« 地下鉄のミュージシャン | トップページ | 文化とは何か »

ハウスメーカーの注文住宅を選んだ訳

今回は表題にした件について書いてみることにしよう。

実際、土地を探し始めて分かったこと。といっても、全部で10件程度しか実物を見ていないので、私的な感想程度のものではありますが。例えば、私も20歳で一人暮らしを始めるとき以来、今住んでいる所まで、賃貸物件を探すという行為は4回行っています。賃貸物件は仲介する不動産業者の力量や、探すわたしたちの根気や偶然でいい物件を探すことができる。もちろん、住む人が住宅に何を要求するかも変わってくるが、物件の価値と家賃とは必ずしも一致しないという感覚を持っている。
しかし、不動産業者によって扱う物件に差がある賃貸に比べ、土地はそうではないようだ。基本的に特定の業者だけが扱っている土地というのはないらしく、土地という商品の情報は、誰もがアクセスできるように開示されなければならないという。もちろん、売主から直接購入する場合が一番安く、仲介料は業者によって異なるが、基本的には一つの土地物件はどんな業者でも取り扱えるのだと、わたしたちの担当者は教えてくれた。
そして、実際に回ってみると、土地というのはかなり物件の価値と価格とが一致しているように感じた。例えば、新しく整地された開発地であれば、ほぼそのまま建設作業を開始することができる。その一方で、現在古屋が建っている物件は、それを解体する費用が生じる。また、長年住んでいれば、地盤にも変化が生じ、新たに地盤調査をすれば地盤改良費用が必要になってくる。わたしたちがお願いしていた価格帯の場合(土地だけで2000万円以内)、傾斜地に作られた造成地が多く、そういう場合は傾斜地の中で水平面を作るための擁壁が作られている。その強度は作られた時代の基準で、さらに劣化が進んでいる。こちらも場合によっては擁壁の作り直し、あるいはそれに負荷をかけないために建築側に工夫が必要になる。つまり、土地はもちろん場所によって価格が違うのだが、その時の販売価格というのは、そうした購入後に必要となる費用も含めると、ほぼ大きさ、日当たり、立地(駅からの距離など)などに見合った価格が決められているように感じた。
結論。土地を購入する場合にはこの3つの条件の何かを犠牲にする決断に迫られるということだ。最終的なわが家の金額はまだ決定していないが、この価格であればおそらくかなりいい立地のマンションが購入できるに違いない。つまり、立地を優先させるのであればマンションのほうがいいのかもしれない。ただし、価格面からいうと、もちろんマンションは比較的安いのだが、その後に支払う費用として生じる管理費というものは考慮に入れるべき問題だ。きちんと調べたわけではないが、マンションはあくまでも建物の一部を所有しているだけで、建物自体の維持管理費が生じ、さらにそれは建築年数が経てば経つほど高額になっていく。

さて、今度は一軒家の中でも建売と注文住宅の違い。住友林業も建売販売をしています。実際、わたしたちの近くでも販売中のものがあった。しかし、それは高額で手が出ないものだった。その分譲住宅は私の通っていた大学の近くだったので、それなりに土地勘があったが、それにしても高額だった。確かに、元はニュータウン開発のための土地が切り売り販売されていたものらしく、一区画の土地面積が比較的大きいということがあるが、現在私が住んでいる近所に次々と建っている建売はそれより随分安い。大手ハウスメーカーの人は大抵こういう業者を「建売業者」と呼んでいるが、かれらの話によると、こういう比較的安い建売物件は建物を1千万円程度で建ててしまうのだという。それに対し、例えば住友林業だとまあ最低2千万円程度、つまり建物に倍の金額が必要となるということだ。
なので、営業担当者の戦略は融資可能な金額をあらかじめ確認しておいて、住友林業での建築費用を差し引いた額で土地を探すというもの。その結果、わが家は実現に向けて進みだした。

