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2010年6月

そして日曜日

6月20日(日)

午前中は夫婦でお散歩。堤 真一ファンの妻が観たがっていた『孤高のメス』が府中でもやっているということなので,自宅からどのくらい歩けるかやってみることにした。旧甲州街道に沿って,西へ西へ。途中,東府中でお茶休憩を入れ,1時間半かからずに,それほど疲れることなく府中まで到着。前日の整体がきいているのかもしれません。映画館の入っているビルの中で蕎麦の昼食を食べ,お店をぶらぶらする余裕すらありました。

府中TOHOシネマズ 『孤高のメス
フィクションではありますが,日本で初めての脳死肝移植が地方の病院で行われたという設定の医療ドラマ。その孤高のメスを持った医者を演じるのは堤 真一だが,映画のなかでの中心人物は夏川結衣演じる看護師。産休を終えて復帰していきなり外科の担当になり,手術の毎日。地方の市民病院でやる気のない医師たちの下で疲れ果てているが,そこに現れるのが外国帰りの堤 真一。患者想いで,難しい手術でも決して諦めず,冷静で的確な手術を目の当たりにし,主人公は一気に仕事にやりがいを見出す。
一方で近くの大学病院から派遣された医師たちのグループがいて,堤 真一と対立する。その医師を演じるのが生瀬勝久。いかにもですね。他にも配役がいいですね。そして,何よりもこの作品のいいところでもアリ,イマイチなところでもあるのが,結局危機的なことは起こらないこと。こうしたフィクショナルなドラマにおける医療行為というのはつねに危機的なことを鑑賞者に予想させるが,堤演じる医師による手術はどれも成功するし,日本発の脳死肝移植についても医師免許剥奪など,ドラマティックなことは起こらない。撮影の方法も一昔の映画っぽい古臭い雰囲気があり,出演者の豪華さ意外はいたって地味な作品である。その出演者だって,演技や存在感において豪華なのであって,そのタレント性において豪華なわけではない。でも,手術のシーンで使用される内蔵の模型はかなり精巧に作られていて,その辺りで幻滅することはない。そういった意味でも非常に安心して観ることのできる秀作である。

さて,映画の後は前日に続いて,妻のボディ・メンテナンス。こちらの助産師さんに紹介された人で,気功などで妊婦の心身をともにケアをするという女性の自宅にお邪魔した。お腹のなかの赤ちゃんの気持ちを代弁します,のような多少怪しげなものも含まれるが,呼吸の仕方,頭の先からつま先まで,自分の身体に意識的になることなど,学ぶことも多かった。

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土日も映画、ボディ・メンテナンス

6月19日(土)

講義後、急いで新宿へ。1作目は観ていないけど、グウィネス・パルトロウとスカーレット・ヨハンソンの共演、悪役がミッキー・ロークということを含めてかなり話題になっていたので観ることにした。新宿だとバルト9やピカデリーでもやっていたが、こぞって映画館が潰れてしまった歌舞伎町で頑張っているミラノ座でやっているということで、観に行くことにした。でも、時間的に余裕がないので、妻に昼食をテイクアウトしてもらって、映画館で待ち合わせることに。久し振りのモス・バーガー。噂の食べるラー油を使った商品を食べてみたが、それほどの目新しいところはない。

新宿ミラノ 『アイアンマン2
さて、映画ですが、試写会で『インクレディブル・ハルク』を観た時にさんざん1作目の予告編をやっていたが、結局観なかった。アメリカンコミックものを続けて観る気にはならない。でも、今回はスカーレット・ヨハンソンが新たに出演し、『ルパン三世』の峰 不二子ばりの黒いボディコンスーツでのアクションシーンがあるというので、観ないわけにはいかない。ロバート・ダウニー・Jr.が主演で、自らがアイアンマンだと名乗り出たところから2作目が始まるというのは、『ゼブラーマン』と似ていなくもない。まあ、ストーリーを説明するほどのこともないが、久し振りにスクリーンで観るグウィネスちゃんは、やはりキレイだ。そして,期待のスカーレットちゃんのボディコン姿,うーんたまりませんな。しかし,意外に出番は少ない。あくまでも悪役ミッキー・ロークとロバートとの戦いがメイン。あ,もう一着のアイアンマンスーツを着るドン・チードルもいましたね。しかし,結局アイアンマンになってしまうと,演技ではなく特撮なので面白くはない。一昔前のCGや特撮は多少の欠陥があって,人間味があったけど,最近のはあまりにリアルすぎて面白みに欠ける。まあ,でも期待した程度には楽しめる作品でした。

さて,この日は助産院さんの助言に従って,そして助産師さんの紹介してくれたお店で,妻がマタニティ・ボディケアということで,針とお灸,そしてオイルマッサージというのを体験する。どれも代謝を良くするのが目的。その助産師さんの薦めるところは個人でやっている人が多いが,ここはスタッフも多く,ベッドもいくつかあるところ。妻がやっている間,私は暇なので,私も整体をしてもらうことにした。初体験。30歳を前にした頃,ろくに準備体操もせずに野球の試合をした後,随分腰を悪くしたことがあり,それから長時間立っていたり,長時間椅子に座っていたりすると腰にくるようになった。その後,ラジオ体操程度のストレッチ運動を毎晩・毎朝するようになり,足腰を鍛えるためにジョギングも始め,腰の痛みは和らぐようになったが,そもそも背骨が曲がっていないかどうか,整体師さんに診てもらう機会があればなあと思っていたのだ。
で,私たちが来たのが千歳船橋のヒーリングゆうというお店。まあ,マタニティケアもする,女性スタッフ中心のこのお店はバキバキとやるような整体ではなくソフトな感じ。といっても,小柄な女性とは思えないしっかりとした指使いで私の体をほぐしてくれました。いたって健康だと思っていたが,「胃が少し弱っています」とか,「全体的にお疲れのようですね」などといわれてしまう。ともかく,気持ちのよい初体験だった。

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映画漬けの週末

6月18日(金)

最近は観たい映画が集中している。ちょうどこの日は夜に渋谷でライヴがあるので、講義後、渋谷で映画を2本観ることにした。といっても、基本的に妻も観たい作品は夫婦で観ることにしているので、今回はそうでないもの、ということで時間的にもちょうどよかったのが、ユーロスペースでの2本。

渋谷ユーロスペース 『ケンタとジュンとカヨちゃんの国
孤児院で育った松田翔太演じるケンタと高良健吾演じるジュン。新井浩文演じる男が仕切っている解体屋で、日々ビルの撤去作業をしている。ジュンは高良君が演じていることからも美形で、育ちは良くないが、仕事や女関係でうまく立ち回っている一方で、同じ孤児院で育ち犯罪を犯して刑務所に入っている兄を持つケンタはいつもどこか煮えきらず、職場の親分からいびられたり給料をちょろまかされたりしている。そんなケンタは職場を荒らし、親分の車をボコボコニして逃げ出す計画を立て、ジュンとともに職場のトラックで夜逃げする。その数日前にジュンが軟派した女もなぜかトラックに同乗する。その女を演じるのが安藤サクラ。ブスでバカでワキガという役どころを自然に演じることのできる女優は彼女以外になかなかいないかもしれない。
解体屋の社員に柄本 明、ケンタの孤児院仲間に柄本 佑と親子で出演している。ケンタの兄を演じるのは宮﨑あおいの実兄である宮﨑 将。幼児誘拐の執行猶予中に傷害を起こし、網走刑務所在住。ケンタはジュンと2人で網走まで行く道中を描くロードムーヴィである。カヨちゃんは途中のパーキングエリアで置いてけぼりをくらうが、男に媚びながらのヒッチハイクでなんと、青函連絡船で合流する。まあ、結局最後まで八方塞のケンタの人生を描く物語。なかなか評価は難しいですが、主演の2人は頑張っています。

