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映画の困難を描く映画

6月25日(金)

講義後、渋谷に移動。翌日から夫婦で台湾旅行。帰国後、1ヶ月は献血できないので、献血ルームに行く。久し振りに全血400nlを勧められたので、ご要望に応じて全血採血。400ml献血をすると次にできるようになるまで2ヶ月かかってしまうが、まあちょうど良いでしょう。血液の濃さで褒められる。私は確かに水分補給が少ないが、正直なところ、どうなのだろうか。水を大量に摂取する人は、それによって、血液中の老廃物が取り除かれ、さらさら血液になるなどと信じているようだが、人間の身体はそんなに単純なものなのだろうか。私は古い人間だから、そもそも水や、自宅でも簡単に入れられるようなお茶をお金を出して買うことに抵抗がある。さらにいえば、「六甲のおいしい水」くらいは許せるにしても、フランスやスイス、アメリカからわざわざ輸入した水を飲むということを倫理的に許容することはできない。その輸送経路に、どれだけ飲料水に困っている国や地域があるのだろうか?もちろん、そんなことを考え始めたら、コーヒーや紅茶すら飲めないが、ともかく大量のペットボトルの使用など、リサイクルされれば大丈夫のような論理には賛成しかねる。まあ、ともかく心身の健康にはもっと別にやれることがあるのではないだろうか。
余談が過ぎたが、全血だったので予定した時間配分が余ってしまう。献血ルームでレポート採点。それから恵比寿に移動。

恵比寿ガーデンシネマ 『あの夏の子供たち
ある映画プロデューサーの家族を主人公とするフランス映画。なんと、監督は29歳のミア・ハンセン=ラブという女性。オリヴィエ・アサイヤス監督作品に出演したことのある女優でもあるそうだ。私の見覚えのある俳優はあまり出演していないが、いかにもフランス映画的雰囲気のある作品。
地味だがこだわりのある作品を制作してきた映画会社を運営する映画プロデューサ。冒頭から車の運転中も携帯電話が手放せず、家族には「携帯中毒」といわれるほど。長女は少し難しい歳だが、娘3人に恵まれた幸せな家族。好きな仕事を貫いているが、いくつかの進行中の映画を抱えながら、撮影所への未払い金や銀行への借金、どうにも八方塞になってしまい、彼は自殺する。予告編では「その後の家族の再生の物語」と書かれていたが、意外にも映画業界の厳しさを知らしめる前半部分が長い。後半も、頓挫した映画をどうするか、映画会社を存続させるにはどうすればいいのか、非常に具体的な方策や手続きが描かれ、ドキュメンタリーっぽい作りである。
さすがに興行収入よりも、質の良い映画を、ほとんどのプロデューサが嫌うわがまま監督などを一手に引き受けるという設定であるがゆえに、それを表現するこの映画自体の質の良さが問われる作品である。はたして、その基準はクリアするのだろうか。確かに、主要登場人物の一人が自殺するという事件があるものの、本作の展開はさしてドラマティックではないし、これといった目玉俳優も配していない。作品のホームページを読んでいると、監督を含め出演者もアサイヤス作品と関わっている人が多く、『夏時間の庭』のような雰囲気を醸し出していて、私はけっこう好きな作品です。ちなみに、長女を演じるアリス・ド・ランクザンは『夏時間の庭』にも出演していて、その若さ弾ける美しさはきちんと覚えていた。

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