ちょっと具体的な話に傾いてきたので、ここで軌道修正。
土地を先に購入して、その土地にあった住宅を設計していく場合、住友林業のように、注文住宅を請け負っている住宅メーカーか、地元の工務店か、あるいは設計を重視して建築家(あるいは建築事務所)を探すか、という選択肢がある。ちなみに、住友林業は住友グループという大きな企業体の一部なので、住宅建築に関わるいろんなことを一手に引き受けてくれる。例えば、土地探しは住友林業ホームサービスという不動産仲介の会社がやってくれた。社内でも営業担当者の次には設計を担当してくれる一級建築士の設計担当者、そしてインテリア担当者、こちらはまだ先だが、実際の施工に関しては現場監督の担当者がいる。さらに、わが家の場合にはけっこう外構(エクステリア)が重要なのだが、こちらは別会社で、住友林業緑化というところから担当者がつく。もちろん、土地の購入や外構はこれら関連企業にお願いしなくてはならないわけではないが、お願いしてしまえば全部ひっくるめて住宅ローンに組み込むことができる。
大手ハウスメーカーの場合は、その他のこまごまとした手続も代行してくれるというのがある意味ありがたいのだが、その辺はかなり余計なサービス料が発生していることも確か。また、注文住宅といっても細かな部分ではあまり自由が利かないということもあります。住友林業の場合は、建物そのものの品質の高さを売りにしているので、構造自体に費用がかかります。その結果、トイレやキッチン、お風呂、建具などに関しては、「標準品」というのがあり、そうでないものを選択する場合には「提案工事」といって、一気に値段が膨れ上がるということになっています。標準品として組み込まれたトイレやキッチンなどは住友林業で大量に仕入れているため、値段がかなり抑えられているという仕組み。
住宅の構造というのは、もちろん断熱や防音、地震や火災の場合、または長年住んだ場合の耐久性など、生活の根幹に関わるものではありますが、実際の住み心地という点では、あくまでも裏方的なところがあります。実際、新築マンションなどではキッチンやトイレの最新商品を組み込むことで、直接的な利便性を強調しているわけですね。
なので、いろんな注文を付けたいという場合はおそらく建築家を探してお願いする方がいいのかもしれません。その場合は建物の構造を犠牲にして内装や外装のデザインを優先させることも出来るでしょう。しかし、その場合発生した費用が全てローンに組み込めるのかということや、諸々の手続はどうするのか、など不明な点も多いです。でも、大手のハウスメーカーに負けじと、建築事務所や工務店も最近は頑張っているかもしれませんね。そういう選択肢を検討しなかったのは今更ながらちょっと後悔している点でもあります。

ただし、最終的には私が正社員でないという点がけっこう大きく、お願いする住宅ローンは「フラット35」というものなので、ある程度の建築物の品質が要求されるということで、他の選択肢の場合にローンがおりたのかどうなのかということはよく分からない。
ここまでが、わたしたちが大手ハウスメーカーの注文住宅を選んだことの後付の理由です。

さて,先日の『横道世之介』について書き忘れたことを一点。本作の音楽担当は高田 漣氏でした。彼はペダルスチール奏者ですが,有名なフォークシンガー高田 渡氏の息子さんでもあります。といっても,親の七光りなどではなく,独特の音楽センス(そしてファッションセンスがまた面白い!)で地道な音楽活動によって音楽ファンには広く知られています。まあ,この映画の音楽担当を彼がしているというのはエンドクレジットによって知ったわけですが,観終わってなるほどと思えるものでした。といっても,はじめからそのことを知っているのとは違って,意識して音楽を聴いていたわけではないのですが,振り返って思うと,映像の邪魔をしない音楽だったことは確かです。大抵のヒット映画は音楽が必要以上に場面を盛り上げてしまうものですが,本作はそうではありませんでした。そして,そんな彼の周りに集まってくる実力のあるミュージシャンたちが参加していました。ミュージシャンの名前を一人一人エンドクレジットに表示するというのも重要なことです。私はそこを見逃さないように,毎作エンドクレジットが終わるまで席を立ちませんが,大抵の映画は音楽担当者はもちろん示しますが,ここのミュージシャンまでは名前を挙げていません。この辺りも改善して欲しいところ。

3月22日(金)

さて,この日は前日に会社の仕事があまりないことが分かり,急遽お休みにさせてもらった。私の勤める会社は年度末が繁忙期。大学も春休みに入っているので,週4日契約ではありますが,この時期は週5日で勤務しています。それに加え,残業もけっこうしていたので,久し振りに一人で過ごす1日。映画2本と成分献血を予定しました。