渋谷ユーロスペース 『BOX 袴田事件 命とは
引き続いて新井浩文が出演している映画。市原隼人君と高良健吾君が出ている『BOX』とは違います。こちらはいたって真面目な裁判映画。実際に起こっていまだ解決していない事件を描きます。1966年に起きた一家4人を殺害した殺人事件。新井浩文演じるのは被害者が経営する味噌工場の工員。映画のなかでは明らかに冤罪として描かれ、石橋 稜率いる刑事たちによる連日10時間以上に及ぶ取調べの挙句、得られた自供が主たる証拠として一審で死刑判決を下される。その時の担当裁判官を演じるのが萩原聖人。この事件を担当した他の2人の裁判官は早稲田大学出身で妙な結託があり、この事件も裁くのではなく、簡単に捌こうとしている。しかし、萩原演じる裁判官は事件に係わるさまざまな矛盾に気づき、有罪判決にならないような努力をするが、かなわない。結局、この事件をきっかけに辞任。その後もフリーでこの事件について調べ、さまざまな根拠を、袴田被告の新しい弁護士宛に送付し続ける。映画の描き方では冤罪は明白だが、判決は覆らない。最高裁への上告も棄却されたが、刑の執行はまだなされず、共に73歳になった袴田とこの元裁判官はいまだ無実の獲得に向けて奮闘中だという。
もし、この映画の表現が正しいとしたら、あまりにも理不尽だし、裁判のあり方が当時だけでなく、現在でも公正とはいえないと思う。しかし、あくまでもこの映画は被告寄りに作られていて、解決していない事件を取り上げるには少し疑問を持たなくもない。それとも、こういう描き方をしていながら、実は事件はもう解決していると考えているのだろうか。また、冒頭の時代背景の描き方はいかにも教育映画的な陳腐な作りであったことは否めない。むしろ、実在の事件を基礎にしながらも、思い切って脚色してフィクションとして描いた方が良かったようにも思う。しかし、少なくともこの事件について名前くらいしか知らなかった私のような鑑賞者に考える素材を提供した意義は大きいと思う。

渋谷duo music exchange Rie fu
ユーロスペースから歩いてすぐのところのライヴハウス。開場から開演まで1時間あったが、開場時間前にすでにかなりの客が集まっている。その客層もまちまち。これまでRie fuはインストアとイヴェントライヴしか観ていないので、こんなに人気があるとは知らなかった。やはり単独ライヴに足を運ばないとどんなファンが多いかは分からない。私は整理番号B20だったが、なんとAチケットで240名。客席は150席というから、いくら遅れてくる客が多いとしても立ち見必至だ。しかし、幸い最前列の一番右、わずか2席だけが空いていて、私は右から2番目に座る。ちなみに、一番右に座った人は、「これで心置きなく録音ができます」と誰かにメールを送っていた。
4枚目のアルバムから1年足らずで発売された5枚目のアルバム。最近は井上陽水のツアーでコーラスとして参加していたRie fuだから、今回のアルバムには井上陽水の娘や孫娘もコーラスとして参加していて話題になった。ミュージシャンとも交流の広いリリー・フランキーもコーラスとして参加していて、この日のライヴにもゲスト出演が予定されている。ゲストの多い今回のレコ発ライヴだが、セットリストは事前のファン投票による上位で決定されたらしい。冒頭、ステージに登場したRie fuはステージ上に置いてあるキャンパスに即興で絵を描き始める。梅雨時ということで、雨をモチーフにした抽象画。梅雨にちなんだカヴァー曲ということで、カーペンターズの「Rainy Days And Monday」も歌いました。普通、雨の日だったら「足元の悪い中」とでもいうのに、「いいですねえ」というのが彼女らしい。といっても、いままで、彼女の人間的性質などよく知らなかったが、かなりおっとりしている人らしい。前半は一人で弾き語り。ステージが狭いので電子ピアノ。やはりピアノもギターもそれなりに上手い。途中からゲストコーナーということで、まずはヴァイオリニストの佐藤帆乃佳ちゃんの登場。普段、alutoというデュオで活動している彼女だが、Rie fuなども参加したソロアルバムを発売したらしい。そして次のゲストはLEO今井。この男性はよく知らないが、ともかく新譜でのデュエット曲を、今井氏がキーボード、Rie fuがギターで演奏。続いてのゲストはコーラス隊が2人。我那覇美奈さんとマユミックスこと藤田真由美さん。ここでバンドメンバーも登場します。ベースがなんと鹿島達也さん。朝日美穂さんの初期のCDで活躍している鹿島さんですが、名前の演奏を聴いたことは何度かしかなく、見た目の自信はなかったけど、やはりそのプレイは他にいない。そして、ドラムスもすごい。誰だろうな、と思って紹介されるのを待つと、楠 均さんだった。髪の毛が伸びて分かりにくいけど、確かに楠さんだ。こちらも朝日美穂さんのバンドで登場する。なかなかいいリズム隊。もう一人、ギターの若い人がいたけど、こちらも控えめでなかなかいい。鹿島さんがバンマスってことで、ちょっとヴォリューム大きめだけど、良しとしましょう。彼女の演奏をバンドで聴くのは初めてだったが、このコーラス隊を入れた曲はアップテンポなので、とてもよかった。そうそう、Rie fuにはこの手の曲も多いんだけど、どうしてもソロだと演奏する曲が限られてしまうのだ。そういう意味では、ファン投票であると共に、どんな曲でも対応できるバンドスタイルということで、かなり貴重なライヴになった。そして、最後の最後でリリー・フランキーの登場。彼が参加する曲にはもう一人スチャダラパーのボーズさんが登場。リリーさんはさんざん待たされて1曲だけなんて許せない、といってトークで粘ります。くだらない話をだらだらと、賞味30分くらいでしょうか。でも、まあそれなりに面白かったけどね。それにしても、彼がまだ46歳とは知らなかった。
なかなかいいライヴでした。

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今年の誕生日

今年も私の誕生日まで約一ヶ月となりました。私も今年で40歳になります。私が1970年生まれで、妻が1980年生まれ、そして10月末に生まれてくる子どもは2010年生まれ。分かりやすくていいでしょ。
そして、ここ数年の誕生日といえば、私企画によるライヴイヴェントを開催しています。このblogのタイトル「geopolitical critique」を主催者名として「東京生音生活」というイヴェント名で、過去3回開催してきました。その詳細はこのblogでも詳細を記録しています。

第1回
2007年7月26日
下北沢mona records
第2回
2008年7月26日
外苑前Z・imagine
第3回
2009年7月26日
谷中ボッサ

ということで、今年は第4回目となります。今年は40歳ということで、下北沢の440をお借りして盛大に行う予定が、440って思っている以上に人気なんですね。4ヶ月前では平日でも駄目でした。想定していた出演者も都合がつかず、思い切って方向転換。新宿のはずれの地下にあるライヴハウスでしっとりと行うことになりました。ということで、以下詳細。

日付:2010年7月26日(月)
会場:新宿sact!
時間:開場19:00,開演19:30
料金:予約2,000円,当日2,500円(1ドリンク別途)
出演:佐奈枝achordion
予約:会場ホームページ、またはこちらまで。

まずは会場の紹介から。新宿sact!さんは最近はあまり行っていませんが、以前は行く機会がそれなりにありました。ちょっとステージは狭いですが、客席が2段になっていて、ちょっと面白い清潔な空間です。このお店の特に印象的なのはお酒とおつまみ。ビールは美味しく、ワインは安い(量は少なめだけどまずくはない)。そして、安いおつまみたち。ピザトーストや冷や奴、キムチなど。「ネオ・ライヴハウス」と銘打っているだけあって、なかなか面白いお店。

続いては出演者の紹介。まずは佐奈枝さん。出会いは昨年。casaのライヴに遊びにきていた彼女は私が座った位置からよく見える椅子に座っていて、昼間のライヴだったにもかかわらず、一人で美味しそうにビールを呑んでいた。帰りにcasaの美宏君とお話をしているところに佐奈枝さん登場。佐奈枝さんがcasaのCDを買うというので、美宏君が場を去った時に、なんとなく話をする。その時に彼女もシンガーだということを知り、美宏君もお薦めということで、気にはかけていたのだが、その後いろんな場所でお会いするようになり、ついに渋谷cabotteでのcasaとの共演ライヴで彼女の歌声を聴くことになる。弾き語りを始めて数年というギターの腕前は決して抜群ではないが、一音一音奏で、ひっそりと低音で歌う彼女のスタイルには惹かれるものがあった。
基本的に自分や近くにいる人の体験から成り立っている歌詞も、「友だち前」や「君はライヤー」などとちょっと変わったフレーズが多く、言葉遣いも面白い。歌の世界は彼女の実年齢とは似合わず、やさぐれた都会の夜の女的な雰囲気だが、本人はいたって人当たりが良い。でも、それは決してギャップではなく、彼女そのままの人柄の表明のように感じている。知り合ってからの期間も短いし、歌声を聴いた回数も多くはないが、親しみを感じていて、今回お願いすることとなりました。

もう一組はachordionという男女2人のユニット。以前はtico moonらと同じ333discsに所属し、広島在住だったものの、そのレコード会社のイヴェントなどで何度か聴いたことがあった。その後、2人が上京した頃、こちらもcasaのライヴで2人を見かけ、声を掛ける。achordionの2人とcasaはもともと知り合いだったわけではないが、両方のサポートをしている菅沼さんを経由して出会ったのが、その時のライヴで、そこに私も居合わせたのだ。そういえば、casaの夕紀子さんが初めてshima & shikou DUOのライヴを聴きにきた時にも私は居合わせている。
さて、achordionはギターの木村恵太郎君と、ヴォーカルの満田智子さんの2人組。いつもひっそりとした2人で面白い。しかし、木村君のギターは飛び切りで、また満田さんのヴォーカルも大胆でゴムのように伸びやか。こちらも、演奏している間の大胆さとしていない時の謙虚さとの間にギャップがあるのだが、そのどちらもかれららしいと思える。とにかく、どんな時でも素のままでいるというのがachordionなのでしょう。

そんな感じで、意識的にこの2組を組み合わせた訳ではなかったのですが、私の無意識が反映したように、非常にコンセプトのある企画イヴェントになりそうな予感がします。平日の夜をしっぽりと新宿の雑踏のはずれで、静かに私の誕生日を祝ってください。

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絵画における真理

ジャック・デリダ著,高橋允昭・阿部宏慈訳 1997, 1998. 『絵画における真理 上・下』法政大学出版局,314+384p.,3570+4200円.

