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久し振り映画のハシゴ

4月16日(金)

法政大学も2010年度開始。まあ、初日ということもあるが、思いの他人数も多く、活気があるように思う。今年度は教科書に頼らずにいく方針なので、ちょっと大変だけど、その分楽しみ。この日は久し振りに一人で行動。渋谷に移動して、1階が改装中のTSUTAYAで映画の前売り券をまとめて5枚買う。1本目の映画まで時間があるので、本屋の2階にあるカフェで、先ほどの講義で受講生に書いてもらった出席票を読む。非常勤講師じゃ、なかなか学生と生で話し合う機会はないが、出席票に一言書いてもらったりするのが僅かなコミュニケーションで、それがまた楽しい。

渋谷TOEI 『誰かが私にキスをした
あとで調べてビックリしたが、本作の監督、ハンス・カノーザは『カンバセーション』の監督だという。そんな合衆国の監督が、日本のアメリカンスクールを舞台に日本の俳優を使って撮った映画。mixiでのみ交流のある宮崎在住の「ぱふ」さんの評価がかなり悪かったが、ともかく堀北真希ちゃんが観たいということで、観ることにした。ちょっとした事故で最近4年間の記憶を失ってしまった主人公をめぐる3人の男たちとの物語。まあ、ストーリー自体は大したことないので、ネタバレでいきましょう。3人のうち、一人は松山ケンイチ演じる男「ユウジ」。別の高校にも通っていたとかで、数年他の人より年上の、謎めいた存在。たまたま事故現場に居合わせたということで、主人公「ナオミ」に近づく。もう一人は「エース」という男で、アントン・イェルチンという俳優が演じるが、見覚えがある。といっても、成長した姿ではなく、幼い頃の顔。巻き毛が同じだし、間違いなく覚えている。と思って、後で調べると、アンソニー・ホプキンス主演の『アトランティスのこころ』に出演していた子役だ。映画化が2001年だから、当時12歳で、今21歳だということだ。彼は現在進行形でのナオミのボーイフレンドだとのこと。テニスがきっかけで結ばれたという。そして、もう一人の「ミライを」演じる手越祐也という人物で知らなかったけど、錦戸 亮や山下智久などとNEWSというグループで活動していたジャニーズのアイドルらしい。こちらは、「year book」の編集でナオミと一緒だったという。ちなみに、year bookとは卒業アルバムのようなものらしい。ともかく、この3人の顔も忘れてしまったナオミにとっては、交際していた「エース」にはさして魅力を感じないし、テニスへの愛情も思い出せない。とりあえずyear bookの制作作業を続けながら、親切にしてくれるミライにいろいろ頼りながらも、謎めいたユウジに惹かれていく。結局、セックスを迫られたエースとは別れることになり、日常生活に慣れてきた結果、ミライとのyear book制作もやめてしまい、ユウジとの恋愛を始める。しかし、結果的に彼女を一番思いやっていた男は誰なのか...まあ、そんな物語です。
冒頭のシーンは長髪で、堀北真希ちゃんはカツラをかぶっている。まあ、そのせいもあって前半の彼女は魅力的には見えませんな。やはり首のしわもけっこう目立つし。しかし、物語の展開上、昔の自分をふっきるために髪の毛を自分で切る。そのシーン以降、地毛に戻るのだが、だんだん彼女の魅力が全開になり、魅力的になってきます。映画のなかでは恋する女はなんとやらということなのでしょうが、松山ケンイチとのキスシーンがなかなか魅力的だ。真希ちゃん素敵なキスしますよ。そして、映像的に面白いのが、写真を撮るシーン。写真を撮ると、その撮影された映像がスクリーンの中に、パシャパシャと瞬間的に映し出されるのだ。そして、彼女がとある授業の課題で作った写真作品がまた面白い。といっても、それはユウジの入れ知恵なのだが、古い中古のフィルムカメラを集めてきて、セルフタイマーをかけて、カメラを空中に投げるのだ。空中で運動しながらシャッターが切られる。そんな予測不能な画像の寄せ集め。まあ、この監督の前作『カンバセーション』も期待ほどではなかったように、本作もちょっと長すぎるのがマイナス。特に、ユウジと過ごすロサンゼルスのシーンはどうなのだろうか。もうちょっとスリムアップしたらよかったと思う。でも、個人的には嫌いじゃないかな。まあ、それは私がこうした青春群像に弱いということもあるかもしれない。特に、ミライ的な役どころには感情移入しちゃうんだよね。

さて、急いで2本目の映画に移動。久し振り、今年初めてのル・シネマ。

渋谷ル・シネマ 『ニューヨーク,アイラブユー
数年前に『パリ、ジュテーム』というオムニバス映画があった。日本からもフランスで活動する諏訪敦彦が参加し、国籍を問わない18人の監督(なかには俳優のジェラール・ドパルデューも含まれていた)によるもの。俳優もフランス人には限らず、今回の『ニューヨーク、アイラブユー』にも参加しているナタリー・ポートマンも出演していた。まあ、タイトルも構成もパクリで、とにかくニューヨーク讃歌という形で作られた作品。日本からは岩井俊二が参加しています。岩井作品はオーランド・ブルームの一人劇のようなもので、電話相手がクリスティーナ・リッチ。最後ちょこっと姿を見せるだけ。ナタリー・ポートマンは俳優としても監督としても参加。セントラル・パークを舞台にした作品は愛らしくて素敵。さすが才女ですな。俳優として出演している短編の相手役は『その名にちなんで』以降、ちょくちょく顔を見るようになったインド人俳優、イルファン・カーン。そして、面白かったのが、先ほど観た『誰かが私にキスをした』に出演していたアントン・イェルチン君。こちらにも出演しています。他にもスー・チーが出ていたり、多人種・多文化の共生を強調しようとする意図は明白。まあ、その試みが成功しているかどうかは分かりませんが、こういう映画は大好きです。ちなみに、エンドクレジットの最後で、今度は『上海、アイラブユー』だとか、書いてありました。

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コメント

アメリカ人の監督が日本の役者をどう料理するかという期待もあったのですが、残念ながら表面だけなぞったような描写が残念でした。
ナルセさんの言われるとおり写真のシーンとか長いキスシーン(ヒッチコックの「汚名」のバーグマンとグラントのキスシーンを思い出しました)など面白い部分もあったのですが、それ以上のものがありませんでした。
『カンバセーション』を観ていないので何とも言えませんが、次回作はどうでしょうか。

投稿: ぱふ | 2010年4月20日 (火) 15時35分

ぱふさん

勝手に名前を出してしまって、すみません。
コメント入れてもらってありがたいです。
まあ、確かに表面的といえば表面的ですね。でも、アントン君も同等だった気がするので、監督がアメリカ人ということはあまり関係ないような気もします。

投稿: ナルセ | 2010年4月21日 (水) 12時43分

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