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危うく火事

8月18日(水)

ここのところ、いろんな用事が重なって、週末でもろくに映画が観られない私を気遣って、妻が「今日はレディースデイだから映画でも観よう」といって、お互いの仕事の後、府中で待ち合わせて映画と夕食のプチデートとなった。夕食を外食にするというのも彼女の提案。最近は妻が食事を作ることが多くなったので、この提案は「たまには私にも楽をさせてよ」というメッセージも込められていて、いつもなら「平日に映画なんて慌しいし疲れる」、や「外食は栄養面でも家計面でもマイナス」という負の側面を払拭させる、心のこもった提案だ。さすがわが妻。
映画のスタートがちょっと遅い時間ではあったが、その分ゆっくり食事をしよう、と思ったものの、急に雨が降ってきてしまったので、TOHOシネマズが入っているビルのレストランを利用することになった。せっかく外食なので、栄養面での贅沢、ステーキを選択。以前は「ふらんす亭」だった場所に別のステーキ屋が入っていて、初めての利用。食事にはサラダバー、スープとご飯、さらにはカレーも食べ放題という珍しいサービスだが、サラダバーも何杯もお代わりしたくなるほど美味しいものはなく、カレーも不味くはないがレトルトチック。まあ、食べ過ぎないにはちょうどよい。でも、やはり久し振りの塊り肉で十分に満腹になる。

府中TOHOシネマズ 『ソルト
選んだ映画はアンジェリーナ・ジョリー主演のスパイもの。アンジェリーナ・ジョリー主演で気に入っている映画はほとんどないが、古臭い印象のスパイ映画が、彼女に費やされる巨額の制作費によってスタイリッシュに生まれ変わると期待して観に行った。しかし、まあ、最低限のエンタテイメントはあったと思うが、期待には応えるものではなかった。むしろ、スパイ映画の古きよき時代を髣髴させようとするようなわざと古い作りをしているのだとしか思えない。いまさら米ソ関係を描くなんて、もう時代錯誤もいいところだ。そして、超人的能力を持っているはずのアンジー演じる女性スパイだが、なんだか、走るシーンが軽快でなく、息苦しそうなのがなんとも。さまざまな設定にしても、古い観念を覆すようなものは何もなく、ほとんどは古い考えを踏襲し、強化するようなものばかり。まあ、ストーリー展開で一つ救いだったのは、彼女の結婚相手の存在だろうか。かといって、このラヴストーリーを前面に出してしまうとそれはそれでわざとらしいので、この控えめな愛の物語だけがいい感じ。

8月20日(金)

この日は妊娠30週目直前ということで、助産院に2人で健診に出かけた。この頃はいろんな症状が出てきてもおかしくないが、わが妻はまあ、細かいことはいくつかあるものの、胎児も含めていたって健康。目標の妊娠前より体重-5kgというのは達成していないが、安産に向けていい状態へとしようという努力の一つ一つは報われているといっていいのではないだろうか。この日は夫である私ができる簡単な妊婦マッサージを教えてもらう。でも、もっと早く教えてもらってもよかったと思う。これは妊婦にありがちな足のむくみを改善させるもの。妊婦は大きくなったお腹のせいで、足の内側の血液などの循環が悪くなり、足がむくみやすいとのこと。

この日はちょうど調布で「キンダーフィルムフェスティバル」が開催中だったので、よさそうな上映があれば観てから帰ろうと思ったが、なんと凄い行列。こんなに大盛況なイヴェントとは知りませんでした。会場となっている「たづくり」という市の施設の前の広場に出ていた屋台で昼食を買って、食べてなんとなくお祭り気分を味わうことにする。妻はここで帰宅し、私は1本映画を観に渋谷まで出る。

