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『サンシャイン・クリーニング』の姉妹

12月13日(木)

新宿武蔵野館 『恋のロンドン狂騒曲
ウディ・アレン監督作品。いやあ、なんか普通の映画でした。といっても、決してけなしているわけではなく、もちろんウディ・アレンらしいところもいろいろありましたが、彼が出演していない作品でも、彼が乗り移ったような登場人物が出てくることが多いのが彼の作品。この作品にはいないかな。
といっても、本当にオーソドックスな映画。こういう古典的な映画がはやりこの現代では逆に新鮮に見えますね。そして、肩の力の入っていない感じも気楽なエンターテイメントとして素晴らしい出来。あまり好きではないナオミ・ワッツもいい感じでした。『スラムドッグ$ミリオネア』のヒロイン大人役のフリーダ・ピントも出演しています。相変わらず美しい。こういう映画、落ち着きますね。

この日は10時からの映画の後、移動します。今、WAKO WORKS OD ARTでゲルハルト・リヒター展をやっているということで観に行く。以前、調べた時、このギャラリーは六本木にあることを確認したはずなのに、なんとなく調べたら初台になっていて、出かける前にもう一度確認すればよかったんだけど、そのまま出てしまって、とりあえず新宿から歩いて初台に向かう。頭のなかにある地図を頼りに歩いてみるが見つからないので、とりあえず昼食。そして、オペラシティのなかにあるギャラリーの近くのショップで、美術館・ギャラリー案内の雑誌で確認するとやはり六本木だった。
地下鉄で移動。青山ブックセンター裏手の建物の3階で今度はすぐに見つかったが、どこから入るのか分からない。一通りウロウロしたんだけど、やはり正面のガラス扉から入ってよかったのだった。美術館ではなく、ギャラリーということで、入場無料。私にとっては「世界のリヒター」だが、こんな狭いギャラリーに無防備に彼の最新作が展示されているのも不思議。
今回展示されていたのは、カラフルな横縞模様の作品数点。これは筆で塗られたものではなく、非常に細い色の帯で染めた生地をガラスで覆ったもの。それから、かなり前の作品だが、「8枚のガラスパネル」が展示されていた。この作品がどの美術館の所蔵になっているかは知らないが、日本まで運ぶのにいくらかかるのか、などと思ったり。そして、奥の方の小さな部屋には、今年出版されたリヒターの作品集『ベイルート』から、オイル・オン・フォトといわれる作品が数点展示されていた。そのなのとおり、通常の大きさの写真プリントに油彩を上塗りしたもの。これは現物を見て感激した。思ったよりも小さく(写真プリントだからその大きさは想定できるのだが)、その上に綺麗に油彩が塗られている。この作品集も欲しい。
受付で、清水 穣さんのヒリター本を購入し、受付の女性とちょっとお話しする。それはカナダで製作されたリヒターのドキュメンタリーフィルムの上映が日本で企画されているかどうかという内容だったが、すると奥からこのギャラリーの主催者である、和光さんが出てきてくれた。ついでなので、リヒター作品を論文などで使用する際の版権についても訪ねてみた。非常に丁寧にいろいろ教えてくれたので助かった。困ったときはまた訪ねることにしよう。

12月15日(土)