デリダの著作を読むのは私のライフワークの一つ。というのはとても大袈裟である。読むといっても,日本語訳だし,彼はもう死んでいるので,これ以上著作も新しく生まれてこない。それでも,彼の本を1冊買うのは金銭的にも大きな勇気であり,日本語でも1冊読むのは私にとって大仕事である。デリダの著書の翻訳は一時期止まっていたように思う。それが,多分,東 浩紀の『存在論敵,郵便的――ジャック・デリダについて』(新潮社,1998)をきっかけに,翻訳化が進み,主著のほとんどが日本語で読めるようになった。本書も原著は1978年に出版されたものだ。
私がデリダを初めて読んだのは『エクリチュールと差異』だったが,正直さっぱり分からずに,彼の文章が地理学研究に役に立つなんて思っていなかったし,もう他の著作を読もうとは思わなかった。それが,たまたま『グラマトロジーについて』を読んで,それが私の研究テーマの一つである「場所の言語的構築」に深く関わることになり,1997年の英文論文に引用することとなった。その後,その続編である,2004年の『地理科学』論文では,デリダの隠喩論を使い,現在進行中のオースター研究ではデリダの翻訳論と『尖筆とエクリチュール』を,今後展開したいと考えている場所論ではデリダのコーラ論を利用する予定。今回も先日学会で発表し,現在執筆中の写真研究のなかで,本書がちょこっと使えそうだ。
本書は,タイトルによれば絵画論。しかし,上巻を読み進めると,『亡者の記憶』の時のような,明らかな絵画論ではない。それは美学論である。ヘーゲルの『美学に関する講義』およびカントの『判断力批判』がその主たる検討対象であり,時折ハイデガーの『芸術作品の根源』にも言及する。「パレルゴン」と題された章では,「エルゴン=作品」の「パル=外」について語る。つまり,絵画論といいながら,その中心である絵画作品自体について語るのではなく,その外部,その縁辺,それ以前について語るのだ。具体的には「額縁」についての議論があるが,もちろんそれ以外の「外部」についても。そして,この「パレルゴン」のなかに,「巨大なるもの」という節があり,ここでカントの崇高論の検討がある。私が最近関心を持っている崇高論。でも,意外にもデリダらしくなく,カントの議論を逸脱して斬新な解釈はなし。ということは,思ったよりも崇高という概念にはそれほどの深みはないということか。
下巻は2つの文章からなる。そのタイトルは,「カルトゥーシュ」および「返却〔もろもろの復元〕,ポワンチュールにおける真理の」というもので,相変わらず目次だけ見ても何が書いているかすら分からない。それでも読んでしまうところがデリダというブランド。前半の「カルトゥーシュ」はポンピドゥー・センターで1978年に開催されたジェラール・ティテュス=カルメルの展覧会「ポケットサイズのトリンギット族の棺桶とそれに続く61の最初のデッサン」の際に書かれたもの。もちろん,デリダの文章にこの作品の詳細が分かるような説明はないのだが,そこに掲載された作品の写真から,棺桶のミニチュアが実際に作られているということ,そして127に及ぶ棺桶のデッサンも作品に含まれていることが分かる。作品のデッサンは12しか掲載されていないが,さまざまな画材で,さまざまなタッチで描かれており,それらには全て日付がつけられている。それらは全て1975年のものだが,それと呼応するように,デリダの断章には1977年11月30日から1978年1月12日までの日付がつけられている。その日付の意味するところは分からない。そして,その文章の内容は極めて作品と関連するものでありながら,それは深すぎて,ある意味では作品から高く逸脱している。まあ,それがデリダらしいのだが。ただし,このカルメルの作品の抽象度と具体性とのバランス具合がデリダの文章と対応しているので,デリダの文章がほとんど理解できないにしても,その読書体験はある意味でとても楽しいものではある。
続く文章は,有名なゴッホによる農夫の靴の連作である。しかし,デリダが直接ゴッホの作品について論じるのではなく,その作品について言及しているハイデガーの『芸術作品の根源』と,ハイデガーに対して批判をしたシャピロという人物の文章とを巡っている。端的にいうと,ゴッホの絵は「古い編み上げ靴」や「短靴」とタイトルがつけられているのだけなのだが,ハイデガーがそれを農夫の靴だと断定し,そこに素朴な農村性を読み取っているのに対し,シャピロはそれは決して農夫の靴ではなく,都会人であったゴッホ自身の靴であるというのだ。それらに対するデリダの意見はこれまた複雑すぎて意味不明なのだが,ある意味ではそんなことはどうでもいいし,ある意味ではそれは単なる所有の問題を超えて根本的な哲学的問題へと飛躍する。そもそも,そこで描かれている2つの物体は本当に対として一人の人間が履く一足の靴なのだろうか,という根本的な問いを立ててみたり。個人的にはデリダがそれについて明白な解説を加えているのではないのだが,マグリットがゴッホの靴の絵をパロディー化した作品など,さまざまな他の絵画作品が掲載されていて面白い。そういえば,「カルトゥーシュ」の最後にも,カルメルによる他の作品が掲載されていた。
ともかく,毎回デリダの翻訳書を読むと,本当に訳者の労力には感服する。

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歩く、歩く

6月12日(土)

講義後、帰宅して家でランチ。転院前の最後の検診を終えた妻からいろいろ報告を受ける。そう、妻は助産院で出産することになりましたが、これまで通っていた病院から、その助産院と提携している病院へと転院することになったのです。

世田谷美術館 フェリックス・ティオリエ写真展
以前の日記にも書きましたが、開催前に訪れてしまった写真展を再び訪れる。写真家として全く名前の知らない人でしたが、それもそのはず。ティオリエ(1842-1914)は生前にも写真を用いた著書を発表してはいるが、写真家として名を成した人物ではない。たまたま、彼が大量に撮影した作品が1980年代になって、子孫の手で発見されたのだという。
この写真展は「いまよみがえる19世紀末ピクトリアリズムの写真家」と題されたが、この写真がまだ一般に普及していない時代の作品にしては、私たちの馴染みのある画像がさまざまな分野でひとしきり揃っている印象を受ける。人物の肖像写真に風景写真。風景写真もパリの都市風景から、農村の風景、自然の風景、工場などの産業風景。自らの家族を撮影した家族写真も多く残されている。写真の利用法や、フレーミングの技術など、一般的な手法が定まっていないと思われるこの時代において、こんなにも違和感ない作品たちが撮影されたというのは驚きである。

助産師さんに、1日3時間歩くことを妻が勧められたので、用賀駅から世田谷美術館までは当然徒歩だが、世田谷美術館から今度は小田急線の千歳船橋駅を目指して環状8号線を北上する。途中でめげそうになったが、小田急線の線路が見えたところでQUEEN'S ISETANがあったので、そのなかにある無印良品のカフェで一休み。私は前日も有楽町店でランチをしたので、2日連続。前日はコーヒーだったので、この日はチャイ。チャイはいまいちだった。千歳船橋の駅に向かう途中で、千歳烏山駅行きのバスとすれ違ったので、小田急線には乗らず、バスで千歳烏山まで。帰ってぐったりの2人だった。

6月13日(日)

この日は午前中夫婦でお散歩。私のジョギングコースを歩いてみる。約4kmのコースで走ると20分程度。歩くといろんな発見があり、道端の花や、梅の実、家庭菜園の野菜などを見ながらゆっくり。多摩川に着くころには大分疲れてしまい、帰宅したのは1時間後。走る方が楽かもしれない。

