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同じ映画館で3本連続

2月25日(土)

前週は映画を1本も観られなかったので,この日は2本立てにしてやろうと思っていた。前週わが家に遊びにきた友人が観たという『人生はビギナーズ』。これは私も絶対に観るといったら,妻が前売り券を買ってきてくれた。友人は新宿バルト9で観たとのことだが,日比谷シャンテ・シネでもやっていた。シャンテならば,他にも観たい作品があるはずだと思い,調べてみると,上映中の3本とも観たい作品だった。しかも,朝9:30から観始めれば,3本終わっても17時だ。さらに,それぞれの合間の時間が1時間前後ある。1回目の合間はお昼時だし,2回目はティータイム。ということで,タンブラーを持ってスターバックスでお昼もティータイムも過ごすという計画を立てる。そう,スターバックスはドリップコーヒーであればその日中の2杯目以降は100円になる。シャンテ・シネも随分前からTOHOシネマズ系列に組み込まれてしまった。そういうTOHOシネマズの戦略が気に喰わなくて,TOHOシネマズ・マイレージカードは頑に作らずにいたが,近所の映画館もTOHOシネマズなので,ついに入会することとしよう。ちなみに,入会金が200円で,年会費が300円。6本鑑賞につき1本無料,1分で1マイルたまり,1000マイルでポップコーンなどと交換,6000マイルで1ヶ月無料パスポートとのこと。マイルの方は有効期限が1年間なので,単純に1本120分としても,6000マイルに達するには年間50本をTOHOシネマズで観なくてはならない。今の私にはけっこう大変だ。

日比谷TOHOシネマズ・シャンテ 『おとなのけんか
1本目はロマン・ポランスキー監督作品。なにやらもともと舞台だった作品をアカデミー賞受賞歴のある俳優4人で映画化。2組の夫婦がそれぞれの子どもの喧嘩をきっかけに話し合いの場を設けたという設定。いかにも舞台的だ。ということは,身体的動きよりも会話が中心。3本立ての3本目とかだとけっこうきついので,1本目でちょうどよい。
ジョディ・フォスターとジョン・C・ライリー演じる夫婦が喧嘩で怪我を負った少年の両親。ケイト・ウィンスレットとクリストフ・ヴァルツ演じる夫婦が怪我を負わせた少年の両親。こういう作品は,肝心の子どもたちが登場しないところが面白いと思うが,残念ながら冒頭のシーンでちょっと距離を置いた固定カメラから,喧嘩の様子が映し出されている。まあ,幸いなことに子どもたちの顔までは確認できない映像だし,喧嘩の原因も分からない。ちなみに,エンド・クレジットを見ていると,子どもの一人の名前がポランスキーとなっている。監督のお孫さんか。
さて,本編は全編一室で繰り広げられる登場人物4人のみの展開だが,私が期待したような脚本が魅力なのではない。そこは意外だったが,むしろ4人の表情を中心とする細かな身体的運動が面白いのだ。このネタはばらしては面白くないが,ケイト・ウィンスレットがやってしまう「アレ」とか,クリストフ・ヴォルツのデザートの食べ方とか,ジョディ・フォスターの後半の顔なんて,これまで知的な役どころの多かった彼女のイメージとはかけ離れて,しかも加齢を隠しもせずの演技はなかなかです。意外にもジョン・C・ライリーがこの点では一番つまらなかったかも。まあ,ともかくこういう映画は好きですね。

日比谷TOHOシネマズ・シャンテ 『ヤング≒アダルト
この日の3本のなかでは一番期待していなかった作品だが,『マイレージ,マイライフ』のジェイソン・ライトマン監督ということで,直前で少し期待が高まる。私的には一応シャーリーズ・セロンの作品はチェックしておきたいというのが本心。まあ,全体的にはそれほどでもない作品なのだが,本職はコメディアンだというバットン・オズワルドという人物が演じる役どころの存在があって,本作はまとまりがよくなっている。そこが,やはり監督の技量だといえようか。シャーリーズ・セロンの存在感と演技もさすがだった。彼女の大学時代の恋人を演じるパトリック・ウィルソンはケヴィン・コスナー似だが,この手の役どころから抜け出せない感がある。でも,それがまたよかったりする。『ハード・キャンディ』で14歳の少女に翻弄される姿はなかなかだった。