講義後、吉祥寺に急ぐ。10:30に講義を終え、吉祥寺PARCOで前売り券を購入し、バウスシアターへ。11:10からの上映になんとか間に合う。

吉祥寺バウスシアター 『砂漠でサーモン・フィッシング
ユアン・マクレガー主演作品。前から書いているけど、彼は好きなんですよね。私と同世代で、スクリーンの中ではいろんな職業に就き、いろんな女性を抱き、さまざまな人生を生きている。それはそれで満足しているとはいえ、何の変哲のない私の人生を彼が登場する物語で疑似体験するという悦び。
今回は役所勤めの釣りバカ男。若くして結婚して子どもはなし。マイホームを購入して共働きの日々。そんな彼の人生を大きく変えることになるプロジェクトに巻き込まれることになって。というありがちな展開だが、相手役がエミリー・ブラントってところがまたいいじゃないか。しかも、政府のお偉いさんにはクリスティン・スコット・トーマスが配役されるなど、期待は高まります。ちなみに、監督は『ギルバート・ブレイク』のラッセ・ハルストレム。
一昔前、アフガニスタンでの戦争に英国軍が加勢している時期、スコット・トーマス演じる外務大臣が、なんとか対アラブ世界関係のイメージ向上を狙って目をつけたのがあるプロジェクト。英国好きのイエメンの大富豪が、イエメンで鮭釣りをしたいという無謀な計画。その富豪の英国における財産管理会社の社員がエミリー演じる女性。英国として協力する際の事務員がユアン演じる男性。お互いに恋人と妻とがいるが、この2人が結ばれることになるのは目に見えている。この無謀なプロジェクトをどう実現するのか、現実に基づく外交関係をどのように物語化するのか、2人の恋の行方はどうなるのか、確かに原作は面白そうだが、映画は正直なところ無理があるというかツッコミが浅いというか。確かに、面白いシーンもあったし、俳優たちは魅力的だったし、でも期待したほどではなかったというところ。

12月16日(日)

前日職場の忘年会で多少二日酔いの妻。いつもどおり半日ほどの自由時間をすごすというが、私は無理をいって夕方から近所の映画館で映画を観させてもらう。

府中TOHOシネマズ 『人生の特等席
私も野球を小中と7年間やっていた野球少年だったし、主演がエイミー・アダムスということで、前売り券を買っていたものの、先に妻がその前売り券を使って観てしまい、しかも彼女の評判はよくなかったので、観ようかどうか迷っていた。でも、なんとなくこれを見逃したら後悔する気がして、観ることにした。ちなみに、クリント・イーストウッドは監督としては好きではないが、俳優としては幼い頃からダーティ・ハリーをよく見ていたので、けっこう好き。
ということで、本作はイーストウッドが演じるのが大リーグのスカウトマン。しかし、加齢のためかつての栄光も陰りをみせ、視力も落ち、引退の瀬戸際にいる。エイミー演じるのはその娘。幼い頃に母親を亡くし、父親は彼女を親戚に預けてしまい、不仲の父娘。娘は弁護士としてがむしゃらに働き、昇進を目前にしている。そんな転機を迎える2人がいかにその距離を縮めるか、そんな物語。6歳までしか父親と一緒にいなかった娘がなぜ滅茶苦茶野球に詳しいのか、その辺にちょっと謎が残らないでもないが、物語の展開はなかなか良かったと思う。そして、イーストウッドに頑固な老いぼれじじいをやらせたらかなうものはいませんね。『恋のロンドン狂騒曲』でバイアグラを飲んで若者ぶっているアンソニー・ホプキンスも素晴らしいが。
まあ、ともかく観て良かったと思える作品でした。

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コメント

『砂漠でサーモン・フィッシング』は、こちらでは2月の公開。
一応、観る予定にしています。 あまり期待しない方がいいんですね。 そう思って足を運んだ方が、きっと楽しめるでしょう。
バウスシアターでは爆音映画祭が毎年行われてますよね。 一度行ってみたいような、恐いような・・・・(笑)。
 *********
『人生の特等席』
>前売り券を買っていたものの、先に妻がその前売り券を使って観てしまい、しかも彼女の評判はよくなかったので、観ようかどうか迷っていた。
 先月お会いした時、そんな風な事おっしゃってましたよね。 ご覧になれたのなら、良かった。
私も、帰ってから間もなく鑑賞。 なかなか面白く観たのですが、もう少し盛り上がりが欲しかったかな。 感想日記も、少し迷ったものの結局書かずじまいでした。
 ********
ところで。 ようやく今年のマイ・ベストテンを選出することが出来ました。 『キネマ旬報』読者ベストテンへの投票ハガキを本日、投函予定。
年末に、日記の方で発表するつもりです。

投稿: 岡山のTOM | 2012年12月20日 (木) 04時50分

TOMさん

爆音映画祭,あれ毎年やっているんですね。
確かに,変った映画館です。

『人生の特等席』,予告編では父娘の野球対戦シーンがけっこう大きな盛り上がりの一つと期待していましたが,あっけないシーンでした。

マイ・ベストテン,決まったんですね。
楽しみにしています。

投稿: ナルセ | 2012年12月20日 (木) 18時34分

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