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2011年10月

映画2本,献血

10月21日(金)

久し振りに献血。きちんと記録を取られるようになってから140回目です。渋谷のハチ公前献血ルームでちょうどお昼時でしたが(多くの献血ルームはお昼の休憩時間がありますが,ここを含めて数カ所はありません),とても空いていました。珍しい。この日は妻が企画したママ友たちのお食事会があったので,私の分もお弁当を作ってくれたので,それを持参して,献血後に人気のない待合室でのんびりとランチ。

渋谷ヒューマントラストシネマ 『ゴーストライター
ロマン・ポランスキー監督作品ですが,私的には主演のユアン・マクレガーに惹かれて観たいと思っていたけど,公開終了間際でようやく観ることができた。今頃政治ものサスペンスなんて,そう面白い作品は作れないと思っていたが,観てよかった。すばらしい作品でした。ところで,ユアン・マクレガーは1971年3月生まれで日本的にいうと私と同じ学年。彼の出世作はもちろん『トレインスポッティング』ですが,私的にはピーター・グリーナウェイの『枕草子』での存在感が記憶に残っている。Wikipediaで調べると,なんとどちらも同じ1996年の作品なんですね。グイネス・パルトロー主演の『エマ』に出ていた記憶はないけど,再映で観た『ブラス!』も含めてみな1996年の作品だったようです。当時25歳ですから,俳優としては遅咲きだといえるかもしれませんが,それ以降の活躍は目覚ましく,英国映画に欠かせない存在だといえる。ゲイの役もたまにありますが,男性としても魅力を感じる俳優さんです。
作品の内容からずれていますが,とにかく,彼の魅力満載の作品。予告編を観れば,粗筋を書く必要はありませんが,ピアース・ブロズナン演じる元英国首相が自伝を書くことになり,そのゴーストライターとして雇われるのがユアン演じる主人公。その元首相アダム・ラングの妻を演じるのがオリヴィア・ウィリアムズという女優さんなのだが,これがまた知的でセクシー。主人公に徐々に近づいていく存在で,そんな2人の関係も見所。物語には対テロ戦争における米国への英国の協力といった実際の社会背景も重要な要素として組み込まれていたりして,非常に見応えがある作品でした。

10月23日(日)

渋谷ユーロスペース 『家族X
本作はぴあフィルムフェスティバル(PFF)のスカラシップ作品。吉田光希監督による本作はその第20回作品だが,私は第12回作品である,李 相日監督の『BORDER LINE』から欠かさずに観ていることになる。といっても,この作品は李監督を知ってから再映で観たのであって,PFFのことを知ったのは,第13回の荻上直子監督の『バーバー吉野』からだ。最近ではすっかりワンパターン化してしまった荻上監督だが,この頃は面白かった。そして,PFFスカラシップ作品はどれも発想が豊かで,でも作りもしっかりしているのが,素晴らしいところ。当然,それら監督の多くはその後活躍しています。
ということで,期待せざるを得なかったわけですが,先に観た妻の反応はかなり悪い。日曜日の初回ではありましたが,11時からの回でお客が5人というのもどうなんでしょうか。南 果歩と田口トモロヲという有名どころを使っているのも気になります。ということで,やはり妻の反応,お客さんの反応は間違いありませんでした。確かに,映画としての作りは悪くないと思うのですが,特にこれといって注目すべきところのない作品。確かに,南 果歩をこうした役どころで使うのは珍しいかもしれないけど,田口トモロヲはこんな役はいくつかあるし,テーマは15年前ならまだしも,なんか一捻りないと受けませんよ。PFFスカラシップ作品でも第16回の『14歳』というのが似たような感想ではありますが,それでもそっちの方がまだ観るべき点がいくつかあった気がする。とにかく残念な作品でした。

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親子で映画

10月10日(月・祝)

