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映画漬けの週末

6月18日(金)

最近は観たい映画が集中している。ちょうどこの日は夜に渋谷でライヴがあるので、講義後、渋谷で映画を2本観ることにした。といっても、基本的に妻も観たい作品は夫婦で観ることにしているので、今回はそうでないもの、ということで時間的にもちょうどよかったのが、ユーロスペースでの2本。

渋谷ユーロスペース 『ケンタとジュンとカヨちゃんの国
孤児院で育った松田翔太演じるケンタと高良健吾演じるジュン。新井浩文演じる男が仕切っている解体屋で、日々ビルの撤去作業をしている。ジュンは高良君が演じていることからも美形で、育ちは良くないが、仕事や女関係でうまく立ち回っている一方で、同じ孤児院で育ち犯罪を犯して刑務所に入っている兄を持つケンタはいつもどこか煮えきらず、職場の親分からいびられたり給料をちょろまかされたりしている。そんなケンタは職場を荒らし、親分の車をボコボコニして逃げ出す計画を立て、ジュンとともに職場のトラックで夜逃げする。その数日前にジュンが軟派した女もなぜかトラックに同乗する。その女を演じるのが安藤サクラ。ブスでバカでワキガという役どころを自然に演じることのできる女優は彼女以外になかなかいないかもしれない。
解体屋の社員に柄本 明、ケンタの孤児院仲間に柄本 佑と親子で出演している。ケンタの兄を演じるのは宮﨑あおいの実兄である宮﨑 将。幼児誘拐の執行猶予中に傷害を起こし、網走刑務所在住。ケンタはジュンと2人で網走まで行く道中を描くロードムーヴィである。カヨちゃんは途中のパーキングエリアで置いてけぼりをくらうが、男に媚びながらのヒッチハイクでなんと、青函連絡船で合流する。まあ、結局最後まで八方塞のケンタの人生を描く物語。なかなか評価は難しいですが、主演の2人は頑張っています。

渋谷ユーロスペース 『BOX 袴田事件 命とは
引き続いて新井浩文が出演している映画。市原隼人君と高良健吾君が出ている『BOX』とは違います。こちらはいたって真面目な裁判映画。実際に起こっていまだ解決していない事件を描きます。1966年に起きた一家4人を殺害した殺人事件。新井浩文演じるのは被害者が経営する味噌工場の工員。映画のなかでは明らかに冤罪として描かれ、石橋 稜率いる刑事たちによる連日10時間以上に及ぶ取調べの挙句、得られた自供が主たる証拠として一審で死刑判決を下される。その時の担当裁判官を演じるのが萩原聖人。この事件を担当した他の2人の裁判官は早稲田大学出身で妙な結託があり、この事件も裁くのではなく、簡単に捌こうとしている。しかし、萩原演じる裁判官は事件に係わるさまざまな矛盾に気づき、有罪判決にならないような努力をするが、かなわない。結局、この事件をきっかけに辞任。その後もフリーでこの事件について調べ、さまざまな根拠を、袴田被告の新しい弁護士宛に送付し続ける。映画の描き方では冤罪は明白だが、判決は覆らない。最高裁への上告も棄却されたが、刑の執行はまだなされず、共に73歳になった袴田とこの元裁判官はいまだ無実の獲得に向けて奮闘中だという。
もし、この映画の表現が正しいとしたら、あまりにも理不尽だし、裁判のあり方が当時だけでなく、現在でも公正とはいえないと思う。しかし、あくまでもこの映画は被告寄りに作られていて、解決していない事件を取り上げるには少し疑問を持たなくもない。それとも、こういう描き方をしていながら、実は事件はもう解決していると考えているのだろうか。また、冒頭の時代背景の描き方はいかにも教育映画的な陳腐な作りであったことは否めない。むしろ、実在の事件を基礎にしながらも、思い切って脚色してフィクションとして描いた方が良かったようにも思う。しかし、少なくともこの事件について名前くらいしか知らなかった私のような鑑賞者に考える素材を提供した意義は大きいと思う。