東銀座シネパトス 『インターミッション
シネパトスという地下鉄の上の映画館が閉館になる。ということで,樋口尚文なる監督がこの映画館を舞台に最後の作品を撮影した。主演は秋吉久美子。若き夫に渋谷将太が扮する。竹中直人はフィクショナルな人物として出演しているが,多くの俳優が本人役で出演している。「インターミッション」とは舞台や音楽の「休憩」のこと。名画座宣言したシネパトスということで,歴代の名作が上映される合間の休憩時間に起こる些細なことをつなぎ合わせたという作品。まあ,実際カウンターでは本作のDVDを既に販売しているくらいだから,映画作品としての質よりも記念作品というところか。映画のなかでは,この映画館の閉館理由は耐震工事のためとされているが,本当の理由は分からない。まあ,ともかく長く続いた映画館の記録を映画という形で残すのは意義のあることだろう。

新宿に移動。今回も献血ルーム「ギフト」に行ってみる。新宿の街は休日と変らない賑わいだが,この献血ルームは閑散としている。予約なしで行ったし,次の映画の関係もあって,できるかどうか分からなかったが,全然大丈夫だった。

新宿シネマート 『マーサ,あるいはマーシー・メイ
続いて観た作品はこちら。アメリカ中西部(?)の独特の雰囲気を醸し出す作品で,予告編で非常に気になっていた。主人公のマーサを演じるエリザベス・オルセンはこの作品で注目され,出演作品が今後続くようだが,予告編でも非常に魅力的だった。そして,もう一人の中心人物を演じるのはジョン・ホークス。どこかで観たことがあると思ったら,同じような配役で『ウィンターズ・ボーン』にも出演していた。あまり細かい設定を語らない作品。
冒頭,マーサはある集団生活の場から逃走する。助けの電話をかけて迎えにきたのが姉。長期休暇の間過ごすという湖のほとりの一軒家で夫と過ごしているが,その家に居候になる。映画が進展するとともに,その事情がだんだん明らかになる。理由は分からないが,恐らくアルコール依存症になってしまったマーサは療養のためにある場所での集団生活に参加する。そこの指導者がジョン・ホークス演じるパトリック。彼はマーサが着くなり,名前を聞いて,「じゃあ,これからお前をマーシー・メイと呼ぼう」という。表向きは古来の地域社会のように皆が働き,健康で自給自足を目指すコミュニティのようで,参加する者は徐々に気を許していくが,実はそうではないというお話。まあ,よくありがちな設定ではありますが,なかなか面白いです。そして,エリザベス・オルセンがとても魅力的。今後も期待したい女優さんです。

|

« 地下鉄のミュージシャン | トップページ | 文化とは何か »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

「インターミッション」をご覧になったのですね。特に観たいとも思っていなかったのですが、杉野希妃ちゃんも出演しているのを知り、ちょっと心が動いた作品です。
既にDVDが出ているとは! レンタルされるようになったなら、チェックしてみようかな。
結局、シネパトスに入ったのは、今井さんとお会いした2002年の「パコダテ人」の初日、一度きりに終わってしまいました。(通りがかって、チラシを貰いに前まで行ったのは何度かありますが)
まあ、少なからず思い入れのあるシアターということもあり、閉館は残念です。

投稿: 岡山のTOM | 2013年3月29日 (金) 04時34分

TOMさん

杉野希妃さん,確かに出ていました。
といいつつ,私は彼女をしりませんでした。でも,この作品で印象的だったので顔はすぐに覚えたのですが,沖縄国際映画祭のニュースで名前を覚えました。プロデューサーもしているということでビックリ。
映画のなかではおばあちゃんにべったりの役どころだったので,あまり印象は良くなかったのですが。『おだやかな日常』は観なかったなあ...

投稿: ナルセ | 2013年3月30日 (土) 07時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218863/57018727

この記事へのトラックバック一覧です: ハウスメーカーの注文住宅を選んだ訳:

« 地下鉄のミュージシャン | トップページ | 文化とは何か »