谷中Cafe et Galerie Moineau 永山マキ×イシイタカユキ
永山マキさんの娘さんの出産予定日はわが家と1日違いだった。結局は,11日の違いで産まれて,うちの方が遅かったのだが,なかなか出産後のマキさんに会うことはできなかったので,今回昼間のライヴということで,家族3人で予約をして(予約としては息子はカウントされていませんが)楽しみに臨んだライヴ。
会場に着くと,早速イシイさんが出迎えてくれる。彼はすばらしいギタリストなのだが,ギターを持たなければ全くミュージシャンっぽくなく,人懐っこいところが面白い。お会いするのは1年以上ぶりだが,なぜかそんな気はしない。このお店はカフェが併設されたギャラリーで,この日も銅版画家の個展中のライヴということで企画されたものです。
ギャラリースペースがライヴ会場になっていて,お客さんの出入り口が狭い。なので,イシイさんが気を使ってくれて,われわれの席を一番出口に近いところにしてくれた。そこの2席だけ木製の立派な椅子で(他はレンタルのパイプ椅子),既に座っていた人に移動してもらって申し訳なかったが,結局のところは,いつもどおりの息子のおしゃべりは演奏中も止まらず,ほとんど夫婦のどちらかが席を立つ状態だったので,この配慮には非常に助かった。この日の演奏はサックス奏者の石川周之介さんもゲストに加わる。
ライヴ冒頭で,マキさんは私たちのすぐ側,お客さんの出入り口から鍵盤ハーモニカを演奏しながら登場。そこから,マイクなしの「ブラック・バード」の演奏が始まります。そうそう,ライヴってのは3次元の音の聞こえ方がするんだよな,と改めて実感。そして,わが息子は演奏中もいつものおしゃべりを続ける。そう,お客さんもただ聞いているのではなく,その場に立ち会って参加しているというのもライヴならでは。やっぱりライヴっていいなあと思いながら,片方では,息子を背負った妻が周りを気にして声が大きくなると退席したりするのを気にしつつ。そして,途中で交代して私がおんぶし,時折お店の外に出たり。再び妻に代わってしばらくしてようやく寝る。
この日のライヴは1日2回公演だったので,1時間あまりの演奏でしたが,妙に長く感じたり。やはり普通のライヴに幼い子どもを連れてくるというのは難しいですね。終演後,銅版画の展示を一通り観てから,マキさんとお話。というよりは,マキさんは息子をあやすことに夢中。残念ながら彼女の娘さんに会うことはできませんでしたが,楽しいライヴでした。

このお店は谷中といっても,上野公園よりなので,帰りは散歩がてら上野駅まで。上野駅に行くのも久し振りでしたが,かなり変わっていますね。かつてあった映画館が取り壊されて建設現場になっていました。


10月14日(金)

この日は講義終了後に急いで仙川に移動する。妻とそのママ友とランチをし,その後映画鑑賞の予定。初めての子連れで映画。今回の上映会は私たち親子がお世話になった助産師さんが企画に加わったものということで,わが家にも案内がきた。上映作品は出産ドキュメンタリーの『うまれる』。この映画は昨年の今頃,そうちょうど妻の出産前後に公開されたもの。しかも,この映画だけでなく,河瀬直美監督の出産ドキュメンタリー『玄牝』も同じ時期に公開していて,タイミング的にも観たかったが,結局はどちらも観ることができなかった。ということで,たまたま金曜日にあたったし,2回の上映のうち,午後の部は乳幼児同伴OKということで,私も一緒に参加することにした。妻はTOHOシネマズの月1回の「ママズクラブシアター」というのにも行きたいといっていたから,乳幼児同伴の映画鑑賞がどういうものか,よく分かるかもしれない。

せんがわ劇場 『うまれる
せんがわ劇場は調布市のパブリックシアターのようなもの。演劇から音楽演奏までいろいろやっているらしいが,利用するのは初めて。下北沢の北沢タウンホールのように,用途に応じて客席を組み立てる空間らしい。この日は段差をもうけた客席が設置されていて,さすがに午後の回は8割以上は子連れだったようです。そして,成人男性はそれこそ数える程度。
さて,映画について書きましょうか。この作品には何組かの夫婦が登場します。あまり恵まれた家庭環境に育たなかった夫婦2人の間に新しい命が宿ります。その夫婦は出産までの物語。もう一組は産まれてもそのほとんどが1年以内に亡くなってしまうという重い病気で産まれた男の子の両親。幸い,1歳を迎えるところまで続き,その後は鑑賞者に知らされません。もう一組は出産直前に胎児が亡くなってしまった夫婦。そして最後は不妊治療を長い間続けたものの,結局産むことを諦めた女性で,この女性は不妊治療の最先端技術を持つ病院で勤務している。それぞれは正攻法のドキュメンタリー映像でよく取材・撮影されていると思うが,冒頭のCGアニメーションと,中程のアニメが,出産という現象をいかにも神秘的なものに仕立て上げようという制作者の意図が押し付けがましくて,私にとってのこの作品の評価をかなり下げています。
最後に,上映中の劇場の様子ですが,思ったよりも大変ですね。妻は息子がちょっとでも声を発したり体をうねうねし始めるとおっぱいをくわえさせ,それを阻止します。そのおかげでうちの息子はあまり他に迷惑はかけなかったと思いますが,多くの母親たちはお互いさま的な感覚でかなり放任状態。ま,こういうもんですね。なかなか集中したい映画には不向きらしい。といっても,今回は当日券もキャンセル待ちというほど盛況だったので,空いている映画館だったら大丈夫なのだろうか...