渋谷duo music exchange Rie fu
ユーロスペースから歩いてすぐのところのライヴハウス。開場から開演まで1時間あったが、開場時間前にすでにかなりの客が集まっている。その客層もまちまち。これまでRie fuはインストアとイヴェントライヴしか観ていないので、こんなに人気があるとは知らなかった。やはり単独ライヴに足を運ばないとどんなファンが多いかは分からない。私は整理番号B20だったが、なんとAチケットで240名。客席は150席というから、いくら遅れてくる客が多いとしても立ち見必至だ。しかし、幸い最前列の一番右、わずか2席だけが空いていて、私は右から2番目に座る。ちなみに、一番右に座った人は、「これで心置きなく録音ができます」と誰かにメールを送っていた。
4枚目のアルバムから1年足らずで発売された5枚目のアルバム。最近は井上陽水のツアーでコーラスとして参加していたRie fuだから、今回のアルバムには井上陽水の娘や孫娘もコーラスとして参加していて話題になった。ミュージシャンとも交流の広いリリー・フランキーもコーラスとして参加していて、この日のライヴにもゲスト出演が予定されている。ゲストの多い今回のレコ発ライヴだが、セットリストは事前のファン投票による上位で決定されたらしい。冒頭、ステージに登場したRie fuはステージ上に置いてあるキャンパスに即興で絵を描き始める。梅雨時ということで、雨をモチーフにした抽象画。梅雨にちなんだカヴァー曲ということで、カーペンターズの「Rainy Days And Monday」も歌いました。普通、雨の日だったら「足元の悪い中」とでもいうのに、「いいですねえ」というのが彼女らしい。といっても、いままで、彼女の人間的性質などよく知らなかったが、かなりおっとりしている人らしい。前半は一人で弾き語り。ステージが狭いので電子ピアノ。やはりピアノもギターもそれなりに上手い。途中からゲストコーナーということで、まずはヴァイオリニストの佐藤帆乃佳ちゃんの登場。普段、alutoというデュオで活動している彼女だが、Rie fuなども参加したソロアルバムを発売したらしい。そして次のゲストはLEO今井。この男性はよく知らないが、ともかく新譜でのデュエット曲を、今井氏がキーボード、Rie fuがギターで演奏。続いてのゲストはコーラス隊が2人。我那覇美奈さんとマユミックスこと藤田真由美さん。ここでバンドメンバーも登場します。ベースがなんと鹿島達也さん。朝日美穂さんの初期のCDで活躍している鹿島さんですが、名前の演奏を聴いたことは何度かしかなく、見た目の自信はなかったけど、やはりそのプレイは他にいない。そして、ドラムスもすごい。誰だろうな、と思って紹介されるのを待つと、楠 均さんだった。髪の毛が伸びて分かりにくいけど、確かに楠さんだ。こちらも朝日美穂さんのバンドで登場する。なかなかいいリズム隊。もう一人、ギターの若い人がいたけど、こちらも控えめでなかなかいい。鹿島さんがバンマスってことで、ちょっとヴォリューム大きめだけど、良しとしましょう。彼女の演奏をバンドで聴くのは初めてだったが、このコーラス隊を入れた曲はアップテンポなので、とてもよかった。そうそう、Rie fuにはこの手の曲も多いんだけど、どうしてもソロだと演奏する曲が限られてしまうのだ。そういう意味では、ファン投票であると共に、どんな曲でも対応できるバンドスタイルということで、かなり貴重なライヴになった。そして、最後の最後でリリー・フランキーの登場。彼が参加する曲にはもう一人スチャダラパーのボーズさんが登場。リリーさんはさんざん待たされて1曲だけなんて許せない、といってトークで粘ります。くだらない話をだらだらと、賞味30分くらいでしょうか。でも、まあそれなりに面白かったけどね。それにしても、彼がまだ46歳とは知らなかった。
なかなかいいライヴでした。

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