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歩く、歩く

6月12日(土)

講義後、帰宅して家でランチ。転院前の最後の検診を終えた妻からいろいろ報告を受ける。そう、妻は助産院で出産することになりましたが、これまで通っていた病院から、その助産院と提携している病院へと転院することになったのです。

世田谷美術館 フェリックス・ティオリエ写真展
以前の日記にも書きましたが、開催前に訪れてしまった写真展を再び訪れる。写真家として全く名前の知らない人でしたが、それもそのはず。ティオリエ(1842-1914)は生前にも写真を用いた著書を発表してはいるが、写真家として名を成した人物ではない。たまたま、彼が大量に撮影した作品が1980年代になって、子孫の手で発見されたのだという。
この写真展は「いまよみがえる19世紀末ピクトリアリズムの写真家」と題されたが、この写真がまだ一般に普及していない時代の作品にしては、私たちの馴染みのある画像がさまざまな分野でひとしきり揃っている印象を受ける。人物の肖像写真に風景写真。風景写真もパリの都市風景から、農村の風景、自然の風景、工場などの産業風景。自らの家族を撮影した家族写真も多く残されている。写真の利用法や、フレーミングの技術など、一般的な手法が定まっていないと思われるこの時代において、こんなにも違和感ない作品たちが撮影されたというのは驚きである。

助産師さんに、1日3時間歩くことを妻が勧められたので、用賀駅から世田谷美術館までは当然徒歩だが、世田谷美術館から今度は小田急線の千歳船橋駅を目指して環状8号線を北上する。途中でめげそうになったが、小田急線の線路が見えたところでQUEEN'S ISETANがあったので、そのなかにある無印良品のカフェで一休み。私は前日も有楽町店でランチをしたので、2日連続。前日はコーヒーだったので、この日はチャイ。チャイはいまいちだった。千歳船橋の駅に向かう途中で、千歳烏山駅行きのバスとすれ違ったので、小田急線には乗らず、バスで千歳烏山まで。帰ってぐったりの2人だった。

6月13日(日)

この日は午前中夫婦でお散歩。私のジョギングコースを歩いてみる。約4kmのコースで走ると20分程度。歩くといろんな発見があり、道端の花や、梅の実、家庭菜園の野菜などを見ながらゆっくり。多摩川に着くころには大分疲れてしまい、帰宅したのは1時間後。走る方が楽かもしれない。

お昼前に家を出て、後楽園へ。以前から後楽園のラクーアというショッピングセンターでフリーライヴがあるのは知っていたが、TOPSさんからfonogenico改め、カルネイロという名前で活動を始めた高山奈帆子さんのライヴがあるというので行くことにしたのだ。カルネイロ名義で発売されたCDも購入したいし。
久し振りに降りる水道橋駅で、そういえばここはJRAがあっておじさんいっぱいだということを思い出す。しかも、この日はなんと東京ドームで東方神起の3人による新ユニットのコンサートがあるというので、すごいことになっていました。そして、私たちの目指すラクーアのステージには男たちの群れ。そう、われわれは日付を間違えていたのです。カルネイロのライヴは前日の土曜日。この日はアイドリングというアイドルグループのコンサートだったんですね。
まあ、こんなこともありますよ。ということで気を取り直して、観る予定の映画を1本早めることにして、丸ノ内線後楽園駅のビルに入っているカレーの王様を(私は初めて)食べ、銀座へ向かう。

銀座シネスイッチ 『トロッコ
芥川龍之介原作を現代を舞台にして描いた映画。『萌の孔雀』で見出され、その後女優の道を進んでいる尾野真千子出演作。東京に住む彼女は台湾人の男性と結婚し、2人の男の子を生み、育てているが、夫は亡くなってしまう。夫の遺骨を持って、初めて訪れる夫の生まれ育った町。途中、夫の弟夫妻の車に乗せてもらって夫の両親が住む小さな村の家へ。そこに住む年老いた父親はかつて日本の統治時代に日本人としての教育を受け、日本軍の兵士としても従事した人物。
一方、尾野真千子演じる夕実子は2人の息子に多少手を焼いている。二男の凱(とき、6歳)は素直で母親にもなついているが、長男の敦(あつし、8歳)はそんな弟の存在から、素直に母親に甘えられず、どこか憤りを感じていて、その矛先も分からない様子。「トロッコ」というのは鉄道の線路の上に乗せて手押し車のこと。この村では日本の統治時代、林業が盛んで、伐採した木材を鉄道で(?)運搬していたとのこと。この祖父の言葉には、「靖国の鳥居も、明治神宮の鳥居も台湾の檜でできておるんじゃ」というのがあった。そんなこの村の山も、散々伐採された後は荒れていて、そこで森の再生をほそぼそと目指しているじいさんと、そのじいさんに育てられた若い男性がいる。そんな人たちとの出会いを通して、敦は自らのアイデンティティ、そして家族のことを考えていく、そんな映画。
正直いうと、内容の割に上映時間が長く、睡魔に襲われることもあった。でも、個人的にはいろんな要素が含まれていて、子役の演技も素晴らしいし、いい作品だと思う。同じくシネスイッチで上映されていた『オーケストラ』よりも全然観るべき作品。

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