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帰省したりもしたけれど

とりあえず,映画レポート。

8月15日(水)

府中TOHOシネマズ 『ダークナイト ライジング
クリストファー・ノーラン監督によるバットマン三部作の最後の作品。ちなみに、ノーラン監督は私と同い年。しかも、誕生日が4日違いで私より年下。2000年の『メメント』は渋谷のシネクイントで非常に人気でロングランしていて、最終的に観ることになったが、私にはイマイチだった。なので2005年の『バットマン ビギンズ』は観なかったが、2006年の『プレステージ』は観ている。これは監督で選んだというより、スカーレット・ヨハンソンが目当てだったと思う。『ダークナイト』の2008年には恐らく妻と知り合っていたのだと思うが、その影響で観たのだと思う。それ以来、『インセプション』も良かったし、『ダークナイト ライジング』も楽しみにしていた。もちろん、夫婦揃って好きなジョゼフ・ゴードン=レヴィットが『インセプション』に続いて出ていて、私個人としてはキャットウーマンとして出演しているアン・ハサウェイも大きな目的の一つ。
さすがに、前作の衝撃以上のものを得ることはできなかった。確かに、アン・ハサウェイは非常に魅力的だったが、マリヨン・コティヤールはちょっと期待はずれだった。なによりも、何度もバットマンを殺し損なって、最終的にやられてしまうという展開はアメコミの常套手段であり、あまりその手の映画を観ない私にとってもちょっと飽き飽きしている展開。今回の悪役はそれほど観る者に恐怖を与えるような迫力がなかったようにも思う。核爆弾の処理の仕方も、最後にオチがあるものの、あれは『鉄腕アトム』と同じではないか。まあ、でもそんな衝撃的な映画を頻繁に作れるはずもないし、全体的には良くできている作品だと思う。まあ、逆にいうとこじんまりとまとまりすぎていたという気もしないでもない。でも、改めて『バットマン ビギンズ』を観て、『ダークナイト』を見直す楽しみはできたと思う。

8月18日(土)

新宿バルト9 『桐島,部活やめるってよ
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』、『クヒオ大佐』、『パーマネント野ばら』とWikipediaに乗っていた監督作品は全て観ている吉田大八監督最新作。といっても、別に監督で選んでみているわけでもないし、オリジナル脚本ではなく、みな原作があるようだが、そのチョイスがけっこう面白い監督だと、振り返ると思える。そして、私のなかでは今年一番期待していた映画。朝の回がやっていた新宿バルト9で私が観て、その日の午後に妻が近所のTOHOシネマズで観るという一日。バルト9では、本編の前に素人高校生が撮影したと思われるショートフィルムが上映された。テーマは本作タイトルと同じ。シチュエーションは全く違っていてよく分からないところもあったが、このショートフィルムの冒頭のナレーションにあった「高校には優秀な一握りの集団とその他大勢とがいる」というような内容が印象的だった。
さて、本編。事前にウェブのニュースで、出演者の橋本 愛と東出昌大のインタビュー記事を目にしていた。橋本 愛は『告白』でやたら目立っていたが、最近映画出演に引っ張りだこ。そんな彼女は俳優という職業を続けていこうと自発的に思っていなかったが、本作出演でかなり目覚めたらしいというもの。東出昌大の本職はモデルだったようだが、本作で監督に役者という仕事について厳しくいわれたらしい。基本的に先生以外は高校生しか出てこない映画ではあるが、かれらに刺激を与えたのが、表向きの主演の神木隆之介と大後寿々花の存在らしい。この2人は2007年の行定 勲監督作品『遠くの空に消えた』で共演しているが、どちらも子役時代から映画にも多数出演し、芸暦は長い。もちろん、実年齢では出演者の年齢差はけっこうあるようだが、一応同世代といっておくと、同世代でありながら役者としての経験はだいぶ違う。ということで、個々人の演技を見るという意味でも面白い作品。
まあ、宣伝でも予告編でも本作の概略は既に伝えられているが、実際に映画にはほとんど登場しない「桐島」というバレー部のキャプテンが部活をやめるという話が学校中を駆け巡る数日間の様子をさまざまな視点から描く作品。日本の高校らしく、ここでいう「優秀」とは成績であることはなく、部活でいえば運動部>文化部>帰宅部(場合によっては帰宅部>文化部)であり、ルックスと異性間の交友という価値観が強い。
それにしても、中学や高校の学園ものってのは演技に関してその評価はなかなか難しい。小学生は基本的に自然に振舞うので、自然な演技が評価されるが、中学生や高校生は社会におけるさまざまな葛藤から自然に振舞えない。だから、未熟な演技で不自然に見えるようなものが逆に自然だったり、妙に自然に見せるような技術が逆に不自然に思えたりするからだ。そういった意味でも、やはり神木君と大後さんはそこまで理解した上での演技が光る作品。一方で、実年齢26歳ながら神木君の映画部の同級生として出演している前野朋哉はなんと映画監督もやっている人物らしい。なかなか彼の存在も重要。脚本としては期待したほどの驚きはなかったが、ともかくこういう日常の繊細な感情を描く作品というのは観ていて飽きません。最後の屋上のシーンもいいですね。
米国産の『アベンジャーズ』が「日本よ、これが映画だ」というコピーで宣伝を行っているが、私は本作のような映画こそ、「これが映画だ!」といいたい。そして、この手の作品で上映時間4時間とかやってほしいですね。

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