お昼前に家を出て、後楽園へ。以前から後楽園のラクーアというショッピングセンターでフリーライヴがあるのは知っていたが、TOPSさんからfonogenico改め、カルネイロという名前で活動を始めた高山奈帆子さんのライヴがあるというので行くことにしたのだ。カルネイロ名義で発売されたCDも購入したいし。
久し振りに降りる水道橋駅で、そういえばここはJRAがあっておじさんいっぱいだということを思い出す。しかも、この日はなんと東京ドームで東方神起の3人による新ユニットのコンサートがあるというので、すごいことになっていました。そして、私たちの目指すラクーアのステージには男たちの群れ。そう、われわれは日付を間違えていたのです。カルネイロのライヴは前日の土曜日。この日はアイドリングというアイドルグループのコンサートだったんですね。
まあ、こんなこともありますよ。ということで気を取り直して、観る予定の映画を1本早めることにして、丸ノ内線後楽園駅のビルに入っているカレーの王様を(私は初めて)食べ、銀座へ向かう。

銀座シネスイッチ 『トロッコ
芥川龍之介原作を現代を舞台にして描いた映画。『萌の孔雀』で見出され、その後女優の道を進んでいる尾野真千子出演作。東京に住む彼女は台湾人の男性と結婚し、2人の男の子を生み、育てているが、夫は亡くなってしまう。夫の遺骨を持って、初めて訪れる夫の生まれ育った町。途中、夫の弟夫妻の車に乗せてもらって夫の両親が住む小さな村の家へ。そこに住む年老いた父親はかつて日本の統治時代に日本人としての教育を受け、日本軍の兵士としても従事した人物。
一方、尾野真千子演じる夕実子は2人の息子に多少手を焼いている。二男の凱(とき、6歳)は素直で母親にもなついているが、長男の敦(あつし、8歳)はそんな弟の存在から、素直に母親に甘えられず、どこか憤りを感じていて、その矛先も分からない様子。「トロッコ」というのは鉄道の線路の上に乗せて手押し車のこと。この村では日本の統治時代、林業が盛んで、伐採した木材を鉄道で(?)運搬していたとのこと。この祖父の言葉には、「靖国の鳥居も、明治神宮の鳥居も台湾の檜でできておるんじゃ」というのがあった。そんなこの村の山も、散々伐採された後は荒れていて、そこで森の再生をほそぼそと目指しているじいさんと、そのじいさんに育てられた若い男性がいる。そんな人たちとの出会いを通して、敦は自らのアイデンティティ、そして家族のことを考えていく、そんな映画。
正直いうと、内容の割に上映時間が長く、睡魔に襲われることもあった。でも、個人的にはいろんな要素が含まれていて、子役の演技も素晴らしいし、いい作品だと思う。同じくシネスイッチで上映されていた『オーケストラ』よりも全然観るべき作品。

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一人行動の金曜日

6月11日(金)

講義を終えて、大学図書館で文献をいくつかコピーして時間をつぶし、有楽町へ移動。無印良品のカフェで一人ランチと先週提出してもらった小レポートを採点。今回はなかなかいいレポートが多かったが、私が講義中に話している内容を反映しているようなものはほとんどない。あまり理解できていないのか、あるいはそう簡単に感化されはしないのか、まあどちらにせよ、ちょっとさみしいところはある。

日比谷シャンテ 『ローラー・ガールズ・ダイヤリー
この日の映画は、『ハードキャンディ』でその演技と存在感に圧倒され、その後『ジュノ』で一般的にも認知されるようになった女優、エレン・ペイジの主演最新作。日本ではまだまだ監督のドリュー・バリモアの方が認知度は高いと思うが、本作の宣伝は監督よりも主演女優の方が目立っていたように思う。ストーリーはさほど複雑ではなく、予告編でもその概要は理解できる、比較的単純なもの。
母親の意向によって、住んでいる片田舎の美女コンテストに出場を続ける主人公。ふと訪れた都市オースティンで出会った、女性によるローラースケート格闘技(?)。フットボール好きの父親をだまし、親友と2人でフットボールの試合を観に行くと嘘をついてそのローラーゲームのショーを観に行く。エレン・ペイジのこの時の表情からはさほど衝撃を受けたようには思えないが、出場者の一人に感激の言葉をかけたところ、次の練習&新人オーディションがいついつあるから遊びにおいでと声をかけられる。片田舎での美女コンテストや退屈な高校生活、親友と一緒にやっている豚肉レストランでのバイト、そんな退屈な生活から抜け出すべく、彼女はその練習場を訪れる。監督に滑走の速さを見込まれ、チームに入る。そのチームが連戦連敗のドリュー・バリモア自身も所属しているチーム。一方で、最強チームの花形選手を演じるのは、なんとジュリエット・ルイス。このローラーゲームはアイススケートのショートサーキットよりももっと短い、室内に収まる程度の円形のコースで、1チーム5人ずつが滑る。点数が入るのは花形選手の1名の滑りにかかっていて、他の4人はその一人が滑りやすいように空いてチームの邪魔をしたり、サポートしたりする。もちろん、フットボールのように、体を使った攻防。その選手たちは女性といえども筋肉隆々で、日焼けしていたり、全身にタトゥーを入れていたり。
そんななかで、自分らしさを手に入れるために、主人公が格闘するストーリー。そんななかで、恋をしたり、家族との亀裂ができたり、親友と喧嘩したり。ともかく、どんなシーンでもこのエレン・ペイジの演技が見逃せません。17歳を演じるエレンに対して、36歳と実年齢で勝負するジュリエット・ルイスの姿も勇ましい。ドリュー自身の役どころは場の盛り上げ役だけど、全体的に女性のパワーを感じさせる作品。スキッとします。

夜は中野でライヴの予定なので、この時間を献血に費やす。平日だというのに有楽町の献血ルームは混んでいます。検査までは待たされたものの、検査後、採血までは早かったし、今回は3サイクルだったので、予定通りの時刻に終了。せっかくなので、献血ルーム内でレポート採点を続ける。
そして、銀座駅から丸ノ内線で中野坂上へ。中野坂上と新中野駅の中間に目的地はあった。甲州街道を歩きながら手軽に食べられる夕食を求めたが、諦めて目的地へ。

中野坂上'olu 'olu achordion
なにやら、achordionの2人が普段から着ている衣装を提供しているブティックが10周年記念だということで、店内でフリーライヴがあった。思っていたより店内は広く、男性ものは少なかったが(achordionの木村君は小さくて細いので、女性ものを着ているそう)、子ども服もあり、改めて夫婦で訪れたい素敵なお店だった。店内には常連さん&子ども連れが多く、とても賑わっている。しかも、ドリンクとフードが無料で提供されているのだ。まあ、お店的には普段のご愛好に感謝して、ということなのだろうが、演奏を目当てにきた私はちょっと申し訳なく、ワンドリンク+ワンプレートで遠慮したが、事前に食べなくてよかった、と助かる。
演奏もアットホームな感じで、子どもたちが最前列を確保しながら、おとなしく聴いている。ライヴは意外に長く、CD化されているオリジナル曲やマイケル・ジャクソンなどのカヴァー曲。CD化されていないオリジナル曲もあり、たっぷり1時間にアンコールまで。もちろん、演奏しているなか、歓談にいそしむ人がいたり、あちこち歩き回る子どもたちもいたが、こういう雰囲気にachordionは合ってますね。私も遠慮して立って聴いていたので、さすがに20時を過ぎてアンコールが始まり、1曲終わってもまだ続きそうだったので、かれらに挨拶することなく、家路を急ぎました。帰宅して、妻が大量に作った餃子を水餃子にしてもらっていただきました。 

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助産院にて初検診

6月6日(日)