渋谷イメージフォーラム 『シルビアのいる街で
観た映画はフランス映画。予告編はこんな内容。ある若い男性が主人公。とあるカフェのテラスに座って、カフェのお客や待ちゆく人をひたすら観察している。その対象は女性で、時折スケッチなどをしている。男は旅行者で、6年前にこの街で会った女性が忘れられずに、再び訪れ、なんの手立てもないままひたすら探し続ける。すると、その女性によく似た女性を見つけ、ひたすら追いかける。そして、最後に少し遠くから声を掛け、その呼び声にも気がつかないので、ついに背後まで迫るところで予告編は終わる。
さて、ここからはネタバレです。この尾行のシーンは思ったよりも早くやってくる。そう、なんと主人公のように前売り券やポスターにも登場するこの女性は、なんとシルビアではない。しかも、主人公の尾行に気づき、それからなんとか逃れようと街中を歩き回っていたのだという。男性はついに路面電車で追いつき、声を掛けるのだが、一つの結末はそういうことで、単なる人違い。でも、それだけでは済まされない展開もあることにはある。さて、この映画はエドガー・アラン・ポーの「群集の人」を髣髴とさせる。また、まさにこの街の地誌学的作品だ。あるいはベンヤミン的にいうならば「都市の生理学」ともいえようか。多くのシーンで、カメラは主人公を追わない。固定したアングルで、そこを主人公が通り過ぎるのだ。しかも、主人公が出てくる前の時間も長いし、フレームから消えた後も長い。そして、そのようなシーンではやたらと音にこだわるのだ。街の雑踏、雑音を記録している映画だともいえる。ほとんどのシーンでエキストラを使う日本映画ではありえない作品だともいえるが、でもこの映画に登場する街行く人がエキストラではないという保証はない。むしろ、エキストラ以上の演技が要求されているのかもしれない。
そして、カフェのシーンでは主人公が女性客を嘗め回すように観察しているのと同様に、カメラは性別問わずにほとんど表情を変えない人々の顔を長回しで撮影する。まったくもって、奇妙な作品だといえるが、それが普通のドラマティックな映画とは違って、いかにも映画的表現で興味深い。さすがフランス映画。そして、なぜかこの作品は紀伊国屋書店の配給だが、それを上映するイメージフォーラムもさすがだし、平日にもかかわらず、けっこう観に来ている客もさすが。

8月21日(土)

この日は妻が朝から針灸マッサージなので、私も午前中に出かけて久し振りの献血。前回全血で400mlを採り、しかもその間に台湾旅行に行ったので、2ヶ月ぶりというところか。新宿の献血ルームは好きではないので、渋谷に行った。以前はハチ公前献血ルームが空いていて、SHIBU2は混んでいたが、事前にネットで予約状況を調べたらなにやらその混雑具合は反転していたので、迷わずSHIBU2へ。確かに空いていました。その代わりというのか、空いている原因というのか、新しいボランティアスタッフが何人もいました。ボランティアでこういう場所で働くってのは偉いと思うけど、慣れない人が突っ立っているのも落ち着かないんだよね。まあ、ともかくいつもどおりに成分献血ができて嬉しい。

さて、この日は大変なことがあった。渋谷で一人ランチをした後、新宿で妻と待ち合わせて新宿御苑と四谷三丁目の間にある「トーテム・ポール・フォト・ギャラリー」へ、妻の専門学校時代の同級生の個展を観に行ったのだ。たまたまその女性は私と同じ鷲宮町の出身だったということで、妻も私に会わせたかったのかも知れない。作品をゆっくり観て、しばしお話をして、ギャラリーを出る。
その後2人で新宿御苑駅近くのカフェでくつろいでいた。妻が今晩の晩御飯はどうしましょう、といったところで大変なことに気づく。出かける前に夕飯のために出汁を取っておこうと、昆布とだしパック、煮干を入れた鍋を火にかけたのだが、それを消した記憶がない。慌てて帰る。妻はもう動揺してしまって手が震える始末。私は咄嗟に以前、東京ガスの見学をしたのを思い出して、東京ガスに電話をしてとにかくガスの元栓を締めてもらうことにした。東京ガスの担当者は、すぐにお宅に向かわせますといったものの、一向に電話がない。結局、私が先に帰宅すると、ガスの火はまだつきっぱなし。雪平鍋の中身は黒焦げでした。あの後、気づかずに映画でも観てから帰ったとしたらどうなったことか。またまた、妻を心配させてしまいました。こんなこと、さすがの私でも世帯主になってから20年間で初めてですね。
皆さんも気をつけましょう。

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