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最近の週末

9月10日(金)

この日は妻がマタニティビクスに行く日。午後からなので、私も経堂まで付き合っていく。以前、妊婦仲間たちと行ったというscone pantryというお店でランチ。デリ2品と大き目のプレーンスコーンにドリンクがついて850円。ちょっと高い気はしますが、丁寧に作られたスコーンとデリなのでよしとしましょう。平日のお昼時でしたが、特に混んだりせず、くつろげるお店です。あまり時間がなかったのが残念でしたが、今度ゆっくり散策してみたい街。私は一人で電車に乗って映画を観に行きます。
せっかく平日なので、ヒット中だといわれている『ハナミズキ』でも新宿で観ようかと思っていたけど、時間的に間に合いそうだったので、下北沢で乗り換えて渋谷へ。最近何度か予告編を観て、無性に観たくなったドキュメンタリー映画を観ることにしました。

渋谷ユーロスペース 『ようこそ,アムステルダム国立美術館へ
オランダの代表的なアムステルダム国立美術館。オランダ絵画といえばルネサンス期の作品はヨーロッパのなかでも重要。19世紀末に建てられた美術館の建築も重要なものらしいが、21世紀になって大幅な改装が計画された。改装案のコンペティションも終わり、その最終的な計画案を市民に示したところ、大事になってしまう。さまざまな市民団体や地区計画を検討する委員会は、その計画案に反対意見を示し、大きな論争が起こる。美術館側はこれから施工にかかる「最終案」と思っていたのに、市民側は意見を自由にいえる出発点と思っていたようだ。まあ、最近は巨額の税金が費やされる建設工事に関しては、行政側が「こうしますよ」と一方的に工事が進められるような時代ではない。各段階で市民の意見を聴きながら調整する必要があるのは、こういうことに遅れがちの日本でも既に避けられない。それを怠ったのは美術館側の落ち度としか思えない。まあ、それはそうとして、土木計画・設計に関わる仕事をしている身としては(でも、決して直接こういう議論の場には関わらないが)、なかなか面白い作品。もちろん、予定通りに計画が進まない美術館長も困っているのだが、一番可哀相だったのが、コンペに勝ってこれから詳細設計を進めようとしていた(ある程度は進んでいたと思う)建築家。しかも、オランダの美術館の設計を請け負うのはイタリアの建築家2人ってところも面白い。
美術館のスタッフにもいろいろいて、全体を取り仕切る美術館長。展示の内容を決めるさまざまなチーム。特に、改装してからは、時代毎の展示に変更するらしく、17世紀担当主任や20世紀担当などにチームが分かれる。それから、アジア美術担当者。日本の金剛力士像を購入するシーンなどもあって面白い。それから、さまざまな書類の審査をする役所の人々。サイクリング協会をはじめとする市民団体。なんでも、以前の美術館は1階に自転車の通行通路があったのだが、新しい改装案ではその幅が半分になり、自転車交通に支障があるということで大きく反対していたのだ。まあ、ともかくそれぞれがそれぞれの立場でいいたいことをいって、何年経っても物事が進展しない様子が見事に描かれている。
それにしても、こういうドキュメンタリーを観ていつも不思議に思うのは、ドキュメンタリー作家はいつの時点で、この題材が映画として面白いものになるというところを感じ取るのだろうか。文章で表現する場合にはある程度事後的でもなんとかなるが、本作でいえば、その問題となった市民への計画発表会の場の映像がなければ話にならない。話の発端を事前に察知して映像に残さなければならないのだ。まあ、とにかく物事はどんどん面白い方向に進み(当事者にとっては面白いなど失礼だが)、最後の方には館長が辞職までしてしまう。ともかく、いろんなことを考えさせられる映画です。

9月11日(土)