この日は先週話を聴きに行って、ここで産むと決めた助産院での初検診。やはり夫婦そろっての訪問です。そして、今週もお昼は蕎麦。先週は深大寺に近いお店でしたが、今回は門前にも構えるお店の支店、その名も「門前そば」。こちらのお店は車でも来れる気軽なお店で、値段も安い。私がいただいたのはミニかき揚げ丼のセット。630円なり。ゴボウではなく、玉ねぎ中心のかき揚げでしたが、玉ねぎが甘くて美味しかった。
今回は時間に余裕をみすぎてしまい、なんとか時間を潰しても10分前に到着。でも、私たちの前に患者さんはいなかったので、早速検診開始。丁寧に、夫婦の体のこと、お互いの両親のこと、などなど細かく質問され、カルテを作成。私の妻はちょっと肥満気味なので、これから胎児がお腹の中で育っていって、最終的には3kgほどになり、その他にも胎盤とか羊水とかで、5kg以上のものを抱えることになるとは思うが、助産師さんの言葉「じゃあ、最終的に妊娠前より-5kgを目指しましょう」とのこと。私と付き合い始めて2年ちょっと、何度とダイエットを試みてきたものの、-2kgを達成したことはなかったのに、いけるのだろうか?しかも、「このまま太ってしまうようでしたら、助産院では産めません」との厳しい言葉。代謝のこと、体温のこと、呼吸のこと、精神的なこと、さまざまな対策を教授されます。実践的なことでやったことは、ひとつ目がお灸。手軽な「せんねん灸」を使って、足首近くにある三陰交(さんいんこう)というツボを刺激します。モグサの香り、いいなあ。そして、先日買ってきた「さらし」を巻く練習。妊婦のおなかを支えるショーツやその他の商品が多数出ていますが、これからの季節はさらしが一番いいとのこと。33cmの幅を2つ折りし、4m以上をクルクルとお腹に巻き付けます。寝た状態で巻き、立つと重力によって、しっくりとくる仕組み。そして、最後はハンディーな道具を使って、胎児の心音を聴きます。病院でやるエコーは映像と心音と両方捕えますが、これは心音専用。小さくてもしっかりとした音が聞こえます。胎児の心拍はとても激しい。
2時間の予定がなんだかんだで3時間弱、その間私たちは持参した麦茶を飲んでいたが、助産師さんは全く水分を取らず、しかもしゃべりっぱなし。いやあ、やはりプロですね。人の信頼を得るというのは並大抵の努力ではできません。ということで、妻は毎日3時間のウォーキングを命じられ、安産への体づくりの毎日が始まりました。

助産師さんの言葉で「妊娠中は女性が生まれ変わる。過去の全てを振り返る時期で、感性が鋭くなるから、映画とか好きなことをいろいろ吸収して」というのがあったが、この日は先週に続いて夫婦でライヴ。cabotteに行くときはよく寄る、スープ春雨のお店「七宝麻辣」で急いで食べる。

渋谷cabotte 佐奈枝
この日のライヴは佐奈枝ちゃん。対バンは関 美彦さんだったけど、帰りが遅くなるので佐奈枝ちゃんのステージだけで帰ることにしてしまった。40分ほどのステージで8曲。目をつぶって、歌詞は自動的に口から出てくる感じの歌いかた。ギターの一音一音を、言葉の一つ一つを大事に歌う。新曲とかカヴァー曲とか、最近ライヴの多い佐奈枝ちゃん。かなりいい感じになってきていますね。10月には単独ライヴもあるようですよ。1週間前は高熱を出す風邪をひいた彼女でしたが、なかなかのステージでした。今年の私の誕生日企画イヴェントライヴに出演してもらう予定。その詳細は近日発表です(各アーティストとライヴハウスではすでに告知されていますが)。

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3ヶ月ぶり散髪

6月4日(金)

この日は美容室を予約した。午前中の講義を終え、有楽町で観たい映画を観て、自宅近くの美容室に行く予定を立てたが、ちょっと私の都合のよい時間では美容師さんが都合悪いというので、映画を変更。大学近くの名画座で観ることにした。

飯田橋ギンレイホール 『恋するベーカリー
ロードショー上映では結局観なかった、メリル・ストリープ主演作品。彼女ももう相当な歳なのに、衰えることもなく主演映画を立て続けに撮っている。でも、さすがにベッドシーンもあるような恋愛映画はどうかなと思って躊躇している間にロードショーは終わってしまったが、時間的によさそうなのが、これくらいだったので観ることにした。ギンレイホールは2本立て。もう1本は私も観た『500日のサマー』。こちらは若者向けだが、すでに、相当の座席が埋まっている。当然平日の昼間だから年配の人が中心なのだが、さすがに、『恋するベーカリー』の時には半分くらいは埋まっていたのではないだろうか。まあ、こういうところに足繁く通う人は相当の映画ファンということで(年会費を払えば1万円で1年観放題)、私が好きな最前列も埋まっています。私は2列目で鑑賞。
予告編で分かっていたが、パン屋を経営するのがメリル演じる主人公。離婚して10年になるが、3人の子どもを育て、長女は婚約し、長男は大学を卒業、そして次女が大学進学とともに一人暮らしを始める。老後にはまだ早いが、一人で悠々自適の生活を送るために自宅の増築を計画。そんな折、友人の結婚30周年パーティや息子の失業式で再婚した元夫と会う機会が増える。たまたま息子の卒業式のために宿泊したニューヨークのホテルが同じになり、バーで意気投合して飲み明かし、ベッドを共にしてしまう。その一方で、自宅増築のために頻繁に会うことになった建築家とも仲良くなり、さてどうするか、という中年の恋愛劇。さすがにちょっと映像的にどうかなというシーンもあるが、結末などはなかなかありそうでない展開で後味が良い。ちなみに、原題は「It's complicated」というタイトルで、それを活かしてなんとか日本語にしてほしかった。

美容室の予約時間まで余裕があるので、新宿から小田急線で下北沢へ。歩いて池ノ上まで行き、旧bobtailことruinaにて、bobtailオーナー羽場達彦氏のお別れ会に参加する。受付には常連の服部さん、店内にはシンガーの犬塚彩子さん。さすがに平日のこの時間だと人は少ないですが、ご焼香をさせてもらい、冷たいジャスミンティーをいただきながら、羽場さんの写真アルバムを拝見する。私の少し前には大槻ケンジ氏が来ていたようだ。アルバムには大槻氏と羽場さんが2人で写っている写真もあった。

調布に戻って美容室へ。前にも書いたが、ここの美容室は鏡にモニターが組み込んであって、映画を流している。この日はジョン・トラボルタ特集。『ソードフィッシュ』の冒頭だけ観たが、もっとゆっくり観たかった。面白そうだ。さて、髪型の方は、前回久し振りに前髪を少し短くしてもらったということで(妻以外に誰も指摘しなかったが)、3ヶ月も伸ばしっぱなしだったので、すっきり。今月末には台湾旅行を控えているので、短くしてもらって正解。でも、先日ベリーショートにした妻の方がまだ短い。

6月5日(土)

講義の後、急いで水天宮前に移動する。13:30の待ち合わせ時間まで少し余裕があったので、乗り換えの神田駅前のサンマルクカフェで急いでランチ。待ち合わせは妻と私の母。妊娠五ヶ月目の「戌の日」にお参りをするのが風習らしい。まあ、安産祈願といえば水天宮。水天宮は人形町にも近いが、私が20歳の時に亡くなった父が長い間人形町に勤めていたので、ある意味では馴染みのある場所。つい最近も『新参者』というテレビドラマで頻繁にこの辺が出てくるらしく、その辺りを訪れるのも目的。
しかし、地下鉄から地上に出てみると、なんと長蛇の列。水天宮はもともと小さなところだとは知っていたが、まさか入場制限をしているとは。この日はかなり日差しも強かったし、断念してお茶をすることに。お目当てのお店はカフェ・ドルチェ。1階は三原堂という和菓子屋なのだが、ここは洋菓子も扱っていて、それらは2階の喫茶店でいただける。そう、ここのケーキは父親が頻繁に買って帰ってきた思い出の味なのだ。それは30年前のことだから、変わらないメニューというのはショートケーキとチーズケーキだけだったが、私はチーズケーキをいただく。妻と母は新しいロールケーキ。チーズケーキは何一つ変わらない味。他で同じような味には出会ったことがないんだよな。
せっかく、ここまできたので、戌の日を当て込んで、近くのホテルで開催されていたマタニティフェアを覗く。それから地下鉄で三越前に移動して母親のショッピングにつきあう。やっぱりけっこう都会が好きなようです。久し振りにみる楽しそうな顔。新しい靴もゲットしてご満悦でした。最後は3人で夕食。妻は寿司が食べたいといっていたが、めぼしいお店がないので、鰻に変更。まだ時期的には早いかもしれませんが、久し振りの贅沢。

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廃棄の文化誌

ケヴィン・リンチ著,有岡 孝・駒川義隆訳 1994. 『廃棄の文化誌――ゴミと資源のあいだ』工作舎,317p.,3200円.