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モテキ

10月7日(金)

新宿ピカデリー 『モテキ
妻も映画友だちのTOMさんも絶賛の本作。そもそも,私は長澤まさみの出演映画はなるべく観ようと思っているし,もちろん明るいエロ要素満載の映画は好きなので観ようと思っていたが,妻もTOMさんも観た直後にもう一回観たいといっているくらいだから期待が高まります。わが家はテレビなしなので,もちろんドラマ版は観ていないが,他のヒロイン役である麻生久美子も仲 里依紗も好きなので申し分ありません。森山未来君も,一度舞台も観ているし,どちらかというと好きな俳優。というか,この4人のヒロインたちとキスシーンがあるとか,おっぱいを揉むシーンがあるとか聞いても不思議と気にならないのが不思議。まあ,ある意味でユニセックスな存在なのかも。とりあえず,ネタバレがあるかもしれないことを告知しておきます。
漫画が原作ですが,漫画も読んでいない。なので,森山君が適役なのかは分かりませんが,映画を観るかぎりでは,彼以上の適役は思いつかない。確かに,玄人相手にしか経験のないセカンド童貞30男を演じるには格好良すぎるし,草食系というわりには脚本には「やりたい」雰囲気がですぎているし,でもそれは役柄の話で,やはり森山君はどこかユニセックスなところがあるので,どうなのかという気もするが,よくみると目は一重だし,鼻の穴の形が微妙に左右違ったりして,歯並びも併せると不細工に見えないこともない。まあ,ともかくそんなところを含めても森山君が出ずっぱりのこの映画はおそらく男性が観ても,女性が観ても,嫌悪感や現実に引き戻されてしまうようなアンリアリティ的要素も少なく,よくできていると思う。
さて,映像的な魅力もけっこう盛りだくさんな本作。といっても,手法的には『ファイトクラブ』とかすでにアメリカ映画がやってきたことではありますが,日本映画としてはなかなか新鮮。そして,Perfume本人が登場してのミュージカル的シーンや,森山君演じる主人公の心情を代弁する1980年代のヒットソングをカラオケ風にするなど,凝った演出も魅力ですが,残念ながらそうした試みは前半に集中している。もちろん音楽も本作の魅力。カラオケ風シーンで使われているのは大江千里や橘いずみ,そして他にもTMネットワークや岡村康幸など,私のつぼをついてきます。もちろん,現代のものも登場するが,そこはちょっと私の守備範囲からは外れてきます。でも,主人公が就職して始めたインタビュー取材のシーンで山下敦弘監督が登場したり,野外フェスのシーンが何度か出てきますが,サケロックのステージがあったり,登場人物の台詞にも「ハマケン」がでてきたりします。
まあ,私自身のほろ苦い恋愛の過去なども思い出せる,とても面白い作品。でも,素直にこれは「モテキ」と題した作品にふさわしい内容なのかと考えたりもする。なんだか普通の恋愛映画のような。でも,まいっか。ちょっと期待が大きくなりすぎたかな。

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親子で有料ライヴ

先日紹介したイタリア映画『あしたのパスタはアルデンテ』で書き忘れたことが2点。一点は相手役の女優さん。主人公がゲイだと知ってしまった唯一の人物である彼女は,主人公のゲイ友だち(そのうち1人が恋人)4人と海水浴に行くシーンがある。当然海水浴の帰りのシーンはスッピン。彼女が登場する冒頭のシーンではメイクばっちり,胸の谷間のみえるミニスカートのスーツにハイヒールという出で立ちなのに,惜しげもなくスッピンを披露するという当たり前のことが,一部のアメリカ映画や日本映画ではなかなかできない。女優はスクリーンのなかでは常に美しくあるべきというくだらない常識が日本映画のリアリティ喪失につながっていると同時に,多くの日本女性の価値観を支配しているように思う。当たり前のように高校時代にメイクを覚える女たち。男の手前ではなく,同性への手前でメイクをやめられない女たち。
まあ,そんなことはどうでもいいね。第二点。これはネタバレですが,主人公の最後の方のシーンでの台詞が非常に説得的だった。彼は数週間,父親の代わりにパスタ会社の人間としてその仕事に時間を割き,努力をしてきたが,楽しいと思えない。自分にとっての天職は作家なのだと。それだけの台詞だとなんの説得力もないが,「語ることよりも書き綴る方が真実を伝えられる」という台詞は私にとってはまさに共感すべきものだった。私はあまり「共感」という言葉を安易に使いたくないと思っているが,ここばかりはこの言葉以外に思い浮かばない。
以前に何度もいわれたことだし,このblogを読みながら実際の私も知っている人は分かると思うが,文章における私と対面して会話を交わす私とは別人らしい。そう,私がこうして研究者を志すようになったのは,学問というジャンルではあるが,書く愉しみを知ったからである。書くという行為は話す行為と違って,その場に相手はいないし,その分ゆっくりと時間をかけて考えることができる。だからそのことによって,まさに偽りない自分自身を表現することができるのだ。まあ,最近はそれほどほとばしるような書く愉しみを感じていないが,それを求めて書き続けるのです。

