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2012年10月

やはり映画館で過ごす時間は落ち着きます

10月13日(土)

銀座シネスイッチ 『人生,いろどり

吉行和子,富司純子,中尾ミエという3人が主演ということでちょっと楽しみにしていた作品。いつでもテレビに出ているような人気俳優だけを使う映画よりも,こういう人たちを前面に押し出す映画には好感が持てる。監督は御法川 修だが,この名前どこかで見たことがあるんだよな。でも,ネットで調べてみても私が観たことある映画を撮っているわけでもないし。珍しい名前だから間違えはしないと思うけど。

吉行和子の夫を藤 竜也が演じているところも本作の魅力。変にプライドだけは高く,自分はいろんな事業に手を出しては失敗しているという憎まれ役。このお話は実話を基にしているということ。それもあってか,ちょっと話の展開がぎくしゃくしているというか,リズムが悪いというか。上映時間が長く感じる作品でした。富司さんがキレイすぎてとても田舎のばあさんには見えないというのも難点。若者代表で出演していた,平岡佑太と村川絵梨がけっこうよかったりして。でも,この2人が結婚するってのはちょっと無理があるな。本作は徳島県が舞台だが,村川は2004年に『ルート88』という四国遍路の映画でデビューしていて面白い。いきなり主演でどんな女優になるかと思いましたが,たまにしか出てきませんな。かなりふっくらとして色っぽくなっていました。

10月19日(金)

渋谷イメージ・フォーラム 『台北カフェ・ストーリー

以前,息子と2人でアップリンクのカフェにいった時,壁に貼ってあったポスターで知った作品。しかし,アップリンクでの上映はその日が最後。さすがに息子と2人では観るわけにはいかないので諦めた。そしたら,東京国際映画祭に乗じてやっているいくつかの映画祭のうちの一つ,「東京ごはん映画祭」をイメージ・フォーラムが開催。その一作品として3回のみ上映していた。2回は平日の夜だったが,最後の1回が金曜日の昼間ということで,私は普段木曜日を休んでいるところを金曜日に変更し,午前中献血をし,午後にこの映画を観ることができた。

タイトル通り,これは台湾映画。『藍色夏恋』で主演したグイ・ルンメイが主演。先日,映画好きの美容師さんとちょうど『藍色夏恋』の話になった。この作品はチェン・ボーリンとの共演だったが,私は観たかどうか記憶がない。その後,日本で開催された台湾映画祭で上映された『言えない秘密』で好きになる。確かに日本人好みの顔かもしれない。

さて,映画ですが,なかなか私好みでした。なんと,プロデューサーが日本でも『珈琲時光』を撮っている侯孝賢(ホウ・シャオシェン)だった。これを冒頭で発見しただけでも期待が高まります。物語はルンメイちゃん演じる女性が念願のカフェをオープン。母親が出資者(?)であることから,大学で経営を学んだ(これがあまり使えないのだが)妹もスタッフとして雇うことにする。自慢のスウィーツとコーヒーで自信はあったが,やはりそれだけでは繁盛はしない。オープン記念で友人たちが持ってきたお祝いの品と称したガラクタばかりが店内を占領しているが,ふと妹が思い立って,このガラクタたちを利用して,店内で物々交換をできる店ということで宣伝を始める。それなりに客は入るようになって,そのやり取りや常連さんたちの習性,そんなもので物語が展開する。時折母親が登場して娘たちに助言(説教?)をしたり,個々の場面の映像が凝っていて,物語は対したことないのだが,コメディタッチで飽きさせない。なによりもルンメイちゃんは素敵だし,この妹もなかなか負けていない。邦題の「台湾カフェ・ストーリー」は観る前はいかにも的で気に入らなかったが,本編を観ると「ストーリー」の意味合いが分かって面白い。なお,原題は「第36個故事」で,詳しい意味は分からないが,作品の内容をうまく表現していると思うし,英語題の「Taipei Exchanges」もこれはこれで納得。この36という数字は世界の都市を指しているのだが,地理学的にも面白い作品。

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家を買うということ

わが家の最寄り駅の一つ,東府中の駅近くには住宅展示場がある。先日,その近くで家族で昼食をとった後,帰ろうと思った時に天気雨にあった。雨宿りのつもりで住宅展示場のなかの一つの住宅にお邪魔する。一応ひとしきりお話を聞いたりしたのが,住友林業の家だった。こういうところに入ると,個人情報も含め,アンケート的なものを書くんですよね。その時は家を買うなんて事は全く現実味を帯びていなかったのだが,なんとその営業の人は,私が不在の時に家まで来て,妻にいろいろと説明をしていたらしい。そんなことで,妻は少しその気になってしまい,そして一つ気になると当分そのことについて頭がいっぱいになってしまう彼女のことなので,当分そういう雰囲気のわが家です。