『都市のイメージ』(1960年)で有名な都市計画研究者,ケヴィン・リンチ。彼の遺稿が本書。1984年に彼が亡くなり,残された原稿をマイケル・サウスワースという同僚が編集して1990年に出版された『Wasting Away』という著作が『廃棄の文化誌』として翻訳された。地理学にとっても,認知や知覚の問題がテーマとして浮上してきた1970年代に,『都市のイメージ』は多く引用され,日本でもかの有名建築家,丹下健三の手によって1968年に翻訳されており,一時期は翻訳本が手に入りにくかったが,2007年に復刊されたくらい,今でも影響力のある著作である。が,私は読んでいない。ちなみに,本書の翻訳タイトル「廃棄の文化誌」はいかにも工作舎らしいタイトルだ。この出版社で唯一翻訳の出ている地理学者はイーフー・トゥアンだが,「landscape of fear」が『恐怖の博物誌』として,「dominance and affection」が『愛と支配の博物誌』として翻訳されている。これらは数あるトゥアンの著作のなかでも,彼の博学が十二分に活かされた素晴らしい作品だと思うが,リンチの著作も多くが建築に関わる出版社から翻訳が出ているのに対し,本書がこのタイトルで工作舎から出版された意味は大きい。
そんなことで,『都市のイメージ』が読まなくてはいけないけど,なかなか読もうとは思わないと思う存在である一方で,本書のことはいつも頭のなかにあった。なので,たまたま古書店で発見して購入し,早速読むことになったのだ。本書のことは私が在籍していた東京都立大学地理学科の人文地理学教授であった(今でもそうですが)杉浦芳夫氏を通して知っていたのだ。多分,当時月刊『地理』の書評担当をしていて,本書を取り上げたのだと記憶している。私とは違って,ほとんどの人は趣味で読んでいる本,ましてや翻訳本を,学術雑誌などでは紹介しないものだが,月刊『地理』ということで,このときばかりはあの杉浦氏もけっこう楽しんでいたように思う。他にもジャズの歴史に関する翻訳本や『サバービアの憂鬱』なんて本も紹介していたな。
さて,前置きが長くなりましたが,本書について書きましょう。本書はさすがに,遺稿ということもあって,きちんと構造化されている印象は薄い。どうしても廃棄にまつわる記述の断片の寄せ集めという印象を免れない。しかし,このテーマで1980年代にまとまった本を書くのは難しいということを踏まえると,書かれている個々の記述は今読んでもまったく色褪せることなく,われわれへの教訓として大きな意義を持っていると思う。リンチの本を読むのは初めてだが,彼がいかにプラグマティストかということを実感する。恐らく,本書を読んだ後に『都市のイメージ』を読めば,読み取る内容も随分異なることだろう。生物体が生命を維持すれば,必ず廃棄物は生じる。しかし,人間の場合はその廃棄の量が時代を追うごとにうなぎのぼりに増えてきて,しかも有害なまま悠久の時を耐え続けるようなものも多く生産してきてしまった。そういうものをこれからどうすべきか,悲観的なのはもちろんだが,その功罪を声高に訴えることよりも,現実的に何が出来るかの案をいくつも提示する。もちろん,廃棄にまつわる問題ばかりを指摘するのではない。廃棄する行為に対する人間の快楽。廃墟に代表されるような,廃棄物を美しいと思う人間の感情。そうした,廃棄物がもつ両面性というか,複雑性の認識も忘れていない。本書を読んで,以前同じ研究会でよく顔を合わせていた社会学者の下村恭広君のことを思い出した。彼はなぜか地理学の研究論文をよく読んでいて,親しみを感じていたのだが,なぜかある時期から日本の廃棄物処理業者の歴史的研究を始めて,イマイチその意図がつかみかねていたのだが,本書を読むとその研究テーマの重要性を理解できる。

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わたしたちの決断

5月30日(日)

この日は夫婦で深大寺へ。といっても、植物園に出かけたわけではなく、近くの助産院を訪ねる。夫婦そろって深大寺に行くのは初めてなので、せっかくだから朝食を軽めにして、お昼に深大寺そばを食べることにする。行ったお店は「多聞」というお店でしたが、けっこう並んでいて、助産院の予約時間にギリギリ。慌ててバスに乗り、移動。
日本の開業助産師というサイトで調べると、調布で開業しているのは一件。そこが、マザリーズ助産院。助産院といっても、助産師さんの自宅で、一人できりもりしている。さて、以前にここで紹介した桜沢エリカさんの自宅出産の記録『贅沢なお産』を読み、われわれ夫婦は病院で産む以外の選択肢を考えるようになった。現在、日本では99%近くが病院での出産というが、1960年頃まではいわゆる「産婆さん」か介助する自宅出産が主流だったという。
まあ、その頃はまだ家族の成員も多く、また乳児死亡率も高いという社会的な環境は今とは違う。でも、お産は病気ではない。癌や虫歯はほっておいてもなくなることはないが、胎児は基本的に医学的な措置をしなくても出てくるように人間の体はできていないとおかしい。ということで、私は自らの研究でも日常生活の実践でも、当たり前のことを疑っていくという性格がゆえに、その病院出産を何も考えずに受け入れるということには抵抗があったのだ。しかし、あくまで出産する当事者は妻である。妻がその気にならないとどうしようもないが、幸い先日の病院での説明で彼女の病院に対する疑問も増してきたようだ。ということで、じゃあ一体助産師さんは何をしてくれるのか。どきどきの対面である。
助産院での出産、あるいは自宅出産におけるリスクはもちろん、なにかあった場合に医師が近くにいないことだ。その万が一の場合に医師を求めてもたらいまわしになるという可能性がある。実際に、ニュースで問題になった、死亡した妊婦は調布市在住だった。しかし、この最大の懸案事項は、この助産師さんの説明で一掃される。そこでは、近くの特定の病院と提携していて、いくつかの段階で病院出産への移行を行う用意があるのだという。おそらく,助産は医療行為ではないので,保険はきかない。最終的な出産にかかる費用は実は病院とは10万円も変わらないのだが,おそらくこれは出産育児一時金の41万円でほぼまかなえるはずだ。ちょっと話は逸れたが,臨月までの母親検診はその提携病院で定期的に受けることになる。実際に助産院に行くのは臨月(出産予定日の1ヶ月前)になってからで,それ以前は2回しかない。基本的には病院での検診の後に,その結果をメールでやりとりするとのこと。もちろん,病院とは違って,相談は24時間対応。臨月までに母親の体調しだいで病院出産に切り替えたり,出産当日に急遽病院出産に変更することもあるらしい。
ともかく,医師のいない場での出産という以外は,実は特別なことはないのだ。でも,ここが一番重要。よく,「安産」というものを母親の体質や,運のようなものだとしがちだが,実は「安産する努力」があるのだということが,この助産師さんとの話のなかで分かった。助産師とは実際に分娩の際に,赤ちゃんを取り出す人のことなのだが,それ以上に妊婦を安産へと導く指導をする人ということらしい。本当に知識が豊富で,ともすると妊娠・出産にまつわる言説は個々の話が食い違っていたりして,どれを信じていいのやらということもあるが,いろんなことを知っている一人の助産師さんを信じて突き進むというのが,助産院出産だと私は理解した。

ということで,私たち夫婦の決断。「妊婦ダイエット」をしながら,安産を目指す禁欲的な日々を過ごすこと。
この先楽しみです。

さて,夜は久し振りに一緒にライヴ。まだ時間があるので,再びバスに乗って,吉祥寺へ。久し振りの吉祥寺。LONLONがatreに生まれ変わり,同じフロアが全く違う店に様変わり。なかなか魅力的なお店がそろっていて随分時間を過ごす。それから成蹊大学方面に移動し,こだわりの珈琲という感じの喫茶店で一休み。帰りに古書店によって,下北沢に移動。

