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渋谷で映画2本

12月9日(金)

渋谷ユーロスペース 『不惑のアダージョ
井上都紀という1974年生まれの女性監督の作品で,なにやら注目されているようなので,観ることにした。主演が歌手の柴草 玲ってところも気になります。ライヴには行ったことがないけど,私がかつて通っていたお店でよく演奏しているようで,以前から名前だけは目にしていたので,そういうところも気になります。
ホームページにはきちんと記されていないが,恐らく監督人によるオリジナル脚本だと思う。「不惑」というのは40歳のことで,主人公は教会のシスター。当然のことながら男性経験がなく,しかも最近は更年期障害らしき症状をおぼえてくる。不惑ところか,信者の悩みを聞く立場(まあ,実際にシスターはそんな立場にはないかもしれないが)どころか,この先の人生をどうするのか,そんな一女性の生き方を,穏やかにひっそりと描く。まあ,こうやって書くと各方面から絶賛の声が寄せられる理由も分からないではないが,個人的にはあまり好きな作品ではなかったかな。
その一つの原因は映像。デジタルカメラで撮影されていると思うが,画質がけっこう荒くて映画館で観るというよりは,ちょっとした試写室で観た方が印象は良かったかも。でも,きっとこの監督の次回作も観に行くんだろうな。

渋谷シネクイント 『ハラがコレなんで
昼食をとって引き続き観たのは,石井裕也監督最新作。彼の作品もこれといって好きなわけではないんだけど,なるべく観ておきたいと思う。今回は特に仲 里依紗が主演ということで,とりあえず観ておかなくては。『あぜ道のダンディ』はちょっとクセがなくなった気がしたけど,今回はくどいほどクセがありますね。このクセはけっこう好きです。最近映画でもよく出てきている若手俳優中村 蒼が里依紗ちゃんのお相手なんだけど,彼の登場シーンがすごい。石橋 凌が育ての親という設定で,2人で定食屋を切り盛りしている。暗い店内の厨房にたたずむ2人という映像がなかなかすごい。若手俳優には似つかわしくない登場シーンがさすが。そして,主人公が幼い頃住んでいた長屋の大家さんを演じる稲川実代子というおばさんの存在感。どこかで観たことがあると思えば,石井監督の『川の底からこんにちは』でもその存在感を示していましたね。
ついでに斉藤慶子のやくどころなんてのもニクい感じですが,全般的に長い。くどい映画なんだから,その分上映時間は短くして後味すっきりにしてほしかったのに,主人公の「粋」へのこだわりがしつこすぎて,本当に田舎町の定食屋でハラがはち切れんばかりの味が濃い野菜炒めを食べた感じ。まあ,それがこの作品のこの作品たる所以なのかも知れません。

ちなみに,この日観た作品に共通していることが2つありました。一つはお米を研ぐシーン。最近のお米は精米技術が進んで,そんなに力を込めなくてもいいということになっていて,洗い方は米の袋にかいてあるのに,どちらも間違っている。いわゆる映画的な演出だ。それから,もう一つは出演者。どちらにも幸薄そうな中年男性役として千葉ペイトンという俳優さんが出演していました。

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コメント

「不惑のアダージョ」をご覧になったとは、さすがです!
『ゆうばり映画祭』のコンペでグランプリを獲得し、確かその賞金を元に撮った作品。一度だけですが参加したことのある映画祭なので、以来グランプリ作品やその監督には注目するようになっているのです。映像の荒さは資金不足によるものでしょうね。本作はたぶんこちらでは公開されないでしょうが、次回作はもっと上映館が多くなりますように。
 
「ハラが~」は岡山では1月の公開。
>そして,主人公が幼い頃住んでいた長屋の大家さんを演じる稲川実代子というおばさんの存在感。どこかで観たことがあると思えば,石井監督の『川の底からこんにちは』でもその存在感を示していましたね。
 石井組のお馴染みの顔ぶれも出演してるんですね。楽しみ。
 
>ちなみに,この日観た作品に共通していることが2つありました。
 こういうこと、たまにありますよね。それ故、作品自体の出来以上に記憶に残ったりとか。

投稿: 岡山のTOM | 2011年12月16日 (金) 03時33分

TOMさん

はい,観ました。
最近は,観られる本数が限られているので,観たい映画と観るべき映画とどっちを優先するかが悩みどころです。
一応映画ファンを自認したいので,ほっておいても売れる作品よりも応援したい作品を観に行きたい,というところです。

『ハラがコレなんで』では,石井組の森岡 龍君もチョイ役で出演していますよ。

投稿: ナルセ | 2011年12月16日 (金) 19時45分

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