そもそも,私はかつての都市住宅公団のいわゆる5階建ての団地に育った。同じ環境で育っても兄弟で考え方は違うもので,兄は一戸建てへの憧れが強く,20歳台で新築住宅を購入し,既にローンは終了したという。一方の私は現在の不安定な状態(定職に就いていない→住む場所も移動する可能性あり)も含め,家を買うことには憧れはない。もちろん,正直なところでは憧れはあるが,それは日本という社会に育った以上,刷り込まれたものとして理解している。住宅空間に関しては研究上の批判的な意識もあり,なぜ社会通念として出来上がった間取りに自分たちの生活様式を合わせなくてはならないのかという疑問がある。私は家族を持ったが,それでも私の両親は私が今住んでいる部屋よりも狭い部屋で男2人を育てた。家も車も持たない,詳しくは聞いたことがないがローン,すなわち借金というものを基本的に両親はしなかったのだと思う。

一方,私は既に借金がある。父親が死んだのが大学2年生の時。その後,学部で2年間,大学院では修士で2年,博士で3年間奨学金を借りた。それは当時は大学などの研究・教育機関に就職すればチャラになるといわれていたが,結局は未だに就職できていないので,返済している。ようやく来年あたりに完済する予定だ。ということもあって,たとえローンであろうとも借金というものには非常に抵抗がある。今のままの人生では決して大金などを手にすることはできないのだから,せめてその日暮らしでもささやかに暮らしていきたいというのが本当のところ。

もちろん,家族ができたら,そうした人生プランは自分だけのものではない。妻と一緒に息子の成長を見届けながら何十年も生活していくのだ。しかし,それに関しても考えはある。一軒家の持ち家で育つ子どもはもちろん家庭環境的には良いと思う。子どもの頃の生活環境はその人の人生の基礎となる。兄のように,狭い空間での生活を知った上で,自分の財力でその上を目指すのはいいと思うが,逆はどうかと思うのだ。賃貸住宅は基本的に共同生活であり,狭い空間,間借り,燐家との関係,そういう生活を基礎とするのは悪くないと思う。といっても,人は順応するものだからそんなに気にしなくてもいいのかもしれないが。地方の大きな家で育って,今は都会の狭い部屋で一人暮らしをしている人など無数にいるのだから。

ただ,今回いろいろな話を聞いたり,調べたことによれば,住宅ローンというのはいろいろあり,またうまくできている。それは常識なのかもしれないが,住宅ローンには生命保険が一緒になっているのだという。つまり,支払い主が途中で死んでしまった場合,未支払い分の代金分がその保険金によって補填されるのだと。そのことを知って,少し前向きになり,住む場所さえ固定することができれば,マイホーム購入に前向きになってみたいと思う。

10月6日(土)

この日は妻が土曜日出勤なので,私は講義後,映画を2本観ることにした。

渋谷シネクイント 『鍵泥棒のメソッド

『運命じゃない人』『アフタースクール』の内田けんじ監督作品。前作に引き続き堺 雅人に加え,最近さらに映画出演が増えている香川照之に,ヒロインが広末涼子というキャスティングはかなり無難。後日観た妻は「意外性がなかった」とあまり評価が高くなかったが,今から思うとその感想はキャスティングを含めてだったかもしれない。広末涼子はなかなか面白いが,男の主演2人はあまりにも映画に出過ぎているので,彼のようなオリジナル脚本で,テンポと物語展開の魅力を持ってすれば,皆が忘れかけているような,あるいはまだあまり知られてないような俳優を起用して,脚光を浴びさせるというのも映画界にとっては得るものが多いかもしれない。なんといっても,『運命じゃない人』の主演,中村靖日の起用は素晴らしかった(といっても,あの作品では監督もほぼ無名だったわけだが)。

といっても,私はすっかり内田けんじワールドに魅了された。ほとんどリアリティのない設定を不自然さを感じさせない世界を作り出す技術,これこそが映画的エンタテイメントだと思う。確かに,観終わってから妻に意外性がないという感想を聞かされればそうかと思うが,少なくとも観ている間は十分に楽しめた。決して短くはない上映時間も飽きずに過ごすことができた。でも,ひょっとしたら本作は男性目線で面白いのかもしれない。ちなみに,広末涼子演じる女性の姉の役で小山田サユリさんが出演していたのは嬉しかった。

渋谷 ル・シネマ 『わたしたちの宣戦布告

続いて観たのはフランス映画。『マルタ...,マルタ』という10年前の不思議な映画に出演していたので,顔を覚えていたが,ヴァレリー・ドンゼッリという女優さんが主演している,だけでなく,なんと監督も彼女なのだ。しかも,自身の経験を元にした夫婦の物語を,なんと当時の夫であったジェレミー・エルカイムとともに名前こそフィクションにしている(ロメオとジュリエット)ものの,夫婦を演じているのだ。

