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恵比寿ガーデンシネマ

恵比寿ガーデンシネマが閉館する。最後の作品として選ばれたのが,この映画館でよく上映されていたウディ・アレンの最新作『人生万歳!』。しかも,今回のヒロインはエヴァン・レイチェル・ウッドだというので観に行くしかない。
ガーデンシネマが開館したのは1994年だという。オープニング作品は華々しく,『リアリティ・バイツ』と『ショート・カッツ』。どちらも未だ観ていないが,いつかはスクリーンで観てみたいと思っている作品である。現在配っているチラシに,ここで上映された全作品のリストが載っているが,どうやら私がここで初めて観た映画は『スリーサム』らしい。若者の三角関係を描く青春恋愛映画だが,ドロドロ系の三角関係ではなく,同性愛も含めて三人で仲良くという感じの物語だったと思う。私自身も三角関係ではないが,この作品をダブルでートみたいな感じで観に行った記憶があるが,具体的に誰と行ったかは覚えていない。しかも,学生時代かと思ったが,すでに25歳になっているので,大学院時代だ。この作品リストを観ても,どれが私が観た作品か確実に覚えているものはさほど多くはないが,けっこう思い入れのある映画館ではある。
『エキゾチカ』を観たのは1997年のことらしいが,非常に大きな印象を私に残し,後にそれがアトム・エゴヤンという有名なカナダの映画監督の作品だと知る。また,名前は知っていたものの,ウディ・アレンの作品を初めて観たのも,ここでの『世界中がアイ・ラヴ・ユー』で,それ以降の作品はほとんどこの映画館で観ているし,『世界中がアイ・ラヴ・ユー』で印象的だったエドワード・ノートンの主演作として『アメリカン・ヒストリーX』を楽しみにしていたのもここ。『ロッタちゃん はじめてのおつかい』ではニュースになるほどの行列が連日できて,立ち見を断っていたこの映画館で,2度ほど映画館まで行ったものの観れずに帰ってきた記憶もある。それからしばらくは相当時間に余裕のある日にしか行かないようになった時期もある。『ショート・カッツ』は観なかったけど,『クッキー・フォーチュン』で知ったロバート・アルトマン作品をよく観に来たのもここだったし,『ウェイキング・ライフ』や『テープ』など,リチャード・リンクレイター作品もよく観に来た。2005年くらいはほとんど観に来ていたといってもよい。ちょうどその年はガーデンシネマ10周年記念で,初めて日本映画を上映したというのも記憶がある。豊川悦司主演の『丹下左膳』がその記念すべき作品である。
そう,この映画館はこだわって外国映画だけを上映していた。予告編には2種類あって,はじめに上映されるのが他の映画館で上映するものも含めた予告編で,後半はガーデンシネマの予告編。それが始まる前には「これからご覧頂くのはハリウッドからの選りすぐりの作品です」というクレジットが表示された。ハリウッド映画といっても,いわゆる巨額をつぎ込んだ超大作ではなく,上に挙げた監督達の作品など,日本では大体的に宣伝もしない良質なハリウッド映画を専門に上映していたのだ。しかし,徐々にその上映作品の基準が変わってくる。日本映画の2本目は『ベロニカは死ぬことにした』という渋い作品だが,その次は『かもめ食堂』。これはシネスイッチ銀座での大ヒットに便乗して後から上映を開始したものだ。新宿にもガーデンシネマができたのはこの頃だろうか。だんだん,恵比寿に行く必然性が薄れ,私の足も遠のくようになった。実際,きちんと観た映画を記録するようになった2006年には6回行っているのに,2007年は0回,2008年は4回,2009年は5回,2010年は2回だった。
新宿ガーデンシネマの歴史は短く,間もなく角川シネマとなった。どうやら,この頃は既に恵比寿のガーデンシネマも角川映画の運営だったらしい。まぁ,そんなことで閉館はやむをえないが,かなり残念ではある。一時期かなり腰を痛めて,2時間の映画鑑賞も辛かったことがあるが,そんな時に久し振りに行ったここガーデンシネマで全く腰が痛くならず驚いた記憶も新しい。ともかく,映画館はすぐに潰さず,とりあえず次の運営会社が決まれば再会する可能性もあるらしいので,少し期待しておきたい。

1月4日(火)

恵比寿ガーデンシネマ 『人生万歳!
ということで,2011年初映画鑑賞はウディ・アレンの最新作となりました。最近はロンドンを中心に活動していた彼ですが,久し振りにニューヨークを舞台にして,本人の出演はなし。コメディアンのラリー・デヴィッドがいつもどおりのウディ・アレンばりのまくし立てる喋り方で主人公を演じます。そして,ここ何作かヒロインだったスカーレット・ヨハンソンに代わってバカ女のヒロイン役を務めるのがエヴァン・レイチェル・ウッド。彼女の存在は『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』という初主演(?)映画で既に知っていて,その頃の儚く危うい美しさから,最近の安定した美しさを確認していましたが,本作でもその魅力満載です。といっても,これまではどちらかというと知性のある役どころで,本作はそれとは正反対,そして髪型やファッションもこれまでになかったもの。そんな演出にも見事に応えていますね。さすがウディ・アレン。安心して楽しめる作品です。

恵比寿ガーデンシネマでは,今月末の閉館を前に,過去に上映した作品から16作品をアンコール上映するそうです。私が是非観たいのは,スカーレット・ヨハンソン出演の『ゴースト・ワールド』。本当はもう一人の主演のソーラ・バーチ目当てで観たかったのに,見逃してしまった作品。しかも,その後からスカーレット・ヨハンソンがあれよあれよという間にトップ女優になってしまったので,この作品を見逃したことを後悔していたのでした。ガーデンシネマの最後として観られたらいいな。

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コメント

恵比寿ガーデンシネマへは、いつか入る機会があるだろうと思っていましたが、とうとう縁のないシアターで終ってしまいました。
東京では、ミニシアターの閉館が続いていますね。 残念。

投稿: 岡山のTOM | 2011年1月 9日 (日) 15時57分

TOMさん

映画館全体の集客は一昔前より持ち直しているのは確実だともうのですが,やはり新しいのができればなくなってしまうものもありますね。
特に東京はミニシアターが充実していて,私からすれば観るべき作品は多くあるのに,やはり新宿ピカデリーやバルト9といった都心のなかのシネコンに人が流れてしまうのは残念ですね。

投稿: ナルセ | 2011年1月10日 (月) 20時31分

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