下北沢mona records 扇谷一穂
扇谷さんは画家でもあるが,そんな自らの絵画作品をふんだんにつかったブックレット様式で発売された新譜『たくさんのまばたき』。今回は多くの曲をBE THE VOICEとともに作っていて,非常に良い。さーっと聞き流してしまうのだ。でも,それは内容が薄いのではなく,飽きがこなく,何度でもループできるような不思議な魅力を持ったアルバム。その発売を記念して,青山ブックセンターでも毎月フリーライヴをしている彼女だが,あえて食事つきの「おんがく食堂」にしてみた。
なんと,3年前の自分の誕生日企画ライヴをmona recordsでやったにもかかわらず,改装し,ライヴスペースが3階に移動してから初めて訪れることとなった。といっても,この「おんがく食堂」は2階で開催。ちょうど,5月はそのアルバムに使用された作品をここで展示していて,今回のライヴはそのクロージングということ。achordionの木村君をサポートに従えて,木村君に習ったという扇谷さんもギターを抱えてのステージ。新譜からはもちろんのこと,1stアルバムの『しののめ』,そして2ndカヴァーアルバムの『Canary』からもいい感じで唄います。本人曰く,一度にこれだけ多くの曲を歌ったのは初めてとのことだが,やはり生の扇谷さんが素敵だ。木村君との息もいい感じです。特にトークが面白かった。木村君はachordionのライヴでもほとんどしゃべることはないが,ガールズトークのような2人のやりとりがなんとも。
お店の食事の方はテーブルに大皿で4品。全体的に物足りない感じではあったが,ライヴは2ステージたっぷり。お客さんも10人ちょっとで少し寂しくはあったけど,皆座敷の方に座っていて,こじんまりとしていい雰囲気だった。撮影係で切り絵作家の辻 恵子さんもいらしていて,ちょっと挨拶。mona records店長の行さんも私の顔を覚えていて挨拶。元店員の岡城さんも遊びに来ていて挨拶。やはりライヴはこうして知り合いに会えるのもうれしいんですね。ちょっと忘れていました。木村君ともゆっくりお話できたし,最後に扇谷さんに挨拶。しっかり名前も覚えてくれていました。

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追悼,bobtail羽場達彦

昨日、casaの古賀美宏君からメールをもらった。casaもよく出演していた池ノ上のライヴバー、bobtailのオーナーである羽場達彦さんが5月27日に亡くなったということだ。bobtailに初めて行ったのは6年前。その少し前に好きになった女性シンガーソングライターのariさんがライヴをするというので行くことにしたのだ。
井の頭線はよく使うし、隣駅の下北沢もよく行くけど、各駅停車しか止まらない池ノ上で下車するのは初めてだった。駅を降りて踏切を渡ってすぐの地下にあるbobtail。映画やドラマでしか見たことのない、薄暗いバー。私は既に30歳を過ぎていたが、いわゆる大人しか足を踏み入れないお店に初めて入ったという印象。その時どこに座ったかは覚えていないが、常連の服部さんがいつも座るカウンター席に座りそうになってビクビクした記憶もある。はじめのころは生ビールを飲んでいたが、慣れてくるとストロングボウというサイダーの味を覚え、またこのお店でアイリッシュウィスキーの美味しさも知った。といっても、安いタラモア・デューくらいだったが。そのうち、マスターが元ソムリエということを聞いてからはもっぱら赤ワイン。ワインの量が多いのも大好きだった。そして、マスターは以前、このお店でカレー屋をやっていたという噂もあり、「バーごはん」と題された、鶏肉中心のカレーもよく食べた。
私がこのお店に来た日と出演者を以下にまとめたが、マスターと店名が変わる2008年までの5年間に約50回。私のライヴ通いが度を越してきたのは、恋人と別れてからで、いろんな人をこのお店に連れてきたなあと思いだす(恋愛対象かどうかは別にして)。2年前の誕生日ライヴはこのお店でお願いしたものの、日程の調整がつかず断念。結局、羽場さんとはそれほど親しくはならなかったが、このお店で起きたことの一部を共有し、またこのお店を通じて知ったミュージシャンも数知れず。

ともかく、このお店での思い出は私の人生の大事な宝物になるでしょう。
羽場さん、ありがとうございました。
なお、店名を変えたruinaにて、本日から明日にかけて、お別れ会が催されます。一番下に詳細を転載しました。

2004/4/25 ari/須藤兄弟
2004/5/23 ビューティフルハミングバード/矢舟テツロー
2004/9/12 one tone/ビューティフルハミングバード
2004/12/12 ari/ネコセンシャ
2005/1/22 ビューティフルハミングバード/おおはた雄一
2005/1/29 one tone/マルカート
2005/2/6 uni-birth/ari
2005/3/30 スイモアマイモ/hitme & miggy
2005/5/19 hitme & miggy/みちしたの音楽
2005/5/28 tico moon/小野寺あやの
2005/6/25 ナオリュウ/one tone
2005/9/11 eart/ari
2005/11/13 ari/vivid miggy 3
2006/4/23 ari/関 美彦
2006/4/30 one tone/nilla/kayoko
2006/5/11 hitme & miggy/日野良一
2006/7/7 神谷きよみ/マヨルカ/canappeco
2006/7/16 ありましの/kayoko/misato & shin
2006/7/23 shima & shikou
2006/9/7 shima & shikou/hitme & miggy
2006/9/15 佐藤良成バンド/Quinka, with a Yawn
2006/9/24 マルカート/ari
2006/11/17 中ムラサトコ/鈴木亜紀/ORAN
2006/11/25 eco/one tone
2006/12/2 mue/上原貴之/casa
2006/12/22 dois mapas
2007/1/6 tomi/ari/ううじん
2007/1/8 casa/菩薩ノバ/犬塚彩子
2007/2/8 永山マキ/hitme & miggy
2007/3/22 marasica/ミケとふな虫/ari
2007/4/14 犬塚彩子/casa/加々美淳
2007/4/15 omu-tone
2007/5/18 田村恵美/オオタユキ/ううじん
2007/6/22 新美内閣/BE THE VOICE/misato & shin
2007/8/12 オオタユキ/mount sugar
2007/8/29 hitme & miggy/森 孝人+鈴木 潤
2007/10/7 eart/植田慶介/ナオリュウ
2007/10/13 IRIS/たゆたう/casa
2007/12/24 犬塚彩子/casa
2008/1/6 島﨑智子/omu-tone
2008/3/3 犬塚彩子/蛇腹姉妹/ari
2008/4/14 犬塚彩子/casa姉妹
2008/6/1 casa/内田恒太/ちゃびっつ
2008/9/6 hacomaco/casa
2008/10/17 mue/サワダナオヤ/misato & shin/ううじん
2008/11/9 たゆたう/神谷きよみ
2008/11/14 anmmonite/古賀夕紀子/ミトモタカコ
2008/12/1 Lynn/BE THE VOICE
2008/12/7 omu-tone

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お知らせ

当店オーナー羽場達彦氏が5/27永眠されました

ruinaにて、ご焼香などいただける場所を設けまして、お別れ会をいたします。6月3日(木)12:00~4日(金)18:00(30時間通して行います)

なお、既にご質問を頂いておりますので、以下のことを付記いたします。
1、お花を下さるみなさまへ
羽場さんの好きそうな、さりげなくかわいらしい花を一輪でお願いいたします
2、お越しになる際の服装につい
☆「ボブテイル」または「池の上陽水のライブ」にお越しになる際の服装でお願いいたします。☆お勤め帰り、またはご出勤途中のみなさまは、そのままの服装でお願いいたします。

混雑が予想されます。何度お越しいただいても大丈夫ですので、順次みなさまで場所をお譲り合いくださるよう、どうかお願い申し上げます。下北沢の流れられる場所などご案内いたします。

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最近の土日、ちょっと予定入れすぎ

5月29日(土)

相変わらず喉の調子は悪い。だが、そんなことで大学を休講にはできない。ということで、いかにも退屈そうな(もちろん、寝ている学生も多い)学生を前に精一杯の精力を振り絞って話す。ただし、そんななかでも数人の学生は一生懸命聴いてくれているので、頑張らねば。
講義を終えて一時帰宅。妻が用意してくれた昼食を食べて、妻が通う病院を訪ねる。ぼちぼち、どこで分娩するかを決めなくてはならないが、そこの病院は分娩方法と入院の手順について説明した1枚ペラの紙を渡されただけだったので、より詳細な説明を求めて、助産師さんの部屋を訪ねる。やはり思っていたように、かなり形式的な分娩方法であることが分かる。母体と新生児の健康を第一に考えた万全のシステム。ついでに、新生児室を見学。親族が集まって赤ちゃんを囲んでいる家族が2組。新生児ベッドで眠っている赤ちゃんが1人。その他にも名札の付いたベッドはいくつかある。つまりこの病院だけで、毎日複数人の命が誕生している様子。それらのことで、なんとなく興ざめするわたしたち夫婦。私たちにとっては、この出産は人生の最大イヴェントといってもいいのだが、病院からすれば、赤ちゃん1人の誕生など日常的な出来事にすぎないのか。
待ち時間は全くなく、説明もそれなりに早く終わったので、予定通り渋谷に移動。

