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新宿で観たい映画5本

9月7日(土)

新宿テアトル 『ゼンタイ

久し振りのレイトショー。この作品だけは何としても観たかった。『ぐるりのこと。』の橋口亮輔監督の最新作はなんと60分足らずの中編で,レイトショーのみ上映。でも,予告編を初めて観て,橋口監督でなくても観たくなった作品。「ゼンタイ」とは全身タイツ愛好家のこと。作品ウェブサイトを見ると,実在する全身タイツ愛好家と橋口監督の対談が掲載されていますが,それによると本当は全身タイツ愛好家はかなりマニアックな人たちで,性的な意味合い(いわゆるフェティシズム的な)が強いらしい。しかし,作品ではその辺はあまり強調せず,よくありがちな人々の社会関係上の悩みを浮き彫りにするツールとして登場させている。出演者も恐らく舞台俳優さんなどだとは思いますが,実名で登場したり,あまり観たことがある人はいません。でも,だからこそ愛すべき作品。この上映時間は相応しく,さすが橋口監督,きらっと光るものを感じる作品です。

9月15日(日)

台風が近づく中,妻は息子を連れて栃木へと旅立った。妻の母親が一時的に来日しているということで会いにいくのだが,私は自宅の引っ越し作業(この話はまだ書いてないか)などもあって,一人東京に残ることになった。家族と大宮まで一緒に行って昼食を食べて,私は都内に戻る。有楽町に向かいます。公開初日に映画館に行ったものの,2回先まで満席で諦めた『タイピスト!』。しかし,なんと1時間近く前に着いたのに,また満席。さっと諦めて新宿に向かいます。

新宿テアトル 『夏の終わり

こちらも前売り券を購入していた作品。瀬戸内寂聴原作ということにはあまり興味はなかったけど,監督が熊切和嘉で主演が満島ひかりというのはやはり見逃せませんね。相手役で小林 薫と,またまた綾野 剛が出ています。なんでもここ2年間で15本の映画に出演したとか。

満島ひかりちゃんは2009年に『プライド』と『愛のむきだし』で圧倒的な存在感で私の中では一躍注目の女優ということになりましたが,最近では良質なテレビドラマでかなり認知度を高めているようですね。確かに,この作品でも彼女であることが大きな意味合いを持っていると思います。時代的な描写も非常に丁寧で映像的にも素晴らしい作品。でも,ちょっと役どころとしてはひかりちゃんは若すぎたのではないかという気もしないでもない。そこだけが気になってしまう作品でした。

9月16日(月,祝)

久し振りに自宅で一人で迎える朝。一応予定では朝一で新宿に行って映画を2本観る予定でしたが,台風の接近によって風が強かったせいか,家族がいなかったせいかともかく,よく眠れなかった。起きても相変わらずの暴風雨。朝から出かけるかどうか悩む。台風くらいで映画館が上映を取りやめるということはないのが東京だが,電車が途中で止まってしまうという可能性はなくはない。私の家は線路が目の前にあるので,京王線が止まっているかどうかってのはよく分かる。行き過ぎる電車をみると,やはり乗客はまばら。こんな日に出かける人なんていないよな,なんて思って,とりあえず朝一に出かけるのはやめて,少しおさまってからなんて思っていた。しかし,相変わらず電車は動いていて,8時過ぎの上り電車は意外にもけっこう乗客が乗っていた。それを見て,急に気が変る。こんな日でも電車を運行する人たちがいて,そしてこんなにも出かける人がいる。私は家でこんな風にくすぶっているべきなのか。ということで,予定通りでかけた。

新宿シネマカリテ 『タイピスト!

実は,前日に満席で諦めたこの作品。新宿でもやっていたのです。でも1日2回。ともかく行ってみました。結局台風の影響で電車が遅れてしまい,映画館に着いたのはギリギリでしたが,こちらは台風のせいか,朝早いからか,すかすかでした。ありがたい。さて,この作品ですが,まあ,タイトル通り。デボラ・フランソワ演じる女性がタイピストという設定。フランス映画ですが,まだまだ女性の就職が珍しい時代にその憧れの職業としてのタイピストを描いているわけではありません。主人公はロマン・デュリス演じる男性が経営する保険会社の秘書として採用されるが,秘書には向いておらず,タイピングの才能を開花させたいという思いから,タイプライター早打ちコンテストに出場するという物語。なんとこの主演のデボラ・フランソワ,ダルデンヌ兄弟の監督作品『ある子供』,そして『譜めくりの女』に出ていた女優。それら2つの作品ではほとんど笑わない訳でしたが,本作はかなり華やかな役どころなのでちょっと違和感が拭えなかったのですが,後で分かって納得。笑顔が上手な女優さんではないですが,とても奇麗。本作の役どころもなかなか。でも,そんなに日本で人気になる作品とも思えないのだが。

