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息子の笑顔

12月23日(木,祝)

この日は祝日だが,翌日の金曜日は講義後に家族3人でちょっと出かける予定があったので,「映画はこの日にしてください」ということで,一人で新宿に出かける。選んだ映画は1日1回しか上映していないこちらの作品。

新宿K's cinema 『信さん 炭鉱町のセレナーデ
なんと,今年『必死剣鳥刺し』を観たばかりの平山秀幸監督作品。なにやら『ぴあ』でも初日に観た人の評価が一番高かった作品。昭和38年,九州のどこかの炭鉱町が舞台。作品中では「衣島」となっているが,炭鉱のためだけに栄えた島といえば,長崎県の高島町の軍艦島が知られる。でも,ネットで軍艦島の写真を探してみると,映画のなかで映し出された島とは異なっている。まあ,ともかく炭鉱があるというだけで人が集まって,炭鉱が縮小されれば人が離れていく。そんな一時代の出来事を描いた作品。かつての『ALWAYS三丁目の夕日』と似た雰囲気を持つ作品だが,町の様子などもどのくらいCGを使ったかも分からないくらい,あの映画よりも進んでいる。
主演は小雪。駆け落ちして東京に行き,子どももできたものの,しばらくして離婚して故郷の衣島に戻ってくるという設定。息子が地元の小学生にいじめられそうになっているところを助けたのが「信さん」。そこに偶然小雪演じる母親が居合わせたのだが,その姿を見てすっかり一目惚れしてしまったという,淡い恋心の物語。その出会いが昭和38年だったのだが,そこから急に時代は大阪万博の年,つまり私の生まれた1970年になるのだが,ここで子役は役者交替。小雪の息子を演じるのは池松壮亮で,信さんを演じるのは石田卓也。一時期妙にスクリーンで観ることの多かった彼ですが,ちょっと久し振りです。そして,信さんには妹がいるのだが(正確には姪),成長した妹を演じるのが金澤美穂で,どこかで観たことがあると思ったら,『容疑者Xの献身』で松雪泰子の娘役の子だった。他にもその母親を大竹しのぶ,父親を光石 研が演じる。ちょっとした役でも大竹しのぶの存在感は素晴らしく,九州ものといえば必ず出演する光石 研。そういえば,同じように,村上 淳や江口のりこも出演しています。中尾ミエの役どころも最高だったし,岸辺一徳の息子を柄本時生が演じるというのは妙にしっくりくる。
という感じで,もちろん小雪の魅力満載の映画ではあるのだが,作品としては私の評価はイマイチ。まあ,こういうのが今広く求められているということでしょうか。といっても,上映状況は寂しいものがありますが。

さて,今日は息子のことなど。以前はさんざんうまくいかないと書いた妻の授乳ですが,またいろいろありました。母乳と粉ミルクの混合でやっていこうと決めて数日。またネットからよからぬ情報を入手した妻でした。「混合でやると,そのうち母乳が出なくなり,最終的には完全に粉ミルクになる」というもの。また,思案と試行の数日。妻は「もう粉ミルクでいい?」と私に提案したが,私はその妻の決断がコロコロ換わるのにちょっと愛想を尽かしたら,数日後にはなるべく粉ミルクに頼らずにいく方向性になったようです。それも軌道に乗ると,今度は息子の体重が気になります。確かに,毎日それなりのウンチとおしっこがあるので,心配はしていなかったのですが,出かけた帰りに市の施設に寄って体重を量るとこの10日間くらいで体重は微増。またまた心配になり,先輩ママさんに電話。ここ数日は息子の求めに応じて,なるべく母乳を与えるようになったようです。しかし,幸いなことに以前は重要事項だった,乳首の痛みというのはかなり減ってきているようで,なんとか,ようやく落ち着いてくるのでしょうか。
しかし,息子の方は相変わらず夜中でも2時間おきに起きる毎日です。まあ,多少訳のわからない泣き叫びというのは減っているし,昼間など3時間以上連続で寝ることも増えてきたような気もします。毎日見ているからドラスティックには気づきませんが,やはり日々成長しているんですね。そして,徐々に増やしている布おむつですが,新生児用のおむつカバーはすでにきつくなってきたので,一回り大きいものに替えました。当然,紙おむつもSサイズを使っています。