10月2日(月)

この日は朝から一人で映画。その後に昼間のライヴに親子3人で参加の予定。

渋谷ユーロスペース 『朱花の月
河瀬直美監督作品はできるだけチェックしておくつもりだが,段々期待というものは薄れてきているように思う。ただし,本作では音楽をハシケンが担当しているので観ないわけにはいかない。本作も彼女がライフワークとしている奈良県での撮影。奈良県といっても多様性を有する場所であることは彼女の作品を複数観れば分かる。というか,これが正当な場所の表象だといえようか。今回は万葉集からの言葉を時折用いながら,そして藤原京の遺跡発掘現場から映画は始まる。今回も段々畑など豊かな自然と共存する文化景観の映像が続くが,監督自らの撮影による本作はデジタルカメラによる撮影のようだ。男2人に女1人という物語で,その女性を演じる大島葉子は『ヘヴンズ・ストーリー』にも出演していたようで,見覚えがあるが,男を演じる「こみずこうた」など,見知らぬ俳優を使うのは河瀬監督らしいが,脇役では樹木希林や西川のりおなどを使ってもいる。ハシケンによる映画音楽だが,基本的に彼女の作品ではあまり出番はない。けっこうチェロが使われていたが,他にはピアノくらい。クレジットでは「フルート ヤマカミヒトミ」となっていたが,フルートには気づかなかった。そして,チェロは橋本 歩さんではなかった。これは音で分かっていたことではあったが。ピアノはハシケン自身が弾いているのだろうか。いやいや,けっきょくこの作品はどうだったのであろうか。現代を舞台にしながら,万葉集や藤原京など,この地の持つ歴史性を強調したかったようだが,時折太平洋戦争の記憶も呼び起こさせるような演出がなされる。俳優の演技をみせるでもなく,いまさら風景で土地の魅力を語るでもなく,かといって脚本は比較的平板だし,さまざまな偶然性が入り込む要素もそれほど多くはない。
まあ,こういう映画がもっと日本映画にあってしかるべきというメッセージにはなると思うが,ある意味ではこの種の映画は河瀬氏しか撮れないような状況になっていたりして。ちょっと中途半端な気がしないでもありませんけど,これはこれでよいのでしょう。

上北沢il sole Quinka, with a Yawn
渋谷で一人で食事をしてから上北沢に移動。上北沢は一度flex lifeのライヴで降りたことがあるきり,下車したことがない駅。この日のライヴは先日のタワーレコードと同様に,Quinkaが『コドモレコード』発売記念として,幼い子どものいる人も入りやすいお店で昼間の時間に企画されたもの。私はタワーレコードでも聴いているし,どちらかというとQuinkaオリジナル曲のライヴを聴きたかったが,妻がそのお店にも興味を持ち,このライヴだったらママ友たちも誘えるということで,行くことにしたもの。実際に,以前は近所だったママ友家族4人とご一緒することになった。
このお店は一応イタリアンレストランということだが,あまりカフェっぽくない雰囲気で,IKEAの子ども椅子も十分にあり,また窓際のスペースには滑り台もある子ども遊びスペースが設けられている。私が到着すると,既に2〜3歳くらいの多くの子どもたちが遊んでいます。まだ歩き始めたばかりの1歳過ぎの子どもも数人。そのなかに,大橋エリさんの2人の娘さんもいました。上の子が4歳で,下の子が6ヶ月。旦那さんの子どもの扱いは手慣れたものです。そんななかにわが息子も放り込みますが,かなり楽しそうに遊んでいました。
ほどなくしてライヴが始まります。この日はベースの鎌田さんも加わっての4人編成。最初の頃は子どもも集中して聴いていますが,やはり15分くらいが限界ですかね。徐々に脱落者が出てきます。泣き出す子,泣き出す前にプレイスペースに連れ出す親。そしてわが子は母親の胸に抱かれて眠りにつきました。それでも,ミュージシャンたちは集中力を切らさずに演奏を続けます。せっかくなので,自分のオリジナル曲をやってくれてもよかったかもしれませんね。終演後はエリさんとミッコさんとも少し長目におしゃべりしてお店を出ます。まだまだ明るい時間だったので,上北沢の駅前を散策。駅前に素敵な桜並木があって,なかなか魅力的な街でした。

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