、やっぱり他には代理の利かない貴重な俳優だったと思う。そして、その最期として相応しい作品だったと思う。上映終了後のトークショーで、奥さん役を務めた円城寺あやさんが指摘していたが、同じアングルのシーンが物語の進展にあわせて何度も登場するという構成で、それが非常に効果的だった。家族での食事のシーンや早朝のウォーキングのシーン。家族の変化、主人公の心情の変化がうまく画面で表現されていると思う。監督は1975年生まれの山口 智。長編は初めてのようだが、なかなか渋い映画を撮ります。今後にも期待。
終映後のトークショーだったので(しかも最終日)、外に出ると、壇上に上った人たちがお客さんと話しています。スクリーンのなかとは違ってばっちりメイクとよそ行き衣装。女優オーラを振りまいています。そして生で見られて嬉しかったのが、後半で主人公と良い仲になっていく男性を演じる佐藤貴広君。そう、『茶の味』で主人公の男子中学生(高校生?)を演じていた彼だ。彼ももう25歳なんですね。顔は若く見えますが、長身でナカナカ良い男です。特に本作では、一見ちゃらちゃらした感じだが、実はピュアだったりする(最後の台詞は衝撃的!)、そんな役どころがぴったり。

11月15日(日)

この日は埼玉県草加市にある獨協大学で観光関係のシンポジウム「ツーリズムの先へ」があるというので出かける。数年前に読んだ『the tourist』の著者、マッカネル氏が来日して基調講演をするというのだ。招待された外国人研究者も多く、そのなかには文化地理学者カレン・ティルも含まれていた。8:20発の電車に乗ったら、10時からの午前の部に余裕で間に合った。午前中は米国人1人と日本人3人の報告。日本人の一人は鎌倉の鶴岡八幡宮の歴史を通じ、歴史的な観光資源のあり方を問う。日本の古い宗教としての神道は明確な形を有せず、その後渡来した仏教の影響下で、いわば雑種的な形態として発展した。しかし、明治期のナショナリズム高揚下で神道から仏教的要素を取り除き、純化しようとする。その過程において、鶴岡八幡宮にあった仏教的施設は取り払われる。つまり、外国人観光客の多くも訪れる、この歴史的な場所は明治期に大きく変容したのだ。次の米国人はラスヴェガスの話。もともと荒涼とした砂漠にできたこの都市の景観は奇妙な人工物からなるが、そのほとんどが「nature」や物質性・身体性を観光資源として利用しているという報告。近くには核爆弾の実験場もあり、そのキノコ雲もが風景の一部となっているという点は面白かった。3番目の報告は日本の農村におけるグリーンツーリズムの展開についてだった。群馬県の6地域の調査が基礎になっているが、成功したものとしないもの。それをハーヴェイの場所論と関連付けて論じていたが、結局成功と失敗の分かれ目がどこにあるのか判然としなかった。勝ち組があれば必ず負け組みが出るということなのか、単なる担い手の努力の問題なのか、それとも偶有的な要素によるのか。発表の仕方は伏し目がちでちょっと自信のないような人だったが、質問に対する回答のなかで、かつては役人としてグリーンツーリズムを推進する立場だったが、その後研究者に転じて現場の大変さと上からの指導に踊らされる現場というさまざまな問題を見てきて、自分なりにどうにか改善に向けた方策を見出したいという姿勢に納得した。4番目はタイ北部の焼畑中心の農村における近年エコツーリズムの展開についての報告だった。日本人だったが、発表は英語。英語だったがかなり理解しやすい。ツーリストという外部が村落にやってくるのは好ましくないが、外貨を運んでくるということにおいては産業の一つとして効果的である、ということで外から付与された自らの地域イメージを戦略的に用いて、観光産業を成立させるという事例。質疑応答に対する姿勢も誠実で好感の持てる研究者でした。でも、質疑応答は日本語。
お昼は学内の食堂は休業ということで近くのスーパーに太郎君と一緒に買出し。会場の小会議室の外にテラスがあり、そこでランチをいただく。午後はオーガナイザーの獨協大学教授と、外国人女性研究者2名によるセッション。1人目はスライドで写真を見せながらのなかなか凝った構成。戦争遺物を観光資源としたような事例を精神分析的に捉える。2人目が文化地理学者のカレンさんによる発表だったが、けっこうダラダラと長く、だんだん英語を聞き取る集中力が枯れていき、訳が分からなくなる。カレン氏はイーフー・トゥアンの教え子らしく、私も持っている『the texture of place』という論文集の編者の1人になっていた。ドイツの博物館の研究を続けているらしく、今回も戦争や惨事の記憶をテーマにしたような芸術家の試みについての報告だった。このセクション最後の報告は、やはり戦争の記憶を有する沖縄が事例。日本の教育の一環としての修学旅行の旅行先として選ばれることになる沖縄。彼の発表も英語だったが、とても分かりやすく、ウィットに富んでいてさすがオーガナイザーと納得。でも、3つもこうした悲惨なテーマを聴くと気が滅入ると同時に、こんな極端なテーマが3つもそろって聴けるという奇妙さも感じたりして。
しかも、私が聴いた最後の基調講演である、マッカネル氏の報告も似たような内容だった。といっても、一番内容を把握できなかったのがこの報告。そもそも私が辞書なしで読んだ『the tourist』も大半はよく意味が取れなかった。研究論文は大抵スマートに書かれるものだが、著書となるとけっこう余計な部分が多く、ダラダラとしかねない。まあ、今回の報告内容もそんな感じ。配布された資料には、今回の発表は「観光の倫理」のようなテーマによる著書の一部をなすと書いてあったからそんな感じか。しかも、かなり高齢ですしね。会場では、以前研究会で一緒だった、高岡文章君に会う。彼は福岡女学院大学に就職したので、会うのはそれ以来だ。何も立場の変わらない近況報告は後ろめたい..
結局、太郎君と一緒に帰りの電車に乗ることにした。彼は北千住から日比谷線に、私はそのまま半蔵門線直通で渋谷まで。初めてこの電車に乗りましたが、北千住から渋谷まで50分。まあ、若干遠回り感はありますが、この日のように眠たい身にはちょうどよい。渋谷についてリンガーハットで値上げした長崎ちゃんぽんをいただく。以前は380円くらいだったと思うが、今は550円なり。なんでも、野菜を全て国産にしたらしい。たまに食うと美味しい。