この日は友人のiwasakiさん宅を訪ねる。iwasakiさんとはBONNIE PINKファン仲間として知り合い、もう7,8年になりますかね。といっても、フリーのインテリアデザイナーとしての仕事が軌道に乗ってからはかなり忙しいようであまり会う機会もなかった。そんな間に彼も結婚し、2歳の娘さんもいる。ということで、そんな育児のお話を聴くということで、彼の家がある北鎌倉まで遊びにいったのだ。
北鎌倉の駅は何度か降りたことがある。といっても、鎌倉に遊びに行く際に、鎌倉駅周辺の雑踏を避けるために、またフラフラと散策するために北鎌倉で下車し、線路の東側を南下するコースを歩いただけなので、いわゆる駅前の商店街のある線路の西側は初めて。といっても、味のある小さなお店は多いものの、日常の生鮮食料品などを購入するには鎌倉か大船に行かなくてはならないとのこと。そんな駅から程近いマンションの3階にiwasakiさん宅はありました。駅まで娘さんと一緒に迎えに来てくれた。はじめはかなり恥ずかしがっていたものの、自宅につくと少しリラックス。さっそく、お手製のランチを5人でいただきます。昼間っからビールを呑み、私が持っていった赤ワインを呑む。
人見知りをする娘さんということでしたが、食事をしている間中、その子が私のことを見ている時は視線をそらさず見ていたことで、その後はすっかり遊び相手にしてもらいました。最近仲良くなった2人の子ども(もちろん、友人の息子さんです)がどちらも男の子だったので、私という男の大人が女の子にうけが良いのか悪いのか、あまり自信はありませんでしたが、台湾でのことに続いて、女の子にも自信をつける。そこで、子どもに好かれるコツが分かったような気がした。といっても、私は以前からそれを実践していたわけですが、要は子どもの視線から目を離さないということ。子どもは飽きっぽさとしつこさが同居している存在。しかも、相手をしている人物に対しては目をまっすぐ見つめる。大人はよっぽどの関係でない限り、長い間目を見つめることはない。むしろ、それを失礼だと思って、さりげなく視線を外すのがマナーだったり。それは子どもには通用しないのだ。だから、思い切り見つめること。無理に微笑む必要はない。穏やかな顔で問いかけるように見つめる。そして、遊び相手になっても子どもの飽きっぽさとしつこさを忘れない。しつこいものは大人が飽きても続け、飽きたものに対しては執拗に強要しない。まあ、簡単にいうと子どものペースにあわせるってことかな。私が前日に作ったさつまいもプリンも娘さんに大好評。たまたま、彼女がさつまいも好きだったらしい。ちょっとカラメルが失敗気味だったが、特に気にならずいただけました。
さて、iwasakiさんからもいろいろいただきものをしてしまった。まずは結婚祝い。そして、子ども服。なんと、iwasaki家もお下がりをもらって大事に着ていたとのこと。2代目、3代目になるものもありますが、捨てずに次の新米親たちに譲り渡すという、その物を大事にする精神と一緒にいただくことにしました。それからベビーカー。B型で、子どもがしっかりとお座りできるようになってから使うものですが、デザインもいいし、とてもキレイに使われていて、これもいただくことに。ベビーカーってのはA型とB型とある。最近はAB両用というのもあるが、A型は赤ちゃんを寝せたまま対面式で使用するもので、モノによっては生後1ヶ月くらいから使えるが、意外に使用期間は短いらしい。B型は子どもを進行方向を向いて座らせて押すもの。どういう形でベビーカーを揃え、使っていくかは大きな悩みどころです。
そんな感じで、快適なiwasaki家で思ったよりも長居してしまい、それだけの1日でしたが、有意義な土曜日。

9月12日(日)

特に予定のない日曜日で、妻も家でこまごましたことをしたいといっていたので、一人で映画でも観るつもりが、妻が新宿に用事があるということで、彼女も観たいといっていた映画を選んで2人で観ることにしました。ちなみに、この日は伊勢丹の前のいつもの日曜日は歩行者天国になる道路で、映画『海猿』のイヴェントをやっていた。翌日のネットニュースには「沿道に集まった5000人のファンが」のように書いてありましたが、歩道には高い衝立が設置され、中の様子は全く見えず。見られたのは、伊勢丹向かいの丸井の2階にあるスターバックスコーヒーの座席からくらいでしょう。おかげでお店には行列ができていました。

新宿角川シネマ 『オカンの嫁入り
選んだ映画はこちら。『酒井家のしあわせ』の呉 美保監督による長編映画第2弾。大竹しのぶと宮﨑あおいが母娘を演じるもの。以前にも大竹しのぶと伊藤 歩が母娘を演じる『ふくろう』という奇怪な映画がありましたが、今回はどうなることか。といっても、粗筋は予告編で知らされている。2人暮らしの母娘。自由奔放な母は突然若い男を連れ込んで、結婚するという。それに抵抗を示す娘だったが、母親の余命が1年ということが分かり...まあ、こんな感じのファミリードラマです。2人が住む家の大家に絵沢萠子、30歳で母親と結婚することになる男に桐谷健太、母親が勤務する病院の院長先生に國村 隼が扮する。桐谷君の評価は人によって異なるでしょうが、いい感じの配役ですな。でも、原作は少し違うらしい。
そして、ネタバレではありますが、予告編では分からなかった一つの重要なことは、あおいちゃん演じる娘が引き篭もりだってこと。働いていた会社で、転勤してきた優秀な男につきまとわれることになり、通勤どころか電車に乗れなくなる。最近のあおいちゃんは明るい役が多かったので、こういう役は久し振りでいいですね。といっても、大阪が舞台なのでただ陰気に引き篭もっている感じではありませんが。まあ、ともかくこれだけの忙しさだけど、一つ一つの仕事をクオリティを下げずにこなしている彼女は凄い。といっても、大竹しのぶ相手にいい加減な演技はできませんけどね。でも、欲をいえば、『ふくろう』のようなぶっとんだ設定でも大竹しのぶならばなんとかなるわけだから、本作はちょっと無難すぎるかなという印象があります。
それにしても、一つ感心したのは、國村さんが煙草を吸うシーン。日本映画ではまだまだけっこう煙草を吸うという演出を意味ありげに使うことが多いです。しかも、最近では若い男女がスパスパと。これが私にとっては大きな違和感なんですよね。しかし、國村さんの煙草は凄い。火をつけるまでの過程や、煙を吐くタイミング、もちろんその吐き方まで。もちろん、おそらく本人がヘビースモーカーなんだろうけど、素晴らしいです。本来煙草なんてこの世からなくなってしまえ、という私ですが、ああいうひとはいいなあと思う。

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