さて,赤ちゃんは産まれた時はある意味で野生状態です。まあ,厳密にいうとお腹にいるときから何か学習していることがあるのかもしれませんが,ここでは産まれた段階でできることは産まれつきできること,という前提にたちましょう。産まれてからできること。呼吸,乳を吸う,手足をバタバタ。漠然と見る,聴く。泣く。
これから成長するにしたがって,ここに何が追加されていくのでしょうか。つまり,何を学習していくのでしょうか。そんな観察が大きな楽しみでもあります。上で書き忘れたことがいくつかありますね。仕草でいうと,くしゃみ,あくび,伸び,これらはかなり早い段階からできます。産まれつきといってもいいかもしれません。わたしたち大人もくしゃみ,あくび,伸びをしますが,それらの仕草は産まれつきのままとはいえないように思います。くしゃみは随分長年やっている間に見についた個性というものがあるように思います。そして,あくびや伸びというのは他人に「眠い」や「疲れた」とかを伝える象徴交換の役割が大きく,純粋な酸素の欠乏や筋肉の緊張をほぐすという役割以上のものがあるように思えます。なので,赤ちゃんのくしゃみやあくびや伸びというのを大人が見ると微笑ましい気持ちになってしまうのは,同じ仕草でも大人は既に失ってしまった何かをそこに見出すからかもしれません。
ちなみに,生後2ヶ月を前に,息子は笑顔を覚えました。これは明らかに産まれつきのものではなく,われわれの表情を模倣して学習したものです。明らかに,私たちが微笑む理由を彼は知らない。もちろん,機嫌がよいときしか笑わないけど,笑うということが最上級に気分がいい時かどうかは不明。ただ,笑顔を見てある種の象徴体系を理解するわたしたち大人は,そこに彼が「喜んでいる」という心情を読み取ってしまうのだった。まあ,それはそれでいいと思う。

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コメント

ベビ、かわいい!!!

投稿: maki | 2010年12月26日 (日) 11時22分

makiさん

でしょー。
単なる親ばかでなく,かなり可愛いです。
赤ちゃんタレントとしても通用するような。

でも,街で見かける7,8ヶ月の巨大男の子を見ると,わが子は大きくなってどうなるのかちょっと心配です。

投稿: ナルセ | 2010年12月26日 (日) 15時28分

「信さん」、ご覧になったのですね。惹き込まれ度はイマイチでしたが、観て損はない映画でした。
「あん、ぽん、た~ん!」が良かったです。
 
『新宿K's cinema』、一度は行ってみたい映画館です。

投稿: 岡山のTOM | 2010年12月26日 (日) 18時05分

TOMさん

TOMさんはわざわざ神戸まで観に行ったんでしたね。
観て損はないというのはその通りですね。
私は平山監督の作品を観るのは『しゃべれども しゃべれども』から3作品目ですが,どれもつくりが丁寧ですね。

K's cinemaは私も好きな映画館です。以前,ここで『スクラップ・ヘブン』を観た時,上映後にトークショーがあるのを知らなくて得をしたことがありました。壇上に上ったのは李監督ではなく,阪本順治監督。プロデューサーとともに李監督について語るという内容でしたが,なんとその場に李さんもこっそりいらしたんですよね。
『フラガール』で実力派監督の仲間入りした今では,あの小さな劇場ではありえないことかもしれません。

投稿: ナルセ | 2010年12月26日 (日) 19時09分

ストーカーでも親になれるんですねー。笑。
みっこさんは、ご予定ないのかしらん?

投稿: あおみ | 2010年12月29日 (水) 17時17分

あおみさん

あら,私のところに直接書き込んだのは初めてですか?
そして,あなたの説によれば私は存在せずに,このblogもミッコさんが書いていることになっているのでは?

ストーカーからストーカー呼ばわりされる覚えはありません。

投稿: ナルセ | 2010年12月29日 (水) 17時21分

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