日比谷TOHOシネマズ・シャンテ 『人生はビギナーズ
主人公はユアン・マクレガー演じる30歳過ぎの男性。恋愛は数年続くが,結婚となると消極的になってしまう。母親が亡くなり,クリストファー・プラマー演じる年老いた父が「ゲイ」であることを告白するという物語。主人公の相手役を『イングロリアス・バスターズ』のメラニー・ロランが演じる。ちょっとこの2人の出会いとお互いが不可欠な存在になるという恋愛関係の展開がちょっと不自然だが,映像的にいくつかの工夫がなされていて面白い。一つは主人公がイラストレータ役で,彼自身の心情をそのイラストで表現するという手法。このイラストのタッチはどこかで見たことがあるから,けっこう有名な人のイラストだと思う。主人公は独特のタッチでミュージシャンの想像画を描き,CDジャケットにするという仕事で知られ,そんな仕事が繰り返し舞い込む。父を亡くした頃はそうした仕事に意欲を失い,ちょうど依頼のあったThe SADというバンドのジャケットと歌詞カードを依頼通りの肖像画ではなく,自らの創作による人類の悲しみの歴史物語で制作してしまう,といったシーンがあったり。また,家族の過去の出来事を語るのに,この時代の男はこうだった,女はこうだった,男女関係はこうだった,とその時代の雑誌のピンナップなどを次々写したり,この年の大統領は,とか,ゲイの話でもあるので,ハーヴェイ・ミルクの映像も出てきたり。こういう演出も好きなんですよね。
ちなみに,メラニー・ロランは英語圏の映画でしか知らなかったけど,やはり元はフランス女優なんですね。すごく奇麗な割には映画のなかでイマイチの役どころが多かったけど,本作では彼女の魅力にやられます。ちょっと横乳が見えるシーンなどあったり,美しい女優さんです。米国アカデミー賞ではクリストファー・プラマーが助演男優賞も受賞したりして,こういう小ぶりの秀作が注目されるのは嬉しい限り。

久し振りの3本立てで疲れるかと思いきや,選んだ作品のせいもあって,全て集中して観られました。やはり映画は素晴らしい。

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コメント

>久し振りの3本立てで疲れるかと思いきや,選んだ作品のせいもあって,全て集中して観られました。やはり映画は素晴らしい。
 同じ映画館、且つ上映時間も理想的という絶好の状況で予定より1本多く鑑賞でき、本当に良かったですね。 私も土曜日に神戸まで出かけて「人生はビギナーズ」を観たのですが、西宮のTOHOシネマズでやっている「ヤング≒アダルト」は時間が合わずに断念。残念でした。岡山では公開されないんじゃないかなぁ・・・・。
 
「人生はビギナーズ」は、メラニー・ロランがなかなかキュートでした。また、私は愛犬家ではありませんが、あのワンちゃんの可愛さに何度も口元が緩んだものです。評判通りの1本。
 
「おとなのけんか」は、当地では5月の公開です。これぐらいの遅れなら、全然OK。とにかく地元で観られさえすれば。
 
>マイルの方は有効期限が1年間なので,単純に1本120分としても,6000マイルに達するには年間50本をTOHOシネマズで観なくてはならない。今の私にはけっこう大変だ。
 マイルは翌年の12月31日まで有効の筈なので、余裕で【1ヶ月フリーパスポート】をゲットできると思いますよ。 ちなみに私は現在8000マイル近くになっており、いつ交換しようかと楽しく検討しているところです。せっかくなので、時間的にも余裕があり、観たい映画がたくさん公開される時期を狙いませんとね。

投稿: 岡山のTOM | 2012年3月 5日 (月) 18時20分

TOMさん

『人生はビギナーズ』の犬は確かに愛らしかったですね。
外見の汚さがさらに効果的だったと思います。

マイルは改めて明細を見て気づきました。確かに1年10ヶ月あれば余裕ですね。
それにしても,8000マイルとはさすがTOMさん。
私もこれを機に,いろんなTOHOシネマズに行ってみることにします。

投稿: ナルセ | 2012年3月 5日 (月) 19時46分

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