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宝島

スティーヴンスン著,阿部知二訳 1963. 『宝島』岩波書店,310p.,410
円.

こちらもレポートの課題としていた一冊。もう一冊の『ロビンソン・クルーソー』(1719)よりもだいぶ新しく,原著は1883年に出版された。歴史を古い方からたどっている講義がようやく『ガリヴァー旅行記』(1726)だから,ちょっと新しすぎた。
まあ,現代ではディズニー映画の『パイレーツ・オブ・カリビアン』やちょうど公開中のスピルバーグ映画『タンタンの冒険』,そして日本で人気の漫画『ONE PIECE』(これについては受講者がレポートに書いていた)などの原点として本作を位置づけることはできるが,講義で話をしているテーマとの関連はあまり見出せないことが分かってがっかり。そして,学生さんには少し悪いことをしたような気もします。
本作が執筆されたのは19世紀後半だが,舞台として設定されているのはほぼ1世紀前ということになっている。さすがに,19世紀後半には海賊はいなかったのか。海賊というのも地理学的には面白い歴史的テーマだが,存在が存在だけに私が読んだ歴史書の類いでまともに登場したことはない。しかし,断片的には18世紀における海洋覇権国としての大英帝国を思わせるような記述もあるし,無人島の設定は『ロビンソン・クルーソー』からの文学的影響もみてとれる。
しかし,『ロビンソン・クルーソー』のリアリティに比べたら,子どもが主人公という時点から明らかにフィクションであることが前面に出ているのは,やはり19世紀後半という時代のせいだろうか。ともかく,一度読んでおいてもいい本であることは間違いない。そして手塚治虫のデビュー作である『新宝島』(1947)を読み直してみようと思う。

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