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哲学者の危機

アンリ・ルフェーヴル著,森本和夫訳 1959. 『哲学者の危機 総和と剰余 第一部』現代思潮社,242p.,300円.

この『総和と剰余』という大著は全六部からなるらしく,以下の構成になっているという。

第一部『哲学者の危機』
第二部『証人』
第三部『哲学生活』
第四部『道程』
第五部『目録』
第六部『哲学者とはなにか?』

私が本書を古書店で購入した時は,『歴史の証人』と題された第二部と一緒に購入したのだが,果たして第三部以降の翻訳が出ているのかは知らない(今,Amazonで検索してみたが,どうやら出ているらしい)。購入した当時は,全部揃ってから読もうと思っていたのだが,全部揃う見込みもないので読み始めた次第。やはり最近Amazonで『弁証法的唯物論』を入手したのだが,これがなんと1953年の出版なのでそれほど古い漢字は使われてなさそうだがちょっと気軽には読めない感じ。一方,本書にも第三章に「弁証法的唯物論(公認の)」とあったので,読み始めたのだが,この(公認の)ってところが曲者で,本書を読んで弁証法的唯物論が何か分かるようなものではなかった。
正直いってこの薄い一冊を読んで私は何を学んだのだろう。とてもこの読書日記で本書の内容を的確に説明する自信が全くない。ともかく,ルフェーヴルは前著『マルクス主義の現実的諸問題』がかなり批判されたらしい。しかも,もちろんルフェーヴルは全面的にマルクス主義者を名乗っているのに,この本によってフランスの共産党から除名されたというのだ。よって,本書はそのことに関する抗議であり,自身のマルクス主義の弁明である,といえようか。よって,本書で論じられる弁証法的唯物論とは,公認の=世間一般に信じられているものであり,それがマルクス自身の議論といかに乖離しているかということも含めた批判である。他にも「疎外」という概念など,現代のマルクス主義がいかにマルクスを理解し損ねているのか,あるいは場合によってマルクスの論を現代の社会に活かすことなど全く関心がなく,聖書のようにマルクスの著作を研究する,マルクス主義ならぬマルクス学が多いのかを批判している。まあ,私が理解できたのはこの程度であろうか。

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