そして,彼らの経験とは,彼らに授かった息子が悪性の小児がんに侵されていたということ。本作のタイトルは,子どもの病気と闘う意思表明みたいなもの。作品中でも,ちょうど子どもが生まれた頃に米国による対テロ戦争の幕開けのニュースをラジオで聴くシーンがあった。前にも『少年は残酷な弓を射る』の感想で書いたが,この種の実話を日本で映画化するとなれば,深刻な映画になること間違いないが,本作はこの内容でスタイリッシュな恋愛映画に仕上げている。まあ,当事者による監督・主演だからなしえる技か。それにしても,逆にいうと,その時の感情を知っている本人が,それを演技として再現することは,赤の他人が想像上で演じることより難しいのかもしれないと思う。

この映画は幼い子どもを持つ親たちにかなり低い確率で起こった悲劇だが,生まれたての頃のシーンは子育ての経験がある親たちなら納得できるものでもある。最終的にかれらの子どもは恐れている以上の難病だったが,自分の子どもが正常なのか,あるいは何かの病気にかかっていないかという不安は常につきまとう。そう,程度の差こそあれ,これは誰にでも起こりえる,あるいは経験しうる物語なのだ。

でも,それにしてもこの2人はタバコの吸い過ぎだよ。まあ,タバコくらいでとは思うが,多少は影響があったんじゃない,と思わせる演出(?)だった。

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久し振りに家族揃って外出

息子の体調はすっかりよくなりました。密かに心配してくださっていた方,ご安心ください。でも,その代わりか今度は妻の胃腸の調子が悪い。医者に行ったらウィルス性の胃腸炎とのこと。とりあえず,家庭内感染はしておらず,私だけは元気にやっております。

9月は木曜日出勤や土曜日出勤も続きましたが,29日からは大学の講義も始まり,木曜日も会社を契約通り休むことにした。

9月27日(木)

新宿シネマート 『王様とボク

宮崎あおい初主演,今井雅子脚本映画『パコダテ人』の前田 哲監督最新作。日本映画界でかなり優遇されている若手俳優松坂桃李の主演作は初めて観る。また,若手女優のなかでも評価の高い二階堂ふみの演技もまともに観るのは初めて。6歳の時に事故に遭って12年間眠り続けていた幼馴染みが目覚めるというちょっと不思議な物語だが,予告編から受ける印象とは違ってちょっと分かりにくい映画だった。 人気俳優を使いながらもあまり話題になっていないのはなるほどという映画だった。しかし,やはりこういう映画表現は必要だと思う。彼の作品を観るのは『ブタがいた教室』以来だで,あまり作品数の多い監督ではないが,次回作も密かに楽しみにしたい。

9月30日(日)

井の頭公園 三鷹の森フェスティバル

息子の調子もそこそこ良くなってきたので,予定通り吉祥寺に出かけることにした。今回はなんと,このblogにつけられたトラックバックの情報で知ったイヴェントに出かけることにした。といっても,このイヴェントは以前から何度か行ったことがあり,拝郷メイコや竹仲絵里,広沢タダシなど,私の好きなミュージシャンがよく出演していた。 でも,今年は井の頭公園全体で開催されている「全国都市緑化フェアTOKYO」の一環として,特設された屋根のついたステージで行われた。

今年は湯川潮音ちゃんの登場ということで来たわけだが,台風が近づいています。彼女のステージまで間に合うだろうか。吉祥寺駅から歩いていくとこの仮設ステージは公園内でも一番遠いところ。このライヴイヴェントはジブリ美術館の開催ということもあって,美術館の近く。その途中にも都市緑化フェアの催し物がたくさんあって楽しそう。

到着すると,潮音ちゃんの前の森 恵さんのステージがやっています。以前の会場よりも音響設備が派手です。テントの外部まで音が響いています。座席はほぼ埋まっていましたが,後方で三鷹の森ソーダやラムネを飲んで待っていると,終演後かなりの席が空きました。ということで,すかさず最前列を確保。久し振りの潮音ちゃんを間近で観られます。この日のバックは久し振りに鈴木惣一郎さんがいます。そして以前からいつも一緒のベースの伊賀 航さんに,最近よく一緒にやっているギターの安宅浩司さん。惣一郎さんがいるということで,「逆上がりの国」もやったし,個人的にあまり好きではないが,こういう場では必ずやる「緑のアーチ」もかなり自由なアレンジがきいていて新鮮。初めて聴く新曲もあり,新旧織り交ぜて久し振りに聴くにはいいライヴでした。息子は途中で妻に抱かれて寝てしまった。

席を離れて後方に行くと,TOPSさんの姿が。次のステージは妻の好きな羊毛とおはなでしたが,かなり雲行きが怪しいし,まだ息子の体調も万全ではないので帰宅することに。バス停へと向かうところで,ギターケースを持った羊毛さんに遭遇。妻は思わず声をかけていました。

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