渋谷シネセゾン 『パーマネント野ばら
菅野美穂8年振りの主演映画。といっても、私は彼女の主演映画を観たことはないが、『クヒオ大佐』に続いての吉田大八監督作品であり、『女の子ものがたり』など映画化が続いている西原理恵子原作。相手役が江口洋介ってのもどうかと思うが、今回の役どころくらいはちょうどよいのかもしれない。菅野美穂は正直好きな女優ではないのだが、その魅力は理解できる。まあ、強い女の役どころはテレビドラマなどでも彼女の得意とするところだが、本作で何度と見せた消え入りそうな弱々しい表情や、男に甘えてみせる仕草など。本作ではほとんどすっぴんだが、顔も体もきれいです。
漫画が原作ということで、やはり実写化には無理があるような場面もいくつかありましたね。それはそれで、逆に実写だからこそのいい感じの映像も多かったのですが、なんとなく全体的に残るものは少なかったかな。山本浩司君の役どころが面白かった。

渋谷で夫婦で夕食を食べるところに困って、久し振りに大戸屋に入る。以前のような先払いではなく、普通のファミリーレストランのようになっていた。かなり腹いっぱいになって、妻は帰宅、私は三軒茶屋に移動する。

三軒茶屋カフェ・オハナ 高宮マキ
以前、山田タマルさんがレストランライヴをしていた銀座のオハナというカフェもあったけど、こちらはもっとアットホームな感じのカフェ。私は予約が埋まってしまってから、高宮マキさんの友だち枠でということで、無理に入れてもらったので、皆さんが着席した後の開演時間を見計らって到着。到着すると、最前列にTOPSさんの姿があり、その他は幼い子どもを連れた家族が多かった。私は後方のカウンター席で男性一人客集団に入れてもらう。数年前に結婚し、昨年第一子を出産された高宮マキさん。さすがに、ママ友が多かったのでしょうか。私がお店に入った時に、右手のテーブル席で出演者は打ち合わせ中。マキさんに抱かれて肩の上から後ろを除いている息子さんと目が合い、彼は私にほほ笑んでくれた。そんな息子に気づいて、マキさんが振り向き、挨拶。こういうの素敵です。そして、息子がめちゃくちゃ可愛い。
さて、ライヴはいつも通りピアノの泰輝さんと、パーカッションの男性がサポート。泰輝さんのソロで始まり、マキさんの登場。育児で疲れているはずなのに、それ以上にパワーをもらっているのか、とても健康で元気そうです。もちろん、歌声も力強い。新曲も数曲あったし、東芝EMIから出ていたファーストアルバムやセカンドアルバムの曲も。やはり楽曲としては初期の方が好きだな。でも、最近の曲はともかく彼女の幸せがにじみ出る感じなので、今の彼女が歌うにはちょうどよいのだと思う。たまに彼女自身がいっていますが、メジャー在籍中はろくなことがなかったようですから。
しかし、私は相変わらず喉の調子が悪く、辛い。喉を乾かさないように、ビールをチビチビ飲んでいたけど、やはり酒じゃない方が良かったようだ。かなり酔いが早い。後半は特に、ハモリ好きなマキさんが、コーラスを客席に要求し、しかも客席にはシンガー仲間も多かったせいか、これが盛り上がってしまい、かなりの長時間だった。結局、アンコールも含め終わった頃は22時を過ぎていて、マキさんに挨拶もできずそそくさと帰宅。

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喉を痛めて講義が辛い

こう、寒暖や乾湿の差が激しい毎日だと、さすがの健康自慢の私でも、弱点の喉をやられる。はじめにちょっと喉に違和感を抱いたのは火曜日の朝くらいだったと思うが、この週は珍しくライヴの予定が3本もあり、先行き不安。

5月26日(水)

渋谷からの仕事帰りの妻と明大前井の頭線ホームで待ち合わせて、Soup Stock Tokyoで夕食を一緒に食べる。そこで別れて、私は渋谷へ。

渋谷クラブ・クワトロ leyona
新譜『PATCHWORK』の発売記念ライヴということで、最近はスタンディングは敬遠する私だが、行くことにした。やはり開場から開演までは1時間。30分くらい前に着けばいいかなと思っていたが、けっこう早く着いてしまった。後ろの方でのんびり聴こうかとも思って、はじめは発泡酒を飲みながら、寄りかかれるところにいたのだが、眼鏡を忘れたことに気づき、飲み終わったプラカップを戻しに移動したついでに前方の空いている箇所に立つ。なんだかんだで最終的には2列目に。右隣は携帯電話でゲームにいそしむ小学生男子だった。
さて、ライヴは10分ほど遅れてスタート。今回はキーボードは初めて見る人。ギターは最近一緒にやっている會田茂一、ベースは鈴木正人、ドラムスは沼澤 尚というスーパーバンド。いやあ、やはりこのバンドメンバーだとスタンディングでも大丈夫。1,2曲目で一気にテンションを上げられ、そして改めて私の大好きなleyonaのメロディーラインに惚れ惚れしながら、鈴木正人しのベースラインに酔いしれる。いたずらっぽいアイゴンのギターもこれまでとは違った色合いをleyonaバンドに添えます。もちろん、エマーソン北村氏に代わって加入したキーボーディストもHAMMONDオルガンの上にnordの赤いキーボードを乗せての素敵な演奏。こういうライヴ自体久しぶりだったので、なんだか久し振りに味わえる高揚感に涙が出てきます。ジャケット姿で髪を振り乱しながら怪しい踊りをする隣のおじさんに小学生男子も戸惑いを隠せない様子。でも、彼はまだまだこういう場の楽しみ方を知らないんですね。おそらく、CDで聴くleyonaは大好きなんだろうに、目の前の彼女をどうみていいのか、そして体を使ってどう楽しめばいいのか分からない様子。まあ、私も分かってきたのは30歳近くですから、まあ贅沢ってもんですよね。
ともかく、ファーストアルバムから「花びら」もやってくれたし、前半はこの上ない選曲。でも、私的には体力の問題も含めて、後半戦の手前のクライマックスであった、今回のアルバムのタイトル曲「パッチワーク」までだったかな。今回のこの曲はleyonaの曲に松本 隆が詞をつけた。ポップスの王道を行くような単純なメロディーラインだが、それこそ1980年代のポップスの王道で活躍してきた作詞家はこれ以上ないという素晴らしい歌詞を提供。CDでは私は意識していなかったが、leyonaが「私の人生を見透かしたような」という賛辞を与えてから歌いだし、じっくりと聴いてみて、その素晴らしさを実感する。最近は歌詞が良くても、曲を聴きながらその歌詞をかみしめられるような曲というのはなかなかない。曲が複雑で聴きとりながら意味を読み取るのは難しいからだと思う。改めて、松本 隆の偉大さを感じつつ、leyonaのメロディーセンスにも感服。それから、今回のライヴはMCがそれほど多くはなかったが、忌野清志郎氏への想いを多く語ったライヴでもあった。彼の死後、ほどなくしてあったTHUMBS UPでのライヴで清志郎氏の想いを語ると思ったが、その頃は恐らくまだ気持ちの整理ができてなかったのでしょう。それほど、彼に対する想いの重さを知ったのも今回のライヴでした。
アンコールは衣装替えまでして出てきて2曲。終わった頃には22時になっていました。まさかの2時間半で私もぐったり。喉は悪化。それから大変な週末を迎えるわけです。

5月28日(金)

相変わらず喉の調子が悪いので、夜寝る時にマスクをしていたが、一向に良くならず、講義を迎える。これが喉に良くないんですよね。90分しゃべりっぱなし。しかも、テンションを下げるとしゃべれなくなってしまうので、喉の痛みも忘れて白熱してしまう。ということで、映画を1本だけにして早めに帰宅することにする。

渋谷ヒューマントラストシネマ 『書道ガールズ!!私たちの甲子園
成海璃子主演映画は『武士道シックスティーン』に続いての学園もの。しかも、この剣道映画では父親が剣道教室を経営していたが、本作でも父親が書道教室を経営しているという筋金入りの日本精神を持った役どころ。今回は愛媛県の実在する高校が日本テレビの企画で実現したという「書道パフォーマンス甲子園」設立の実話をモデルにしているとのこと。まあ、映画の作りはどこを切っても他と似たようなもので変わり映えしない。まあ、唯一評価したいのは、実際に出演俳優たちが字を書いていること。それがゆえに、本当は成海が一番うまいことになっている設定に矛盾が生じることにもなるが、まああえてそうしたところを買いましょう。実際には桜庭ななみの方が字はうまかったな。それから、本作ではあまり出番は多くなかったが、『武士道シックスティーン』(こちらの出番はさらに少なかった)に続いて成海と共演の山下リオの存在感がなかなか良かったと思う。彼女も字もうまいし、なんといってもスタイルが良く、映えますね。

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