新宿武蔵野館 『あの頃,君を追いかけた

続いて観たのは台湾映画。日本で上映される外国映画のいくつかは本国で大ヒット日本上陸,みたいに宣伝するものなのだが,妻によれば本作は台湾で本当に大ヒットしたとのこと。甘酸っぱい青春映画ってもの昔は日本もあったが,最近はあまりないので,逆に新鮮。私自身,予告編を観て観たくなった作品です。本作には原作があり,自叙伝的な内容ですが,最終的に原作者本人がメガホンを握ったとのこと。監督はギデンズ・コーという名前。主人公は監督の本名でウェブ小説の作家になるというところまで一緒。主人公たちは高校生。冒頭は下ねたタップリなバカな男子高校生の青春劇ですが,特定の男女(主演の男女です)が惹かれ合っていく過程が,かなり男目線的ではありますが,なかなかうまく描かれています。

ここで時間は14時過ぎ。妻がどのくらいに帰って来れるのか。帰ってくる前にもっと引っ越しの準備を進めておくべきか。もう1本映画を観るとそれなりに遅くなるけどまだちょっと早いから献血でもするか。悩んだ挙げ句,先ほどいったシネマカリテで上映中の『サイド・エフェクト』がちょうどよい時間だったら観て帰ろうということになった。

新宿シネマカリテ 『サイド・エフェクト

ということで,結局観ることになったスティーヴン・ソダーバーグ監督が最後の作品と公言している作品。私はしっかり『セックスと嘘とビデオテープ』は観ています。その頃は若く,まだ内容はよく理解できませんでしたが,こういう難しいけどスタイリッシュな映画ってあるんだ,と思っていた。当時からフランス映画は好きだったけど,その難しさとは質が違う。そして随分経って同じ監督の作品に出会ったのが『アウト・オブ・サイト』。ジョージ・クルーニーは知っていたが,ジェニファー・ロペスはこの作品で初めて知る。なんてセクシーな女優さんだろうと思ったら私より1歳年上ということで驚く。この作品は分かりやすかったが,とにかくスタイリッシュでかっこ良かった。その後来るのが『オーシャンズ11』だが,器用な監督だなという印象で,大衆的な作品も多く手がけるようになった。結局それからはあまり彼の作品を追いかけることはなかったが,本作は出演俳優も含めて非常に魅力的だった。

主演はジュード・ロウ。『ソーシャル・ネットワーク』は観ているが,『ドラゴン・タトゥーの女』は観なかったのでルーニー・マーラは初めましてに近い。そして,キャサリン・ゼタ・ジョーンズも出演しています。いやいや,多くを語る必要はありませんね。予想通り,私が好きなソダーバーグ作品です。スタイリッシュでスピーディーで,謎めいていて最後はしっかりとオチがある。彼が監督業の引退をこの作品の前に決めたのか後に決めたのかは分からないが,本当にこの作品が最後になるのであれば,まさに有終の美ですね。

久し振りの3本立てでした。

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コメント

見逃せない橋口亮輔作品である「ゼンタイ」。
新作が完成したのはとても嬉しいのですが、公開規模が小さすぎて、まだ大阪での上映館も決まっていない状態。どうか、青春18きっぷの使える12月頃に京阪神で公開されますように!
「夏の終わり」は、ご近所シネコンでの公開。 あまり乗れませんでした。
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「タイピスト!」、ヒットしているとは聞きましたが、東京ではこれほどなんですね。 岡山で公開されたミニシアターもレディースデーは激戦なのでしょうが、他の日はそうでもなくて。まあ、そこそこ入ってましたけど。
微笑ましい作品でした。でも、これほど人気になるとは、ちょっと不思議。
「あの頃~」は、こちらでは来月の公開。予告編で観たヒロインがかなり私好みだったので、楽しみにしている1本です。
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「サイド・エフェクト」は、2年前の「コンテイジョン」をマイ・ベストテンに入れたソダーバーグ作品なのでいそいそと出かけて行ったのですが、不覚にも居眠りしてしまい・・・。DVDが出たら、見直します。
同監督の「マジック・マイク」が岡山では来月に公開。
今度は居眠りしないぞ!(笑)

投稿: 岡山のTOM | 2013年9月24日 (火) 03時04分

TOMさん

レス遅くなりました。
湯布院レポートでお忙しい中,1作品ずつコメントいただき,ありがとうございます。
『ゼンタイ』,京阪神で上映されるといいですね。
『サイド・エフェクト』は確かに途中,筋が複雑になってきましたからね。
でも,あの作品だったら2度目でも十分楽しめそうです。

投稿: ナルセ | 2013年9月29日 (日) 09時09分

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