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映画レポのみ

6月2日(土)

講義の後,府中市立図書館へ。この日は図書館の北側の公園でフリーマーケットをやっているということで,妻がママ友たちを誘って観に行くことにした。私は駅近くのサブウェイでサンドイッチを買って合流。図書館のフリースペースで皆で昼食。ひとしきり見たところで用事がある人は帰ったりして,わが家は息子の靴を2足格安でゲット。けっこう早い時間だったので,私は府中で映画を観て帰ることになった。

府中TOHOシネマズ 『外事警察 その男に騙されるな
選んだのは,この日が初日の日本映画。渡部篤郎主演の刑事ものといえば,私がまだテレビを見ていた時代にやっていた『ケイゾク』が印象的だった。まあ,この作品はNHKのドラマだったし(私は観ていないが),宣伝もよくやっているようなので,ストーリーの説明は不要でしょう。真木よう子や尾野真千子など魅力的な女性陣に加え,ひときわ異色を放っていたのが田中 泯。その存在感はさすがです。

6月8日(金)

この日はお休みということで,午前中妻が映画に行って,午後は3人で過ごすつもりだったが,土日に映画を何観ようかと探しているうちに,この日が最終日の映画をみつけてしまった。府中で昼ご飯だけ家族3人で食べた後,私は有楽町へ。

有楽町スバル座 『この空の花――長岡花火物語
その作品はこちら。東京ではここでしか上映していません。4月に寺島 咲ちゃんのトークショーの際,しったこの作品。大林宣彦監督の秘蔵っ子と表現される咲ちゃんですから,本作品にも出演しています。まだ先の公開と思っていたのに,最終日になんとか観ることになるとは。
大林監督の作品は、『22歳の別れ』(2007年)と『その日のまえに』(2008年)を観てきているが、その頃はかなり異質に見えた映像演出がこの作品で完成形にたどり着いたような気がする。それは単に私の目が慣れてきただけかもしれないが。松雪泰子演じる主人公は熊本県天草に住んでいる設定だが、彼女の室内のシーンは窓枠に別撮りした風景をはめ込む。それはかつて恋人同士(あるいは夫婦?)だったという設定の高嶋政宏演じる男が山古志村に住んでいる設定だが、その窓枠も同じである。主人公はその男からの手紙で長岡の花火を観に旅行をするが、そのタクシーの車窓もはめ込みである。それだけではなく、最新のCGを用いて違和感なく合成映像を作るような努力とは全く一線を画し、カレル・ゼマンのアニメーションか、横尾忠則のコラージュ作品化というような映画映像の製作が最近の大林作品の特徴である。まさに、彼の映像がさまざまなものの組み合わせから成立しているように、人間社会もさまざまな時代の、さまざまな地域に暮らす人々の物質的な関係や精神的な関係、その複雑な組み合わせから、一個人の人生が成立している、あるいは長岡という場所がさまざまな複雑な組み合わせから成立しているという、地理学者マッシーが主張しているようなメッセージが本作には込められている。
物語は2011年の8月の長岡花火を中心に展開される。3月に震災があり、東京圏でも多くの花火大会が中止になったなか、長岡ではむしろ追悼の意を込めて大会を実施する。それは中越地震の際に受けた支援に対する恩返しでもあり、またこの花火自体が1945年8月1日の長岡空襲の戦災復興を祈願したところが始まりであるという。ともかく、この映画は歴史物語のように、戦争の事実が次々と矢継ぎ早に語られる。2時間40分という長い上映時間ではあるが、だらだらしたシーンなど全くない。むしろ、急ぎすぎな感があるくらいだ。劇中では地元の新聞記者による取材ということになっているが、最後にはモデルとなった戦争体験者が登場するが、本編では俳優がかれらを演じ、戦争の記憶を語る。筧 利夫や寺島 咲、森田直幸、蓮佛美沙子などなど、大林作品の常連もたくさん出演しています。

6月9日(土)
渋谷TOHOシネマズ 『ファミリー・ツリー
秀作『アバウト・シュミット』のアレクサンダー・ペイン監督最新作。アカデミー脚色賞を受賞した割には日本ではうけがイマイチなのか。早々と前売り券を購入していたのに、あっという間に上映終了。ということで急いで観に行ったが、どこも1日フルで上映しているわけではなく、時間的に都合がよいということで渋谷になった。客席はけっこう埋まっていたが、やはり私と同様なのか、渋谷には似つかわしくない中年夫婦などが多かった。
さて、予告編はかなりコメディータッチ。ジョージ・クルーニー演じる主人公の妻が事故に遭い、これまでほとんど接触がなかった娘2人と向き合うことになる。しかし、長女から妻の不倫を告げられるという展開。コメディタッチだったら、ハッピーエンドかと思いきや、実際はかなりシリアスタッチ。ハッピーエンド的なものはあまりありません。それにしても、長女を演じるシャイリーン・ウッドリーという女優がかなり美形。役どころは17歳の高校生だが、実際は20歳とのこと。ハワイが舞台ということで、水着シーンも多いです。ハワイの雰囲気がしっかり味わえる作品でもありますね。

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コメント

「この空の花」は、危うく見逃すところだったんですね。ご覧になれて良かった。
私は、ナルセさんほどには惹き込まれませんでしたが、歴史の色んな事柄をぎゅ~っと盛り込んだ、かなりの力作だったように思います。
大林監督、まだまだお若いですね

投稿: 岡山のTOM | 2012年6月14日 (木) 02時39分

TOMさん

確かに,大林監督,若いですよね。
私の場合,惹き込まれたというのではなく,観なくてはいけない,というそんな感じだったような気がします。多くの人に観ていただきたい作品ではありますが,やはり難しいようですね。

投稿: ナルセ | 2012年6月14日 (木) 08時33分

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