渋谷cabotte
ちょっと早かったが、18時過ぎにcabotteに到着。当然のように1番のりでしたが、出演者3人がいて、マスターは不在。挨拶をしているとマスターがやってきてcasaの2人は食事のために外出する。この日の対バン佐奈枝さんは実は会うのが3回目。小伝馬町のカフェでのcasaライヴにお客さんできていたが、ちょうど帰るときに一緒になって、美宏君を媒介してちょっと言葉を交わした。その翌日、今度は中目黒でばったり会ったのだ。私はvice versaのライヴに行く途中。彼女は当日参加のつもりで楽屋に行ったら予約でいっぱいということで断られたとのこと。casaがいなくなった店内で2人でいろいろ世間話。すると、今度は梅原ヨシヒロさんがやってくる。ヨシヒロさんもシンガーで自主企画イヴェントにcasaを呼ぶような仲。私の企画イヴェントにもお客さんでやってきてくれた。高円寺のSTAX FREDというお店でよく演奏しているということで、佐奈枝さんとも親しい様子。ということで,しばし3人でまたまた雑談。ほどなくしてお客さんも集まりだし,15分遅れで佐奈枝さんが歌いだすころにはほぼ満席。
佐奈枝さんの方が一方的にcasaを好きになって聴きに来ただけではない。casaの方も佐奈枝さんの歌を気に入って,今回はここcabotteに呼んだのだ。まあ,そんな話を聞いていたから,期待せずにはいられません。彼女は一見若くて可愛らしい感じだが,実際はけっこうやさぐれているらしい。日記を読んでもちょっとひねくれているし,けっこう引き篭もっているらしい。歌もそんな感じでギターをポロンポロンしながらゆるーりと低音で歌う。数十年前にあったようであまりないスタイル。期待以上に良いです。もちろん,歌詞世界も独特。これで弾き語りを初めて1年程度というからすごいのかもしれない。ただ,技術的に向上すればより良くなるようなタイプの音楽でもないと思うし,実生活との関連の方が大きいのかもしれない。そんな彼女が素敵な恋人を見つけてハッピーな毎日を過ごすようになったらその音楽はどうなるのだろうか。
casaが歌い始めるころにはさらにお客さんが増え,本当に満席になった。夕紀子さんも上機嫌で,しかもこの日初披露の新曲が2曲もあり,気合が入っています。いつにも増してMCも調子が良いですね。もちろん,新しい楽曲たちもさらに多彩になって,というよりは2曲とも作詞作曲が美宏君というから頑張っています。ということで,特筆することなし。素晴らしい2組のライヴでした。
私も上機嫌で,21時過ぎには終わったので,フランス産のピーチリキュールなどをいただきながら出演者たちと楽しいおしゃべり。あっという間に22:30になってしまい,急いで帰ると既に恋人は帰宅。連絡もしなかったので心配させてしまいました。ごめんなさい。

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コメント

いきなりすいませんsweat01
私、佐藤貴広さんのファンなんですけど、映画上映後、貴広さんともお話出来たりしたんですか??
教えてください(;_;)
勝手ですいませんsweat01

投稿: 彩希 | 2010年1月14日 (木) 22時11分

彩希さま

昨年の日記にコメントいただいて,ありがとうございます。
そうですね。
私は特に話しかけませんでしたが(こういう時,どんな言葉を掛ければよいのか分からなくなります。),普通にお客さんが出てくるロビーに立っていましたよ。話し掛けるのは十分可能だったと思います。

投稿: ナルセ | 2010年1月14日 (木) 22時43分

お答えいただき、ありがとうございます!
そうだったんですか!!
行けなくて残念です(;_;)
貴広さんについて聞けて、とても感謝しています。
ありがとうございました!!

投稿: 彩希 | 2010年1月14日 (木) 23時36分

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