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わたしたちの決断

5月30日(日)

この日は夫婦で深大寺へ。といっても、植物園に出かけたわけではなく、近くの助産院を訪ねる。夫婦そろって深大寺に行くのは初めてなので、せっかくだから朝食を軽めにして、お昼に深大寺そばを食べることにする。行ったお店は「多聞」というお店でしたが、けっこう並んでいて、助産院の予約時間にギリギリ。慌ててバスに乗り、移動。
日本の開業助産師というサイトで調べると、調布で開業しているのは一件。そこが、マザリーズ助産院。助産院といっても、助産師さんの自宅で、一人できりもりしている。さて、以前にここで紹介した桜沢エリカさんの自宅出産の記録『贅沢なお産』を読み、われわれ夫婦は病院で産む以外の選択肢を考えるようになった。現在、日本では99%近くが病院での出産というが、1960年頃まではいわゆる「産婆さん」か介助する自宅出産が主流だったという。
まあ、その頃はまだ家族の成員も多く、また乳児死亡率も高いという社会的な環境は今とは違う。でも、お産は病気ではない。癌や虫歯はほっておいてもなくなることはないが、胎児は基本的に医学的な措置をしなくても出てくるように人間の体はできていないとおかしい。ということで、私は自らの研究でも日常生活の実践でも、当たり前のことを疑っていくという性格がゆえに、その病院出産を何も考えずに受け入れるということには抵抗があったのだ。しかし、あくまで出産する当事者は妻である。妻がその気にならないとどうしようもないが、幸い先日の病院での説明で彼女の病院に対する疑問も増してきたようだ。ということで、じゃあ一体助産師さんは何をしてくれるのか。どきどきの対面である。
助産院での出産、あるいは自宅出産におけるリスクはもちろん、なにかあった場合に医師が近くにいないことだ。その万が一の場合に医師を求めてもたらいまわしになるという可能性がある。実際に、ニュースで問題になった、死亡した妊婦は調布市在住だった。しかし、この最大の懸案事項は、この助産師さんの説明で一掃される。そこでは、近くの特定の病院と提携していて、いくつかの段階で病院出産への移行を行う用意があるのだという。おそらく,助産は医療行為ではないので,保険はきかない。最終的な出産にかかる費用は実は病院とは10万円も変わらないのだが,おそらくこれは出産育児一時金の41万円でほぼまかなえるはずだ。ちょっと話は逸れたが,臨月までの母親検診はその提携病院で定期的に受けることになる。実際に助産院に行くのは臨月(出産予定日の1ヶ月前)になってからで,それ以前は2回しかない。基本的には病院での検診の後に,その結果をメールでやりとりするとのこと。もちろん,病院とは違って,相談は24時間対応。臨月までに母親の体調しだいで病院出産に切り替えたり,出産当日に急遽病院出産に変更することもあるらしい。
ともかく,医師のいない場での出産という以外は,実は特別なことはないのだ。でも,ここが一番重要。よく,「安産」というものを母親の体質や,運のようなものだとしがちだが,実は「安産する努力」があるのだということが,この助産師さんとの話のなかで分かった。助産師とは実際に分娩の際に,赤ちゃんを取り出す人のことなのだが,それ以上に妊婦を安産へと導く指導をする人ということらしい。本当に知識が豊富で,ともすると妊娠・出産にまつわる言説は個々の話が食い違っていたりして,どれを信じていいのやらということもあるが,いろんなことを知っている一人の助産師さんを信じて突き進むというのが,助産院出産だと私は理解した。

ということで,私たち夫婦の決断。「妊婦ダイエット」をしながら,安産を目指す禁欲的な日々を過ごすこと。
この先楽しみです。

さて,夜は久し振りに一緒にライヴ。まだ時間があるので,再びバスに乗って,吉祥寺へ。久し振りの吉祥寺。LONLONがatreに生まれ変わり,同じフロアが全く違う店に様変わり。なかなか魅力的なお店がそろっていて随分時間を過ごす。それから成蹊大学方面に移動し,こだわりの珈琲という感じの喫茶店で一休み。帰りに古書店によって,下北沢に移動。

下北沢mona records 扇谷一穂
扇谷さんは画家でもあるが,そんな自らの絵画作品をふんだんにつかったブックレット様式で発売された新譜『たくさんのまばたき』。今回は多くの曲をBE THE VOICEとともに作っていて,非常に良い。さーっと聞き流してしまうのだ。でも,それは内容が薄いのではなく,飽きがこなく,何度でもループできるような不思議な魅力を持ったアルバム。その発売を記念して,青山ブックセンターでも毎月フリーライヴをしている彼女だが,あえて食事つきの「おんがく食堂」にしてみた。
なんと,3年前の自分の誕生日企画ライヴをmona recordsでやったにもかかわらず,改装し,ライヴスペースが3階に移動してから初めて訪れることとなった。といっても,この「おんがく食堂」は2階で開催。ちょうど,5月はそのアルバムに使用された作品をここで展示していて,今回のライヴはそのクロージングということ。achordionの木村君をサポートに従えて,木村君に習ったという扇谷さんもギターを抱えてのステージ。新譜からはもちろんのこと,1stアルバムの『しののめ』,そして2ndカヴァーアルバムの『Canary』からもいい感じで唄います。本人曰く,一度にこれだけ多くの曲を歌ったのは初めてとのことだが,やはり生の扇谷さんが素敵だ。木村君との息もいい感じです。特にトークが面白かった。木村君はachordionのライヴでもほとんどしゃべることはないが,ガールズトークのような2人のやりとりがなんとも。
お店の食事の方はテーブルに大皿で4品。全体的に物足りない感じではあったが,ライヴは2ステージたっぷり。お客さんも10人ちょっとで少し寂しくはあったけど,皆座敷の方に座っていて,こじんまりとしていい雰囲気だった。撮影係で切り絵作家の辻 恵子さんもいらしていて,ちょっと挨拶。mona records店長の行さんも私の顔を覚えていて挨拶。元店員の岡城さんも遊びに来ていて挨拶。やはりライヴはこうして知り合いに会えるのもうれしいんですね。ちょっと忘れていました。木村君ともゆっくりお話できたし,最後に扇谷さんに挨拶。しっかり名前も覚えてくれていました。

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コメント

こんばんわ。ご無沙汰だね!
お!僕も奥さんが妊娠中に『贅沢なお産』読んだよ!
そうかー、そう決めたんだね。頑張って!ある意味楽しみが増えたんじゃない(笑)?なんか、ナルセさんらしいな〜。
病院と提携しているのは、安心だね。
あって欲しくないけど、いざって時もあるからね。
僕達は、まあまあいざって時だったから(笑)。
とことん楽しんで、「その時」を迎えてね。
本当に「その時」は父ちゃん何も出来ないから(笑)、それまでのレポはここに描き綴ってくださいな!

投稿: iwasaki | 2010年6月 3日 (木) 22時16分

iwasakiさん

おー,先輩父親さん,書き込みありがとう。
「まあまあいざ」ってのが気になります。
以前,コウちゃんからお願いしたものの,iwasaki宅訪問がかなわないままになっているので,実現していただけると嬉しいです。

コウちゃんももう安定期に入っていますので,是非よろしくお願いします。

投稿: ナルセ | 2010年6月 4日 (金) 23時22分

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